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触感
4.食べ飲み吐き××す
しおりを挟む「食人鬼狩りの素顔が分かるかも」――湖畔の古屋敷からの帰りに寄り道したのは、ハルオミの情報通りの雑木林です。
海辺の教会からほど近いこの場所に、食人鬼狩りが待ち合わせる古小屋があるというのですが。林のさらに先は崖というこの場所は、たしかに人が寄りつくことはなさそうです。
夕暮れの海辺を崖の淵から眺めつつ、奥へ奥へと進んでいくと。ハルオミの言う通り、大きな枯れ井戸の側に朽ちかけた小屋が建っていました。しかもヒビの入ったガラスの窓には、人影が映っています。
「食人鬼狩り……?」
息を殺し小屋の方へ近づくうちに、言い争うような声が聞こえてきました。責める低音と抗う高音――どういうわけか、どちらも聞き覚えがある気がします。
「お前が……で……!」
窓辺に寄ってもはっきりとは聞こえませんが。不穏な雰囲気の男女の姿を捉えた瞬間、思わず声を上げそうになりました。
険しい顔で相手を責めている様子の彼は、アール叔父さま。そして苦しげに俯いていらっしゃるのは聖女さま――シスター・アグネスだったのです。
なぜこの2人が、と疑問符が浮かんだ瞬間。彼らの共通点をひとつ思い出しました。
『緑の海』――。
声は鮮明でなくとも、アール叔父さまが「裏切り者」と発したことは唇の動きで読み取れます。一方シスターは言葉を返すこともなく、張りつめた表情で壁の方を向いていらっしゃいます。
そもそも、なぜこのようなところにいらっしゃるのか。叔父さまはなぜシスターをそのように責めるのか――混ぜこぜになった思考を整理する間もなく、後頭部に突き刺さる殺気を感じ取りました。
振り返ると同時に捉えたのは、迫りくる銀の残像。研ぎ澄まされた殺意のこもるナイフです。その奥に見える銀仮面には、No.11と刻まれています。
「……!」
反射でナイフを避け、小屋から離れて茂みに入りました。
何より聖女さまを危険に晒すわけにはいかないと判断したゆえの行動ですが、そもそもなぜ彼女たちは「食人鬼狩りの待ち合わせ場所」で密会していたのでしょうか――姿勢を低くしたまま木々に紛れつつ、太ももの隠しナイフを手に取ると。
いつの間にかNo.11の気配が消えています。追ってくる様子もありません。ひとまず枯れ井戸のすぐ前で足を止め、周囲の様子を観察することにしました。
「何がどうなってるの……?」
食人鬼狩り、叔父さま、聖女さま――次々と憶測が巡る中、肩にそっと何かの重みを感じました。振り返って初めて、それが人の手だと分かったのです。
「え……」
物音どころか呼吸音ひとつ感じなかったというのに――No.7の銀仮面が背後に迫っています。とっさに距離をとろうと退がりましたが、腰を積み石にぶつけ、体勢を崩してしまいました。井戸がすぐ側にあることを失念していたのです。
「あっ」と声を上げる間もなく、蓋をされていなかった暗闇に向けて体が傾いていきます。体勢を立て直すにも、井戸の直径が思いの外大きく掴むものがありません。
転落を覚悟した瞬間、落ちていくよりも早くNo.7に腕を引かれました。
「あなた、やっぱり――」
ほっとしたのも束の間。ぬかるんだ地面のせいで足の力が緩んだのか、No.7の体までもがこちらへ傾いてきました。
息がかかるほどの距離にまで近づいた銀仮面の奥では、深緑の瞳が大きく見開かれています。
「やっぱり……なのね?」
ほぼ確信的な問いへの答えを待つ間もなく、2人重なって井戸の底へ落ちていきました。
猫が高所から落ちる時のように、足と手を下へ向けるよう回転したのですが――そんなことをせずとも、今回は無傷でいられたようです。深さも底にあるものも分からない状況で、No.7の彼が私を抱えたまま着地したのですから。
「『許可なしに触るな』ってルール、また忘れたようですね」
そっと地面へ下ろしてくださった彼から離れ、すぐさまナイフを構えると。もう必要ないと判断したのか、彼は銀仮面を外しました。
「……あまり驚かないんですね」
「前に西区の森で組み合った時、匂いで何となく『そうかも』と思っていましたから」
食人鬼狩りの狙撃手『No.7』――ジェルべ・ハーモニア。こちらが武器を構えたままでいると、あちらも隠し持っていたナイフを構えます。
「森でって、じゃあ半月近く知らないフリをしていたんですか? それも晩餐会の前から」
「確信がなかっただけよ。まぁイーストエンドの夜に出会った時から、あなた十分怪しかったけれど」
やはりあの場で彼と居合わせたのは、偶然などではなかったようです。
「あの晩、獲物を仕留めたのはあなただったのね」
頭を撃ち抜かれた食人鬼の遺体を私が路地へ引きずり込んだため、獲物を確実に仕留めたかどうかの確認にきたのではないでしょうか。
そう問いかけると、彼は口を噤んだままナイフを下ろしました。
「とりあえず出口も見当たりませんし、一時休戦にしませんか?」
天を仰ぐと、小さな月が遥か頭上に見えました。階段も取っ手もない井戸の壁を登って脱出するのは厳しそうです。さらに意外と広い枯れ井戸を見回しましたが、出口らしきものも風の通る気配もありません。
ひとまずナイフを下ろし、「賛成」とため息を吐きました。
「まさか本当にあなたが食人鬼狩りだったなんてね。虫1匹も殺せないようなお顔なのに」
今まで「彼が食人鬼狩りではないのか」という憶測の裏を取ろうとしなかったのは、認めたくなかったから――?
恋人契約中の彼が、こちらとは相反する存在だということを。
「……挑発しても無駄ですよ。食人鬼狩りについて、僕は何も話せません」
これがあのジェルべ・ハーモニアでしょうか。
別人のように重苦しい威圧を放つ彼の側から離れ、枯れ井戸の中を観察することにしました。
天板に細かい傷がついたテーブルにイスが一脚、木の葉の乗った少し埃っぽいベッド、湿った本が無造作に詰め込まれた本棚。つい最近まで誰かが住み着いていたようなワンルームです。ですが水や食料が見当たらないということは、その誰かさんはここに長期滞在していないのでしょう。
「残念ながら水はないけれど、ここを別荘にしている誰かがそのうち気づくかもしれませんね」
あるいは何か道具を使って、このレンガの壁を登れないものでしょうか。ここを別荘にしている方は、どうやって井戸を出入りしているのでしょうか。
背後の壁に寄りかかって思考に耽っているジルを横目に、ちょっとした不安が胸をよぎりました。いったい何日ここにいることになるのでしょう――明日の夜が、ちょうど『特別なディナー』の日だったのですが。
その後も何かを口にしたところで、すべてが独り言のまま終わりました。
「はぁ。喉が乾いたわ」
休戦協定を結んだとはいえ、夜は一睡もできません。ひたすら喉の渇きに耐えつつ、壁から一歩も動かない彼の様子を監視――そうするうちに、いつの間にか頭上から細い光が射すようになりました。
天を仰ぐと、雲ひとつない赤紫の空が円の中に閉じ込められています。
「夜が明けたのね……お腹が空いたわ」
半分無意識のうちに呟いた瞬間。緩やかだった飢餓の波が、容赦なく全身に押し寄せてきました。
通常ならばできるはずの我慢ができません。前回は周期より早めのディナーだったとはいえ、こんなに早く禁断症状が起きるなんて初めてのことです。
昨晩夕食を摂れなかったせいで、飢餓状態が引き起こされたのでしょうか。
息を整えつつ膝をついていると、「具合が悪いんですか?」と肩に手が触れました。いつもの彼と変わらない様子――純粋に心配をしているのでしょう。
「さ……触らないって約束、でしょう」
「言ってる場合ですか、振り払う力もないのに」
「水と食料なしが応えているのか」という彼の問いに、ただ首を横に振ることしかできません。
勝手に荒くなる息を制しつつ「近づかないで」、「触らないで」を繰り返すものの。彼のマフラーの隙間から見える首筋に、思わず目が留まってしまいます。
オイシソウ――。
「もしかしてフルーラさん……『美食家』なんですか?」
否定ではなく「どうして」と返してしまった後、彼は遠慮がちに「ビショップ・ノットもそうだから」と呟きました。
「その……例の肉を定期的に食べないと、飢餓の感覚に襲われるのでしょう? 魔人病と違って衝動を抑えられるといっても、ひどく辛いものだと聞きました」
教会で長く暮らしていたとはいえ、まさかそこまでご存知とは――できるだけ彼の方を見ないように息を整えていると、頭を強い力で抱えられました。さらに驚くべきことに、「食べて」と自分の肩へ私の口を寄せたのです。
「いや! 私は獣じゃない……人間、なの」
「でも食べないと苦しいままでしょう?」
生きた肉を好んで食べるほどの境地に、私は至っておりません。そして未来永劫そうなることのないよう、日々願いながら魔人病の治療法を模索しているのです。
それでもこの口は、目の前の肉を欲して唾液を溜めています。「遠慮しないで」と促されれば、マフラーを外して剥き出しになった首筋を思わず味見してしまいました。
「なら、血だけ」
それでも少しだけ満足できるはずです。
白い肩に噛み付くと、銀食器をずっと口に含んでいるかのような風味が広がりました。
最悪と思いつつも、やはり彼の「味」は芳醇で、体液が甘く感じられます。
「……っ、遠慮しないでいいですから」
吸うたびに軽く震える体から八重歯を抜くと、彼は人形を膝へ乗せるかのように軽々と私の上体を起こしました。「楽になりましたか?」と覗き込んでくる目は、瞬きもせずにこちらを捉えています。
「ええ。借りは作りたくなかったのに」
義父のワインをくすねて酔った時のように、心地よい熱と浮遊感に包まれていると。じっとこちらを捉えていた彼の瞳に熱が灯りました。
「だったら……」
危険――この感覚を私はすでに知っています。
彼の鋭い眼光に対して、本能が警告を出すのはおそらくこれが初めての体験ではありません。それがいつのことだったかと探るうちに、熱を帯びた手がアゴに触れました。
「今すぐその借り、返していただけませんか」
「どうやって?」と首を傾げると。「血をあげて余計に喉が渇いた」と主張する彼は、口付けを要求してきました。
「こんな時に生産性のない冗談ね」
「冗談じゃありません。ここにいっぱい水が溜まっているでしょう?」
まだ血が残っている口内へ親指が侵入し、彼の唇が近づいた瞬間――とっさに顔を逸らしました。それでも諦めない手が、強引に前を向かせようとしてきます。
「やめなさい、契約上のルール違反だと言っているでしょう」
今出せる力すべてで彼の胸を押し返すと、拒む手を乱暴に掴まれました。
「散々人のことを弄んでおいて! 快楽で堕として僕を従順な犬にでもするつもりだったのか? それとも篭絡して口を割らせようとでも?」
手首を掴む手には、骨が折れそうなほどの力が込められています。
言い訳も、反論する余地もありません。彼の言葉はすべて事実ですから。
「そうだと言ったら?」
腕を折られる覚悟で肯定すると、やがて震えるため息が吐きだされました。
「……キミなんか大っ嫌いだ」
好きだ嫌いだといった言葉に意味などないと思っていたのですが。胸の中心を責め立てる痛みのワケは何なのでしょうか。この苦くも懐かしい感覚は、ドア越しの母が消えてしまった時の衝撃と同じ――。
そんなよそ事を考えなければ呼吸が続かないほど、今は彼を真っ直ぐに見ることができません。
「私も嫌いよ。口付けられるくらいなら、喉を潰された方がマシだわ」
少しずつ冷えていく温度に、傷ついた彼の顔を想像してしまいます。それでも言葉を取り消すことなく沈黙を守っていると。
「だったら」
突然体が軽くなったかと思えば、木の葉と砂ぼこりが薄く積もったベッドに転がされました。「何を」と言いかけたところで、両足首を掴まれます。
「何をするのかと訊いているの」
さらにタイツに化けた拘束具、太ももの暗器、その他服の細部へ巧妙に隠した武器や拘束具をすべて地面に捨てられました。あまりの手際に一瞬固まってしまいましたが、すぐ我に返り彼を睨みつけます。
「ちょっと何して……!」
彼は無防備になったスカートを捲り上げると、ストッキング越しの太ももに舌を這わせました。熱い感触と吐息に腰を震わせるうちに、下着の上から匂いを嗅いでいるようです。
「殺す」と言い放つと同時に踵を振り落としたのですが、容易に止められてしまいました。あの程度の血液量では体が回復しなかったのでしょう。
「もう、キミに敵わないフリをする必要もないから」
見当違いなことをのたまう彼は、ストッキングと下着を破り、冷気に触れた肉の割れ目へ舌を差し込んできました。ぬるっとした不快な感覚に腰をよじらせても、太ももを固定されているせいで抜け出せません。
「いや! こんなの……」
「やめない。僕が嫌だって言っても、キミは一度もやめてくれなかった」
熱に浮かされる彼と視線がぶつかった瞬間、ゾッとする感覚が背筋を駆け上がりました。
食べられる――。
痺れるような刺激を与えられる膣口には、常に熱い吐息がかかり続けています。こちらの反応を気にする余裕もないのか、ただ肉と汁を貪り続けるのに夢中の獣――まともな思考が薄れゆく中、ベッドの下へ垂らしていた手に冷たい感触が当たりました。
こっそり拾ったそれを震える手で握り、ためらいなく彼の肩へ突きつけたものの。彼は声ひとつ上げず、冷静に息を整え私の上体を起こします。
「ほら、もったいないですよ。ちゃんと飲んで」
浅くしか刺ささっていないナイフを抜き取ると。彼は私の唇を、鮮やかな色の流れる傷口に押しつけさせました。
肺に充満する濃厚な匂いに酔わないよう、唇を噛みしめ意識を保つ間にも。熱い指先が肉の割れ目をゆるゆると撫で、少しずつ体内へ侵入してきます。2本の指が内側の壁を擦り、反応を探っているようです。
「ここ押すとナカが指を締めつけるの、分かります?」
自身の体のことは、当然私自身が一番把握していますが――口内を満たす歪な恍惚と、下から昇りくる不本意な快楽に、四肢の力が入らなくなってきました。
「満足しましたか? なら……」
甘い痺れに支配された体を再びひっくり返され、「次は僕の番ですね」と太ももに垂れた粘液を吸われました。足の付け根へと進む舌が液体の溢れる穴に到達し、入り口を守るヒダを吸われた瞬間――先ほどよりも鋭くなっている刺激に、思わず声を上げそうになりました。
「殺す、殺す、殺すっ……!」
嬌声を押し込める代わりに現在の心境を素直に込めた言葉をお送りしていると。ずっと触られていなかった陰核を突然甘噛みされ、視界が弾けました。
唐突に訪れた絶頂が彼を調子づけてしまったのか、余分な快楽を逃がそうと腰を反らしても、熱い舌のザラザラした感覚が離れません。
「なんで、こんなことっ……」
卑しい水音が響く中。熱く溶けた粘膜の上を、指か舌か分からないものがうごめき続けています。その中で陰核だけが鋭い刺激を残し、ジンジンと脈打っていました。
「ここも好きなんでしょう? あの時、ナカと一緒に弄っていましたからね」
「なんの、話……」
容赦のない舌は感覚が集中するそこを執拗に舐り、時折強く吸い上げてきます。
「離れて、出ます、出ちゃいますから……!」
激しい尿意を感じたかと思うと、潮か尿かよく分からない液体で彼の顔を汚してしまいました。身に収めきれない屈辱を携え、彼を睨みつけますが――獣はそれをすべて飲み干すことに夢中になっていました。
「はぁ……いくらでも気をやって構わないですから。でも意識だけは飛ばさないで」
そうして束の間の休憩を終えると、彼は先ほどと同じようなことを繰り返しはじめました。外と内から膣肉をしゃぶり、果てる度に粘度が薄くなっていく液体を飲み干す――。
「こうして体液を奪い合っていたら、どちらが先に死ぬと思いますか?」
答えられないと分かっているのでしょう。熱のたぎる目で笑う彼を睨み、せめて「ころす」とお伝えすると。
「試してみましょうか」、と果てて間もない胎を腹の上から押されました。
「これ、好きなんでしょう? 同時にしてあげますね」
先ほどの責め苦が生温いと思えるほどの刺激が、体の芯を突き抜けました。肉のヒダから滴る粘液を吸いつつ胎を揺らされると、果てる感覚がどんどん短くなっていきます。
「はぁっ、もういぃ、触らないでっ」
「やめない。もっと鳴いて、僕にしか見せない顔を見せて」
殺される――快楽と屈辱で焼き切れる寸前まで追い詰められた思考には、「助けて」という言葉だけが繰り返し浮かびます。ですがそれを口にするくらいならば、快楽に殺された方がいっそマシです。
無駄に要領の良い彼の教材にされたまま、いったい何度果てさせられたのでしょうか。一瞬意識が飛びかけていましたが、刺激が無くなったことで、ようやく彼が離れていったことに気がつきました。
仰向けになったまま、砂と埃の舞うシーツを横目に見ると。白濁した体液と透明な液体が混ざり合って染みています。どちらのものかは分かりません――ただ、一度も挿入されることはありませんでした。
もしそうなっていたとしたら、彼は今頃息をしていなかったかもしれませんが。
「……ハーモニア先輩?」
こちらに背を向けたままベッドの縁に腰かけ、肩で息をしている彼を見つけると。
「冷静になって自己嫌悪ですか?」
煽ってみたものの、彼は応えませんでした。
聖職者云々と葛藤していた彼のことですから、指摘した通り今頃になって罪悪感にでも苛まれているのではないでしょうか。
この身に受けた焼けつくような屈辱をお返しして差し上げるため、彼の首筋に両手を伸ばしたその時。
「キミの鳴き声、ここに響いて痛くなるんです。何度出しても全然治らなくて……どうすれば治るのか、知ってますよね?」
再び覆い被さってきた彼に、熱く脈打つ塊を擦り付けられた瞬間。全身の皮ふが粟立ち、落ち着いたばかりの心音が再加速しました。
辛そうに呼吸を乱す彼は、「いれないから」とぬめりを帯びた肉へ熱い塊をあてがいました。何かが往復しているとしか感じないほど、接触している部分は感覚が麻痺しています。
「フルーラ……っ」
私の上で息を荒げ、懸命に腰を振る獣を静かに観察していると。「なぜこのような非常事態に、不衛生なベッドでこんなことをしているのか」、と思考が冷えていきました。
あぁ、きっと場所も状況も関係ないのでしょう――虫も殺せないような顔をしていた彼の本性が、獣を超える存在だったというだけで。
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