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第5章 初めてのお祭り

28.

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【うわぁ❗ 危ないなぁ、もう】
ヌレバは急に手が迫ってきて驚いたのか、軽く怒った口調でそう言った。
「ご、ごめんなさい」
え、今謝ったの?
妖精の姿は普通の人には見えないんじゃなかったっけ?
【もしかして、ヌレバの声聞こえてるの?】
【そんなことはないと思うぞ? タポポ達の声は聞こえないって言ってたし…】
タポポとヌレバがひそひそとそう話す。
「全部、聞こえてるし見えてる…」
「【【えっ⁉️ うそ❗】】」
私達はきれいにハモりながら驚いた。
「嘘じゃない、本当…」
男の人は少し俯きぎみだけどそう答えてくれた。
「すごいすごい❗ 私以外に妖精の声聞こえる人って居たんだ❗ ねぇ、名前は何て言うの? 私はミユキだよ」
私は興奮して捲し立てるようにそこまで話した。
その男の人は、少しおどおどとした様子を見せながらもきちんと答えてくれた。
「ジュラン…」
「えっと…、なんて言ったの?」
男の人は答えてくれたが、あまりにも声が小さかったので思わず聞き返してしまった。
「俺の名前はジュラン」
今度はさっきに比べて大きな声で言ってくれた。
【主、こやつは今言った通りジュランという。 ジュランは獣人という種族だ】
エレンは、情報を付け加えつつ教えてくれた。
「獣人? あっ、だからジュランには耳と尻尾がついてるの?」
ジュランは頷いた。
「獣人には種類がある。 俺は…」
「待って❗」
私は多分なんの種類か言うであろうジュランの言葉を止めた。
「私が当てるから、待って? まだ言わないでね」
そう言ってから私は考え始めた。
う~ん、尻尾の感じからして猫科の動物なことは分かるんだけど…
柄のない尻尾の動物なんていたかな~?
ジュランにしゃがんでもらって耳もしっかりと見せて貰うと、ある一種が思い浮かんだ。
うん、これなら全てが当てはまる。
「分かった❗ ジュランはピューマの獣人でしょ❗」
私は胸をドキドキと高鳴らせながら祈るように手を組んでジュランが正解を言うのを待った。
「合ってる、俺はピューマの獣人だ。 獣人なんかに会いたくなかっただろうに、ここに来てしまってごめんなさい」
ジュランは勝手にそう謝ると部屋から出ていこうとする。
「待って❗」
私は咄嗟にジュランのたらんと垂れ下がった尻尾を掴んだ。
ジュランは驚いたのか目を見開いてこちらを見た。
「あっ、ごめんね。 尻尾、痛かったよね?」
私は咄嗟に掴んでしまっていた尻尾から手を離して、掴んでいた部分を優しく撫でる。
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