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第5章 初めてのお祭り

23.

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「お、俺は約束する。 絶対嘘はつかないと約束する❗」
周りの闇商人達はざわざわとざわつき、リーダーは急にぶちギレた。
「おい❗ なに言ってんだよ、こんな一国のごときにいう台詞じゃないだろ⁉️」
そう言って約束した商人のことを蹴り飛ばすリーダー。
【ほぉ? 一国の人間に言う台詞じゃないと言うか、なら人間じゃなければ良いと?】
エレンはニヤッと笑って私の方をチラッと見た。
なんだ? エレンは何かする気なのか?
【だが、お前が今ものすごく邪魔だ。 周りを見渡しても無駄だ、お前、そうリーダー気取りのお前だ】
エレンの言葉を聞いて周りをキョロキョロとしていたリーダーは言っている意味が心底分からないというかのような表情をした。
【だからお前、一旦黙っておれ】
エレンはそう言って指をパチンと鳴らした。
するとエレンの指先から黒い煙のようなものが出てきて、リーダーの口元に纏わりついた。
「んっ、んん、んんんっ❗」
リーダーは口元に纏わりついた煙を外すために何度も触ろうとするが、煙なので触ることは叶っていなかった。
【安心せい、それがついてても呼吸は出来る。 それもと今すぐ永遠に呼吸が出来ないようにしてやろうか?】
「そっそれはダメだ❗」
端で見学していた私が慌ててエレンのほうに近づきながらそう言うと、1ミリも笑っていない目をこちらに向けてエレンは冗談に決まっているであろう?と言ったが私や商人みんな、その言葉を冗談として受け取ることは出来ないのだった。
【で、人じゃなければいいと言う話だったな。 ほら、これならどうだ?】
そう言うとエレンは背中から翼を出し、服の隙間からドラゴンの立派な尻尾も出した。
だがこの場に合わせてくれたのかエレンの翼はこの前見たときよりも小さく、尻尾もかなり短めだった。
といっても床に着くくらいの長さはあるのだが。
「なっ、なっ…」
商人達はみんな言葉を失くし、口をぱくぱくとさせていた。
「ド、ドラゴンだったのか?」
唯一最初に嘘をつかないと言った者は声を絞り出してそう言った。
【まあな、だからどんな暗闇だろうとお前らの姿ははっきりと見える。 逃げようなどと思うのではないぞ?】
エレンは商人全員のことをキッと睨んだ。
すると、嘘をつかないとと言った者以外は急にガタガタと震え始めた。
「なっ、何をしたんだ⁉️」
私が聞くと、エレンの腕から飛び出したハナが牢屋の中に身体を潜り込ませながら答えてくれた。
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