転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん

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第5章 初めてのお祭り

11.

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それからしばらくお父様とエレンは同じやり取りを続け、今やっと話し合いが終わった。
【それでは、我らは闇商人のところへ行ってくる。 エレナとスズナは主のことを頼んだぞ】
エレンはハナをだっこし、お父様と共に人混みのほうへと向かっていった。
「お父様、エレン、ハナ、頑張ってきてね❗」
私がお父様達の後ろ姿に向かってそう叫ぶと、エレンは片手をあげて答えてくれた。
「それじゃあミユキちゃん、ハロルド達が帰ってくるまでお祭りを楽しみましょうか」
そうお母様に促されて、私達も人混みの中へと紛れていったのだった。


   ***


「エレンどうだ? 商人達は見つかりそうか?」
【ちょっと待て、あと少しだ…】
我は、目を閉じ額に手を当てたままそう答えた。
ここはある通りの路地裏だ、そこでエレン達は作戦会議をしていた。
【ハロルドよ、あいつらが居たぞ。 そこの角を曲がったところだ】
エレンはそう言って路地からでて少し先の角を指差した。
そして、ハナを抱いていたハロルドは、頼んだぞという言葉と共にハナを地面に降ろした。
【分かったわ。 上手くいけばエレンに連絡するから】
ハナはそう言い残し、ふよんふよんと弾みながらエレンの指差したほうへと向かっていった。
我はすぐさまハナの様子を確認するために魔法でなにもない空間にハナの周りで起きていることを映像化した。
この魔法はルーレイといい、注ぐ魔力の量によって見える映像が変わる。
今回は、映像がハナを中心に半径5メートル以内のことが分かるようにしてある。
そして魔力を多めに注ぐことでハロルドもこの映像に干渉することが出来るようにしたのだ。
「エレン、ハナが無事に商人の元へ着いたようだがハナの元へ向かわなくていいのか?」
共に映像を見ていたハロルドがそわそわとしながら聞いてくる。
【ああ、問題ない。 このままハナからの指示が出るまではここで待機をする。 ハナも神獣だ、それなりに戦うことは出来るであろう】
我はそう返すと、映像の中の商人の口許をじっと見た。
【なっ、逃げたとの報告にあったマシュマロスライムか? 逃げたやつがなんでここに…】
「エレン? なにをしているんだ?」
【そんなことよいから逃げぬうちにさっさと捕まえんか❗】
「本当になにしてるんだ?」
ハロルドは、我の行動を見ていかにも不思議そうな顔をしている。
我はハロルドの顔も見ずにこう告げた。
【あいつらの口を読んでいるんだ。 なにモタモタしておる、さっさと捕まえんか】
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