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第5章 初めてのお祭り

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【そうだな、国を消すことだけは辞めておこう】
少し覇気の無くなった声でエレンはそう言った一方で、エレナはまだ諦めていなかった。
がばっと顔をあげると、お父様に向かってこう言ったのだ。
【でも、私はひとりでも国を消すわよ❗ それが主の為になるのなら頑張るわ❗】
【タポポもミユキの役に立ちたいから頑張るぞ❗ タポポは周りをピカって明るく出来るぞ】
【ヌレバも頑張る❗ ヌレバはねぇ、魔法で周りを真っ暗に出来るよ】
タポポとヌレバも、エレナに続いてそう言った。
タポポとヌレバのやることは妖精の可愛いイタズラで済ますことが出来そうだが、エレナやエレンのやることはイタズラで済ますレベルを遥かに超えているだろう。
【なら、私は魔法で色々出来るよ? 攻撃も出来るし生活にも役立つんだから】
それに釣られてか、チェリニーもそう言い始める。
【それを言うならスズナだって出来るもん❗ スズナは神獣なんだよ? サーヤ様に遣える程強いんだからね?】
【いや、タポポのほうができるぞ❗】
【違うよ、ヌレバだもん❗】
【スズナのほうが出来るよ❗】
みんなは途端にわぁわぁと主張し始め、お父様が説教を続けられる雰囲気では無くなってしまった。
「はぁ、もう良い… 分かったからタポポとヌレバ達も落ち着け。 この感じだとみんな喋っているんだろう?」
流石お父様、タポポとヌレバの声が聞こえてなくても話してることが分かるなんてね。
だが、段々とうるさくなってきたのでそろそろ私もみんなを止めることにした。
「みんなストップ❗ 困ったときにはみんなに助けて貰うからさ、今はもう止めて?ね?」
私がそう言うとみんなはすぐに話すことを止めて嬉しそうな顔をして満足げに頷いた。
【え~と、そろそろ話しは終わったかしら? 終わったようなら捕まっている子達を助けに行きたいのだけれど…】
痺れを切らしたハナがそう声をかけると、エレンはさっとハナのことを抱き上げて回れ右をした。
【では行ってくる】
いやいや、今までの流れ分かってた⁉️
勝手に行動するなって話だったよね?
「なんでまた勝手に1人で行動をしようとしてるんだ❗ 今までの話をきちんと聞いていたよな⁉️」
ほら、お父様の横でお母様とお兄様達も首を縦に振ってるよ?
【ああ、勿論聞いていたぞ?】
ならなぜ⁉️と、思わなくもないがそこはエレンだから、で済ませることにしようかな?
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