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第5章 初めてのお祭り

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私達はあれからすぐに、お祭りが行われているサザンカ街へと行き、今は乗っていた馬車から降りたところだ。
「うわぁ~❗すごいね」
馬車から降りた瞬間から、私はお祭りの雰囲気にのまれた。
街には素敵な音楽が流れ、風船や猫のぬいぐるみなどで全体が飾り付けされていた。
「どうだ、この国の祭りはなかなかだろ?」
お父様は、私のことを肩車すると高いところからの景色を見せてくれた。
どこを見てもカラフルに飾り付けられた街中で、至るところから美味しそうな匂いがしてくる。
「お父様あれ、あれなに?」
「ん? どれだ?」
お父様は私の指差した方を見ようとしたが、それが何かを答えることはなかった。
何故なら、「ミユキのこと肩車してるから見えないな❗」と笑いながら言ったからだった。
確かに、お父様の位置からは私の指が見えないとわかったので、私は隣で歩いていたエレンを呼んだ。
そしてエレンにだっこをして貰うと近くにいた元の大きさのスズナを呼んだ。
スズナは最近はずっと元の大きさで過ごしている。
「スズナ、異世界辞典ちょうだい」
スズナはすぐに私の鞄ごとくれたので、私は鞄の中から異世界辞典を取り出して調べた。
あっという間に検索結果が出た。

ホワイトキャット…珍しい種の魔獣で、神の遣いとして崇められることもある。 Cランクだが、かなり強い まだ子供

検索結果をみていると、お母様が私に声をかけてきた。
「ねぇミユキちゃん、それな~に?」
「これは異世界辞典だよ。 なんでも分かるの❗」
私がそう答えると、お母様は不思議そうな表情をした。
「そうなの?でも、私にはなにも見えないわよ?」
お母様は辞典の画面を覗いたり、下から見たりしているが、なにも見えていないようだ。
「えっ、どういうこと? 確かに書いてあるよ?」
私は、内心パニックになりながらも画面を確認する。
うん、確かに書いてある… ならなんで?
【当たり前だよ、ミユキ。 その辞典にはサーヤ様の魔法がかかっていてね、そのせいでミユキとスズナ達契約した者しか見えなくなってるの】
スズナはそこまで説明するとサーヤ様すごいでしょと、自慢し始めた。
「だからなにも見えないのですね」
さりげなく画面を覗いていたフィンリお兄様はそう言うと少し残念そうにした。
【逆に、私達にはしっかりと見えているわよ】
エレナはそう言って画面の文字を読むと、ちょっと待ってとストップをかけた。
【この子、ホワイトキャットは何処にいるの? ねぇ主、これヤバイかも知れないわよ】
えっ? やばいってなにが?
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