上 下
98 / 176
第4章 学校見学に行こう

6.

しおりを挟む
私が頭を下げてそう言うと、スズナ達も頭をさげた。
「あら、きちんとしつけられているわね。 では、魔法石の練習をしましょうか。」
チャル先生が魔法石の練習の準備をしていると、エレンが頭をあげて周りを見回した。
「エレン、どうかしたの?」
【いや、気のせいだったようだ。 安心して続けるがよい。 にしてもあれは…】
エレンは何かぶつぶつ言いながら黙りこんでしまった。


   ***


その頃のハロルド達はというと…

私がミユキ達を送り出していつも通り仕事をしているとそれは唐突に起きた。
「国王陛下❗ 大変です、がっ学校に魔物が向かっているとの報告が❗」
「なに⁉️ 魔物だと? 数や危険性はどれくらいだ。」
私がそう聞くと、教えに来てくれた執事は部屋から出ていった。
それにしても魔物か…
魔物といっても、チェリーラビットのような強い魔物だとヤバいな。
「魔物の種類はチェリーラビットとラピラス、数はおよそ一万はこえているかと…」
「よし、分かった。 向こうにはエレン達もいることだしすぐには平気なはずだ。 たが、できるだけ急いで討伐隊を用意しろ。」
私は指示を出し終えると席を立った。
「ハロルド様、どちらへ?」
アシェルが声をかけてきたが、学校へ行くと言ったら一緒についていくと私のあとを追ってきた。
危険が及ばないうちに行かなければ。


   ***


「それでは、魔法石を手にもって下さい。 それが出来たら魔力を魔法石に注ぎます。」
私は、言われた通り両手で魔法石を持つと魔力を注いだ。
パリンッ 
あっ、魔力を注いだら魔法石が音を立てて砕け散った。
「先生? 大丈夫ですか?」
私の隣では、見守っていたはずの先生が固まっている。
あれっ? もしかしてこれ、失神してない?
「先生~❗ 戻ってきて下さいよ❗」
「ミユキ⁉️ なにがあったらこうなったんですか?」
音に気が付いて他の生徒達も私達の周りを囲んでいる。
その隙間から中に入ってきたお兄様は、私のことを抱き上げて私の目を見てそう聞いてきた。
「えへへ、いつもみたいに魔力を流したら割れちゃったの。 なんで?」
私は、やっちゃったという感じでお兄様に報告をしたあと、こてんと首を横にかしげた。
「「かっ可愛い~」」
いつものことだが、これをやるとみんなが声をあげて倒れるのだ。
だが、今回だけは声だけで誰も倒れはしなかった。
「はっ、気絶していたわ。 でも、なんで突然割れたのかしら。 こんな事例は今まで聞いたことがないわ。」
「あ~、それはたぶんですね…」
お兄様、何か知っているの?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

底辺おっさん異世界通販生活始めます!〜ついでに傾国を建て直す〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 学歴も、才能もない底辺人生を送ってきたアラフォーおっさん。  運悪く暴走車との事故に遭い、命を落とす。  憐れに思った神様から不思議な能力【通販】を授かり、異世界転生を果たす。  異世界で【通販】を用いて衰退した村を建て直す事に成功した僕は、国家の建て直しにも協力していく事になる。

神々の仲間入りしました。

ラキレスト
ファンタジー
 日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。 「私の娘として生まれ変わりませんか?」 「………、はいぃ!?」 女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。 (ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい) カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

平凡なオレは、成長チート【残機無限】を授かってダンジョン最強に! でも美少女なのだがニートの幼馴染みに、将来性目当てで言い寄られて困る……

佐々木直也
ファンタジー
交通事故で死んだオレが授かった特殊能力は──『怠け者でもラクして最強になれる、わずか3つの裏ワザ』だった。 まるで、くっそ怪しい情報商材か何かの煽り文句のようだったが、これがまったくもって本当だった。 特に、自分を無制限に複製できる【残機無限】によって、転生後、オレはとてつもない成長を遂げる。 だがそれを間近で見ていた幼馴染みは、才能の違いを感じてヤル気をなくしたらしく、怠け者で引きこもりで、学校卒業後は間違いなくニートになるであろう性格になってしまった……美少女だというのに。 しかも、将来有望なオレに「わたしを養って?」とその身を差し出してくる有様……! ということでオレは、そんなニート幼馴染みに頭を悩ませながらも、最強の冒険者として、ダンジョン攻略もしなくちゃならなくて……まるで戦闘しながら子育てをしているような気分になり、なかなかに困った生活を送っています。

異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~

夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。 「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。 だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。 時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。 そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。 全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。 *小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

処理中です...