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チャイムがなると同時に教室から飛び出した私達は、急いで家へ向かうとランドセルだけ置いて神社に向かおうとした。
だが、家に入ると同時に黒炎が話しかけてきた。
【おかえりさんって、そんなに慌ててどこ行くんです?】
「ちょっとね、行ってきます❗」
「黒炎も行くぞ」
海斗は黒炎の首根っこを掴んでそのまま一緒に連れてきた。
「えっ、黒炎も連れてくの? まあいいや、とにかく急ごう」
私はそう言うと指をパチンと鳴らしてドアに鍵をかけた。
これは私達が人になった後にも使うことの出来た数少ない神通力のうちのひとつだ。
他にも試してみたところ私は相手の過去と未来を視ることが、海斗は時間を操ることが出来ると分かった。
でもそれらの力を使うと人としての寿命を削ることになる。
まあ、普通の人に比べると私達の寿命は遥かに長いから別に大きな問題は無いんだけどね。
あと、感情によって天候が左右されるのも神としての力による影響だったらしい。
っと、長話はこの辺にして早く神社へ向かわないとね。
***
神社に着くと私達はまず美海那の住む本殿に行き挨拶をした。
私と海斗にはもう聴こえぬ人々の願いを聞き届けてくれているだろうと信じて…
「さてっ、みーちゃんに挨拶もしたことだしそろそろ双葉さんのところへ行きますか」
私達は神社の敷地内にある双葉さんの家に向かう。
「こんにちは~、双葉さんいる?」
私はインターホンを鳴らすとそう言った。
「はーい、今行きます」
とっとっと、階段をかけ降りる音が聞こえた後にドアが開く。
「いらっしゃい。 どうぞあがって?」
「いや、家は遠慮しておくよ。 それよりさ、本殿の中にあがらせて貰えたりする?」
私は無理なお願いだと分かっていながらも双葉さんの答えに期待する。
「ん~、さすがにお父さんに聞かないと分から揃えてないかな。 ちょっと聞いてくるから待ってて!」
家の中に戻っていった双葉さんを見送ると、海斗が不思議そうな顔をする。
「本殿の中に入って何をしたいんだ?」
「ん? ちょっとね…」
私の曖昧な返事に海斗はため息をつくと、ぼそっと言った。
「七海がたまに、何をしたいのか分からない時がある… また俺の前から消えそうで、少し怖い」
「なにか言った?」
聞き返した私の言葉に海斗は首をかしげた。
まぁ、別に関係ないなら無理に聞く必要はないか…
「ところで、俺らはまだ神界に入れるのか?」
「えっ? 入れないの?」
てっきり入れるもんだとおもっていた私は海斗の言葉に動揺した。
【お嬢はもう人間なのですから神界にはもう行けないと私は思いますぞ】
だが、家に入ると同時に黒炎が話しかけてきた。
【おかえりさんって、そんなに慌ててどこ行くんです?】
「ちょっとね、行ってきます❗」
「黒炎も行くぞ」
海斗は黒炎の首根っこを掴んでそのまま一緒に連れてきた。
「えっ、黒炎も連れてくの? まあいいや、とにかく急ごう」
私はそう言うと指をパチンと鳴らしてドアに鍵をかけた。
これは私達が人になった後にも使うことの出来た数少ない神通力のうちのひとつだ。
他にも試してみたところ私は相手の過去と未来を視ることが、海斗は時間を操ることが出来ると分かった。
でもそれらの力を使うと人としての寿命を削ることになる。
まあ、普通の人に比べると私達の寿命は遥かに長いから別に大きな問題は無いんだけどね。
あと、感情によって天候が左右されるのも神としての力による影響だったらしい。
っと、長話はこの辺にして早く神社へ向かわないとね。
***
神社に着くと私達はまず美海那の住む本殿に行き挨拶をした。
私と海斗にはもう聴こえぬ人々の願いを聞き届けてくれているだろうと信じて…
「さてっ、みーちゃんに挨拶もしたことだしそろそろ双葉さんのところへ行きますか」
私達は神社の敷地内にある双葉さんの家に向かう。
「こんにちは~、双葉さんいる?」
私はインターホンを鳴らすとそう言った。
「はーい、今行きます」
とっとっと、階段をかけ降りる音が聞こえた後にドアが開く。
「いらっしゃい。 どうぞあがって?」
「いや、家は遠慮しておくよ。 それよりさ、本殿の中にあがらせて貰えたりする?」
私は無理なお願いだと分かっていながらも双葉さんの答えに期待する。
「ん~、さすがにお父さんに聞かないと分から揃えてないかな。 ちょっと聞いてくるから待ってて!」
家の中に戻っていった双葉さんを見送ると、海斗が不思議そうな顔をする。
「本殿の中に入って何をしたいんだ?」
「ん? ちょっとね…」
私の曖昧な返事に海斗はため息をつくと、ぼそっと言った。
「七海がたまに、何をしたいのか分からない時がある… また俺の前から消えそうで、少し怖い」
「なにか言った?」
聞き返した私の言葉に海斗は首をかしげた。
まぁ、別に関係ないなら無理に聞く必要はないか…
「ところで、俺らはまだ神界に入れるのか?」
「えっ? 入れないの?」
てっきり入れるもんだとおもっていた私は海斗の言葉に動揺した。
【お嬢はもう人間なのですから神界にはもう行けないと私は思いますぞ】
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