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そしてやっと待ちに待った休み時間だ。
「海斗、行こう」
私はいまいち良く分かっていない海斗の手を引いてさっきの階段へと行った。
双葉さんはもう来ていたらしく、階段に座って待っていた。
「ごめんね、待たせた?」
「ううん、私も今来たところ。 ところでそちらは?」
双葉さんは私に気付くとパッと立ち上がった。
「いいよ、座ってて。 こっちは私の双子の弟の海斗だよ。 それじゃあ早速ネタバラシといこうか」
そう言うと私はあのブローチを出した。
「七海、こちらのかたは? 本当に話しても平気な人?」
私が何をするのか分かったらしい海斗は、小さな声でそう聞いてきた。
「こちらは双葉さんだよ。 あの双葉神社の娘さん」
私がそう言うと海斗はほっとしたような表情をして、海斗もまた私と同じようにブローチをポケットから出した。
「改めまして、私は神島七海です。 こちらは双子の弟の海斗です。 そして、このブローチは私ので、こっちは海斗のブローチです。 ここまではいい?」
私が確認をすると双葉さんは頷いてくれたので話を続けた。
「私達は元神です。 いや、正式には今も神かも知れないね」
私は良く分からなくて海斗の顔を見てみた。
「いや、それは七海の専門分野でしょ? 一応今も神なんじゃないの?」
「えっ、どういうこと? 元神様って…」
双葉さんは訳が分からなそうにしていたが、とにかく今はスルーして話を続ける。
「私の本当の名は七海姫神、転生と命を司る神です」
「俺は海陽斗命だ。 太陽と月と時間を司っている。 お前は、俺らのことを知っているだろ?」
海斗がそう言うと、双葉さんは驚いて固まっていたが暫くしてからこくりと頷いて口を開いた。
「そっ、それってさ? 家で、え~と双葉神社で祭っている神様の名前だよね?」
「うん、そうだよ」
私はにこっと笑ってそう言った。
すると、双葉さんは顔をうつむけて何かをぶつぶつと呟き始めた。
「やっぱりそうなんだ。 なら、最近お父さんが神様がいらっしゃらないと言っていたのは本当にいなかったってこと?」
私と海斗は顔を見合せ頷き合うと双葉さんの顔を覗き込んだ。
「うわぁ❗ びっくりした… ふたりとも綺麗な顔をしてるから急に覗かれるとびっくりするよ…」
あらら、それは大変だ。
「大丈夫? ついてこれてる?」
急な情報過多で知恵熱でも出さないといいけど…
「うん、なんとか…」
一度情報整理をしてあげようと思ったところで休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴ってしまった。
「あっ、もう終わりだね。 それじゃあ今日、神社に行くからまた放課後ね」
私は一方的にそう告げると、海斗と共にブローチを仕舞いながら教室に戻った。
「海斗、行こう」
私はいまいち良く分かっていない海斗の手を引いてさっきの階段へと行った。
双葉さんはもう来ていたらしく、階段に座って待っていた。
「ごめんね、待たせた?」
「ううん、私も今来たところ。 ところでそちらは?」
双葉さんは私に気付くとパッと立ち上がった。
「いいよ、座ってて。 こっちは私の双子の弟の海斗だよ。 それじゃあ早速ネタバラシといこうか」
そう言うと私はあのブローチを出した。
「七海、こちらのかたは? 本当に話しても平気な人?」
私が何をするのか分かったらしい海斗は、小さな声でそう聞いてきた。
「こちらは双葉さんだよ。 あの双葉神社の娘さん」
私がそう言うと海斗はほっとしたような表情をして、海斗もまた私と同じようにブローチをポケットから出した。
「改めまして、私は神島七海です。 こちらは双子の弟の海斗です。 そして、このブローチは私ので、こっちは海斗のブローチです。 ここまではいい?」
私が確認をすると双葉さんは頷いてくれたので話を続けた。
「私達は元神です。 いや、正式には今も神かも知れないね」
私は良く分からなくて海斗の顔を見てみた。
「いや、それは七海の専門分野でしょ? 一応今も神なんじゃないの?」
「えっ、どういうこと? 元神様って…」
双葉さんは訳が分からなそうにしていたが、とにかく今はスルーして話を続ける。
「私の本当の名は七海姫神、転生と命を司る神です」
「俺は海陽斗命だ。 太陽と月と時間を司っている。 お前は、俺らのことを知っているだろ?」
海斗がそう言うと、双葉さんは驚いて固まっていたが暫くしてからこくりと頷いて口を開いた。
「そっ、それってさ? 家で、え~と双葉神社で祭っている神様の名前だよね?」
「うん、そうだよ」
私はにこっと笑ってそう言った。
すると、双葉さんは顔をうつむけて何かをぶつぶつと呟き始めた。
「やっぱりそうなんだ。 なら、最近お父さんが神様がいらっしゃらないと言っていたのは本当にいなかったってこと?」
私と海斗は顔を見合せ頷き合うと双葉さんの顔を覗き込んだ。
「うわぁ❗ びっくりした… ふたりとも綺麗な顔をしてるから急に覗かれるとびっくりするよ…」
あらら、それは大変だ。
「大丈夫? ついてこれてる?」
急な情報過多で知恵熱でも出さないといいけど…
「うん、なんとか…」
一度情報整理をしてあげようと思ったところで休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴ってしまった。
「あっ、もう終わりだね。 それじゃあ今日、神社に行くからまた放課後ね」
私は一方的にそう告げると、海斗と共にブローチを仕舞いながら教室に戻った。
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