願いをおひとつ叶えます~仲良し姉弟の最高神が生まれ変わったのは人間の双子でした~

柴ちゃん

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「うん、分かってるよ」
そう言う海斗の声も震えていて、私と海斗の目にはだんだんと涙が溜まってきていた。
なんとか気持ちを抑えようとするが、どんどん悲しみは増えていく一方だった。
その間にも、やんでいた雨がまた降り始め、どんどん雨足を強めていく。
そして風もどんどん強くなってきて、いつしか部屋の窓がガタガタと音を立てていた。
そこに追い討ちをかけるかのように外では雷も鳴り響き出す。
その光景を見て、お母さんと黒炎は慌て始めていた。
「ごめんなさい、少し、いやかなり言いすぎたわ❗ 本当に思っていた訳ではないの。 少し驚きすぎてそう言ってしまっただけよ」
【そっ、そうですぞ。 母上殿がそんなことを本気で思うはずがありませぬぞ】
お母さんも黒炎も、慌てて私達のことを慰め始める。
「「ほんと? もうあんなこと、言わない?」」
私と海斗は、涙が今にも溢れ落ちそうな瞳でお母さんを見つめる。
「うん、言わないよ。 さっきはごめんね、言いすぎちゃったね。 これじゃあお母さん失格ね」
お母さんは、そう言うと私と海斗の頭を優しく撫でてくれた。
「そんなことないよ。 お母さんは悪くない」
「だって、僕達が普通だったら良かっただけの話だもん」
私と海斗は、涙をこらえながらもお母さんのことを許していた。
この頃にはもう嵐は収まってきていて、今は軽く雨が降るだけになっていた。
「そう? ありがとね、でも今一番の問題が残っているわ。」
お母さんのその言葉に、私と海斗は首をかしげる。
「仕事を見つけないとでしょ?」
私と海斗ははっとして、顔を見合せた。
だがそこで、黒炎は軽く咳払いをすると私達に声をかけてきた。
【仲直り中に申し訳ありませぬ。 ちょっとこの後この家の近くにある双葉神社に行ってくださいませ。 急ぎの用でごさいますぞ】
「「神社? なんで? 今じゃないとダメなの?」」
ここは双子らしく声をハモらせて黒炎に聞いた。
【ええ、今じゃないといけませぬぞ。 なんでかは着けば分かるはずですので、それでは行きますぞ❗】
黒炎はそう言うと、有無を言わさぬ勢いで私の服をぐいぐいと引っ張り始めた。
「わかった行くよ、行くから引っ張らないで」
私はそう言うと、海斗と一緒にお母さんの手をとった。
そのまま靴を履くと、家を出てすぐの公園の近くにある双葉神社に私達は向かった。
双葉神社は、千年以上もの歴史を持つとても古い神社だ。
神社に着くと黒炎が神社の本殿へと近付いていき、本殿の前にぶら下げられている鈴に飛び付くと器用にシャランシャランという音をたてて鳴らした。
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