異世界転移したら……。~色々あって、エルフに転生してしまった~

伊織愁

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第五十二話 『大陸へ出発』

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 借りた船は、優斗たちの想像していた船と違っていた。

 周囲で船を出す為、エルフたちが声を掛け合い、出発準備をしている。

 船は、ツリーハウスを作っている樹木で出来ていた。 しかし、見た目は太い幹が船に絡まっている様にしか見えず、帆もない。

 魔法の世界なので、エンジンもない。

 動力源はどうなっているのか訝しんでいたら、操縦室はちゃんと船の前方にある様だ。

 船首の先には、創造主である主さまの姿を切り出した木像が上品に座っている。

 「おお、主さまっ! 久しぶりっ!」

 と瑠衣は木像を見ると挨拶したが、返事がある訳ない。 

 主さまが作った世界は、主さまだけを崇める一神教だ。 主さまの木像は美化されておらず、優斗たちが知っている姿だ。

 「うん、主さまにそっくりだなっ」
 「うん、男性なのか、女性なのか性別不明な美貌もそっくりっ」

 隣で一緒に眺めていた華から、悔しそうな色の混じった呻き声が飛び出した。 

 華が作成するフィギアとどちらが似ているのかと、呟いていた。 

 華の様子に皆から苦笑が零れる。

 (そんなに悔しがらなくても……多分だけど、この船は樹木自体が生きてる。 自分たちを作った創造主だから、そっくりになるんだろうな……。 華のは……妄想が存分に入ってるかなっ)

 華が作成する立体映像は、頭の中で妄想が繰り広げられ、本人はしないだろうな、という表情をしてポーズを決めている。 

 華が作り出した色々な表情をしている優斗の立体映像を思い出し、スッと感情が抜け落ちた。

 「優斗? どうしたの?」
 「いや、何でもないよ。 華が作る主さまもそっくりだから、気にしない方がいい」

 華の頭を撫でてると、嬉しそうに華は両目を瞑った。

 「イチャイチャしてないで、操縦席を見に行きましょうよ。 各自の部屋を決めましょう」
 「僕はお腹空いたよ。 何か食べようよ」

 銀色の美少年と美少女に姿を変えたフィルとフィンが騒ぎ出した。 船の見学がつまらなくなったのだろう。 優斗たちの様子を後ろで見ていた一人のエルフが可笑しそうに小さく笑った。

 「皆さん、仲がいいんですね」

 声がした方へ振り返った優斗たちの視界に、見知らぬエルフが立っていた。 

 彼は優斗たちが訝しんでいる事に気づくと、胸に手を当てて頭を下げた。 

 後ろで控えている二人のエルフも頭を下げる。

 「挨拶が遅れました。 私は大陸までの案内を任されました。 ウルスと申します。 本名は長いので割愛させていただきます。 愛称のウルスと呼んで下さい」

 にっこりと柔らかい笑みを浮かべる。

 ウルスは白い隊服を着ているので、本部から派遣された戦士隊だろう。 ウルスが戦士なのか、術者なのか宣言はなかったが、物腰の柔らかさに彼は術者だろうと思った。 

 しかし、今世の父親である戦士のリューも物腰が柔らかい事を忘れている。

 優斗たちも慌てて頭を下げる。

 「皆さまの事は存じていますので、自己紹介は大丈夫ですよ。 それよりも早めに出発しましょう。 今夜は海が時化るそうなので、夜には危険地帯を避けたいのです。 操縦室へ案内してから、皆さまの部屋へ案内致します」
 「「「「はい」」」」

 優斗と華の後ろへ隠れたフィンとフィルを見つめ、ウルスが笑顔で口を開いた。

 「その後で、食事にしましょうね」

 操縦室は八畳ほどの広さがあり、中央に魔法陣が描かれ、一人のエルフが魔法陣の上に立っていた。

 船の操縦者は優斗たちに気づくと、振り返って笑顔で挨拶をした。 前方の窓際に立っていた二人のエルフも操縦者に続く。

 「次期里長、お会いできて光栄ござます。 私は大陸まで船の操縦を任されました。 アスクレピオスアンテーノールと申します。 どうぞお見知り置きを」

 (うん、多分、覚えられないだろうなっ)
 
 「よろしくお願いします。 あの、さっきウルスさんから海が荒れるって聞いたんですけど……」
 「ええ、大丈夫ですよ。 私は術者で水魔法が得意ですので、海が時化ていも安全に船を操縦できます。 ご安心を」
 「……分かりました、僕たちは船の操縦は素人ですし、任せます。 あ、あと……貴方の事を……えと、アスクレっ……っ」

 (噛んだっ……っ!)

 アスクレピオスアンテーノールは、言葉を途中で詰まらせた優斗を不思議そうに見て、首を傾げていた。 エルフたちは長い名前を流暢に言えるので、名前で詰まらせることがない。

 優斗は頬を軽く染めて口を開いた。

 「アスク、貴方の事をアスクと呼んでもいいですか?」
 「ええ、次期里長に愛称を付けて頂けるなど、とても光栄でござますっ!」

 アスクはとても嬉しそうにはにかんだ笑顔を浮かべた。 後ろの二人の名前も長く、愛称が無い様なので、優斗が愛称を作った。 イアソとオイノだ。 

 二人は戦士で、イアソはエルフ定番の弓と風魔法が得意。 オイノは大斧と土魔法が得意なのだとか。 挨拶も済み、出発前の打ち合わせもあるだろうと、優斗たちは操縦室を後にした。

 先頭を歩くウルスの後に続く。 

 船は大きくもなく、乗っている人数分の部屋があるだけらしい。

 ツリーハウスを作り出している樹木が作っている船だけに、部屋は乗る人数によって変わるらしく、間取りや階数も変わる様だ。 

 優斗たちの部屋は、船の甲板から二階にある部屋があてがわれた。

 二階は四部屋あり、優斗たちは皆、一人部屋をもらった。 優斗、華、瑠衣、仁奈の順にした。

 フィンは華の部屋で、フィルは優斗の部屋を使う事で合意した。 しかし、風神は船の貨物室に入れられた。 もの凄く不満顔をしていたが、大陸に着いたら風神には馬車を轢いてもらう事になっている。

 瑠衣と仁奈、優斗たちも頻繁に貨物室に訪れ、風神のご機嫌を取る事を約束した。 

 大陸までは何週間もかかる。 フィルとフィンが夜は一緒に寝ると言うと、風神も何とか機嫌を持ち直してくれた。

 「華、入っていい?」

 隣の華の部屋をノックしながら、お伺いを掛ける。 部屋も決まり、優斗たちは各自で荷物整理をしていた。 

 直ぐに華から入室の許しが出た。

 華の部屋へ入ると、間取りは優斗の部屋と同じ様だった。 入って直ぐにベッドルームがあり、壁際にクローゼットがある。 

 扉の右側にバスルームとトイレが備え付けられていた。 部屋の広さは大体10畳ほどで、ベッドの他にテーブルとイス、物書きをする為の机もあった。

 優斗はクローゼットを開けて船旅分で衣服をハンガーに掛けていく華を見つめる。

 「華は船酔いとかない?」
 「船酔い……あ、私、前世も含めて船旅って初めてだったっ……船酔いするか分からないわ」
 「そっか」
 「優斗は? 前世の優斗の家って結構、裕福だったよね。 クルーザーとか持ってそう」
 「クルーザーはなかったかな。 まぁ、両親とも会社を運営してたから、裕福ではあったな。 でも、二人とも仕事ご忙しくて、両親と出掛けた事なんて、一度もなかったよ」
 「そうなんだ」
 「うん、家には何時も誰も居ないから、俺はじいちゃんの家に入り浸ってたな」

 快活に笑う祖父の笑顔を思い出し、脳内のモニター画面から祖父の顔がアップになり、笑い声が脳内で響く。

 優斗はダブルベッドに倒れ込み、華の方へ視線をやった。 華も優斗の視線を受けて、そっと優斗の横へ寝ころぶ。 

 ベッドで横になった二人は、向かい合って微笑み合う。

 「じゃ、二人とも初めての船旅だね」
 「そうだな」

 華の頬に手を添えて、顔を近づけたタイミングで扉がノックされた。 誰が扉をノックしたのか直ぐに分かった。 

 瑠衣の声が後に続いたからだ。

 「お~い、優斗。 イチャイチャしてるなよ、残念だろうが飯の時間だ」

 (なんで、俺が華の部屋にいるのが分かったんだっ)

 『単純に、先にユウトの部屋の方へ行ったんじゃない?』

 (なるほど、そうかっ)
 
 本当に残念に思いながら、ベッドから起き上がると、華も苦笑を零しつつ起き上がった。

 (お前、ずっと静かだったけど……何してたんだ?)

 『ああ、上から海を眺めてたんだよ。 本当に危険がないかね』

 監視スキルに納得し、風神の様子を見に行っていたフィルとフィンは、待ちきれず華の部屋の扉を叩きまくった。

 扉が響く音を鳴らし、振動している。

 「「ユウト、ハナ、はやく。 お腹空いたよ~!」」
 「分かったから、今、行くからっ! ドアを強く叩くなっ、壊れるっ」

 『やっぱり、華ちゃんの部屋に居たか』と瑠衣と仁奈が揶揄いながら笑っている声が扉の向こうから聞こえる。 フィンが扉を開けて突撃して来ない訳が瑠衣の次の言葉で分かった。

 「ちゃんと服、着たか?」
 「……っ最初から脱いでないわっ!」
 「……っ」

 優斗は慌てて扉を開けた。 華は優斗の後ろで言葉を失くし真っ赤になっている。

 「早く出て来ないから、そういう誤解を受けるんだ」
 「……っ飯だろう。 早く行こう」

 後ろでニヤニヤしている瑠衣たちを無視して、華の手を引いて食堂へ向かった。

 食堂は一階にある。 いつの間にか既に船は出航していて、港から随分と離れていた。

 「もう、出航してたのか。 気づかなかった」
 「俺も部屋を出てから気づいた。 全然、揺れないのな、この船」
 「本当だ、これなら船酔いとか全く気にしなくていいな」
 「うん、俺も船欲しいな。 後でアスクさんに操縦の仕方、教えてもらおうかな」
 「私も操縦してみたいっ、華、ご飯の後、見に行こうよ」
 「うん、私も見てみたい。 あの魔法陣も興味あるし」
 「じゃ、ご飯の後で見に行こうか」
 
 食堂は優斗たち六人だけだった。 

 他の戦士隊の皆は仕事中という事で、優斗たちだけで食事をする事になったのだ。 

 出された食事はエルフの里に居る時と、全く同じ物が提供され、不満はなかった。

 明日からは自分たちも食事の準備くらいは手伝おうと話し合い、本日はもう寝る為に優斗たちは部屋へ戻った。 自身の部屋でシャワーを済ませると、優斗は当然のごとく華の部屋を訪れ、一緒のベッドで眠った。

 『ん、よいしょっ!』

 華を抱きしめて眠りにつこうとした優斗の脳内で、監視スキルの呑気な声が響く。

 同時に立体型の地図が脳内で広がり、自動で優斗の精神が地図へダイブした。
 
 優斗の精神体が船の真上に飛び、足元に結構なスピードで運行する船が見えた。

 優斗たちが乗っている船だ。 じっと下を見ていると、監視スキルの声が脳内で響く。

 『ユウト、あれを見て』

 監視スキルが優斗の視界を前方へ強制的に向けた。 優斗の視界の先に、雷雲が広がっていた。

 (まだ、遠いなっ! 今、稲光が光ったけど……けど、大丈夫なのか? 船が雷雲に突っ込んでいる様な気がするんだけどっ……)

 『そうなんだよねぇ、普通は避けるよね。 遠すぎるから、まだ大丈夫だけどっ……。 気を付けてね』

 (分かった。 どうやって気を付ければいいか分からないけど、何かあった時の為に脱出する方法は考えておくよ。 風神も居るし……)

 『うん、そうして』

 (こんな時、空を飛べる雷神が居たらなぁって思うよな……無いもの強請りしてもしょうがないけど)

 予告なしに優斗は本体へ戻っていた。

 優斗と華の周囲で優斗の魔力が濃くなって漂う。 監視スキルは船の先に雷雲があるから、油断できないみたいだ。

 小さく寝言をもごもごと言った後、華は優斗の胸にすり寄って来た。 優しく華を抱きしめ、眠る華の唇に、そっと自身の唇を重ねる。 まだ、大陸は程遠い、何事もなく無事に大陸へ着く事を内心で祈った。

 ◇

 「全く、気づいていませんよ、彼らは。 私の事を愛称で呼んで、仲良くなった気になっています」
 『そうですか、では、作戦通りにお願いします』
 「はい、お任せあれ」

 船の何処かで怪しい会話がされていた頃、監視スキルは船の真上にいた。

 優斗たちを乗せた船は真っ直ぐに、遠くで見える雷雲へと向かっている。 

 雷雲の向こうに目的地である大陸があるので仕方がないが、監視スキルは優斗の姿を借りて漂い、雷雲を見つめていた。
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