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1話

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 司祭の説法の後、頭上から眩しいくらいの光の粒が降り注ぎ、祭壇から司祭の古代語の呪文が降りて来る。

 全身を白で統一されている長衣の上着を身に纏い、跪いている膝元まで光の粒は降り注いだ。 風がそよぎ、長衣の裾を揺らしている。 跪いている膝からは、冷たい床の感触が上がって来ている。

 腰まで伸びた長い白髪が肩から流れ落ち、静かに揺れた。
 
 手を組んで祈りを捧げていたが、左手の甲に痛みを感じて、白髪の眉毛と閉じられた切れ長の瞳を歪めた。 祈りを捧げていた左手の甲が微かに光を発し、周囲から騒めきが起こる。

 祭壇で司祭が息を呑む音が耳に届き、成人の義式を行っている白髪の少年が顔を上げた。 痛みを感じた自身の左手の甲に視線をやる。 少年は、金色の切れ長の瞳を見開いた。

 (……これは……もしかしなくても、本物の番の刻印……ですか?)

 古代語の呪文が唱え終わり、白髪の少年と視線が合うと、司祭が少年に笑いかけてきた。 頭上から司祭の柔らかい声が落ちて来る。

 「おめでとうございます、アンガス様。 番の刻印が刻まれたという事は、アンガス様は既に番と出会われておられるという事です。 とてもおめでたい事です」
 「……」

 自身の周囲に視線をやり、司祭や家族、親戚が喜ぶ中、アンガスは信じられなくて戸惑っていた。

 まだ誰がアンガスと番なのか分からないが、本日は数件の屋敷や教会で成人の義式が行われているので、刻印が刻まれていれば騒ぎになっているはず、家族と親戚が直ぐに相手を割り出すだろう。
 
 (……っまさか、私が既に番に出会っているとは……俄かには信じられませんね)

 目蓋を擦った後、じっと、自身の左手の甲を見つめる。 何度も瞬きをしたアンガスの視界には、しっかりと左手の甲には番の刻印があり、擦っても取れない。 どうやら、番の刻印は本物らしい。

 アンガスは眉尻を下げて、大きく息を吐き出した。

 皆が喜ぶ中、アンガスの表情はとても暗い。 アンガスは異性とあまり接した事が無く、どんな態度で接したらいいのか、分からかなかった。 アンガスの番は程なく見つかった様だ。

 「隣領のブレイク家の令嬢が刻印を刻まれたらしい。 向こうもアンガスに刻印が刻まれた事を知って、刻印の確認をしたいと使者がやって来ている」

 親戚縁者から歓声が沸き、当事者よりも喜んでいる様子に、アンガスは自身だけ置いて行かれた様な感覚を味わった。 程なくして、刻印の確認がされ、間違いなくブレイク家の令嬢がアンガスの番だと確認が出来た。 直ぐに顔合わせの日時が両家の話し合いにより整えられた。

 アンガスは再び大きく息を吐き出した。 顔合わせの日を思うと、溜め息しか出ない。

 アンガス・グイベル。 15歳の成人の義式を終えたばかりの白へび族の亜人だ。 成人を機に、アバディ伯爵を父から譲り受け、来年の9月から学園に通いながら、アバディ領の領地経営を学ぶ。

 学園卒業後は、グイベル侯爵家を継ぐ為に研鑽を積みながら、父親の補佐をする事が決まっている。

 (このまま上手く運べば、ブレイク家の令嬢と結婚ですか……)
 
 ◇

 獣人と亜人が暮らす大陸は、ベスティア大陸と呼ばれ、多くの獣人や亜人が暮らしている。 ベスティア大陸は、竜王が治める多種多様な獣人や亜人が暮らすブリティニア王国、蛇王が治める亜人の国カウントリム帝国、狼王の治める狼獣人たちが暮らすシェラン王国の3つの国があり、離れ小島に、鷲王の治める鳥獣人たちが暮らすへディーズ島で構成されている。

 カウントリム帝国は大きな港町もあり、漁業が盛んで、人口の全てが蛇の亜人である。 グイベル家の先祖は、カウントリム帝国から大使としてブリティニア王国に赴き、両国の関係改善の為、話し合いにより、国境の場所にグイベル領が出来た。 グイベル家の当主は代々白へび族の長で、カウントリム帝国の大使も務めてきた。 カウントリムの皇帝は代々、黒へび族である。

 グイベル侯爵領は、森を挟んでカウントリム帝国とブリティニア王国と隣接している。 一応、グイベル侯爵領はブリティニア王国の領土だが、カウントリム帝国の法律が適応され、文化も流れて来ている。 大きな領都グイベルと7つの領地があり、7つの領地を親戚縁者に任せて治めてもらっている。
 
 ◇

 アンガスの番は先祖の縁者で、グイベル家が大使としてブリティニアに赴いた時、一緒に着いて来た家だ。 ブレイク家の長女でローラという。 ブレイク家は武家で、先祖が武勲を上げて爵位を賜り、大使の護衛としてブリティニアに同行した家だった。

 ローラは少し珍しいへび族だ。 黒へび族の父親と白へび族の母親の間に生まれたローラは、黒と白の間に生まれる確率が低い、白へびと灰色へびの特徴を持って生まれた令嬢だ。

 兄と弟は黒へびで、妹は白へびとして生まれている。 ローラの腰まで流れる長い髪は、毛根の白から灰色の毛先へグラデーションされた髪色である。 瞳は蛇の亜人の特徴である金色の瞳ではなく、灰色で、亜人の特徴である切れ長の瞳をしている。

 白へびと灰色へびの特徴を併せ持ったローラの髪色と、灰色の瞳はとても珍しく、アンガスも彼女の事は知っていた。 顔合わせ前にローラの絵姿が送られて来た。 彼女の左手の甲には、アンガスと同じ番の刻印が刻まれていた。

 絵姿を見たアンガスは深く溜め息をついた後、居間のソファで長い足を組み替えた。

 アンガスは自身の部屋の居間に届けられたローラの絵姿を見た後、一緒に同封されていた釣り書きに視線をやった。 生い立ちやブレイク家の内情が綴られていた。 趣味や異性の好みまで書かれている。

 (……全く興味が抱けませんね……絵姿では、やはり何も感じない)

 再び絵姿に視線をやり、アンガスが知っているローラの絵姿に、ローラの特徴をよく捉えていると、内心で感心していた。 切れ長とキツイ見た目で凛々しい容姿だが、実は中身はおっとりしていて、とても大食漢だという事までは分からなかっただろうな、と苦笑を零した。

 (見た目の特徴は捉えているけれど、中身までは分からなかったようです。 ローラも澄ました顔とか出来るんですね)

 所謂、幼馴染な2人は、幼い頃から互いを良く知っている。 親同士が領主と家臣なのだ、幼い頃から顔を合わす事もあり、遊んだ事もある。 しかし、お互いに異性として意識をした事もなく、ましてや伴侶としてなど、考えた事もなかった。

 アンガスには婚約者候補だと言われる令嬢も数人いたらしい。 アンガスは知らなかったが、知らせれば不機嫌になると思った両親が黙っていた様だ。

 既に寝支度を終えていて、白いローブ姿だったアンガスは、居間にある寝室へ続く扉を開けた。

 寝室のベッドに入ると、柔らかい布団がアンガスの体重で沈み込み、マットを軋ませた。 ベッドの天井を見つめ、考えていた事を実行しようと決めた。 両親や親戚縁者は、直ぐにでも婚約しろと言うだろう。

 (外堀を埋められる前に、何とかしないといけませんね。 婚約は、お互いの気持ちが固まってからにしてもらいましょう。 ローラもその方が良いでしょう)

 ◇

 顔合わせの日は直ぐにやって来た。 嫌な事は、嫌だと思ってる以上に早く来るものだ。

 顔合わせはグイベル家の1階にあるサロンで行われた。 ローラの家が治めているブレイク領は、グイベル領の領都グイベルから馬車で2時間ほど走った先にある。 侯爵と伯爵という身分差もあり、家臣という事で、ブレイク家がグイベル領へ来る事に話が着いていた。

 顔合わせの日時をアンガスの都合も聞かず、両家だけで決めた事に一応ではあるが、抗議した。

 『貴方の都合を聞いていたら、いつになっても顔合わせの日付が決まらないでしょう』

 と、母から切れ気味に言われたのが、釈然としない。 『刻印を刻まれました』 『はい、では結婚いたしましょう』とは行かないもので、心が追いついて行かない。 アンガスの母親に言わせれば、本物の番が現れたというのに、二の足を踏むのはアンガスだけだと言う。

 『誰もが本物の番と出会いたくて、堪らないのよっ!』と母親は言う。 堪らないと言う母親は、父親とは偽の番同士、所謂、偽印で結ばれた番だ。 絵に描いたような政略結婚だったらしい。

 (もの凄く、どうでもいいですけど……)

 故に、アンガスの母親が憧れる本物の番に出会いたいと言う気持ちは本物だろう。 熱弁を振るう母親の向かいに置いてあるソファに腰掛けているアンガスだが、隣では肩を落とす父親の姿があった。

 母親はどうあれ、父親は好きで母親と一緒になった様だ。 母親はどうか分からないが、本物の番に憧れが強い事は分かった。 隣から助けを求めるような視線を感じたが、アンガスは気づかない振りをした。

 (父上でどうにかして下さい)

 涙目の父親は、白へび族の長の威厳が全くない。 アンガスは父親に瓜二つだ。 自身と似た顔で涙目にならないで欲しいと、小さく息を吐いた。 されど、最初は政略結婚だった2人だが、今ではとても仲睦まじい事も知っている。

 偽印で結ばれた両親だが、政略結婚を乗り越えて2人は今日まで夫婦としてやって来たのだ。

 (もしも、今、母上に本物の番が現れたとしても、きっと父上を選ぶと思いますよ)

 声に出して言わないが、アンガスがうんざりするほど、普段の両親は仲睦まじい。 母親が落ち着いた頃を見計らい、メイドが紅茶を運んできた。 サロンに紅茶のいい香りが漂った。

 ◇

 番とは、獣人や亜人にとって唯一無二の存在である。 獣人たちが暮らすベスティア大陸では成人すると、それまでに番に出会っていると、成人の儀式で番の刻印が身体のどこかに現れる。

 獣人や亜人たちの大半が本物の番と出会えず、偽印を刻んで政略結婚や恋愛結婚をする。 本物の番と出会えるのは、国民の3割も満たないと言われている。 後の7割の国民が偽印を刻んでいる。

 偽印とは、番の偽の刻印の事である。 獣人や亜人は良くも悪くも、番に縛られる。 唯一無二の番であり、人生を番へ捧げる事も厭わない。 一度出会ってしまえば、離れる事は出来ない。

 しかし、誰もが番に出会えるわけではない。 一生会えない者がほとんどだ。 結婚適齢期を過ぎても番に出会えない獣人や亜人は、相性や家柄、親が決めた者と偽の刻印を刻み、仮初の番になるのだ。

 そして、番が現れなかった精神を慰める。 勿論、普通に恋愛を経て、偽印を刻む者も多い。 平民のほとんどが恋愛結婚だ。

 婚姻後に本物の番と出会ってしまい、悲劇を生んだ事が少なからずあった。 自身や相手が婚姻をしていても、関係なく番を攫って行く。 偽印を刻む理由は人それぞれあるが、今の幸せを壊される事が怖い者ほど、偽印を刻む者が多い。 偽の刻印を刻んで、お互いを偽印で縛る。

 結婚後に本物の番に出会っていても、刻印が出ない様にする為の偽印なのだ。 偽印を刻んだ者は、本物の番と出会っていても気づかない。

 偽印を消す事は禁忌とされ、重罪である。 番が犯罪を犯し、自身が犯罪に加担していなく、被害者と認められる場合、偽印を消す事を考慮される。 考慮された場合、然るべき場所で役人が行う事と、法律で定められている。

 ◇

 香り高い紅茶がグイベル邸のサロンで漂い、両親が落ち着いた所で、ソファに座る位置を変えた。

 父親と母親が3人掛けソファに隣同士で座り、アンガスは向かいの3人掛けソファに腰掛け、口を開いた。 真剣な表情をしているアンガスに、両親は少し驚いていた。
 
 「私から父上と母上に相談があります」
 「……言ってみろ」
 「あら、何かしら」

 父親は、先程の涙目は何処に行ったのか、威厳たっぷりに言い、母親は何処か楽しそうに訪ねて来た。

 「此度の番との婚約を延期して頂きたいのです」
 「……理由を述べよ」
 
 アンガスの話を聞き、眉間に皺を寄せた父親、『まぁ……』と口に手を当てて驚く母親に、アンガスは真剣な眼差しで理由を述べた。

 「私は……まだ、気持ちが固まっていません。 婚約とは、相手と生涯を共にすると約束する事です。 今の私では……その約束は出来ません」
 「……そんな我儘が通ると思っているのかっ」
 「……しかし、ローラを生涯の伴侶にしたいとは……とても思えなくて」
 「ローラ嬢は、とてもいい娘だ。 お前とも仲が良かったはずだが?」
 「確かにローラとは知らない仲ではありません。 しかし、幼馴染以上に思った事が無いのです」

 父親が向かいで座るアンガスをじっと見つめて来る。 母親は父親の答えを待たずに口を開く。

 「アンガス、本物の番に出会うと、とても言い知れぬ感情が沸き起こると言うわ。 ローラと顔を合わせてみてからでもいいのじゃなくて?」
 「しかしだな……」
 「それに、ローラがどう思っているかも分からないわね。 アンガスと同じように戸惑ってるかも知れないわ。 顔を合わせてから、婚約をいつにするか考えたらいいわ」
 「……母上っ」

 小さく息を吐く両親の表情は『仕方がないな』といった感情が出ていた。 しかし、両親はローラとの結婚は覆らないと思っている。 本物の番の刻印が刻まれているのだから、顔を合わせたらどうしよもなく、お互いが引き寄せられるように、心が動くのだろう。

 アンガスは、ローラと顔を合わせて、自身の気持ちが番の刻印によって大きく動かされる事が怖いと思っていた。

 (ローラと会ったら、幼馴染だと思っているローラの事を愛しいとか……好きだとか……気持ちが簡単に変わってしまうのでしょうか?)

 15歳になって成人したが、アンガスは人を好きになった事が無くて、初恋もまだだ。 『恋って何です? それ美味しいのですか?』という位、恋愛事には疎い上に、女心も分からない。

 ブレイク家に何と言えばいいか考えていると、件の令嬢が両親を伴ってグイベル邸へやって来たと報告があった。 まもなく、ローラは両親と共にサロンに通された。

 アンガスは直ぐに立ち上がり、メイドが紅茶カップを急いで片付け、グイベル家の面々はブレイク家を出迎えた。 先にブレイク夫妻が入室し、後ろからローラがサロンへ入って来る。

 ローラの父親は黒へび族で、黒と白、黄のまだら模様の長髪を背中に流している。 母親は黒へび同士の間で生まれた白へび、希少な母親も有名だ。 顔はローラに似ていて、性格は少々キツイ。

 因みに、へび族は男女関係なく長髪が多い、長さも腰まで伸ばしているのが当たり前である。

 ローラが入って来る様子がスローモーションの様にアンガスの視界に映し出された。 同時に、左手の甲の番の刻印が熱く熱を持つ。 咄嗟に左手を抑えて隠してしまった。

 アンガスの胸にローラが番だと、訴えるように心が震えた。 やっと会えたと心が叫ぶ。 ローラと視線を合せると、ローラも呆けた様な表情でアンガスを見つめて来た。

 2人の胸に、今まで感じなかった感情が沸き起こり、そっと左手の甲の番の刻印を抑える。

 先に視線を逸らしたのは、アンガスだった。 自身の胸に沸き起こった感情が信じられず、ずっと見つめていると、ローラの灰色の瞳に囚われそうになり怖くなったのだ。

 (何ですかっ、この感情はっ……っ抱きしめたいと思ってしまったっ、これが好きだと言う感情なのでしょうか? いや、まだ分かりません。 もしかしたら、刻印に引きずられているだけだと言う可能性もありますっ)

 両家が3人掛けのソファにそれぞれ座ると、近況報告や領地の事、他愛ない談笑が始まった。 メイドが新しく紅茶を運び、ローテーブルの上に置いていく。

 ガラスと陶器が当たる小さい音をアンガスは聞き取っていた。 無意識に現実逃避している様だ。

 アンガスの向かいにはローラが座り、優雅に紅茶カップを傾けている。 久しぶりに会ったローラは少し大人びていて、彼女の白から灰色に変わるグラデーションの髪色は、絵姿よりも綺麗だった。

 (確か、前に会ったのは半年前くらいだったでしょうか? 半年、会わないだけで、随分と変わるものですね。 もう少し落ち着きがなかったはずです)

 成人の義式も近づき、社交界デビューも近くなり、ローラの淑女教育が忙しくなってからはあまり会っていなかった。

 メイドがお茶請けにサブレを乗せたプレートを運んできて、ローテーブルの真ん中に置いた。

 ローラの緊張していた表情がサブレを見ると、華やぐように笑顔が輝いた。 お菓子好きな所は、昔と変わらず、幼子の様だ。 サブレに手を伸ばすローラの左手の甲の番の刻印が視界に入り、アンガスの胸が大きく跳ねた。 つい、じっとローラを見つめてしまう。

 ボヤっとローラを見つめているアンガスに、父親が話を切り出す為、咳払いをしてアンガスを促す。

 父親の咳払いで我に返ったアンガスは、自身も咳払いで喉を調整して話を切り出した。 話を聞いたブレイク夫妻は納得のいかない顔をしていたが、婚約をしないとは言っていないので、不満そうにしながらも最後には納得してくれたようだ。

 アンガスはローラに視線を向けて、異論があるかと尋ねた。

 「私も異論はありません。 私もまだ、戸惑っている所で、私も気持ちの整理をしたいですわ。 ですので、アンガス様のお話、お受け致します」
 「ありがとうございます、ローラ」
 「……っ」

 アンガスのホッとしような笑みに、ローラは頬を真っ赤に染めて俯いた。

 「では、2人の気持ちの整理がつき次第、婚約という事でよろしいかな?」

 アンガスの父親が再確認をして話を締めくくると、ブレイク夫妻は頷いた。 2人の様子では直ぐにでも婚約は整うだろうと、暫くは若い2人を見守る事に両家夫妻の意見がかたまった。

 かくしてアンガスは、婚約の延期を手に入れたのだが、ローラと向き合わねばらないのは変わらない。 今後、ローラとどう接すればいいのか、先程沸き上がった感情を受け止められず、途方に暮れたのだった。
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