どうやら異世界の歪みに落ちた様ですっ!

伊織愁

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2話

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 温泉街に繰り出した綾は、何も知らずに屋台の遊びを楽しんでいた。

 「綺麗っ、ほら、釣れたよっ、ヨーヨー」
 「マスター……、遊んでて良いの?」
 
 綺麗の指摘に、綾は首を傾げた。 まだ温泉にも入っていない。 しかし、綺麗は家に帰った方がいいと言う。

 「綺麗がそこまで言うなら、仕方ない。 帰ってみるかっ……」

 記憶の中にある綾のゲームでの家族は、知らない人だ。 しかし、一応は家族だという記憶がある。 少しの違和感に首を傾げたが、老舗だという土産物屋へ向かった。

 綾の実家である土産物屋は、温泉街の中央地区にあった。 大通りに面していて、それなりに大きい。 しかも、沢山の買い物客が行列をなしていた。

 「……売ってるのは、温泉まんじゅうなんだっ……塩が売る甘い温泉まんじゅうっ。 シュールだっ」

 「あっ! ソルティっ! やっと帰って来たっ。 親父、ソルティが帰ってきたぞっ!」

 突然、大きな声がして、綾は振り返った。 彼は兄のソールだろう。 綾の記憶が言っている。 同じ金髪に青い瞳だ。

 「えと、ただいまっ」
 
 恐る恐る帰って来た挨拶をすると、兄にむんずと腕を掴まれた。 戸惑う綾を他所に、兄のソールは引っ張って綾を店の中へ連れて行った。

 店の中は、びっしりと温泉まんじゅうの箱が並べられ、次から次へと客が買って行く。

 店の奥に住居へ続く扉があり、綾は扉を開けた通路に押し込まれた。

 「居間で親父が待ってるから」

 一言だけ言うと、ソールは店に戻って行った。 綾は目を丸くして固まった。

 「まさかとは思うけど、一人で行けと?」
 「だろうね」

 綾の疑問に、綺麗は頷いた。

 口だけで『マジで』と動かし、綾は通路の先を見つめた。 自慢ではないが、現実世界での父とも話をしない。 ましてや、二人っきりなんてなった事がない。

 しかも、記憶にはあるが、綾からしたら知らないおじさんなのだ。

 綾は頭を抱えて内心で叫んだっ。

 ミッションインポッシブルっ!!

 『任務遂行不可能』、綾の脳内で英文と日本語が駆け巡る。

 綾の肩の上で、綺麗が呆れた様な眼差しを向けている事に気づいていなかった。

 「はっ、そうだっ! こんな時こそ、ログアウトして再ログインするのよっ!」

 『よしっ』と気合いを入れたが、ログアウトのやり方が分からない。 何故か分からないが、ステータス画面が出ないのだ。

 なんで? なんでログアウト出来ないのっ? ステータスも見れないしっ。

 「どしたの? マスター?」

 綺麗が肩の上で心配そうな声を出す。

 綾は仕方ないと、諦めて息を吐き出した。 顔を上げた時には、既に覚悟を決めていた。 父親と話すには、子供の方も覚悟が必要なのだ。

 綾に重苦しい空気が漂う。 綺麗が慰める様に鼻を鳴らす。

 いざっ、参らんっ!

 「お父さんと話すのに、そこまで気合い入れないとダメなの?」
 「き、気分よ、気分」

 父親との会話よりも、何でログアウトが出来ないのか気になるわっ。

 居間に入ると、記憶の中の父親が腕を組んでソファーに腰掛けていた。 足元では父親の守護精霊である成獣したサングリエが座っていた。 とても大きくて、沢山の装飾品や紋様が身体に描かれている。

 ムスッとした表情で微動だにしない父親は、とても恐ろしかった。

 父は視線だけで綺麗を見た。

 「無事にサングリエと契約出来たんだな」
 「は、はい」
 
 もしかしなくても、この怖い人が甘い饅頭を作ってるのっ?!

 兄のソールは母親似で柔らかい雰囲気が出ていた。 ソルティ自身も母親似だ。

 綾は父親に似なくて良かったと、内心で呟いた。

 「シユウが知らせてくれたが、ソルティ、お前、冒険者ギルドに登録したのか」
 「えっ」

 あっ、そう言えば、シユウさんが父を知っているって言ってたっ。

 「……はいっ」
 
 父親であるソルトが深い溜め息を吐き出した。 ソルティと同じ青い瞳を鋭く光らせ、自身の娘を見つめる。

 「冒険者になるという事が、お前はどういう事か分かっているのか」

 危険だって言いたいのよね? でも、リセット出来るしっ……。

 しかし、ログアウトが出来ない状況で、果たして死んだ時に、街で復活が出来るのか怪しいと思いだした。

 何か不測の事態が起きているのかも知れない。

 顔を青ざめさせている綾を見て、ソルトは再び深い溜め息を吐いた。

 「もし、冒険者を続けるのなら、死ぬ覚悟はしておけ。 冒険者を辞めるのなら、大人しく店を手伝え。 直ぐに嫁に行けとは言わん」

 綾は父親の迫力に呑まれ、口を閉ざしてしまった。 ソルトが居間を出る時、父親から信じられない言葉を聞く。

 「冒険者ギルドで契約精霊の事を聞いた様だが、アレに出会える事は稀だ。 誰でも契約できる精霊ではないぞ」
 「えっ」

 綾が説明を求める前に、ソルトは居間を出て行ってしまった。 父に続いて出て行ったサングリエが意味深な笑みを送って来る。

 「……おかしい、契約精霊ってプレイヤーは皆、契約できるでしょっ」
 「えっ、出来ないよ」
 「えっ、本当にっ?!」
 「うん、マスターが言うプレイヤーが何か知らないけど、契約精霊は滅多に会えないのは本当だよ」
 「……っ」
 「だって、精霊王になれる精霊だよ。 そんなの、簡単に会えないよ」

 綾は分かりやすくショックを受けた表情を浮かべた。

 「じゃ、どうやって会うの?」
 「それはボクには分からないけど……契約精霊は世界に12体いて、精霊王は条件を満たした精霊がなれるんだよ」
 「そうなんだ、じゃ、契約精霊を持てる人は12人って事?」
 「ううん、契約精霊は何体でも持てるんじゃなかったかな? 違ったかな? その辺は分からないよ」
 「そう……」

 ゲームの説明と違う様な、あ、でも、精霊王は世界で一体って書いてあった様なっ? プレイヤーが皆、契約精霊を持てる訳じゃないの? でも、精霊王にする為に世界を旅するゲームなんだよねっ。

 「ダメだっ、頭がおかしくなって来たっ!」
 
 まだVRゲームをしていると思っている綾には、ゲームとの齟齬に悩まされ、頭を抱えていた。

 ◇

 自然の中で目を覚ました圭一朗は、出来る事から始める事にした。 身体が透明なので、相手から見えているかどうかも分からない。

 「レベル上げと言えば、やっぱり魔物狩りだよなっ」

 先ず、実体がないと魔物狩りは出来ない。 本当に魔法が使えるのか分からない。 

 主さまは、なんて言ってたっけ?

 「契約精霊に魔法石を与えるって言っていたな。 もしかして魔法石を手に入れれば、魔法を使える?」

 圭一朗の周囲には同じ様な精霊がいて、人型なのは圭一朗だけだ。 皆は様々な虎の姿をしている。 彼らを見て、圭一朗は訪ねてみた。

 「あ~、お前たち、魔法石が何処にあるか知らないよな?」

 圭一朗の呼びかけに、皆は顔を上げる。

 一匹の虎が圭一朗の前まで進み出て来て、頭を下げた。

 「知っておりますよ、私が案内しましょう」

 進み出て来た虎は踵を返すと、森の中へ分け入っていく。 後に続いた圭一朗は、辿り着いた先に見えた洞窟を眺めた。

 虹色の瞳を見開き、圭一朗の口から感嘆の声が漏れた。

 「ここに魔法石があるのか?」
 「ええ」
 
 いつの間にか、他の精霊たちも、後ろから着いて来ていた。 小さい子虎たちが洞窟の中を戯れながら歩く姿は、とても可愛らしい。

 暫く歩くと、赤い色をした石が洞窟の壁に散りばめられている光景が視界に飛び込んで来た。

 「おぉ~、凄いなっ」

 洞窟の壁に嵌っている赤い石に触れると、赤い石が圭一朗の中へ流れ込んで来た。 実体が無いのに、圭一朗の身体が熱くなった。

 圭一朗の脳裏に一つの魔法が刻まれる。

 『赤い魔法石を一つ入手しました。 炎を纏う事が許されました。 炎レベルが1
、上がります』

 ほう、炎を纏うってどう言う事だっ?

 言葉通りの意味で、身体に炎を纏う事ができる。 しかし、どうすればいいのか分からない。

 「どうやって纏えばいいんだっ?」
 「拳とかでしょうか?」
 「成程、拳に炎を纏わせて殴りつければいいのかっ」

 なんか、俺のキャラに合ってない様な気がするけどっ。

 洞窟の壁に嵌った煌めく赤い石を眺める。

 「まだ、沢山あるな。 しかし、レベル1と言う事は、まだ上があるって事だよな?」
 「そうですね」

 先程から相槌を打ってくれている虎の精霊に視線をやる。 彼なのか彼女なのか、声を聞く限りではオスだろうと思う。

 彼の眉間から額にかけて、紋様が描かれている。 身体の縞模様にも、黄色と黒色、そしてグラデーションの紫が入っている。 角も生えている。

 派手な虎だなっ……。

 『眷属その1 、中精霊』

 「眷属って? しかも、その1って?」

 圭一朗を囲む虎の姿をした精霊たちを見回す。 頭上に、1から12の数字が表示されていた。

 「我々は貴方の眷属です」
 「えっ、何で? いつそうなった? もしかして最初から?」
 「いいえ。 先程、貴方様が精霊たちに声を掛けた時、答えた精霊が貴方の眷属になりました」
 「そうなんだっ……」

 知らない内に眷属を作ってしまったっ!

 「精霊王になられるには多くの眷属を持つ事を必要とされます」
 「はぁ~っ」

 分からない事だらけだけど、彼らの助けがあれば何とかなるんじゃないのか?

 「先ずはレベル1で慣れてから、レベルを上げた方が宜しいです」
 「という事は、ここにある魔法石を今、全部、取り込まない方がいいって事か」
 「はい」
 「分かった、ありがとう。 因みになんだが、ここにある魔法石は誰かに取られたりしないか?」
 「ええ、大丈夫です。 ここは穴場なので、見つかりにくいですので」
 「うん、分かった。 じゃ、外で試してみようか」

 圭一朗は12体の眷属を連れ、洞窟の外へ出た。

 「さて、炎を纏うか……拳は何か違うと思うんだよな」
 「……そうですか」
 「うん」

 腕を組んで考え込む。 肩に掛かる長い布が少し邪魔になる。

 「この服、何とかならないかな? 後、長い髪も纏めたいしな」

 自身の長い金髪を持ち上げ、眉を顰める。 すると、髪が勝手に編み込まれて一つに纏まる。 身体に巻き付いていた布が圭一朗が想像した服へと変わった。

 「おぉ、袖が邪魔にならない!」

 少し精霊らしく無いだろうが、まぁ、いいか。 こちらの世界の服装は分からないしな。

 「また邪魔になったら、服装を変えればいいか」
 「では、拳以外で炎を纏わせそうな物を考えましょう」
 「ああ、そうだな」
 
 眷属その1が恭しく宣う。 力強い味方を手に入れた圭一朗は、自身の眷属に笑いかけた。

 「そうだ、お前には名前があるのか?」
 「いいえ、私だけでなく、ここにいる12体の精霊もありません」
 「そうか」

 圭一朗は、自身を囲う虎の姿をした精霊たちを眺め回した。 12体は、位も紋様も違う。 角アリ角ナシもいるので、成長しても区別が付くだろうと思われた。

 えと、成獣が四匹、幼生が三匹、その間の虎が一番多くて、五匹か。 うん、全部で十二匹だな。

 「じゃ、俺が付けても大丈夫か?」
 「はい、それはとても幸せな事です」
 「分かった、名付けよう。 やっぱり名前ないと不便だからな。 一緒に着いてくるなら、自然と付けてしまうだろうしな」

 改めて眺めると、皆、黄色地に黒の縞模様の他に、一色だけ違う色が入っている。

 灰色地や白地、茶色地もいるけど、安直だが、色で決めるか。 一番、見分けが付くしな。

 「じゃ、紫のお前は……そのままムラサキでいいか? あ、でも少しは捻りたいよな……うん、紫月(しづき)にしよう。 琥珀色の瞳が月みたいだしな」
 「ありがとうございます。 私は今から紫月です」

 紫が入った縞模様の精霊、紫月が恭しく頭を下げる。

 「じゃ、後は……」

 紫の他に、青や赤、緑にピンク、灰色の肌に黒と黄色の縞模様もいる。

 「青は青葉、赤は赤羽だ」

 青はアオでいいかと思ったが、見たままというのも気が引けたので、少しだけ葉っぱを足してみた。 赤羽は、背中に小さいが、赤い羽模様があったからだ。

 青葉と赤羽は、成獣と幼生の間くらいだ。

 「緑はリョク、ピンクは……安直な名前しか思い浮かばないっ」

 リョクは幼生。 ピンクが入った縞模様の精霊は、まだ幼生だ。 首を傾げる仕草が、ピンクだけにとてもあざと可愛い。

 「うん、ピンクは桜花だな。 で、灰色のお前は……」

 うん、アレしか思い浮かばないっ、でもアレを付けるのはダメだっ。

 「灰色はカッコいいのがいいな」

 灰色の精霊も幼生だ。 桜花と同じ様に首を反対側に傾げている。

 「灰色はシンザだ。 ポルトガル語で灰色って意味だよ」

 幼生の三匹は色以外、まだ特徴がなくて、普通に可愛い子虎だ。

 後、半分もあるのかっ…….。 名付けって以外と大変だな。 折角なんだから、適当につけたくないし……。

 白地に黒の縞模様の成獣、ホワイトタイガーに似ているが、額と足元に紋様がある。 物凄くカッコいい虎が、前に出て来た。 次は俺の名前を付けろと言わんばかりに圭一朗を見つめてくる。

 「白黒か!……かっこいいなぁ」

 頭を捻り、暫し考える。

 「白夜(はくや)にしよう。 それでいいか?」

 白夜は知能が高そうなので、訪ねてみた。 彼は満足気に頷くと、他の精霊に前を譲り、後ろへ下がった。

 うん、やっぱり賢い。

 後は茶色と水色、黄緑と橙色、黒色だ。

 茶色は茶色地に黒と黄色の縞模様で成獣だ。 額から一本、角が生えている。

 「茶色かっ……じゃ、亜麻音だ」

 圭一朗の脳裏にある歌が流れ、うんうんと頷く。 八匹に名前を付けて気づく、ほぼ日本名だと。

 まぁ、中身が元日本人だし仕方ないよな。 後、四匹っ!

 水色と黄緑、橙色は成獣と幼生の間の姿で、若者らしさが出ていた。 三匹は勢いで付けた。

 「水色は水姫(みずき)、黄緑は萌葱(もえぎ)、橙色は伊吹だ」
 
 三匹は紋様が額にあり、尻尾が黒一色だ。 まだまだ、成長するにつれて姿も変わっていくのだろう。

 最後は黒地に金の縞模様の成獣だ。 

 白の紋様が額と足元にあり、額には短いが二本の角がある。

 「黒もカッコいいな、しかも、1番派手じゃないか?」

 黒にもカッコいい名前を付けたい。

 「黒はクロガネにしよう」
 
 彼も知能が高そうだ。 やっと十二匹に名前を付け終わり、満足した圭一朗は、自身のレベル上げに集中する事にした。
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