番シリーズ 番外編

伊織愁

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『白カラスにご慈悲を!!』〜番外編 結婚編 参〜

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 ブリティニアには、古くから伝わる婚姻の儀式がある。 婚約式で、新郎が手作りしたブーケを新婦へプレゼントし、ブーケの一輪で新婦が手作りしたコサージュを、新郎が婚姻の儀式で胸元を飾る。

 婚約式で新郎から渡されたブーケは、婚姻式まで大切に育てられ、綺麗なままの状態を魔力を注いで保たれる。 昔々の王家の婚姻から始まった慣習だ。

 婚姻式までブーケの管理をしていたリィシャは花びらを散らせてしまい、ユージーンから説教されると思い込み、クロウ家のタウンハウスを飛び出してしまった。

 しかし、パニックになってクロウ家を飛び出し、唯一、相談が出来そうなローラの元へ来たものの、リィシャは既に後悔していた。

 夕食の席で、アンガスからユージーンへ連絡したと報告をうけ、ユージーンからの手紙を受け取っていた。

 ーシア

 君を無事に保護したと、アンガス先輩から報告を受けたよ。 シアが無事で本当に良かった。 暫くそちらで過ごしたいとも聞いた。 シアはきっと僕が怒ると思っているんだよね? 勿論、怒っているよ。

 「ひっ!!」

 リィシャから小さい悲鳴が溢れ、手紙を持つ手に力が入り、紙が潰される音が鳴る。 喉を鳴らして、何とか続きを読む。

 シア、僕が怒っているのはね。 日が沈むというのに飛び出して行った事。 そして、僕がシアの気持ちを疑うなんて……シアが僕の気持ちを分かっていなかった事。
 花びらが散ったくらいで、シアの気持ちを疑うなんてしないよ。 花びらが散るなんて、想定内だからね。 相談して欲しかったな。

 「……ジ、ジーンっ」

 リィシャのエメラルドの瞳に涙が滲んだ。 滲んだ瞳でユージーンからの手紙を読む。

 シアは少し疲れているんだよね。 ゆっくり休んで、今までシアが頑張ってくれたブーケの管理は僕がしているから。 シアが帰って来たら、二人で話し合おう。

 最後に愛しているとジーンの綺麗な字で綴られていた。

 リィシャが案内された部屋は、アンガスとローラが暮らす屋敷にある客室だった。

 寝室に居間、お風呂にトイレ、食堂と衣装部屋があり、居間には庭が作らていた。

 居間と庭を繋ぐ両扉を開け、庭の花壇を眺める。 もう、日は既に沈み、夜の帷が降りている。

 床にクッションを置いて腰掛ける。

 への字を作った口元から、大きな息が吐き出された。 リィシャの手には、ユージーンからの手紙が握られている。

 「……帰るタイミングを逃してしまったわっ」

 全部、ジーンのお仕置きが怖いからいけないのよっ!! お仕置きの事は手紙には書いてなかったけどっ。

 タウンハウスから飛び出し、ユージーンとの繋がりを切ってしまい、再び繋がるにはどうすればいいのか分からなかった。

 好きな気持ちは変わらない。 しかし、中々、家へ帰りたいとは言い出せなかった。

 「謝って帰ればいいんだろうけどっ、」

 再び、リィシャから虚しい溜め息が吐き出された。

 ◇

 翌朝、アンガスとローラ、リィシャの三人で朝食を一緒にした。 お客様がいる場合、領主館にある食堂を使用するそうだ。

 食堂の奥にはキッチンがある。 二人だと、部屋にある食堂を使っているのだとか。 伯爵領と言っても、広くもない領地なので、小さい領主館を建てて代官を雇って管理をしていたのだと。

 目の前に座るアンガスから声をかけられ、リィシャも笑顔で答える。

 「よく、眠れましたか?」
 「はい、ありがとうございます」

 メイドがリィシャの前に朝食を運んでくる。 デザートには好物のカスタードプリンもあった。 昨夜よりもメイドが増えている。 通いのメイドと住み込みのメイドを雇っているようだ。

 踏み台が付いているベッドは初めてだった。 いつもより高い位置にあるベッドは違和感があったが、一晩中、飛んでいて疲れていた。 最高級かと思われる布団は、とても寝心地が良かった。

 「ふふっ、良かったですわ」

 ローラは目の前で、クロワッサンを次々と口に運んでいた。 初めてローラと学園の食堂で一緒に昼食をした事を思い出し、懐かしさに頬を緩める。

 ローラ様っ、相変わらず沢山、召し上がるのねっ。

 和気あいあいと話している内に、朝食は食べ終わり、今後の予定を話す事に。

 そして、リィシャにとっては嫌な事も、アンガスの口から報告された。

 「コモン子爵令嬢。 学園を暫く休む事で、学園から課題が出されます。 近日中には届くそうです」
 「か、課題ですかっ?」
 「ええ、どんな理由があったとしても、学生の本分は勉学ですからね」

 和かな笑みを残し、アンガスは仕事をする為、食堂を出て行った。

 「シア様」

 落ち込んでいるリィシャにローラが悪気なく追い討ちをかけて来る。

 「大丈夫ですわ。 私もお付き合いします。 アバディ領に来たから成績が下がったなどあってはなりませんし、言わせませんわっ!」
 「あ、ありがとうございますっ」

 張り切るローラに、此処でも勉強から逃れる術はないのかと、頬を引き攣らせた。

 ともあれ、課題が届くまでは自由なのだ。 ローラの予定を聞く事にした。

 「ローラ様は、今日も剣術の稽古ですか?」
 「いえ、子供たちに教えているのは週三日で、今日は休みです。 今日はグイベル家が運営している孤児院へ慰問に行きます」
 「孤児院の慰問ですか」
 「はい、良ければシア様もご一緒にどうですか?」
 「はい、お願いします」

 屋敷に篭ったままでは変な思考になりそうで、リィシャはローラについて行く事にした。

 朝食の後、二人乗りの馬車に乗り、丘の麓に広がる街へ向かった。

 アバディ領は三つの町があり、中央の小高い丘にアバディ領の領主館ある。

 リィシャとローラが向かったのは、アバディ領で一番、大きな街で領都だ。 領主なので勿論、顔パスで街へ入れる。

 孤児院は領都の外れ、森が直ぐ裏にある場所に建てられていた。

 厳かな門が開かれ、馬車が入って行く。

 馬車で誰が訪れたのか分かったのか、孤児院から子供達が出て来た。 ローラが馬車を降りると、子供達が駆け寄って来る。

 「しは~んっ!」

 子供達は皆、ローラの事を師範と呼んでいる。 男女共に。

 「師範?」

 ローラは子供達な笑みを浮かべ、抱きついてくる子供達を受け止めている。

 「彼らも剣術を習いにうちの道場に通っているの。 全員ではないけど、何故か皆に「師範」って呼ばれているのよ」
 「そうなんですね」

 ローラに纏わりついている子供達をよく見ると、昨日、道場から出て来た子供達の中に見かけた子達がいた。

 まぁ、子供は人を真似るから、自然とそうなったんでしょうね。

 リィシャがじっと見つめたからか、子供達がじっと見つめ返して来た。 そして、一人の子どもが声を上げる。

 「あ~っ! 昨日の白カラスのお姉ちゃん」
 「本当だっ!」

 子どもは一人が叫ぶと連鎖して叫び出す。 あっという間にリィシャは子供達に囲まれた。

 子供達から「白い翼、出して~」コールが沸いた。 仕方なく白カラスの翼を広げる。 翼がはためくと、強風が吹き、子供たちやローラ、リィシャの髪と服が靡く。

 子供達は楽しそうな悲鳴を上げ、リィシャにアンコールを求めて来た。

 子供達から揉みくちゃになりながら、シスターが止めに入るまで、何度も翼をはためかせた。

 孤児院の応接室、リィシャの大きな溜め息が落とされた。

 シスターが止めに入った後、リィシャとローラは応接室に通された。 孤児院の隣には教会が併設され、シスターや司祭が子供達の面倒を見ている。

 何にがあんなに楽しかったのかしらっ。
 
 小さく笑うローラの楽しそうな声がリィシャの耳に届く。

 「シア様は子供が苦手かしら」
 「……そうですね。 というか、あまり接した事がないので、どうやって接したらいいか分かりませんっ」

 シスターが淹れてくれた紅茶の香りがリィシャの鼻腔をくすぐる。

 いい香りだ。 きっといい紅茶よね。

 孤児院に置いてある紅茶にしては、高そうだと、反射的にローラに視線を向けた。

 「私が直接、譲っているものよ」
 
 ローラの笑みに、何も裏はないと出ていた。

 余計な勘ぐりをしてしまったっ。 先走ってしまうのは悪い癖だわっ。

 「ごめんなさい、シア様。 少しシスターと今後の話をしますので、お待ちになって下さいね」
 「あ、はい。 私は大丈夫ですっ」

 あ、私、コモン子爵領の仕事も投げ出して来たんだっ。

 真面目な表情でシスターと話すローラを見て、リィシャが逃げて来たものを思い出す。 ユージーンからだけでなく、領地の事や勉強の事も、パニックなったからとは言え、全てから逃げ出してしまったのだ。

 そう言えば、クロウ家って孤児院あったかしら? 領地の仕事ばっかりで、慈善事業の事は何も考えてなかったっ。

 しっかりと領主夫人の仕事しているローラの横顔は、いつもおっとりしているローラとは違って見えた。

 アバディ領に来た事を後悔していたが、そうでもないなと、考え始めていた。

 ◇

 リィシャが居なくなったクロウ家のタウンハウスは、火が消えたように暗い影が差していた。 どんよりと雨雲が漂い、暗い表情のユージーン。 食堂に集まった使用人や、サイモンが冷や汗をかいている。

 食堂に置かれている柱時計が出かける時間を知らせる音を鳴らす。

 「ジーン様、そろそろ学園へ参りましょう。 今朝も生徒会がありますので」
 「ああ、分かった……」

 いつもの様に笑顔を見せたユージーンが颯爽と食堂を出る。 平気そうに見えるユージーンの内心は焦っていた。

 シア、まだ帰って来ないつもりなのかっ。 あの手紙ではダメだったのか?

 手紙を読んだリィシャが直ぐに帰って来るものだと思っていた。

 タウンハウスを出て、ユージーンとサイモンが乗り込むと、馬車はゆっくりと出発した。

 向かいに座るサイモンが口を開く。

 「ジーン様、本日、学園からシア様に課題が届けられます。 放課後は武術大会に向けて、参加者全員での実地訓練があります。 まぁ、武術大会の流れとかの確認作業ですけど」
 「……あぁ、分かった」

 ユージーンの顔色が少し悪いように見え、サイモンから心配そうな声が馬車内に落ちる。

 「大丈夫ですか、ジーン様っ。 体調を悪くされましたかっ?」
 「いや、大丈夫だ」
 「体調がおかしい場合は直ぐに教えて下さいね」
 「……ああ。 シアの方は大丈夫そうか?」
 「はい、影からの報告では元気そうです。 大好きなカスタードプリンにご満悦だったそうです」
 「そうか」

 ユージーンの脳裏に美味しそうにカスタードプリンを頬張るリィシャを思い浮かべ、頬を緩める。

 生徒会室へ入ると、エドワードとリトルが深刻そうな表情でユージーンを迎えた。

 全面ガラス張りの旧温室は、朝日を浴びてキラキラと光を反射させていた。

 眩しそうに目を細めただけだったが、周囲からは番に逃げられた悲壮感漂う白カラスに見えた様だ。

 いつも冷静なエドワードも何処か緊張している様に見える。 エドワードの眼差しを受け、ユージーンがにこりと微笑む。

 「おはよう、エド。 今日のご機嫌も……麗しくないみたいだね」

 エドワードのこめかみにピシリとヒビが入る音が鳴る。

 「おはよう、ジーン。 まぁな、忙しいのに一人抜けてしまったからな」
 「シアの事については本当に申し訳ないと思っているよ。 シアの分も僕が働くから」
 
 笑顔だけで返事を返すユージーンに、溜め息を吐き、エドワードが今後の予定を説明する。

 「まぁ、いい。 自分で何とかするんだろ?」

 ユージーンはエドワードの問いに、笑顔で頷いた。

 「じゃ、今朝は武術大会の後に行うダンスパーティーの話を詰めよう」
 「「「はい」」」
  
 ◇

 ユージーンたちの返事が聞こえたのか、夢の中で大きな声が聞こえたのか、リィシャは生徒会の面々が会議を始めた時間に目が覚めた。

 ベッドで目が覚めたリィシャは、直ぐに上半身を起こした。

 何故か今、皆の声が聞こえた気がするっ。 あ、そうだっ! 私、生徒会の事も放り出して来たっ! もう直ぐ、武術大会だよね。 準備は大丈夫かなっ。

 「あっ、今日は完全に寝坊だわっ!」

 そして、学園からは嬉しくもない物が届けられた。 しかも、思ってもいない人が課題を届けに来た。

 リィシャはにっこりと笑う目の前の紳士を見て、あんぐりと口を開けた。

 「ど、どうして殿下が此処にっ!!」

 課題を受け取り来たリィシャは絶叫した。 何故か迎賓館の方へ来る様にアンガスに言われ、不思議だと思いながらも迎賓館へ向かった。

 貴賓室の扉の前で待たされたリィシャは、もしやとは思っていた。

 貴賓室の豪奢なソファーでふんぞり返っているのは、ブリティニア王国の第一王子であるジェレミー王太子だった。

 「何故って、コモン子爵令嬢に学園の課題を届けに来たんだよ」

 意地悪な笑みを向けてテーブルの上に置いてある課題を指差す。

 分厚い紙束がテーブルの上に鎮座していた。

 「えっ、本当にこの分厚い紙の束が課題ですか?……」
 「そうだ」
 「殿下、直々に届けて下さるなんて、恐れ多い……っ」

 あ、挨拶もまだちゃんとしてないっ!

 「あ、挨拶もせず、申し訳ありませんっ!!」

 突然、頭を深く下げたリィシャにジェレミーは鷹揚に片手を振った。

 「ああ、堅苦しい挨拶はいい。 私がわざわざ課題を届けに来たのは、私が君の監察官だからだ。 王都を離れたから様子を見に来たんだ。 課題はついでだ」

 リィシャは首を傾げ、頭の上にクエスチョンマークを飛ばした。

 「監察官?」
 「おい、まさか忘れているのかっ?!」

 ジェレミーは分かりやすく情けない表情を浮かべた。 ジェレミーの向かいのソファーに座るアンガスは、可笑しそうに眉尻を下げていた。

 「コモン子爵令嬢、貴方の能力を思い出して下さい。 その能力の所為で、ジェレミー殿下の監視下に置かれたはずですよ。 貴方を守る為ですけど」
 
 アンガスに言われ、ようやく一年生の時の事を思い出した。

 そうでしたっ、そんな事がありました。

 リィシャは古代語の呪文を脳に刻み付け、再現が出来る。 禁忌の呪文や失われた魔術もだ。 そして、一年生の時に耳から入った禁忌の呪文を脳に刻んでしまい、リィシャは情報漏洩の為、ジェレミーの監視下に入ったのだ。

 「……そうでした。 勝手に王都を離れてしまって申し訳ありませんっ」
 「まぁ、過ぎた事は仕方がない。 次は事前に報告をするか、私の所来るがいい!」
 「……出来る限り、報告させて頂きますっ」

 殿下の所に行ったりしたら、ジーンに何を言われるかっ!

 リィシャはジェレミーの誘いに口元を引き攣らせて微笑んだ。

 じっとリィシャを見つめたジェレミーが小声でアンガスに話しかける。 しかし、リィシャにははっきりと聞こえている。

 「彼女には兆候はないな?」
 「ええ、まだ何も体調に変化はない様です」
 「ふむっ」

 腕を組んで顎に手を当てたジェレミーが面白そうに口を吐く。

 「番でも、やはり温度差があるのだな」
 「ですね。 二人は兄妹の様に育った後、番になりましたからね。 ユージーン君は小さい頃から好きだったみたいですが……ユージーン君はもう既に兆候が?」
 「ああ、報告によれば微量だがな」
 「そうですか」

 二人の話す内容がリィシャには分からず、首を傾げるしか出来なかった。

 今、ジーンの名前が出たっ。 もしかして、ジーンに何かあった?

 「コモン子爵令嬢が帰ればいいだけなんだが……」

 チラッと視線を寄こすジェレミーに、リィシャは咳払いして視線を逸らした。
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