【改訂版】異世界転移したら……。

伊織愁

文字の大きさ
上 下
28 / 46

28話 繋がる虫除け結界(上)

しおりを挟む
 華を攫った黒い影は、優斗が見失わないスピードで、移動している様だった。 優斗の少し前をゆらゆらと揺れ、黒い影は華を抱えて空を飛んでいる。 優斗は鋭い瞳で、上空を飛んでいる黒い影を睨んだ。

 (あの黒い影は何なんだ? 何の目的があって華を攫うんだ?)

 黒い影を追って街中を暫く駆け抜ける。 王都の外れまで来た。 徐々に街並みが少なくり、畑や空き地が増えていく。 黒い影は、小高い丘の上に建つ、コの字型の屋敷の屋根の上で止まった。

 優斗の姿が見えると、屋敷の窓から中へ入って行った。 背後で雷神がホバリングする音と強風が巻き起こり、瑠衣たちが追いついた事に気づいた。 が、優斗は瑠衣たちを無視して、屋敷へ駆け出した。 同時に、肩を思いっきり後ろへ引かれて体が傾ぐ。 転びかけて、後ろへ引っ張った相手に受け止められた。 頭上のフィルと、背後から瑠衣の声がかかる。

 「ユウト! まって!」
 「待て待て、優斗! 1人で突っ込んで行くな! 中に何があるか分からないんだぞ!」
 
 瑠衣に止められ、我に返った優斗は、瑠衣を情けない顔で見つめていた。
 
 「お前っ! 何て顔してんだよっ。 兎に角、先に屋敷の中を偵察してからだ」
 「2人ともこっち来て! 早く!」

 いつの間にか屋敷の中庭に侵入していた仁奈から声がかかった。 仁奈が茂みの影で陣取っている姿を見て、優斗は少し冷静になった。 仁奈の側へ行くと、指をボキボキと鳴らし、真由に悪態をついている。

 「あの女! 1回、締めないとダメよね。 元の世界にいた時から、王子から相手にされないからって、ねちねちと華に嫌がらせして!」
 
 (それって、俺の所為だなっ)

 もう1人、冷静にならないといけない人物がいた。 優斗と瑠衣、フィルの3人は、仁奈の尋常じゃない雰囲気にたじろぎ、頬を引き攣らせた。 仁奈の目は完全にいってしまっている。

 優斗は仁奈の姿を見て、冷静になっていく自分を感じ、冷静さを欠いていた自身の姿がもの凄く、恥ずかしくなっていた。

 「ニ、ニーナ。 いつのまに」
 「仁奈、ちょっと冷静になろうかっ! もの凄く顔が怖いぞ!」
 
 (そうだ。 冷静にならないと、監視スキルが吹っ飛ぶくらい取り乱すなんて、かっこ悪いっ!)

 頭の中で地図が拡がると、目の前の屋敷の見取り図が現れ、屋敷のあちこちで多数の青い点が表示された。 『王国騎士団員』の吹き出しが青い点を指していた。 屋敷の裏には、数人の勇者御一行のその他大勢が固まっていた。 『勇者御一行のその他大勢』の吹き出しが出ている。

 屋敷の中に居るのは王国騎士団員と、数人の勇者御一行のその他大勢しかいないようだ。 華を攫った黒い影が何者かは分からない。 魔物と、魔族の赤い点は表示されていなかった。

 「華を攫ったのは、王国騎士団だ! それと、数人の勇者御一行のその他大勢。 魔物と魔族もいない。 華は何処にいるんだ?」

 瑠衣と仁奈、フィルの3人は、優斗の独り言を黙って聞いていた。 華の青い点は屋敷の最上階、一番広い部屋で点滅していた。 一緒に真由の青い点も点滅している。

 「華は屋敷の最上階の部屋だ! 結城と一緒にいる」
 「やっぱり、あの女の仕業か!」
 「ニーナっ」
 「どうどう、仁奈っ! で、作戦はどうする? 真正面から行っても捕まるだけだぞっ」

 瑠衣が仁奈を宥めながら、問うてきた。 優斗は鋭い瞳で見えない敵を睨みつけると、華が居るであろう部屋の窓を見上げた。

 (華! 必ず助けるから)

 ――優斗の声が聞こえてきた様な気がして、華は窓の外へ視線を向けた。

 (小鳥遊くん? 今、小鳥遊くんの声が聞こえたような……っ)
 
 華の周囲で優斗の気配が漂い、時折、優斗の視線が華に刺さっていた。 今、背中に優斗の視線を感じる。
 
 (今度のは勘違いじゃない。 確実に小鳥遊くんが視てる!)

 華が閉じ込められている部屋の扉が開けられ、廊下から騎士団員に下がるようにと、命令している女の声が聞こえた。 華は聞き覚えのある声に肩を小さく跳ねさせる。 部屋へ入って来た真由を見て、喉を鳴らして息を呑んだ。 真由は華を見ると、上から下までなめるように見てから嘲るように嗤った。

 真由の今日の装いは、どこかの国の王女さまのような艶やかな真っ赤なドレスだ。 髪をアップにし、胸元も大きく開いている。 胸元には黒子が2つあった。 余程、胸に自信があるのだろうと、華は以前に真由を見かけた時も、胸の開いたドレスを着ていた事を思い出した。

 別に自身が着ているローブと、白いマントがみすぼらしいとは思っていない。 自分で考えた防具なのだから、誰に見られても恥ずかしくはなかった。 先に口を開いたのは真由の方だった。

 「久しぶりね、花咲さん。 まさか、貴方までこっちに来てたとはね。 しかも、王子と一緒にっ」

 最後の言葉には、真由の怨念が込められている様な気がして、華は青ざめて固まった。

 (ひぇっ! こわっ! 結城さん、めっちゃ怒ってる! そんなこと言われてもっ)
 
 「しかも、一緒に暮らしてるんですってね! 王子と!」
 「ひぃっ!」

 真由の背中に般若が視える。 華の身体が大きく跳ねた。 恐怖で舌が縺れ、しどろもどろになりながら、しなくてもいい説明をしてしまった。

 「わ、私と2人じゃ、仁奈と瑠衣くんも、なのでっ」

 華は顔を横に思いっきり振り、2人じゃない事を強調した。 突然、華の周囲で漂う優斗の気配が強くなり、華の背中に優斗の視線が突き刺さって悪寒が走る。 華はまた『ひぃ』と悲鳴を上げ、身体を跳ねさせた。 前方からも、後方からも、華にかかる圧が凄い。

 「私、貴方のそういうオドオドした態度が嫌いなのよ! 王子もなんでっ、こんな子の何処が良いのかしらねっ」

 華は拳を強く握り、真由を強い眼差しで見つめた。 華の様子に面白そうに真由は口の端を上げる。

 「そんな顔、いつまで出来るかしらね」

 真由の瞳が怪しく光ると、目線を合せた華の身体が動かなくなった。 真由の視線を逸らせない事に、恐怖が拡がる。 華の足元で魔法陣が拡がり、結界が発動された。 真由の怪しい術から解放された華は、しゃがみ込んで荒い息を吐いた。 結界内には、微かに桜の香りが充満していた。

 真由は華に術を解かれ『ちっ』と舌打ちを零すと、忌々し気に華を睨みつける。

 『華~!』
 
 (えっ? 今、小鳥遊くんの声が聞こえた?)

 華が周囲を見回してみても、当然だが優斗の姿は部屋にない。 真由の瞳がまた怪しく光ったが、華の身体が動かなくなる事はなかった。 真由の顔が更に歪め、華を睨みつけた。 真由が口を開きかけた時、部屋の扉がノックされ、騎士団員の声が扉の外から聞こえた。

 真由が息を吐いてから返事をすると、扉を開けて入って来た騎士団員が、真由の耳元に何事か囁いた。 騎士団員の報告を聞いた真由の表情が、不自然な笑みを浮かべて歪んだ。 真由の様子を見て、華の背中に悪寒が走る。 華の知っている真由ではないような気がした。

 (この人は誰? 本当に結城さんなの?)
 
 「結城さんっ?!」
 「王子が来たみたいよ。 ふふっ、この姿で出迎えたら驚くかしらね」

 真由がくるりと1回転すると、真由の顔が華の顔へ変わった。 華は仰け反って固まった。

 「あなたはここで、王子が私に落ちる所を見てなさい!」
 
 華に指を突き付けて宣った。
 
 「!!」

 何かの魔法を部屋に掛けたのか、一瞬だけ部屋全体が光った後、真由は華に化けたまま部屋を出て行ってしまった。

 (結城さん、少し様子がおかしかった? 小鳥遊くんたちと会ったら、大変な事になるかもっ……っ。 私の声が小鳥遊くんに聞こえるかどうかは分からないけど、伝えないと!)

 華は青ざめたが、深呼吸して拳を強く握りしめた。 顔を上げると、視ているであろう優斗へ向かって叫ぶ。
 
 「小鳥遊くん! 結城さんに気を付けて! 結城さん、私に化けてるから! それと、何か怪しい術を使うから、結城さんと視線を合わせないように気を付けて!」
 
 優斗からの返事は、思っていたよりもすぐに返って来た。 優斗の声は、結界内で響いていた。
 
 『分かった、気を付ける! 華もそこから動くなよ! 直ぐに行くから!』
 
 「!!」
 
 (本当に聞こえたっ! 私の声、小鳥遊くんに聞こえてるんだ。 どういう仕様なのか分らないけど。 きっと、いつも小鳥遊くんの気配がしてる事に関係してるのかもっ)

 華はしゃがみ込んで、深く息を吐いた。 フードから軽く跳ねるような音が鳴り、丸いフォルムが飛び出してきた。 丸いフォルムが、徐々に銀色の少女の姿へ変わっていく。

 「フィン!」
 「やられたわね、ハナ。 もうちょっと、女のバトルが視られると思ったんだけど」
 「フィンっ、小鳥遊くんたちの所に居ると思ってた」
 「私はハナの従魔なのよ。 主が危険な目に遭ってるのについて行かない訳ないでしょ。 それに、フィルと連絡が取れるからね」
 「そっか。 小鳥遊くんたち、大丈夫かな?」
 「大丈夫でしょ? ユウトが偽物のハナが分からない訳ないわ! ハナが思っている以上に、ユウトはハナに執着してるわよ」
 「うっ、よし、フィン! やるわよ! いつまでもやられっぱなしじゃ、女が廃るよね!」

 華は結界を解き、置いてある家具を腕の魔道具で破壊し始めた。 火の魔法弾は火事が起きたら怖いので、空気砲が出る魔法弾を使った。 フィンが『ユウト! ハナが壊れたわよ! 早く来て!』と叫んでフィルへ報告をした。

 華の魔道具は、妖しい術が掛かった扉を吹っ飛ばす程の威力がない。 家具の材料で、ここから出る為の魔道具を作る為だ。 華は無いとは思っているが、優斗が真由に落ちない事を、心中でこそっと祈っていた。

 ――華が真由と話している間、優斗たちは何をしていたかというと。
 
 優斗たちは裏口へ回り、警備の手薄な裏から押し入ろうとしていた。 優斗は勝手口の前で、聞き耳を立てて部屋の中を伺う。 優斗の頭の中で、監視スキルの声が響く。

 『勇者御一行のその他大勢のうちのモブキャラが2人だけです。 危険はありません』

 (モ、モブキャラってっ。 そういうの何処で覚えてくるんだ?)

 『小鳥遊優斗の頭の中の記憶です』

 (そうかっ)

 監視スキルの言葉にガクッと肩を落とした後、溜め息を吐いて中の様子に集中した。 扉の向こうは休憩室のようで、中から2人の10代と思われる少年の声が聞こえてくる。 聞こえてくる話の内容によると、どうやら優斗たちの同級生と思われた。

 「なんで、わざわざここに? 小鳥遊って、マジでこっちに来てるのか?」
 「みたいだぜ。 結城がずっと狙ってた奴だろ? でも、小鳥遊って花咲とデキてなかったか?」
 「そうなのか? 小鳥遊が花咲を追いかけ回してるって、噂で聞いた事はあるけど」
 「どっちみち、結城には小鳥遊は落とせないって事か」
 「小鳥遊って、『花咲、花咲』って言ってて、ストーカーぽくってキモくね」

 少年2人が『ぎゃははは』と下品な笑い声で話す声が中で響いている。 優斗のこめかみがピクリと引き攣り、身体からは冷気が漂う。 瑠衣と仁奈の2人は、恐る恐るチラリと優斗を覗き見る。

 発せられる冷気に危険を察知して、瑠衣と仁奈、フィルの3人は、優斗から距離を取って離れた。 優斗が先陣を切って、扉を乱暴に蹴破る。 黒い笑みを浮かべたまま、問答無用で同級生2人を氷の魔法で凍らせた。

 「ユウト!」
 「ゆ、優斗っ」
 「大丈夫だ。 中は凍ってない。 氷に閉じ込めただけだ。 でも凍死する前に、こいつらに訊きたい事があるからさ」
 
 優斗の瞳には怒りが混じり、完全にいっている。
 
 「「王子っ! こわっ」」
 「……ユウトっ」
 
 瑠衣と仁奈、フィルの顔が引き攣る。 優斗の目は笑っているが、瞳の奥は笑っていない。 瑠衣たちを無視し、優斗は氷に閉じ込めた同級生と向き合った。 優斗がにっこり笑って近づくと、同級生たちは『ひぃ』と悲鳴を上げたが、氷で籠った声は、優斗たちにはっきり聞こえなかった。

 「魔王討伐はいつだ? お前らその他大勢でも、それくらいは知ってるだろう?」
 『なっ、小鳥遊! 後ろにいるのは、篠原と鈴木か?』
 『まじでっ! もしかして花咲とかも来てるのか?』
 「「「「?」」」」
 「氷で籠ってて、何を言ってるのか分からないな」

 瑠衣と仁奈は、優斗のこめかみがピクリと動いたのを見て、再び、そろりと優斗から更に離れた。 フィルが優斗の頭の上で身動ぎすると、溜め息を吐いた。 優斗は氷越しに同級生の喉元に木刀を突き付けた。

 「俺の質問に答えろ! 魔王討伐はいつだ?!」

 同級生の1人が優斗の迫力に気圧され、動揺しながら答えた。 が、口をパクパクさせているだけで、何を言っているのか、全く分からない。 優斗の脳内で監視スキルの声が響き、フィルが同化してくるのを感じた。

 『「2・3日後だっ。 全員が集まる前に、明日、第一陣を送るって王さまが言ってた」と言っています』

 監視スキルが同級生の声まねで訳してくれた。 フィルが監視スキルの声を聴き、瑠衣たちに伝える。

 「明日! 優斗、もう間に合わないんじゃっ!」
 「その前に王さまと会う。 操ってるのは王さまなのか、魔族に操られてるのか、会って確かめる」

 『しかも、一緒に暮らしてるんですってね! 王子と!』
 『ひぃっ!』
 『わ、私と2人じゃなくて、仁奈と瑠衣くんも、なのでっ』

 優斗の脳内に、華と真由の会話と映像が飛び込んで来た。 華が『瑠衣くん』と呼んだ事に、ピクリと肩眉が跳ねる。 優斗はまだ、華に名前呼びされた事がない。 映像の華に、嫉妬が混じる視線を向けると、華は『ひぃ』と叫び、身体を大きく跳ねさせる様子が映し出された。

 『花咲華の危険を感知しました。 花咲華より、虫除け結界が発動されました。 結城真由の術を跳ね返しました』

 華が結界内でしゃがみ込み、息を荒くしている姿が映し出された。

 「華~!」

 優斗の声が聞こえたのか、華は顔を上げ、周囲を見回して不安そうにしている。 優斗は瑠衣と仁奈の方へ向き直り、急いで華の所へ向かいたいと伝えた。

 「分かった。 でも、その前にこいつらの氷を解いてくれ。 流石に凍死されたら後味が悪い。 縄で縛っとこうぜ」
 
 瑠衣がニヤリと人の悪い笑みを浮かべると、瑠衣の弓矢が鞭へと変わった。
 
 「瑠衣の新しい力は、鞭か。 恐ろしく似合ってるなっ」
 「「うん」」
 
 フィルと仁奈が優斗の意見に思いっきり頷いて賛同した。
 
 「ユウト、ハナにはフィンがついてるし、だいじょうぶだよ」
 「ああ、頼りにしてるって言っといてくれ」
 「りょうかい!」
 
 優斗たちは休憩室を出て、華がいる最上階まで急いだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【本編完結】異世界転移したら……。~瑠衣はこういう奴である~

伊織愁
恋愛
こちらの作品は『[改訂版]異世界転移したら……。』の番外編です。 20歳以降の瑠衣が主人公のお話です。 自己満足な小説ですが、気に入って頂ければ幸いです。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

地獄の業火に焚べるのは……

緑谷めい
恋愛
 伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。  やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。  ※ 全5話完結予定  

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。 自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。 しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。 「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」 「は?」 母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。 「もう縁を切ろう」 「マリー」 家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。 義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。 対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。 「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」 都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。 「お兄様にお任せします」 実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...