【本編完結】異世界転移したら……。~瑠衣はこういう奴である~

伊織愁

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29話 『願わくば、お前の魂が救われる事を心から祈ってるよ』

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 優斗の凍結魔法で氷の世界に変わったスラム街は、氷が解けてもう元のただの瓦礫が転がるスラム街に戻っていた。 そして、下僕も居なくなった後、ポテポテたちは瓦礫の陰に隠れ、数体が華の鞄の中に戻って行った。

 瑠衣と優斗の嫌な予感は当たる事になる。 テッドは前よりも速い動きで攻撃を仕掛けて来た。 黒い鎌を振るうテッドは、悪魔の様だった。 頬が紅潮し、瞳はこの上なく楽しそうな光りをギラつかせていた。

 「ふん、初めて人間の人格よりも前に出て来たな、中々いいな。 しかし、この身体と精神は幼過ぎて駄目だな。 人間に執着し過ぎているし。 お前はあの男がいいのか。 なら、あの男に憑りつくのもいいか。 憑りつく身体を変えた事はないが、やってみてもいいな。 どっちにしろ俺は死なないしな」

 瑠衣と優斗には、テッドに憑りついている悪魔の声は聞こえなかった。 テッドが嫌な笑みを浮かべている様子を眺めていた。 テッドの猛攻に息が荒くなり、肩が大きく上下に動いている。

 黒い鎌と優斗の木刀の打ち合わされる音がスラム街に響いた。 テッドが黒い鎌を振り上げたタイミングで、瑠衣は矢を放つ。 矢の先に魔法陣が展開され、瑠衣の周囲に暴風が吹き荒れる。

 『黒い鎌を切り刻めっ!!』

 瑠衣の風を纏った矢がテッドの振り上げた黒い鎌に中る。 黒い鎌は瑠衣の風の矢に切り刻まれ、霧散した。 黒い鎌の生成に気を取られている隙に、優斗が間合いを詰める。

 テッドの黒い心臓を狙って突きが繰り出された。 しかし、テッドは顔を歪ませて嗤い、身体が歪んで揺れると、またもや優斗の突きはテッドの身体をすり抜けて行った。 瑠衣と優斗から舌打ちが零れる。

 (くっ、全く攻撃が通らないっ! どうする?!)

 テッドの不穏な視線に、背中が震える程の悪寒が走った。 瑠衣は更に嫌な予感に、顔を歪ませた。

 ――仁奈と華、フィンは風神の怪我を看ながら、結界の中で戦況を見守っていた。
 
 仁奈は自身の槍を強く握り締め、指が白くなっているのも気づかなかった。 仁奈の手にそっと華の手が添えられる。 振り向くと華の優しい笑顔があった。

 「仁奈、そんなに握り締めたら、手を痛めるから。 瑠衣くんたちなら大丈夫。 何度もこういう場面を乗り越えて来たんだから」
 「うん」

 (でも、テッドの雰囲気が少し変わった? テッドと対峙してない私にも感じるってっ)

 『主っ! 報告がありやす』
 
 雷神の声に仁奈は顔を上空に向けた。
 
 (雷神、どうしたの? 何かあった?)
 
 『主たちが外に出てくる前に、大勢の子供たちを見つけやした。 今は1体のポテポテの腹の中に保護してやす。 それと、ギルドの冒険者たちがこっちに向かってますぜ。 先頭にいるのは、バルドのおやっさんと息子のボルドですな。 騒ぎを聞きつけたらしい』
 
 仁奈の額から大量の冷や汗が流れた。
 
 (うわっ、それはっまずい! テッドの下僕が打ち止めになった今、バルドさんたちが来たら、下僕に変えられるかもしれないっ! こっちに来るのを阻止しないとっ。 雷神! なんとかポテポテと一緒に妨害してきて! こっちはまだ、テッドを倒すのに時間がかかるからっ)
 
 『承知しやした! 野郎ども行くぞっ!』

 雷神がとても楽しそうな声で返事をし、一声鳴くと、瓦礫の影に隠れていた数体のポテポテが、雷神の後を追って行った。 華はポケッとした表情で現状を見つめ、フィンと風神は目を細めてポテポテが駆けていく後ろ姿を眺めていた。

 「えっ! どうしたのっ?!」
 
 仁奈が溜め息を吐いて報告した。
 
 「バルドさんたちがこっちに向かってるって、雷神から報告があったの」
 
 華は青ざめて、分かりやすく動揺した。
 
 「それと1体のポテポテが大勢の子供たちをお腹の中で保護してるって」
 「えっ、お腹の中で保護ってっ?! お腹の中は亜空間だから、生きている人はっ。 あ、でも気絶してたら何故だか分からないけど、大丈夫なんだけど」

 仁奈は華の話を聞いて『ご都合主義って奴か』と一人納得した。 華が下げている鞄からくぐもったポテポテの声が聞こえ、鞄のファスナーが独りでに開けられ、ポテポテの丸い手が出て来た。

 『ギギッ、子供たちがっ、いたっ、ギギッ、建物を一時的にっ、ギギッ、隠れ家と同化っ、しましたっ、ですっ! ギギッ、建物ごとっ、子供たちをっ、ギギッ、飲み込みましたっ、子供たちはっ、ギギッ、建物からっ、出れませんっ、ギギッ』

 開いたファスナーの暗闇の隙間から、ポテポテの歪な瞳がキラリと光った。 『恐怖映像かっ!』と仁奈たちは、思いっきり引いた。 華の鞄の中に戻ったポテポテの中に、子供たちを保護したポテポテが居た様だ。

 「ポテポテ、子供たちは下僕になっていないの?」
 
 フィンの質問にポテポテは否定した。 仁奈たちはホッと一安心した。 華が不思議そうに首を傾げる。
 
 「でも、何で子供たちを? 下僕にもしてないなんて」
 「もしかしたら、下僕の餌にするつもりで攫って来たとか?」

 フィンの答えに、子供たちが下僕の餌になる想像をしてしまい、全員が嫌な顔をしたのは言うまでもない。 取り敢えず、最悪な状況になる前に、子供たちを無事に保護出来た事を良しとする事にした。

 反対に瑠衣と優斗の戦況は未だに良くならなかった。 テッドの猛攻に手も、足も出ないでいる。

 ――テッドと優斗の打ち合いが繰り広げられていた。
 
 黒い鎌を素早く振り下ろして来るテッドの攻撃を優斗が何とか防いでいた。 瑠衣の風の矢も援護で射っていたが、全く効かなかった。 木刀と黒い鎌の打ち合わされる音がスラム街に鈍く響く。 目の前で優斗とテッドが闘っている様子を瑠衣は眺めていた。

 (くっ、付け入る隙がない!)

 優斗が氷の棘をテッドに降り注ぐ瞬間、瑠衣も同時に複数の風の矢をテッドに飛ばした。 テッドが氷の棘と風の矢を避ける為に飛び上がる。 瑠衣は矢の先に魔法陣を展開した。 瑠衣の周囲に暴風が吹く。 瞳にはテッドの黒い心臓に標準を合わせた。

 『黒い心臓を切り刻めっ!!』

 瑠衣の風の矢が放たれると、目の前の優斗が屈みこむ。 着地しようとしているテッドに中ったが、黒い鎌で止められてしまった。 黒い鎌が切り刻まれて霧散したが、テッドの黒い心臓までは届かなかった。

 「くそっ! 駄目だったかっ!」
 「瑠衣、諦めるなっ! もう一回っ、行くぞっ!」
 「ああ!」

 優斗が飛び上がってテッドの面を狙って行ったが、テッドは余裕の笑みを浮かべている。 しかし次の瞬間、黒い鎌を創り出そうしたテッドの顔が大きく歪んだ。 テッドの掌で黒いオーラが揺れるだけで、纏まらない。

 「な、なんだっ? 上手く魔力が込められないっ?!」

 優斗の飛び込み面が見事に入り、テッドは石頭なのか、もの凄い音が響いた。 優斗は手を止めず、踏み込んでテッドの黒い心臓に突きを繰り出す。 テッドが何度、魔力を練り込んでも黒い鎌は出て来なかった。

 「フィル! 魔力を分けてくれっ!」
 「りょうかい!」

 優斗の木刀が光ると、木刀は優斗とフィルの魔力を帯びて、2人に返事をするように鋭く光り輝いた。 誰もが今度こそ攻撃が通ると思ったが、またもやテッドの脇腹を掠った。 テッドは叫び声を上げなかった。

 忌々しそうにテッドは優斗を睨んでいる。 急激な変化だった。 テッドの身体から黒いオーラが染みだし、身体から悪魔が抜け出そうとしている様だった。 やはり幼い子供では耐えきれない様だ。

 「こんなに長時間、戦った事がなかったからな。 この身体はもう、駄目だ。 全く使えない」

 テッドの声ではなかった。 悪魔の気配と圧力に押され、瑠衣たちの周囲には黒いオーラが染みだし、漂う。 瑠衣以外の優斗たちは、初めて悪魔の声を聞いて動けないでいた。

 皆が動けない中、背後にいた華だけが動けた。 エルフの血のお陰なのか、何も影響がなかった。 腕輪型の魔道具に大量の浄化魔法弾を取り込むと、テッドに向けた。 華の掌に魔法陣が展開される。

 それを見た優斗も反射的なのか、アンバーのエルフの血なのか、身体が無意識に動く。 他の皆は、まだ動けない。 優斗の掌に魔法陣が光る。 優斗と華の2人は、大量の浄化魔法弾を放った。

 前と後ろから大量の浄化魔法弾が当たり、テッドに憑りついていた悪魔が叫び声を上げた。 瑠衣たちの周囲に漂っていた黒いオーラが蒸気を上げて霧散する。 テッドの体中からも蒸気が上がっているが、悪魔を浄化する力は無さそうだ。

 それでも攻撃が出来ないくらいには、弱った様だ。 瑠衣は目の前の状況を信じられない気持ちで見ていた。 ボケっとしている瑠衣に優斗の声が届く。

 「瑠衣! 今だ! テッドが動けないうちに黒い心臓を打つぞっ! 華、離れろ!」

 優斗の指示に華は急いでその場から離れて行った。 優斗の氷の棘が黒い心臓を狙って降り注いだ。 瑠衣も弓を構えると、矢をテッドに向ける。 悪魔が苦しみながらも、ニヤリと笑った。

 「くそっ! 下僕ども、出て来い! 子供らを殺せ! まぁ、この惨状では、攫って来た子供たちは生き埋めになっているだろうけどなっ」

 また、下僕たちが何処からか沸いて出て来たが、悪魔が言う子供たちは何処にもいない。 瑠衣と優斗は首を傾げた。 仁奈の声が耳に届く。

 「子供たちは雷神が見つけて、ポテポテが保護しているから大丈夫よ。 復活する前に早く、悪魔をっ」
 「ちっ?! いつの間にっ」

 優斗の氷の棘が、テッドに容赦なく降り注ぐ。 浄化魔法弾で身体から蒸気を上げていたテッドは、避けられなかった。 瑠衣の矢の先に魔法陣が展開され、矢に風が纏う。

 駆け出した優斗の木刀に、氷が纏っていき鋭く光った。 黒い心臓を狙って突きを繰り出したが、手前で何かに阻まれ押し込めない。 瑠衣の風の矢が放たれる。

 『ガードを射ち抜けっ!!』

 (テッド、お前の境遇には同情する。 だけど、お前がした事は許されないっ! 願わくば、お前の魂が救わる事を心から祈ってるよ)

 瑠衣の風の矢がガードを破り、優斗の木刀と同時に黒い心臓まで届いた。 一瞬、皆の動きが止まり、風に白いマントがはためく。 優斗から冷気が漂うと、凍結魔法が放たれた。

 桜の花びらが散り、テッドは音を立てて凍りついていった。 テッドの身体が砕け、氷の欠片となって地面に砕け散る。 砕け散った氷の欠片は、煙となって空に立ち昇り、消えていく。 消える瞬間、テッドと目が合ったように感じて、瑠衣は目を見開いた。

 ――消えていく中、テッドの脳裏に瑠衣と仁奈でロイを探した日の事が思い出された。
 
 数時間の出来事で、瑠衣の力を図る為に近づいただけだった。 魔族になったテッドの人生では、きっと一瞬の出来事で、後にも、先にも思い出さないだろうと思っていた。 しかし、何故かずっと心に残っていた。

 初めて大人に無条件で優しくされたのだ。 魔道具の街の皆は、スラム街の人間だってだけで、子供にもつらく当たって来る。 幼子では働けない。 空腹を満たす為には、盗むしかなかった。

 魔族に操られているロイの姿を見て、殺す事を躊躇している瑠衣を見つめながら、馬鹿な人間だと思っていたのも本当だ。 でも、ロイを殺す事を本当に無念だと思っている事も伝わって来たのも本当だ。

 消える瞬間に見た瑠衣の表情は、テッドを憐れんでいたが、テッドがした事は許されないと言っていた。 テッドは自然と笑みを零した。

 (何で今、あの時の事を? 気づかなかったけど、優しくされて嬉しかったのかっ、僕は、っつ、願わくば、次の人生は貴方と、か、ぞ)

 テッドの言葉は最後まで紡げなかった。 テッドは煙の様に消えてしまった。 煙の中から一粒の光を白い手が掴む。 テッドの小さい光の粒は、真っ白い世界に誘われていった。

 「光りが弱すぎるね。 少しだけ私の魔力を注ぐか」
 
 主さまが腰を掛けている岩で出来た池の水面から、瑠衣の声が聞こえてくる。
 
 『幼い子供が魔族になるのは見たくない。 もう、テッドの様な子供を出したくないっ!』
 
 「私もやれる事をやらなければならないね。 彼にもう一度だけ、頼らないといけないけど。 彼らの様な子を出さない為にも。 丁度、彼らはエルフに生まれ変わる運命を持っている事だしね。 まぁ、いつもの様に手助けするだけになってしまうけど。 創造主も中々に面倒だね」

 テッドの小さい光りに少しだけ主さまの魔力が降り注がれると、テッドの魂は池の水面に暫く浮いた後、ゆっくりと沈んでいった。

 「テッド、次の生が君の望むものになる事を祈っているよ」
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