彼は溺愛という鎖に繋いだ彼女を公私共に囲い込む

花里 美佐

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第三章 氷室商事へ

彼のお仕置きー2***

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「なんだこの下着……初めて見たぞ。まったく準備万端だな」

「あなたの秘書ですから……ボスの好みに合わせます……どうですか?」

 彼は私のランジェリーを撫でながら言う。

「こんなところまで先回りするようになるとは……魅惑的な姿だな。これ以上煽ってどうする。覚悟はできてるのか?」

 彼は総レースの新しいランジェリーの上からキスを落とし、手をかけた。やっと愛する人が私のところに帰ってきた。彼が触れるだけで準備万端だ。

「俊樹さん……はやくきて……」

「おい、菜摘……」

「……俊樹さん……好き……」

 彼はこのランジェリーが気に入ったのだろう。そのままの私をいとおしそうに見つめる。そしていつものように優しく愛撫する。お仕置きなんて嘘だ。

 私のほうが彼を待てなくて身体をすりよせてしまう。彼はそれに気づいてあっという間にひとつになる。

「……いくぞ」

「……あ!」

 トップスピードに入った。水音がすごい。恥ずかしい。

「今日すごいな菜摘……びちゃびちゃだ……俺が欲しかった?」

「言わないで……」

 彼が笑った。その瞬間、彼がより速くノックしてくる。何かがスパークする。

 しがみつかないと飛んでいきそう。最後に耳元で彼が言う。

「菜摘……愛してる」

「私も……俊樹さん」

 止まった俊樹さんが言う。

「さて……本格的にはじめよう」

「え?」

「これからが、お仕置きのはじまりだ。今日は欲しいだけもらうぞ」

「え、だめです。私、明日も仕事です……立てる程度にしてください」

「……」

 彼は知らぬふりをして準備をすると、身体を寄せてきた。

「俊樹さん!明日は忙しいの。両方の会社のことをやらないと……明後日からお休みだからそのときにして……ね?」

 彼に甘えてみる。いつもならこれで許してくれるはず。何も言わずに彼は私の足を開いていく。

「あ、だめだってば。ほら、俊樹さんの好きなものをたくさん作っておいたし、食事に……ゆっくりお酒も……」

「聞いてなかったのか。やめるわけがない。これはお仕置きだ」

「どうして?だって俊樹さん私のこと結局全部、知っていたでしょ」

「菜摘のことは知っていて当たり前だ。あれほど行くなと言ったのにいうことを聞かなかった。菜摘は勝手に行動した。俺が異動してから教える準備をしていたのに……」

 私は身体を起こして彼に言う。

「それならそうと先に言ってくれたらいいのに。そうしたら……」

「そうしたら行かなかったのか?そんなわけない。どうせ菜摘は俺が言ったところで納得できないんだ。そうして行動する。お前はそういうやつなんだよ」

 私は言い返せなくなった。私の場合、確かにそういうところはある。否定できない。きっと言われていても、自分でやらないと気が済まなかった。

「だって、だって……」

「だってなんだ?そんな目をしてもだめだ。大体お仕置きなのにおかしいぞ……菜摘の身体はほらこんなだ……俺を大歓迎してる。どういうことなんだ?」

 私の中に手を入れて抜いて見せた。意地悪な目をして指をなめる。

「……あ」

 恥ずかしすぎて真っ赤になった。すると彼はあっという間に入ってきた。理性が快感に負ける。だって、好きな人が本気で愛してくれる。本当は受け止めたい。

「ん……ん……ん……」

 はじまった。どう猛な獣のような彼。全力で手加減なし。快楽の嵐に巻き込まれた。

 私が少し疲れたとみると、一緒にお風呂へ入った。そしてやっと食事を取った。

 これで眠れると思ったら、食べすぎたので運動をしようといいながらベッドへ連れていかれる。

 これは運動じゃないといったら、そうだなお仕置きだったと笑う。

 もちろん、翌日は立てなかった。初めて腰が砕けて出社できなかった。リモートにさせてほしいと京子さんに頼んでしまった。

『予想通り大変だったんでしょう、お大事に』と全部見越した返事が来た。

 彼は、翌日になってようやく私の料理を満足げに食べ、その日はベッドにノートパソコンを持ち込んで仕事をしていた。

 そして、隣で腰砕けになりながらノートパソコンを見ている私を、彼は嬉しそうに見ていた。

 私の仕事ぶりを覗きながら指示をし、終わるや否やパソコンの蓋を閉じ、取り上げると机に置いてしまう。覆いかぶさってキスをされ、時間が巻き戻る。

 彼の溺愛という鎖でぐるぐる巻きに繋がれた私……鎖は太くなる一方。

 でも、彼はわかっているのかしら?今回の出張での彼の仕事ぶりや私への気遣いを知って、さらに彼への尊敬の気持ちや愛情が深くなった。

 このままだと、私は自分から彼の鎖を身体に巻いてしまうかもしれないのにね……。


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