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第六章 見えないところで誰かがきっと
59.キセキのような時間(1)
しおりを挟むイタリアから帰国した私達は、式に向けて早速準備を始めた。
「ユイ、着たいドレスは決まったか?」
「その事で、お願いがあるんだけど」
私が希望したレストランウェディングの要望が通り、今新堂さんがその店を吟味中だ。候補店舗のパンフレットを片手に私の方を見る。
「あのね……」
少々言い出しにくい。それは常識外れの希望だから。
しばし躊躇った末に思い切って言ってみた。「ドレスは黒がいい!」
目を瞬く彼。「黒って、ウェディングは普通純白だろ?」
「なら、新堂さんは純白、着れる?」
少しの沈黙の後に言う。「……。俺は黒でいいよ。ユイは白いの着とけ」
「ダメよ!今さら純白のドレスなんて着れないわ。私が今までどんな事をして来たか、知ってるでしょ?」
「それとこれとは関係ないだろう」
「そんな事ないわ。私、嘘はつきたくないの」こう打ち明けると、「嘘?」と彼が首を傾げる。私は彼に尋ねた。「純白のドレスが何を意味してるか知ってる?」
新堂さんは、答えずに私の言葉を待っているようだ。
なので私が言葉を続けた。「まっさらなこの身を、あなたに捧げます」
「だから?」
わざとなのか本当に分かっていないのか。私の口からため息が漏れた。
「私のこの体は、全然まっさらじゃない。……ああ、体だけじゃないかも?」
この手は人を何人も殺した。体は過去の治験の副作用によって蝕まれ、内耳の異常が表しているように、私の脳内は恐らく侵されている。
まっさらどころか、真っ黒ではないか?
「長く生きれば生きるほど、誰だって何かしらはある。おまえだけじゃない」
「とにかく私は、あなたやゲストに偽りの自分を見せたくない」
「ユイ……」
「どうしても許してくれないなら、式は挙げなくていい」
私が一度言い出したら聞かない人間だという事を彼は知っている。イタリアにまで報告に行ったからには、今さら式を取りやめる訳には行かない事も。
「分かったよ。好きにするといい」想像通り彼が譲歩してくれた。
「私の気持ちを分かってくれたから?それとも呆れただけ?」これは確認しておきたい。
少し間を置いてから、彼は答えた。
「何年一緒にいると思う?ユイの気持ちは一番理解できてると、俺は思ってる」
真偽を確かめるように、彼の目を覗き込んでみる。
「漆黒のドレスも、良く似合いそうだな。正直、俺は黒が好きだから大賛成だ」
「ふふっ!ありがと、新堂さんっ!」
「そうと決まれば、ちゃっちゃと決めてしまうぞ」
「うん!」
急ぐ理由は、一刻も早く式を挙げたいから。もう待てないと私が駄々をこねたのだ。最短でも来月だという事で、五月下旬で手を打った。
「挙式は近親者のみにしよう」ゲストの選定をしていた時、彼が言った。
この意見には反対だ。私はより多くの人に見届けてもらいたい。特に新堂さんの晴れの姿を。大体、彼の近親者って?現時点で本人は一人も想定していないはずだ。
「いいえ、予定が合わない人は仕方ないけど、食事会に呼ぶ人全員に出てもらう!」
挙式後にレストランでの食事会を予定している。大袈裟な披露宴的なものはやめた。今さら感が満載なので?それに照れ屋の新堂さんが大反対したので。
私の勢いに気圧されたのか、彼が黙った。
「ね?来るもの拒まず、って事で!」
「……まあ、いいだろう」どうせ誰も来やしない、と彼が呟いた。
そんな事はありません。この朝霧ユイが断言します!
同意が得られて満足していると、また新たな火種が生まれる。
「ところでその挙式だが、入場から俺が一緒につくから」
「ちょっと待ってよ。そこは父親とでしょ、もういないけど。そうだ!コルレオーネに頼もうかな」バージンロードよ?新郎は奥で待っていてほしいと訴えた。
「イタリア人はさすがに、客達が驚くだろ!」説明が面倒だと続ける。
「だけどさ……」待っててほしいな、私は。
「俺達がすでにこうして共に人生を歩んでいる事は、ゲストの皆も周知の事実だ。俺が奥で待つ必要あるか?むしろ変な話だと思うが」
「まあ、そうだけど」
「黒のドレス許したんだから、こっちの願いも聞いてもらいたいもんだね!」
彼が眼光を鋭くしてプレッシャーをかけてくる。
「分かりました!それで行こう、あなたは夫である前から、私の主治医だものね」
「そういう事」
意見が衝突する事も多々あったが、その度に意見をぶつけ合い解決案を絞り出した。彼が自分の気持ちをきちんと主張してくれた事が、何より嬉しかった。
こうして無事に全ての段取りを終え、ついにその日を迎えた。
五月二十四日。前日の雨が嘘のように空は晴れ渡っている。レストランの敷地に挙式用に建てられたチャペルの新婦控え室にて。
「ちょっと胸元開きすぎかなぁ」
ドレッサーの前に座り、鏡に映る自分の胸元を恨めし気に見下ろす。バストにコンプレックスを持つ私が、なぜこんなデザインを選んだのか!
鏡越しに美容師戸田君が近づく。
私の専属美容師戸田良平は、この日をずっと心待ちにしていたらしく、ゲストとしてではなくスタイリストとして行くとの一点張りで、こういう状況となった。
「そんな事ないですよ。むしろ肌の白さが際立って、とても美しいと思いますが?」
そうかなぁ、とイマイチ納得し切れていない私に、戸田君が続ける。
「それより、黒のウエディングドレスなんて初めて見ましたよ。そっちの方に度肝を抜かれて、誰も気にしないと思いますけど!」
「いいじゃない?度肝、大いに抜いてあげましょ!」ようやく吹っ切れた。
やはり戸田君を呼んでおいて正解だった。
「ユイさん、どなたか来ましたよ」戸田君が後ろを振り返った。
「入れて」
ドアが開くと、真っ先に甲高い元気な声が飛び込んで来た。
「キャ~、ユイったら素敵ィ!大人っぽ~い!」
おいおい、私は大人だ!と突っ込みを入れたいところを抑え「ありがとう、まなみ」と礼だけを言って微笑む。
「おおっ!朝霧……何でまた黒なんだ?」
早々に到着した貴島さんとまなみが顔を出してくれた。
「俺達には、こっちの方が似合ってるだろ?」
いつの間にいたのか、新堂さんが開いたままのドアに寄り掛かりながら答えた。
「ああ~っ!ダメよ?新郎はまだここに来ちゃ~!」まなみが勢い良く彼を廊下へ追いやろうとする。
「まなみ、いいのよ。彼は私の主治医だから」
まなみが悔しそうに新堂さんを見上げて引き下がった。
「だからイチイチ騒ぐなって、まなみ!悪いな、邪魔しちまって」
ポケットから出した手を軽く上げて、新堂さんが否定の意を伝える。
「まなみ、もう行くぞ。それじゃ後でな、お二人さん」
貴島さんの言葉に彼が答えた。「ああ」
気を利かせてくれたのか、戸田君も一緒に出て行った。
ドアが閉じられると、部屋はたちまち静かになった。
「気分は?」
「それって花嫁としての?それとも体調の事聞いてる?」
「両方かな」彼が肩を竦めた。
「体調はバッチリ。だけど……ねえ、どう?これ……」やはり気になる胸元を見下ろしながら尋ねる。
「何を気にしてる?綺麗だよ、ユイ。思った通りだ、良く似合ってる」
「あなたがそう言うなら、いっかぁ。ありがと、新堂さんもとても素敵よ!」
黒のタキシードをキリリと着こなした彼を改めて見回す。
「もう、そう呼べなくなるな」
「……ああ、そっか。私も新堂さん、だもんね」
二人で笑う。
「じゃ、問題なさそうだから、先に行ってるぞ?」
笑顔で頷いた。
彼が出て行くと、一人きりになった。
「結婚式、か……。全っ然、実感湧かないわ。あの時以上に!」
式を挙げるのは二度目だ。
ヘルムート・フォルカーとの偽装結婚式。仕事と割り切っていたから、今のような気持ちの高ぶりは一切なく別の緊張感(!)でいっぱいだった。
「あれが予行演習って?……ヘルムート、幸せ掴んだかなぁ」
こんな事を考えていた時、ドアがノックされて名前を呼ばれた。
「ユイ、入っていい?」
聞き覚えのある懐かしい声を受けて立ち上がり、ドアを開ける。
「お母さんっ!」
「ユイ!来たわよ、大勢引き連れて!イタリアの親戚達がこの機会に日本観光したいって大騒ぎしちゃって……ごめんなさいね」
「ゲストは多い方が賑やかでいいもの?逆にありがとう、お母さん」何せ、私達はワケアリのため招待客はあまりいない。
母が私の纏う漆黒のドレスを見下ろしている。指摘される前に説明だ!
「あっ!あのね、これには深い事情が……」
するとどういう訳か母は微笑んだ。「いいのよ。全部新堂先生に聞いてるわ。何も言わないで。ユイ、綺麗よ。本当におめでとう。幸せになってね」
「うん……、ありがとう!」
常識やマナーにうるさい母が、型破りの漆黒のウェディングドレスをあっさりと認めた?肩透かしを食らった感じだが、きっと彼が熱心に説得してくれたのだろう。
しばし雑談を交わして母が出て行くと、入れ替わりに神崎さんが姿を見せた。その後ろには秘書兼ボディガードの大垣ももちろん一緒だ。
「これは美しい……!さすがは俺の妹だ!」
「神崎さん!大垣さんも。忙しいのに、来てくれてありがとう。嬉しいわ」
「当然だろ、可愛い妹の結婚式に出席しない兄なんていないさ」
「うふふっ!」
ドア横で謙虚に留まる大垣を、手招きで呼ぶ。「あなたも中入って!」
「はい、では少しだけ失礼します。ユイさん、この度はおめでとうございます」
「ありがとっ!」大垣の肩をバシリと叩いて答えた。
そして、私達のオリジナルな挙式が始まった。
背後の教会ドアが開かれてゲスト達が最初に目にするのは、腕を組んで立つ新郎新婦の姿だ。祭壇の前で待つのは牧師だけ。
彼の温もりを横で感じながら、並んでゆっくりと前に進んで行く。
「……こんなの、やっぱ変じゃない?」感極まっているかと思いきや違う私。今さらこんな突っ込みを入れる。
「ここまで来て言うなよ!頼むから真剣にやってくれ?」
私達がボソボソと話している声は、幸い誰の耳にも届いていない様子だ。
「新郎、新婦、こちらへ」
厳かなパイプオルガン調の音色を耳にしつつ、ゲストの注目を浴びる。漆黒の衣装を身に纏った私達。花嫁の私が手にしているブーケもまた、漆黒の花だ。
「汝らは、病める時も健やかなる時も、その命が尽きるまで、生涯変わらぬ愛を誓いますか?」
静まり返った教会内に、私達の誓いの言葉が重なって響く。「誓います」
「では、誓いの口づけを……」
煌びやかな教会の中で、改めて彼を見上げる。緊張しているのか彼は無表情だ。
しばし見つめ合うも、動く気配がない。待ち切れずにつま先立ちして彼に近づくと、ようやく少しだけ笑顔を見せた新堂さんは、屈んで優しいキスをくれた。
ゲスト達から一斉に拍手が送られる。
余韻に浸っている私から、不意に彼が離れて行く。「え、……ちょっと?」
首を傾げて様子を見ていると、彼が牧師に言った。
「一曲演奏させてください。私の彼女への誓いを、曲に載せて届けたいのです」
そんな要望に、牧師は快く承諾してピアニストを退席させた。
「新堂さん?打ち合わせでそんなの言ってた?」
ポカンとする私をチラリと見てから、彼がピアノの方に移動する。
「愛するユイへ。そして、今日お集まりくださった皆様に感謝の気持ちを込めて……」
彼の演奏を初めて聴く者がほどんどだろう。何しろ彼は、これまで私以外の人間のためには、ピアノを弾こうとしなかったから。
そんな彼が今、ここにいる全ての人達のために演奏している。何て感動的なの!
この場にはもちろん彼の母と叔父、園の元職員紺野さんもいる。
「素晴らしい……。何て心の籠もった演奏だ!」
「感動して言葉にならない……」
軽やかで洗練されたピアノの音色に交じり、あちこちからこんな賛辞が聞こえる。
私は嬉しさのあまり震えが止まらなかった。
やがて演奏が終わり、彼が立ち上がって一礼すると、牧師が締めくくった。
「あなたの想いは、間違いなく届きました」
場内はたちまち温かな拍手の渦に見舞われた。
そしてゲストが先に退場して行く。教会の扉を出て、入口階段の両サイドにゲスト達が並ぶ。
その前を私達がゆっくりと進みながら、挨拶をして行こうという設定だ。
とはいえゲストは私達の関係者。要するに皆マイペース、我が道を行く人達!大人しくその場に留まってくれるかは不明だ。
「結構来てくれたね。良かった」階段両サイドに並ぶ面々を眺めて言う。
「そうだな、少々気恥ずかしいが」彼が頭を掻きながら答えた。
早速私達に声がかかる。トップバッターは相馬ユキ。かなり久しぶりの再会だ。
私が研修医として潜入した先の病院で出会った、病気持ちの母を抱えていた少女だ。あの時の修羅場を思い起こすと、今でも震えが来る!
そこで私はあろう事か、ユキの前で拳銃を抜いた。
思えばあれがいけなかった。彼女とはあれから一度だけ会ったのだが、そこでようやく自分が犯した過ちに気づいた訳だ。
中学生になったユキが、何と改造拳銃を買っていて事件に巻き込まれたのだから!
「ユイお姉ちゃん!おめでとう!まだ結婚してなかった事にビックリしたよ?」
「ユキ、来てくれてありがと。それ言わないでよ……。久しぶり、綺麗になったわね!」
「だって私、ユイお姉ちゃん目指してるもん?」とポーズを決めるユキ。
まだそんなふうに思っているのか……素直には喜べない。どんな職に就いたやら?
「……それで、今、何してるの?」と恐る恐る問いかける。
「フツーだよ。OLってヤツ?つまんないよね~」
この返答を聞き安堵の息を漏らす。「ああ……良かった!よぉ~し、そんな君にこれをあげようじゃない!」
私は自分の持っていたブーケをユキに押し付けた。
「え?あっ!ユイ、ブーケトスするんでしょ!?他にも狙ってる人いそうだし、手渡しはマズイよ……」
通り過ぎてしまった私に向かって、ユキが叫んでいた。
さらに、一段降りて行く。今度は赤尾先輩が待っていた。
「朝霧さん!じゃなかったね、ユイちゃん。おめでとう、片岡先生も天国で喜んでると思うよ」
高校時代に憧れて少しだけお付き合いした、赤尾裕之さん。新堂さんも笑顔で挨拶を交わしている。
「赤尾先輩!久しぶりです~、元気そうですね。来てくれてありがとうございます」
「黒の花嫁か。君がやりそうな事だね」先輩が私を見回して言う。
「昔から、変わってますから。私の花嫁は?」新堂さんがこんな事を言った。
私達三人は高校時代からの知り合いという事になる訳で、ある意味長い付き合いだ。
「何よ二人とも?どうせ私は変わってますっ!」
その横にいたのは、新堂さんの医学部時代の同級生だ。
彼が三人の男性を見て驚いている。「おっ!お前ら……、なぜいるんだ?」
「おいおい、それはないぜ、新堂!」威勢良く返したのは斎木友則さん。
この人には少し前、山口さんの結婚式で会っている。
そしてその山口淳さん。「よっ、新堂。お前らしい変わった式だったな!個性的でいいじゃないか。ユイさん、綺麗だよ!」
「一応、招待状はもらってるんだが?」と不服そうに答えたのは中里恭介さんだ。
カードをチラつかせる二人を横目に、彼が私を睨む。
そう、この人達を招待したのは私だ。だって新堂さんの選んだゲストがあまりにも少なくて、彼の事を祝ってくれる人はもっといるはずだと思ったから。
「来る者拒まず!でしょ?中里さん、久しぶり。相変わらずアメ玉転がしてるの?」
高校時代のバイト先の人と言えば聞こえはいいが、何かとダークな私達の関係。
「朝霧ユイ。生きてたな!良かったよ。ずっと気にしてたんだ」
こんなコメントに新堂さんは「ふざけるな!俺がついてるんだから当たり前だ!」と当然ながらご立腹だ。
「そうだったな。そう怒るなって!新堂、おめでとう」
真っ直ぐな中里さんの祝福さえ素直に受け入れられない様子。
畳み掛けるように斎木さんが口を出す。「や~っぱお前にはもったいないよな、こんな飛び切りの美女は?この間は和装でしたが、今日もまた言葉にならないくらいお美しくていらっしゃる!ユイさん、コイツといると大変だろ?」
「あっ、……そんな事ないけど」本当に調子のいい人だ。
返答に困る私に助け舟を出してくれたのは中里さんだった。
「いや、新堂にこそ相応しいじゃないか。俺らの中じゃ、一番のモテ男だったんだから?」と彼の肩を叩いて言う。
助けてもらいながらも突っ込む。「って事は中里さんも、私の事飛び切りの美女って思ってるのね!」
中里さんは赤らめた顔を歪めて、「美人だと思うよ、俺の趣味じゃないけど?」と言い訳がましく言うのだった。
こんなやり取りに、彼はとうとう顔を背けてしまった。
「ちょっと、新堂さんったら……っ」せっかくお祝いしてくれているのに!というか、おちょくられている気がしないでもない。
戸惑いながら、彼等を後に次に進む。
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