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第六章 見えないところで誰かがきっと
悪夢再び(4)
しおりを挟むスタンガンを当てられたり脇腹を殴られたりの散々な一日が終わり、いつもの朝が
やってきた。
「それじゃ、行って来ま~す」私は今日も出勤日だ。
「ユイ、十分気をつけて動くんだぞ?それから、狙われてるんだから……」
声を詰まらせた彼。なぜかその先は言わない。察して私が続ける。「コルトはちゃんと持ってます!」
「……とにかく。真っ直ぐ帰れよ」
こんな状況でも彼は拳銃を携行してほしくないようだ。
こうして家を出て、いつもの道を駅に向かって進む。すでに自宅を知られている以上、敵の多くは私の行動パターンも読んでいるだろう。
「懸賞金首かぁ~。それ知ったら、この辺の人達も狙って来るかしら?」
いつもより警戒を強めて周囲を観察するも、今やどこを見てもスマホを片手に俯く人間ばかり。
「全く隙だらけね。ないない!」そのせいで安易に考えてしまう。
緊張感も最近は持続しない。とにかく平和すぎる。裏を返せば退屈すぎる、か。
やや窮屈な電車に乗り込み、会社へと向かう。
これだけ密着していれば、刃物で切りつける事は容易いだろうが、そんな殺気も一切感じられない。
やや鋭い視線を感じて振り向くも、その先にいたのはオタク系の若者。
「こんな所で感じられる危機感なんて、この程度ね!」気も緩むはずだ。
会社では昨日の出来事が何倍にも膨らんでネタにされていた。
「ちょっと朝霧さん!大丈夫なの?!」出勤した私の元に皆が駆け寄る。
「えっ、ええ……別に普通ですが」そう答えると、「すっご~い!ボスの言った通り!よっ、不死身のオンナ!」と返ってくる。
病弱な女から不死身の女に転向か。それならば悪くないかも?
そして帰り道。いつものルートを通り家へと向かう。人気の少ない路地に入った時、後ろからの殺気を感じて立ち止まる。
「朝霧ユイだな。一千万はオレのものだ!」
「出たわね。愚か者さん」
懐から取り出したナイフを手に男が迫る。振り下ろされた刃先を避けて、横に移動し腕を取る。
「すばしっこいヤツめ!だが、そんな非力じゃ押さえられねぇぞ?」
こんな事を言うも、押さえつけられた腕を振り解けない様子。
「んなっ!何でだ!?」
「人を見た目で判断しない事ね」
握っていた男のナイフを容易く奪い、形勢はあっという間に逆転した。
「こっ、殺さないでくれ……!一千万なんていらねえっ!」
「何て変わり身の早い人!殺す?私があなたを?」冷たい視線で男を見据える。
後ろのコンクリート塀に追い詰められた男が、青い顔で再び命乞いをする。
「……その程度で私に向かって来るなんて、浅はかにも程がある」
手にしたナイフを男の顔に向けて勢い良く突き立てる。恐怖で目をきつく瞑る男。
「下らない。時間のムダだわ!」
ナイフは顔から数センチ反れたコンクリート塀に当たり、折れてはじけ飛んだ。
「あんたを殺して私に何の得があるの?その首に一億の懸賞金でも付いてるっていうなら、話は別だけど!」
腰が抜けたのか、しゃがみ込んでしまった男を足で蹴りつけ、そのまま路地から大通りの方に転がす。
「ここの通り、お巡りさんが頻繁に通るから、待ってれば来るわよ~!」
その時、今度は背後に車が接近。大柄な男が降り立ち、後ろから私の口を塞いだ。
「きゃ!今度は何?!」そう思って若干テンションが上がったけれど、「静かにしろ。俺だ、大垣だ。投げ飛ばすなよ?」聞こえてきたのは大垣の声だった。
横目で確認すると車はリムジンではなく、黒塗りベンツの大型ワゴンタイプ。
「あんな所をご近所の人間に見られたら、マズいんじゃないか?」小声で囁く。
「あんなって?」
振り返って聞き返す私を、大垣が車内へと引き摺り込む。こんなシーンこそ、目撃されていれば間違いなく通報されるだろうが?
乗り込んでみると、そこには見知った顔がもう一つ。
「やあユイ。手荒な真似をして済まなかったな」
「神崎さん!一体どうしたの?」敵じゃなくて残念だけど、神崎さんなら大歓迎!
「ちょっとした演出さ。いつも同じ登場の仕方ではつまらんだろ?」
「社長。冗談が過ぎます。これっきりにしてください。自分はもうやりませんよ?」
「硬い事言うなよ!ユイだって面白かったって言ってるじゃないか。なあ?」
一人楽しげな神崎さんに強く否定する事もできず。「……言ってないけど」
「ところで。神崎さんたらご機嫌みたいだけど、何かいい事あったの?」
「ああ!喜べユイ。お前の首に賞金を懸けた人間が見つかった。これから会いに行くんだが、一緒に行くだろ?」
「ホントに?行くっ!」
「そう言うと思って、迎えに来たんだ」
「そういう事ね。だけど、神経を張り詰めてる時に、こういう登場はもう控えてね」
本気で向かってしまうから、と心で言う。大垣はそれを分かっていたと見えて、大きく頷いていた。
「悪かった。一刻も早くお前に会いたくてな」
「私も!この間全然話せなかったし。心配してくれて嬉しいわ」
「当然だろ?お前は俺の大事な妹だ。もう少し早く来れば良かったな」後ろを振り返って言う。
「大丈夫!そう簡単にはやられないから」それと、私の楽しみを奪わないで?
「それで、あれでトータル何人目だ?」
「う~ん。分かんない!」どれを数えていいか判断できなかっただけなのだが、「何?そんなにいたのか!」と神崎さんが驚いている。
慌てて訂正しようとすると、こんな事を言った。「人気者だな、ユイは。……嬉しいような腹立たしいような!」
「そりゃそうでしょ。だって私は、神崎龍司の妹よ?」訂正するのはやめにした。
そんな私達を見てか、大垣が隠れて笑った。そういう事は見逃さない。
「あ~大垣さん、今笑ったのって、社長ってやっぱシスコンだ!とか思ったんでしょ」
「は?!いいえ、自分はそんな……っ」
「何かおかしかったか?大垣」神崎さんの問いかけに、慌てた様子で「滅相もございません、社長」と答えた。
困らせるつもりはなかったのだが。大垣を見て舌を出しておどけた。
こんなやり取りをしながら、車は目的地に到着する。
「さあユイ。言いたい事全部ぶちまけていいぞ」
「は~い!許可いただきました!」
先陣切って乗り込む私に、神崎さんと大垣が続く。とあるビル入口で、まずは軽い肩慣らしだ。
「何だ、お前ら!」
「雑魚は引っ込んでてねっ」
門前に立つ男数人をあっという間に蹴散らして中に入る。
広々としたその部屋には、奥にポツンとデスクが一セット据え付けられている。
「おやおや、威勢のいいお嬢さんがいらっしゃったようだ」デスクにふんぞり返っていた年配の男が私を見て言う。
この男が元締めか。「オジサンは、私が誰か知っててあの懸賞金を?」
「ああ、もちろんだよ。朝霧ユイさん!調べる手間が省けた事、感謝するよ」
後半のセリフは、どうやら後ろの神崎さんに言ったようだ。
男が続ける。「その昔、君のお父上には世話になってね」
「何ですって?アイツの知り合い?」
目の前の男を見る目が変わる。さらなる恨みが募ったという意味だが!
何のコメントもない事から、どうやら神崎さん達は知っていたようだ。
「呆れたわ。当の昔に消え失せた人間よ?まだ何か根に持ってたりするワケ!」
「とんでもない。偉大な人間というのは、死んでも存在は消えないんだよ。なあ神崎社長!あなたならば、この気持ちがお分かりでしょう?」
「は?何言ってんのよ。それと私を狙うのと何の関係があるの!」
後ろの神崎さんは口を閉ざしたままだ。
「もうどのくらい経つかな。君がイラクのテロで死んだとの情報が入ったのは。それまでも君の噂は何度も耳に入って来たよ」
「それはどうも」
「ついに年貢の納め時、これで朝霧の呪縛から解放される!そう思ったが……」
「何よ、朝霧の呪縛って?」
「それはまあ色々とね」
ふん!と鼻を鳴らす。「大体ね、あのクソ親父と私、何の関係もないんだからね?」
「少し前に、とある会社のホームページに、君の写真が出てる事を教えてくれた人がいてね。本人かどうか調べていたんだよ」
「ちょっと?私の話聞いてる?」
「名乗っているだけでは同姓同名かもしれない。何とかして君のトレードマーク、コンバットパイソンを確認したかったが、誰も見ていないと言う」
「バカじゃない?会社でそんなの出す訳がない。そもそも!やって来る敵が弱すぎるの!」そう簡単にコルト様の姿を拝めると思ったら大間違いだ。
「そうかな?案外手こずったんじゃないのか?」
まるで見ていたように言うではないか。気にくわない!
「……それで私に、一体何の恨みがあるっていうのよ?初対面よね?私達」
「ああ。分かったんだよ。この呪縛を解くには、半端な事をしていてはダメだと」
「本当に人の話を聞かない人ね!あんな懸賞金額自体が半端じゃない。大体、何で一千万なのかって聞いてるの!」
不意に後ろから声が響いた。ようやく兄が声を上げた。
「同意だ。朝霧ユイの価値を軽く見過ぎている!」
「これは単なるお遊びですよ?神崎社長まで、そんなムキにならないでください!」
「ふざけるな!遊びで人を殺すのか、貴様は」
「殺す、ですと?誰がそんな物騒な事を!」
「とぼけるな。半端な事をしないというなら、そういう事だろう」
そう言うと神崎さんが懐から拳銃を抜き、男に向けた。
「神崎さんっ!」
兄が本気で怒っている。殺させてはいけない!
「懸賞金など下らん!今すぐ取り消せ。それから、金輪際朝霧ユイに関わるな。それができなければ、今ここで貴様を消すだけだ」銃口が突き付けられる。
「待ってくれ!それはおかしい、あなたには私の気持ちがお分かりいただけると思ったのに?神崎社長!」
「俺は朝霧に呪縛などかけられていない。何をそんなに恐れている?朝霧義男が死んだ今、勝手に娘のユイに怯えているのか!実に下らん。バカバカしい事に可愛い妹を巻き込まんでくれるか?」
私は神崎さんの隣りに移動して、そっと拳銃に手を添えた。
そして言葉を繋げる。「そうよ。せっかく生き延びてるんだから、時間は大事にしないと。義男は病気で死んだけど、そうじゃなかったら私が殺してたわ」
その呪縛を感じていたのは、神崎さんよりもむしろ私だ。
なぜこの男が義男からの呪縛を感じるのかは分からない。だがもし私のように因縁に囚われているだけなら、これを機に断ち切ってほしい。
私の願いが通じたのか、男の肩から力が抜けた。
「……確かに、あなた方はあの悪魔とは違うようだ」
それを見て改めて訴える。「それから、どうせやるなら十億よ、十億!」
「じ、じゅう、おくっ!恐れ入りました……」
銃を下ろした神崎さんは、ツカツカと男に歩み寄り肘でひと殴り。男は堪らず椅子から転げ落ちた。
そんな男を見守ってしつこく言う。「いい?私に懸けるなら十億、だからね!」
そして神崎さんが静かに続ける。「その前に、今度そんな遊びを始めたら、俺が真っ先に殺す」
最後にかけられたこんな脅しに、男はガタガタと震えるばかりだった。
これでは私達もあの悪魔と大して変わらないような?残念だがこの男にとっては当分、その呪縛とやらはなくなりそうもないようだ。
「社長、そろそろ参りましょう」
大垣の言葉を受けて、神崎さんが私を促して部屋を出る。それを見届け最後に大垣が部屋を後にした。
車に戻った私達は会話を再開する。
「あ~あ。で?結局これって何だったの?」
「オヤジの因縁だろ」
「サイアクっ!死んでからも迷惑かけるワケ?あいつは!」
「全くロクでもない父親だよ」
ホントホント!と同意する。
「でも。さっきの神崎さん、超カッコ良かった!」腕に絡みついて笑顔を向ける。
「惚れ直したか?」
「もう~かなりっ!」
「ゴホン……っ!」居た堪れなくなった大垣の咳払いが車内に響く。
「ところで神崎さん、いつも拳銃持ち歩いてるの?」まだそれほどの実戦経験はないように思うのだが。
「必要な場合はな」つまり今回は必要だったという事だ。「……大垣さんは?」
「自分は持っていません」
「何でよ!持ちなさいよ」
思いがけない言い分だったのか、二人が驚いている。
「何よ、二人して。何か変な事言った?」
「いや……。確かにそうだなと思っただけだ」社長の自分が持っていてボディガードが持っていないなんて?と続ける。
「しかし……」大垣はなかなか応じようとしない。
「いい?これがあれば、時短なの!」
私は通勤用のバッグからコルトを取り出して見せつける。
「じ、たん?」大垣が繰り返す。
「時間短縮!それと、体力温存?ほら、お互い年だし?」
「おい、お前と大垣では年が違うだろ?」神崎さんが真っ先に指摘する。
けれどこれは本当だ。「違わない。前と比べて確実に衰えてるって事は」
「確かにな」大垣が呟いた。
それでも拳銃を使いたくないと言うのか。例えその昔使っていたとしても?
この人の右手に、消えかかってはいるが銃ダコある事は当の昔から知っている。
「お気遣い感謝します、ユイさん。しかし自分には必要ありません。それがなくても、社長の事は必ずお守りします」
「こいつは言い出したら聞かんからな。諦めろ、ユイ!」
「まあ、いいけど」何か事情があるのだろう。これ以上踏み込むのはやめる。
「だけど実際、平和すぎて体が鈍ってるのは確かよ!」
「平和なのはいい事じゃないか。そんなに不安なら、ボディガードつけてやるぞ?」
「やめて!ボディガードにボディガードつけるなんて、どう考えてもおかしいでしょ」
神崎さんはただ笑っただけだ。
「私が守るのは、新堂さんただ一人だけどね」と加えた。
「新堂先生は幸せ者だな!しかし、プライドが高そうに見えてそうではないようだ。何とも掴みどころのない男だよ」
「そうだね。私もそう思う」素直に答えた。長年付き合っていても謎が多いと!
「俺を利用しているだけかもしれない」
「そう思うなら断ればいいじゃない」
神崎さんがふっと笑った。そして首を静かに横に振る。「断れる訳ないだろ?」
「どうして?」
「大事な妹の時期夫だぞ?俺の弟分って事だ」
つい笑ってしまう。「それはスゴイ弟ができるね!って、もしかして……」
神崎さんが頷く。「聞いたよ。お前達、婚約したんだって?おめでとう。ここまで随分とかかったな!何にせよこれで安泰だ。式には必ず呼べよ?」
彼は話したのか。それはつまり無事に五年を迎えられると確信しての事だろう。これには心からの喜びを感じた。
けれど、新堂さんがどんなふうに伝えたのかは分からない。
「ありがと。もちろんだよ」ただこう言って笑みを向けるにとどめた。
「ユイ。これからも何かあれば遠慮なく相談しろ。必ず力になれると思うから。先生にもそう伝えてくれ」
「自信満々ね」悪戯っぽく聞いてみる。
「ああ。何事も、得意なヤツがやればいい。地位も名誉も権力も、全てこの手中にある。俺の願いは叶ったんだ」
「表裏共に、ね」
私達兄妹は、ワルの顔でニヤリと笑った。
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