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第三章 適材適所が成功のカギ
ふたりの客人(2)
しおりを挟む真新しい黒のセダン車が庭の定位置に収まる。颯爽と降り立った彼が、冷徹な視線を一瞬だけ男に向けた。
「ユイ、何をしている。そちらは客人か?」
「ええ。こちらは……」
「か、勘弁してくれぇ~!!」
男が泣き叫ぶ中、私はしばし無言を貫く。
「何なんだ、騒々しい」声を荒げてお怒り気味の彼に、「侵入者よ」と打ち明ける。
「……何?」
新堂さんの鋭い視線に身を竦めた男の顔色が、さらに青冷めた。
「こっ、殺、殺さないで、くださ……い」
男の言葉を無視して、彼が私の方を向く。「……。ユイ、食事の用意を頼む」そう言うと玄関に向かった。
「は~い!今行くわ。これが済んだらね……っと」最後に二発連射で空き缶を撃ち抜く。
ドアを開けたところだった彼が振り返る。
「お見事!」カバンを小脇に抱えて拍手を送ってくれた。
小走りに駆け寄り、カバンを受け取って玄関ドアを支えて彼を先に通す。
チラリと後ろの幹に縛りつけた男に目をやると、泣きそうな顔でこちらを見ている。
無視して彼に向き直り、「今日はトマトパスタを作ったのよ!」と愛する夫を見上げれば、「おお、それは楽しみだ」彼も少しだけ笑顔を見せてくれた。
我ながら、なかなか素敵な夫婦のワンシーンではないか?
彼が中に入った事を確認して、改めて男を振り返る。
「これに懲りて、悪行を改めるのね。今度来たら容赦しないからそのつもりで!」
コルトを左手だけで構え、ロープを撃ち抜く。男はヘナヘナと地面に崩れ落ちた。
「おバカさん!」
「何してるんだ、早くしろ!」彼が部屋の中から叫ぶ。
「はぁ~い、ただいまっ」
男を放置して中へ入りドアを閉めた。
「おい、それで何なんだ、あいつは」幾分口調を緩やかにして聞いてくる。
「泥棒、だったみたいよ?」
「ここへか。度胸あるな!」
「本人が言うには万全な下調べの上、らしいけど」
「はは!よほど腕に自信があるか、ただのバカだな。見たところ後者だが」
的を得たコメントに思わず吹き出す。「同感!」
新堂さんが壁に突き刺さったままの帽子付きのナイフに気づいた。しばし眺めた後、帽子ごとナイフを抜き取り、テラスに向かう。
「あ……!ねえ?私がきちんとお仕置きしといたから、勘弁してあげて?」
無表情の彼に不安が募り訴える。
「俺が何かするとでも?」少しだけ顔をこちらに動かして言う。
「だって、今度侵入者があったら……」
「殺す、って?」
わざと外の男に聞えるように話している。男はまだ座り込んで震えていた。彼がナイフを手にしているのを見て、さらに震えが大きくなる。どうやら腰が抜けたらしい。
「でもねっ、そういうのは私の仕事だから!」
「そうだな。俺は金にならん仕事はしない」
「最低価格は三千万、だったかしら?」
男が目を丸くしている中、会話は続く。「いや。五千万だ」
ナイフの刃先を眺めながら返答する彼を見つめ、男は口をあんぐりと開けている。
「まあ、どっちでも変わらないわね!」
「そうだよ」
答えるなり彼は、男が座り込む木の方向に鋭くナイフを投げつけた。
ナイフの行き先を瞬時に確認すると、帽子ごと男の頭上の幹に突き刺さっていた。
「お見事っ!」
「忘れ物だ。置いて行かれては困る」
「ああダーリン……惚れ惚れするわ!」
「おまえが無事で何よりだよ」
こんな事を言い合い、私達はこれ見よがしに抱き合って濃厚なキスをした。
やがて男はようやく立ち上がると、ナイフと帽子を回収して一目散に逃げ出した。
男の姿が見えなくなって、私は改めて彼を称えた。
「素敵!新堂さん、さすが刃物の扱いに長けてるわね~」
「何、オールマイティのユイには負けるよ」
「うふふっ!」
「……しかし、お遊びが過ぎたんじゃないか?」
「あら。これくらいしないと分からないのよ、ああいう愚か者は。新堂さんだって相当イジメてたじゃない?」
ちょっとした寸劇を繰り広げて私的にはかなり楽しんだのだが、どうやら新堂さんは少々違うようだ。
「今日の俺は機嫌が悪いんだ」
「え?何かあったの」本当に機嫌が悪かったのか。そんな事を言うとは珍しい。
「いや、大した事じゃない。気にするな」
「そう……?じゃ、とにかく食べましょ」
彼の態度が少々気になったが、今はそれどころではない!あんなクールすぎる言動を見て興奮冷めやらない。それはまるでキハラのようで、惚れ直したのは本当だ。
「壁に穴が開いてしまったな」ナイフが突き刺さっていた所を見つめて彼が言った。
「ごめんなさい、私が開けたのよ」
振り返って私を見下ろした彼が、どういう訳か笑顔になる。「良かった」
「何で?」拍子抜けして、ポカンと彼を見上げて問いかける。
「ユイが無事で!」
「え~?当ったり前じゃない、あんなの相手にどうにかなると思う?それより、穴が開いたって悲しんでたんじゃないの?意味分かんないんだけど……」
彼は満足そうに私を見下ろしたままだ。
「変な新堂さん!まだ笑ってるし……大丈夫?」今度はあなたが頭をぶつけた?
「俺はいつも大丈夫だよ。おまえと違って」
「今さり気なくバカにしたでしょ!」
「ユイ。殺さないでくれて礼を言う。壁なんて直せばいいんだから」一人満足げだ。
「は?あいつの事?」話について行けない。それを喜んでいたのか!
「他に誰かいるのか」
「今日の来客は二人いたのよ」
「何だ、もう一人いたのか。誰が来たんだ?」
「マキさん」
予想外の人物の名に驚いている様子。
「マキ教授?俺は呼んでないぞ」
「知ってる」
「用件は?」
「あの人にも悩みがあったみたい。私と話して、満足して帰って行ったわ!」
本当は私の様子を見に来てくれたのだが?
しばし私の顔を凝視していた彼だが、興味なさげにダイニングに向かった。
並べられた料理を前に、彼がフォークを手にする。
「ねえ、あのマキさんの悩みよ?興味ないの?」
私も席に着いて食事が始まるも、何も聞いて来ない彼に不満が募る。
「ああ。俺には関係ない」一口目を口に運びながら返される。
「冷たいのね!」口を尖らせて言い返す。何て張り合いがない!
「他人のプライベートに踏み込むような事はしたくないだけだ」
「それはそれは。妥当な判断よ」やはりこの人は大人だ。
そして話題は早々に変えられる。「それよりこのパスタ、絶妙な味付けで旨いな」
「でっしょ~!私もそう思うの!」
料理を褒めてもらえるのはとても嬉しい。そして自分が美味しいと思うものを、一緒に美味しいと食べてくれる人がいる事が何より幸せだ。
気づくと彼が食事の手を止めて私をじっと見ていた。
「私の顔に何か付いてる?」撃ったのは空き缶とロープだけ。飛び散るもの(!)はなかったはずだが。
こんな事を思い返していると彼が言った。「……いや。見惚れていただけさ」
「いやん!もう……新堂さんったら。さっきの夫婦ごっこの続き?」
「……ああ」彼が心ここにあらずの様子で生返事を返した。
否定しなかった。ごっこの、続きだったのか……?
まあいいか。「新堂さんだって、格好良かったわよ」私は改めてこう告げる。
「ん?どこが?」目を瞬いて聞いてくる。
「あいつ、あなたが助けてくれると思ったみたい」
「ああ、アイツか。なぜ俺が?人助けは趣味じゃない」
「あ~ん!もう、堪んないのっ、あなたのそういうクールすぎるとこ!私、いつからマゾになったのかしら……」むしろイジメるのが快感だったはずなのに?
「前からだろ。俺は気づいてたよ」
「ええっ?!何ですって?」意外な指摘に慌てる。
「ユイは、俺にイジメられるのが快感なんだよ。だから本当は注射も……」
「バカバカ!あり得ないから。絶対、ゼ~ッタイ!」
新堂さんが声を上げて笑っていた。
こうして彼との愉しい食事を終え片づけを済ませて、先に湯船に浸かっている時だった。リビングからピアノの音が聞こえてきた。
「こんな時間に珍しい。しかも……何だかやけに荒々しい!」夜にご近所迷惑よ?という心配は無用だが。射撃の音と違って丘の下までは響かないだろうから!
入浴を終えると、髪も乾かさずにリビングへ向かった。
部屋をそっと覗く。彼はいつも楽譜など見ずに演奏する。それはいつもと変わらない。しかし、今の彼はどこか違って見えた。譜面どころか鍵盤すら見ていない!
「新堂さん……?」
彼はまだ私の姿に気づかない。真っ直ぐに正面を凝視したまま、激しく鍵盤を叩いている。その表情からは何も読み取れない。ただ音色だけが怒りや鬱憤を訴えていた。
しばらくドアの陰から様子を窺っていると、ようやく彼が私に気づいた。
「もう上がったのか。早かったな」
「うん……ごめん、邪魔した?」
「いいや。そんな事ないよ」
私を認識した途端に、彼の音色はいつもの音色に戻った。怒りは一切感じられない。
「ユイ?どうかしたか」
その場でぼんやりと自分を見つめていた私に、不思議そうに尋ねてくる。
「新堂さん。今日、何かあったって言ってたよね」
「ああ。その事ならもう大丈夫だ」
「私、向こうに行ってるから。もっと自由に弾いてていいよ」
遠慮して部屋を出ようとすると、彼が立ち上がって私に追いつき腕を掴んだ。
「待て!いいんだ、いてくれて。気を遣ってくれたんだな、ありがとう。だが本当にもういいんだ」
そう言って微笑んだ彼は、いつもの優しい新堂さんだった。さっきまでの荒々しいピアニストとは別人の。
私はピアノの椅子に腰掛け、さっきまで彼が触れていた鍵盤に指を乗せた。
「あんな音色、初めて聞いた」
「こんな時間に近所迷惑だな」私と同じ事を考えている。「ふふ……。平気よ、ご近所いないから」
「そうだな。でもおまえに迷惑だな、ごめん」
「全然!迷惑じゃないわ。だけど、ちょっと心配」
彼が私の横に座り、二人でピアノに向かう。
「俺は今まで、ユイのためにしか、これを弾こうとは思わなかった」
「どうして?」彼を見上げて聞く。
「ユイのためになら弾いてもいいと思ったから。おまえが聞いてなければ意味がない」
こんな言葉は、とても嬉しい半面複雑だ。そんな制約は必要なのかと。
「でもさっきは?」
「ピアノの前で、初めて無心だった」
「無心?!たっぷり怒り、籠もってたと思うけど?」
こんな指摘に、ようやく彼が不機嫌になった原因を話してくれた。
「実は今日な、依頼先の病院で久しぶりにキツいお言葉をいただいてね。それも女医に」
「ちょっと?今、女医って言った?美人なの!」
「そこ重要か?俺はてっきり……」
女医、つまり女なんかに!という言い回しに私が反発すると思ったらしいが、そんなのはこの際どうでもいい。美人の女医なんて、彼に近づいてほしくない!
「気になってるんでしょ、美人の女医が!あなた案外面食いだもんね。ああ最悪っ!」
「待て待て!話を聞け。誰が美人と言った?ただのオバサンだよ、ユイの方が美人だ、安心しろ」一人でオロオロしていた私に、彼が断言した。
「……そう?で、何て言われたの」ここは素直に納得する事にする。
彼が呆れた様子で続けた。「それがな、スタッフの仕事を邪魔しないでくれと」
「それだけ?」
「心外だ!俺は依頼を受けたからしたまでだ。邪魔などしていない。むしろ患者は助かって、大いに感謝されたんだ」
「それ、言ったの?」
「もちろん」
「一筋縄では行かないのが、オバちゃんよね~」
「あの威圧感に負けた……」新堂さんが鍵盤にもたれて呟いたため、意図せずして不協和音が鳴り響く。「ナイスBGM」
そんな彼の背中を叩く。「ドンマイ、新堂先生!」
可愛いところあるじゃない?新堂和矢にも!
「やっぱり俺は、年上は苦手だ」この何気なく放たれた言葉に引っかかる。「ちょっと?それって付き合う事を考えて?」
「バカな!人付き合いって意味でだよ。冗談じゃない」
本気で嫌そうな顔をしている彼に、気持ちが落ち着いたのも束の間。私はある人物を思い出してしまった。
「そう言えば、あのショウコって人は?結構美人だったよね~。年下だったの?」
こんな昔話を振ると、彼が体勢を立て直した。
「なぜそんな話になる?そんな昔の事、忘れたよ」
「ウソ。そんな訳ないでしょ」
祥子・フォード。新堂さんの元恋人だ。今はもう会いたくても会えない。彼女は当の昔にあの世に召されている。
医学部時代のクラスメイトで、帰国子女のブロンド美人!この人には一度だけ会っている。あの女が彼を忘れられず、未練がましく付き纏っていた時に。
新堂さんが恋愛嫌い(!)になったのはこの女が原因に違いない。真相は謎だが。
「で、それは重要か?」
過去にこんなやり取りを何度した事か!似たようなセリフを吐く彼に、追及する気が瞬く間に失せた。
「ま、いいや。昔の事だし?」
私は横の彼を押し退けて、猫踏んじゃったを演奏してみた。
「どう?」
「いや素晴らしい!感動したよ」大袈裟に褒められて逆に不愉快になる。
「んもう!」
彼の肩にわざとぶつかると、あっさり新堂さんに抱き留められた。
そのまま私を軽々と持ち上げて自分の膝に乗せる。
「じゃ、次は俺の番だな」耳元で囁く彼の声が私をくすぐる。
「んっ!くすぐったい……新堂さん近すぎ!これじゃ手元見えないでしょ?」
「全然。見なくても弾けるよ」
そう言って鍵盤を見ずに弾き始めた。それも珍しくポップスだ。どうやら私に歌わせる気らしい。後ろから意味深な視線を送られる。
「しょうがないなぁ~」
私は伴奏に合わせて歌った。歌詞が分からなかったので適当だが。
気が進まなかった割りには、これが案外楽しくて、私達はしばらく音楽の心地良さに浸った。
「楽譜も鍵盤も見ないで弾けるなんて、凄いよね~」
「だからいい加減だよ、格好だけさ」
「何ヵ所か音外れてたもんね!でもこれ、ポップスだったから分かったのよ。クラシックは難易度高すぎてユイさんには無理!」
「気づかれてないと思ったのに」残念そうに言う彼。
ここぞとばかりに上から目線で言い返した。「まあ、大目に見ようじゃない?私も歌詞分かんないからメチャクチャだったし!」
「だよな?途中からおかしな歌詞だと思ったんだ」
妙な歌詞を再現されて堪らず吹き出す。
私達はお腹の底から笑い合った。
「ねえ新堂さん。私のためだけじゃなくて、自分のためにも弾いていいのよ。今日みたいに。あなたはもう自由なんだから」私はそう伝えて、後ろの彼に微笑んだ。
これをきっかけに、新堂さんが胸の内を語り始めた。彼は自分の想いをあまり打ち明けないから、とても貴重だ。
「昔……そう、医者になろうと決めた頃だ。俺は、金で何でも手に入ると思っていた。金さえあれば、それこそ自由や幸せもね」
「なら、ピアニストにならなくて正解じゃない?」
「ああ。それだけは、早々に見切りをつけた自分を褒めてやりたいと思うよ」
「で、晴れて手にした大金で、欲しいものは手に入ったの?」
「手に入れたよ。だが金で、ではない事は確かだ」
「でもそのお金は、ある意味では必要だったんじゃない?色んな意味で……」
「そうだな。だが金だけでは手に入れられなかった」
また自由にピアノが弾ける日々、とか?
そう考えながら彼を見つめると、まるで心を読んだかのように新堂さんが私の頭を撫でた。そこで手が止まる。
「おい、髪、まだ濡れてるぞ?ちゃんと乾かしたのか?」
「あ~っそうだ!乾かしてなかったんだ。ちょっと見に来ただけだったの!」
名残惜しく彼の膝の上から飛び降りて、バスルームに走るのだった。
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