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第二章 人生は万事、塞翁がウマ!
20.じゃじゃ馬のハート(1)
しおりを挟む耳の不調を訴えてからすぐに、私はさらに体調を崩して寝込んでしまった。つまり寝室がまたしても別々になったとい事。
お陰で紛争地に乗り込むような行為は完全に不可能となった。
「ユイ、水、ここに置いておくぞ」
「う~ん……、んん……」
私は再びウイルス性の感染症に罹っていた。イラクでの発熱以来二ヶ月ぶりだ。
今年は人質事件が起きたり立て続けにこんな体調不良に陥ったりと、どうも良くない幕開けだ。
「八度四分か……少し高いな。ユイ、解熱剤を追加だ」
新堂さんに左腕を掴まれるも拒絶。「イヤだ……、飲み薬ちょうだい」
「こっちの方が即効性がある」手にした注射器を顎で示して彼が言う。
どんなに体が辛くなろうと嫌なものは嫌だ。「いいの……!お願い、私の体にこれ以上針を刺さないで」
彼はしばし何かを考えていた。やがて銀のトレイに注射器を置いた。
「分かったよ、仕方ない。ちょっと待ってろ」
言ってみるものだ。九割方諦めていたのだが?
少しして新堂さんが別室から錠剤を持って戻って来た。こんな要求を出しておいて何だが、辛い……。自分の荒い息遣いがそれを物語っている。
それでも私はベッドに上体を起こして待っていた。
「横になってていいのに。じゃあ、これ飲め」
ベッドサイドに屈んで解熱剤を飲ませてくれた。
「……ありがと」
「夜になっても下がらなければ注射するからな」
「下げるもん」
こんな私のセリフに、新堂さんが両手を軽く広げてため息をついた。
彼が部屋を出て行った後、私はすぐに夢の中の世界に引き込まれた。
私はどこかの砂漠地帯にいて、ようやく辿り着いた建物の石の扉をこじ開けた。
その薄暗く狭い空間には、複数の人がすし詰め状態になっている。
〝こっちよ、早く出て!〟
〝君は?我々を助けてくれるのか!〟その中の一人が立ち上がって私を見た。
〝中に何人いるのか教えて〟その彼に口早に問いかける。
〝敵は全部で二十人足らずだ。人質の方が遥かに多い!〟
〝人質……?〟
一瞬、ここは一体どこで、自分が何をしに来ているのか分からなくなる。
ぼんやりしていると場面が変わり、今度は砂漠のど真ん中を、爆弾を体に巻きつけられた先ほどの人質達が運ばれている。
〝何て事なの!さっき逃げ切れてなかったなんて……〟
私は人質達に駆け寄り、必死に爆弾を取り除こうとするのだが……。
〝手を出すな!出せばこいつ等を爆破させる!〟
いつの間に現れたのか、主犯格と思しき男に後ろから羽交い絞めにされる。
〝くっ!〟
どうする事もできずに立ち尽くす私の頭上に、今度は突如ヘリが現れる。そしてここ一帯に向けて上空から爆弾が落とされた。
〝ダメぇぇ―!!〟
私の叫び声も虚しく、人質達は犯人グループ共々木っ端微塵に散った。
またしても場面が変わる。
〝この国に、もっと外国企業の誘致を!〟
公衆の面前でこう呼びかけているのは私だ。
そしてどこかの国の政治家らしき男が後に続く。〝そうです、テロに屈してはなりません!〟
〝彼等の居場所を作ってはダメ!〟
〝犯罪者に居場所などない!〟
私は政府の役人達と共に、世界各国からの有力企業をこの国に招聘するための活動をしている。
必死な訴えを繰り広げる私。ところが、その声が掠れ始める。
〝ん……声がおかしいわ、……ああ、ああ!〟
あまりの喉の渇きで目を覚ました。「……ああ、喉が、渇いた」
起き上がって彼が置いて行ってくれたコップに手を伸ばす。一気に飲み干して、ようやく一息つく。
「夢に、決まってるよね……」辻褄の合わないストーリーに力なく笑う。
不意に自分の心臓の鼓動が気になった。それは前に体験した動悸とも違う。リズムが変なのだ。怖くなってすぐさま呼出し用のブザーを押し続ける。
「ユイ、起きたのか。どうした?」
「新堂さん、心臓の音が変なの!怖い、何が起きてるの?!」
押さえていた私の手を退かし、彼が左胸に手の平を当ててくる。
「診てみよう。横になって」
「新堂さぁん……」縋るような目で、というか、思いきり縋り付いている私。
対する彼は相変わらず冷静だ。
「熱のせいだろう。そんなに不安な顔するな、大丈夫だ」
そう私を宥め、真剣な表情になって聴診器で心音を聞いている。
「呼吸は苦しいか?胸の痛みは?」
「胸は痛くない。体中の節々が痛いけど!息は少し……」
答えると、念のためと指先に小さな機器を挟んで何かを測り始めた。
「これは何?」
「パルスオキシメーター。血液中の酸素濃度を調べるものだ……ああ、正常だな。であれば少し様子を見よう。熱が下がれば治まるはずだ」
「放っといて平気なの?止まったりしない?」心臓を押さえながら問いかける。
「バカな事言うな。これしきでおまえの心臓が止まるものか!」
「だって、とても激しく打ってるのよ?……この振動が気持ち悪いよ」
そう訴えると彼は私の体の向きを変えてくれた。
「どうだ?」
「うん、マシになった」さすがだ。
散々騒いだ後に何だが、この人といれば何が起きても怖くないと改めて思った。
ようやく落ち着いた私の額に、彼の手が当てられる。
「熱、下がってないな。約束通り解熱剤を注射する」
「あ~あ、残念」今回ばかりは抵抗せずに受け入れよう。
針を刺した瞬間にピクリと反応した私を見て彼が言う。「そんなに痛くないだろ?」
「痛い!あちこち痛い、体中が!」
「やれやれ……」
呆れた様子で呟きながらも、手元はテキパキと動かすドクター新堂。しばし注射跡を圧迫した後、テープを貼り付ける。
「はい終わり。騒がずにいい子だったな」わざとらしく頭を大袈裟に撫でて言う。
「ヤダっ、ホントに子供?私は!」
頬を膨らませて、彼から顔を背けたのだった。
そして翌朝。相変わらず心臓のリズムはおかしいままだ。
「熱っぽさは大分なくなったけど、まだ変なの」心臓を押さえながら、様子を見に来てくれた彼に訴える。
「確認しよう」
胸元を開けた私に聴診器を構える彼だが、しばし動きが止まる。
「新堂さん?……どうしたの」
問いかけると、何事もなかったように動きを再開した。「ん?いや。別に」
「また考え事?」
「そうじゃない。単に見惚れていただけだ」
「は?」
あまりに聞き慣れない言葉が返ってきたため確認したかったのだが、「いいから!少し黙ってろ」と彼は急に不機嫌になった。
見惚れていた?私の胸に?そんなバカな。
「しかし、なかなか治まってくれないな……」聴診を続けながら呟く。
「どうしてだろう」おかしな妄想をシャットアウトして話を合わせる。
「あれを使うか……」
「あれ?」
「……だが、あれは併用は危険なんだよな」
新堂さんが一人でブツブツ言い始めた。私には理解できないため説明は求めず、静かに結論を待つ。
「ユイ、もう少し我慢できるか?」
「これを?」心臓を掴んで尋ねると、彼が頷いた。
「それは、先生がそうしろって言うなら、もちろん。そんなに辛い訳じゃないし」
「あまり放置すると、血栓ができやすくなって良くないんだが。何しろ大元の感染症を治さないと意味がない」
「血栓なら平気よ。お水、たくさん飲んでるから!」
耳の不調や眩暈の予防に水分補給が重要との事で、意識して取り組んでいたところなのでちょうどいい。
「念のため、心電図モニターを付けて置こう」
「私、こっちの部屋に移動してて良かったね」
そうだな、と答えながら手際良く私の体に装置を取り付けて行く。取り付けた途端に不規則な音が聞こえてきた。
「心臓ってこんなリズムになるんだっけ?聞いた事ない!」心音とは規則的なリズムを刻むものとばかり思っていた。こんなのを聞けば誰だって取り乱すに違いない!
騒ぎ出す私を横目に、新堂さんはサラリと言う。「動いてるだけマシだろ」
こんなセリフにいつもの調子が戻ってきた私。
「えーえー、そうでしょうよ。どうせ私は心臓までじゃじゃ馬です!」
セッティングを終えて彼が私を見下ろす。「何かあったらすぐに来るから」
「……ありがと」
じゃじゃ馬、に、反応してくれなかった事が寂しかった。
それから数時間後、玄関のチャイムが鳴った。まどろみの中、こんな会話が聞こえてくる。
『よう。近くまで来たもんだから、寄ってみた』
来たのが貴島さんだと声で分かった。
『よく来てくれたな。まあ、入れ』
『朝霧はいないのか?』
『それが、ちょっとな』
そこでどこからか響いてくる電子音に気づいたのだろう。
『これは……モニターの心音か。朝霧のか?』貴島さんが尋ねた。
『そうだ』
『また派手に乱れてるな、あいつの心拍は!』
『笑い事じゃない』
彼の指摘に貴島さんがたじろぐ姿が目に浮かぶ。
『……済まん。で、放っといていいのか?』
『事情があって効果的な薬剤を使用できないんだ』
『面会は可能かい?』
『ご自由に』
こんな会話の後、二人がこの部屋にやって来たのが分かった。
まだ私にはこの気怠いまどろみから抜け出すだけの気力がない。申し訳ないが、ここは引き続き二人の会話を傍聴させてもらおう。
「三日前から寝込んでてね。まあ、いわゆる感冒だが」つまり風邪という意味だ。
「ウイルス疾患か……なるほどな」
何がなるほどなのか全く分からない。全てが説明される訳でもなく、素人の自分にはこの医者達の会話は聞くだけムダかもしれない。
「熱はもう下がってるんだがね……」
「海外でおかしなウイルスに罹ったって言ってたよな。またぶり返したんじゃないのか?」
「否定はできない。まあ、熱は前回よりは上がらなかった。それにここには彼女に効く薬剤が揃ってるから、それほど深刻な状況ではない」
「前回は起きなかったんだろ?心拍異常は」
「ああ。四十度以上出た割にね」
「大台に乗ったな~!」
そこは盛り上がるところか?心の中では透かさず突っ込みを入れている。
「さすがに焦ったよ。脳障害が起き兼ねないからな」
「薬剤も手元にないしじゃ、大変だったな」
人間は四十二度を超えると危険だと聞いた事がある。いつも冷静で素っ気ない彼でも、あの時はそれなりに焦っていたのか。
ああ……今、どうしても彼に伝えたい。感謝の言葉を。
目を開けた私に気づいて、新堂さんが声をかけてくれた。
「ああユイ、ごめん、起こしてしまったな。貴島が見舞いに来てくれたよ」
「枕元で騒々しかったな、悪い悪い!具合どうだ?こんな事なら、何か差し入れ持って来れば良かったなぁ」
「貴島さん、お気遣いなく。もう大分いいのよ。これさえ収まってくれればね」私はモニター画面を睨んで言った。
「新堂さん、貴島さんにお茶くらいは出してあげた?私ができればいいんだけど……」
「それこそお構いなく。お前は寝てろ、朝霧」
「ああ、茶か。そうだったな。つい話し込んでしまった。じゃあ貴島、向こうへ」
「朝霧の安眠妨害はよくないもんな。邪魔したな!お大事に」
あなた達が玄関からここへ直行した事は知っていますから?私は二人に見えないように小さく笑った。
「ユイ、何かあったら呼べ」
「うん」
新堂さんの数少ない友人。本人が友人だと言ったのだからそうなのだ。
彼の事を思い出した時に、貴島さんとの出会いの事も全て思い出した。きっとあの出会いは運命だ。これぞ天のお導き?
「ふふっ。新堂さんが淡白すぎて、貴島さんが年上に見えないところが凄いよね」
あの二人、十歳も年の差があるのに!まるで同年代だ。
こんな事をあれこれ考えていると、不意に心臓の辺りが軽くなった気がした。モニターの音が徐々に一定になって行く。そしてついに聞き慣れた心音になった。
私が呼ぶ前に新堂さんが顔を出した。
「新堂さん、治まったよ!分かった?」
「ああ。家中に音が響いてるからな」
「恥ずかしいよ……。ボリューム、もう少し下げられなかったワケ?」
意地悪そうな顔で、さあ?と彼が言う。
こんな事で私を辱めようなどと思うほど、彼は子供ではない。全ては私のためだ。
「一応今は正常値だが、念のためもう少し……」モニターの配線に目を向けて言う彼の言葉を勢い良く遮る。「必要ないわ」
そしてすぐに続ける。「何かね、分かるの。もう大丈夫!この辺がこうスッと軽くなったんだ」それはまるで悪いものが私から出て行ったように?
こんな拙い説明で、果たして分かってもらえただろうか。
目を細めて私を見下ろしていた彼だが、言い分を認めてくれた。
「根拠はかなり乏しいが、まあいいだろう」
「やった!」
外してもらった後、すぐに起き上がる。「じゃあ、私もあなたの貴重なご友人をおもてなししなきゃ」
「あいつの事なら気にするなって」
調子に乗って勢いつけてベッドから立ち上がった時、強烈な眩暈に襲われる。
「うっ……っ」
「おい、危ないっ!」
彼がすぐさま支えてくれた。危うく壁に頭を打ち付けるところだった。
「まだ起きるなって、体が言ってるじゃないか?」
「眩暈が……っ、耳がっ!」
「ああ、そっちか」
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「ううっ!」
「ほら、やっぱりおまえはこっちだ」
呆気なくベッドに逆戻りとなった。「え~ん、やっと心臓が治まったのに!」
こんなやり取りをいつから見ていたのか、貴島さんがおずおずと申し出る。
「お取り込み中のところ悪いが……俺、そろそろ、お暇するよ」
「おお、そうか?悪いな、こっちにかかり切りで」彼が振り返って答えた。
「貴島さん、せっかく来ていただいたのに、ごめんなさい」私も詫びる。
「気にするな。もともと朝霧の顔を見に来たようなもんだし。問題はあるようだが、とにかく元気そうで良かったよ。全快したらまた遊びに来いよ、まなみも喜ぶ」
「うん!ありがとう」
そうだ、私にも数少ない友達ができたのだ。まなみという友達が!
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