大嫌いは恋の始まり

氷室ユリ

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第六章 まだ見ぬ世界を求めて

  イヌワシの制裁(2)

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「帰って良かったのに」
 部屋までついて来た新堂さんに向かって言う。
「ああ……。まあ何だ、特に用もないし。付き合ってやるよ」
 本当はユキの事が気になっているのだ。全く素直じゃないんだから!

 ひたすら素っ気ない態度を貫く彼を眺めながら、バレないように笑う。

「なあ。それにしてもこの穴、デカくないか?」彼がユキの鞄に空いた穴を眺めながら言う。
「そう?何ならその隣りにもう一つ、空けてみよっか」
「ユイ!」これには、すぐさま叱責が飛ぶ。

 すでにコルトを抜いていた私。気まずい雰囲気に言い改める。
「っと……冗談はこれくらいにして!ユキ、もう一度聞くけど、犯人の男を見たのよね?詳しく教えて」
「うん……。車に乗ってた、一人だった。すぐに行っちゃったから、良く分かんない」
「あいつじゃないのか?」新堂さんが口を挟む。

「エリックの事言ってる?彼は怪盗よ、目的が違う。彼じゃない」
 私が否定すると、今度はユキに向かって口を開いた。
「ユキ。お前も拳銃を手に入れたなら、ユイに頼らず自分で何とかしたらどうだ?」
「ちょっと新堂さん!何て事言うのよ。先に言っとくけど、子供扱いしてるとか、今はそういう問題じゃないからね?」

「おまえはユキの事となると、本当に甘いな!」
「何よ!あなたがイジワル言うからでしょ?」
 それに、本当はあなただって気になって仕方がないくせに!

「やめて!私の事で、ケンカしないで……!」
 私達は同時に、大声を上げたユキの方を振り返った。
「ごめんなさい。私、新堂先生の言う通り、ユイお姉ちゃんに甘えてた。自分で何とかします」
「あ……、ユキ!」

 深々と頭を下げると、玄関に向かって歩き出す。
 そして、ユキは部屋を出て行ってしまった。

 追いかけようとする私を彼が引き止める。「放っておけ。少し頭を冷やすといい」
「あの子は命を狙われてるのよ?危険すぎる!」
「銃に危険はつきものだろ?」

 こんな冷酷なセリフを受けても、私には自分への怒りしかなかった。
「……全て私の責任よ」
 三年前の病院の屋上で、私がコルトを握る姿をあの子は目撃していた。きっかけはあれに違いない。彼女はあの時、拳銃を撃ったらしいから。

 ソファに置かれたままの鞄に気づく。ユキが忘れて行ったようだ。
 改めてそこにできた穴を見つめる。

「……確かに、大きいかも」
「だろ?」彼が横から顔を出す。
「これは、もしかして……!」あまりに恐ろしくて、その名すら口にできない。
「何か心当たりでも?」
 答えを待つ彼は、人の気も知らず無言のプレッシャーを与えてくる。

 そして私は、ようやくある男の名を告げた。「ミスター・イーグル……」
「誰だ?それは」
「こちらの世界では有名よ。これは通称名。デザート・イーグルという大型の拳銃を愛用しているので、付けられたらしいわ」

 遠い昔キハラにこの名前を聞いてから、自分なりに調べてみた。今でも有力な情報は何も得られていない。
「本名も国籍も年齢も不詳。狙った獲物は必ず仕留める。ヤツに狙われたら勝ち目はない。キハラが唯一、恐れていた人物……」

 小刻みに震える私を見て、彼が言う。
「落ち着けよ!まだそいつと決まった訳じゃないだろう。おまえらしくないぞ?まるで、イーグル……ワシに狙われた子ネコだな!」
「何も知らないからそんな事が言えるのよ!でもなぜ……」血の気が引いて行くのが分かる。確かにこんなの私らしくない。

「とにかく。落ち着こうか」
 そんな震える私の両肩に、新堂さんの力強い手が置かれた。
 俯きがちだった視線を彼に向ける。新堂さんはどこまでも余裕の表情で、少しだけ不安が和らいだ気がした。

 そんな時、インターホンが鳴り響き、ビクリと体が反応してしまう。
 私の手は無意識にコルトに伸びる。
 けれど、そんな私の左手を先に掴まえたのは彼だった。

「ユキじゃないのか?きっと、カバン置き忘れた事、思い出したんだよ」
「……ああ。そっか、そうよね」

 ドアの小窓から訪問者を確認する。そこには確かにユキがいた。

「ユキ、カバンを取りに来たのね」
 私がドアを開けると、ユキが叫んだ。「ユイお姉ちゃん!開けちゃダメー!」

 目の前に現れたのはユキではなく、背の高い金髪の男。ドアを片肘で支えながら流れるようにサングラスを外すと、グレーの瞳が室内の私に向けられた。
 その獲物を見つけた獣のような目に射竦められ、呼吸も忘れて硬直した。

「……っ!!」

 そう、ヤツはユキを尾行して私の居所を突き止めた。本当の狙いは私だったのだ!
 立ち尽くす私に迷いなく銃口が向けられ、すぐにでも撃ち放たんばかりだ。あまりに突然の展開と隙のない構えに、成す術もなく棒立ちになる。

 けれどこの人は違った。
「挨拶もなしに、失礼じゃないか?」
 新堂さんはヤツの動きを見切っていたらしい。あっさりと私の前に立ちはだかり、銃を持ったヤツの腕を取って、寸前で銃口を私から逸らしていたのだから!

【以下カッコ内英語】
「(お前は誰だ?)」ミスター・イーグルが彼を睨む。
「(こういう振る舞いは、この国では歓迎されないぞ)」新堂さんは冷静に会話する。
 まだ彼に腕を掴まれたままのイーグルは、顔をしかめて吐き捨てるように言う。
「(放せ)」
 その言い分を無視して、腕を掴んだまま新堂さんが言う。
「(こんな事をして、ただで済むと思うなよ?)」

「(それはいいな、だったら楽しませてくれ!)」
 ミスター・イーグルは、掴まれた腕を力ずくで振り解くと言い放った。
 そして、硬直していた私に視線を向ける。
「(次は仕留めてやるからな。首を洗って待っていろ!Y・アサギリ)」

「(お構いなく……っ)」
 何とかこれだけ言い返したものの、情けなくも声は震えていた。

 ユキが玄関の外で座り込んでいる。我に返った私は、急いで彼女をヤツから引き離した。「ユキ!」
 ユキは泣きじゃくっていた。……私だって泣きたい!

 ミスター・イーグルは不敵な笑みを残して去って行った。

「天井に穴が空いてしまったじゃないか」新堂さんが上を見上げてお怒り気味だ。
「そんなの、どうでもいい!だってあなたがいなければ、あの穴、私のここに空いてたんだもの……」自分の額を指で示しながら言い返す。
 彼はチラリと私を見下ろしたが、あえてなのか何も答えてくれなかった。

 本当に、この人がいなかったら私は、どうなっていたのだろう……。

「あいつがイーグルか……。全く失敬なヤツだ!こいつは始めから囮だったようだな。ユキ、ケガはないか?」
 体勢を屈めた新堂さんが、ユキの両肩に手を置いて様子を窺っている。
「うん、大丈夫。それよりユイお姉ちゃんは!?ごめんなさい、ごめんなさい!」
「心配しないで、何ともないわ。それよりユキ、怖い目に遭わせちゃったね」

「ううん。私が悪いのよ……ピストルなんかに手を出したから!……でもね、強くなりたかったの。私、ユイみたいに強く……っ」
「ユキ。ユイは、銃を持ってるから強いと思うのか?」
 新堂さんがこんな質問を始める。
「だって、これがあれば誰も逆らえないよ!……違うの?」そう答えて、鞄から改造拳銃を取り出すユキ。

 これを受けて、彼が私の方を再びチラリと見た。そういう誤った認識を与えたのはこの私だ。銃で脅すという誤った認識を!

「ユキ、これだけは言っておく。私がこれを持つ理由は、人を脅したり殺したりするためじゃないの」
 また新堂さんに言い逃れだと言われるのを覚悟で続ける。
「こんな物なくても、私は強いんだから!私にとって銃は、殺さないための道具。……あなたにも、新堂さんにも、きっと誰にも……分かってもらえないでしょうけど」

「分かんないよ!どういう意味?」ユキが私を見上げて質問する。
「要するに、これは私のお守りなの。武器じゃなく、ね」
「ユイの大切な人の形見なんだよ。おまえの買ったオモチャなんかとは、訳が違うって事だ」
「新堂さん……」
 彼は、私の言った事を理解してくれたのだろうか?

「ユキ、物になど頼るな。最後に信じられるのは自分だけだ」新堂さんが続ける。
 自らの腕、肉体だけは、誰にも奪えない自分だけのもの。新堂さんの言葉は、私の中にも深く入ってきた。
 きっとユキにも伝わったはず。……そう信じたい。

「それにしても。あなたを医者にしておくのは惜しいと、つくづく思うわ」
「おまえが怯えすぎなんだ。あんなヤツ、見かけ倒しだろ!」
 頼もしいお言葉!確かにそう思えば戦える?先入観というものは恐ろしい。
「アイツはもう、ユキに危害は加えないだろう」
 新堂さんが、私を見て続ける。「元々のターゲットは、……おまえだった」

「ええ。責任持って何とかするわ」するしかない。
「よし。ユキは私が送って来るよ。さあ、行こう」

 新堂さんはユキを連れて出て行った。



 こうして私は、来日中のミスター・イーグルの情報収集に取りかかった。
 やがてヤツの潜伏先のホテルを運良く見つけ出す事ができ、ホテルマンに変装して潜り込んだ。
 逃げていても何も解決しない。こういう時は先手必勝。やられたらやり返す!
 新堂さんのお陰で、勇気が湧いてきた。

「安易な偽名!ゴールディン・イー・デザートだなんて!」

 ゴールデン・イーグルとはイヌワシの事。イヌワシは後頭部が金色をしているそうだ。金髪頭のヤツにピッタリの名前で、思わず笑ってしまった。
 フロントに提出されていたパスポートのコピーを盗み見る。こんな物はどうにでも偽造できるので鵜呑みにはできない。

 そしてその晩、私はヤツがオーダーしたワインを部屋に運ぶ事になった。
 チャンス到来だ。


「(ミスター・ゴールディン、ルームサービスです)」

 少ししてドアが開く。
 周囲に人影がないのを確認し、ドアを押し開けてワインクーラーごと部屋に入る。
 すぐさまクーラーから、隠してあったサイレンサー付きのコルトを抜き取り、ヤツの額に突きつけて間髪を入れずに撃ち放った。

 しかし、ヤツは倒れなかった。まあ想定内だが。

「(とても早い再会だな。こんなに早くに、再びお目にかかれるとは予想外だったよ)」
 難なく私の弾を交わし、何食わぬ顔で言って退ける。
「(さっきはあんなに怯えていたのに!)」
「(……ご注文のワインをお持ちしました。ミスター……)」イーグル。舌打ちの後に心の中でこう続けた。
「(フフ……いいだろう。こっちへ運んでくれ)」

 私も負けずと何食わぬ顔でルームサービス係を務めた。こうなったら、私を狙う理由だけでも聞き出してやる。

「(あの男は一緒じゃないのか?ミス・ユイ・アサギリ!)」
「(彼は私の用心棒じゃないので)」
「(何だ、そうか。それにしてはただ者じゃない気がしたが?)」
 どこか残念そうに呟くと、私の銃を取り上げてしばし眺め、何やら思案顔だ。

「(返して!それだけは……。とても大切なものなの)」
「(自分のガンで殺られるのも、いいんじゃないか?なあ!)」
「(そうかもね。なら、せめて顔だけはやめてくれる?)」

「(さっきとは別人のようだ。そうそう、お前はそうやって強気でないとな!)」
「(私をどこまでご存知か知らないけど、こんな所で殺人を犯せば、あなたが不利よ)」
「(確かに。だが、やらない保証はないぜ?)」

 不意にイーグルが、私から目を反らした。
「(……ワインを注いでくれ、ルームサービス)」
 そしてヤツは銃を下ろした。

 言われるままに、ワインをグラスに注いで様子を窺う。

 ワインを堪能しているヤツに尋ねてみた。
「(ミスター・イーグル。あなたほどの腕利きスナイパーに狙われる理由が知りたいわ)」
「(理由、か。お前は少々……お遊びが過ぎた。自分でも気がついてるんだろう?そろそろ潮時だとね!)」
「(どういう意味?ただ私に制裁を加えるだけだとでも?)」

「(だったら?)」
 グラスを片手に、鋭い視線をこちらに向けてくる。

「(私を仕留めても、一セントにもならないって事よね)」
「(ああ。そうだ、そういう事になるな!)」
「(仕事以外でも殺しをするとは知らなかったわ。そんなに私が目障り?)」

 ヤツは何も言わない。しばし私達の睨み合いは続いた。


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