大嫌いは恋の始まり

氷室ユリ

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第五章 隠された秘密を探れ!

  スランプから脱するには(3)

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 誰にも気づかれぬよう病院の外に出て、裏口の喫煙所に足を運ぶ。幸いそこには誰の姿もない。
 外の空気を吸いながら、改めてコルトを手にして見つめる。

「ごめんね、メンテもせずに放置して……。こんな私だけど、これからもまたよろしくね」鈍く輝く鉄の物体に向かって話しかけた。
 ほんのり温かいコルトが、まるでキハラの手のように感じる。
 一頻り抱きしめてから、そっと定位置に戻す。

 煙草を一本取り出して火を点ける。先端から生まれた煙が、一本の線となって空高く上る。その様子をぼんやりと見つめながら、しばし我が師匠の事を想った。


 数時間後、新堂さんが斎木と共に現れた。

「ユイ、待たせたな」
「あらお二人揃って。仲直りしたの?」
「何を言う。直す仲すら我々の間にはない。なあ斎木?」
「ふっ!ああ……そうだな。今回は本当に悪かった。ところで君は……」

 斎木のこんな質問に何と答えれば良いものか迷っていると、新堂さんがおもむろに語り出した。
「物分かりの悪いお前でもこれで分かっただろう。患者は善人ばかりとは限らない。オペの技術云々の事もあるが……。こちらの世界は、お前のような正義の味方というだけでは、通用しない場合もある」
 ポケットに両手を突っ込んだまま、新堂さんは続ける。「こういう連中のために、こちら側にも医者が必要なんだよ」

 斎木は苦笑いをして頭を掻く。
「新堂、増々腕を上げたな。だが、まだ負けを認めたつもりはないからな。いずれ必ず、お前の腕を超えてみせる!」
 ここにも負けず嫌いがいたようだ。
「せいぜい、修行に励む事だな。いつでも相手をしてやるよ」軽く笑いながら新堂さんが答えた。
「……言ってくれるぜ!」

 こんなやり取りを見守っていると、斎木が思い出したようにこちらを見た。

「君が誰だって構わない。助けてもらったのは事実だ。さっきはありがとう。礼を言いそびれていたので、言わせてもらうよ」
「あらそんな、ご丁寧に。お構いなく!」
「しかし、強いんだなぁ、見た目は全然なのに……」斎木に、頭の天辺からつま先まで見回される。
「それ以上の詮索は、控えてくださる?」見た目の事は、言わないでくださる?

 少々気分を害しかけた時、思わぬ言葉がかけられる。
「新堂のボディガードかい?」
 第三者にボディガードと認められた事は、想像以上に嬉しかった。
「その通りよ」思わず素直に認めてしまった。

 辞退したままなのに?あの話は、結局どうなったんだっけ?同時にこんな疑問が再燃する。

「新堂は幸せ者だな!こんな美人のボディガードがいるなんて……羨ましい!」
 美人と言われ、さらに気を良くして営業活動まで始める。
「ご依頼いただければ、先生のガードも、何でしたら誰かを消すお仕事もお引き受けしますわよ!」
「ユイ!」調子に乗る私を、新堂さんが透かさず止めに入る。

 私はチロリと舌を出しておどけた。

 軽く私を睨んだ後、新堂さんが再び斎木へと視線を戻す。
「もう二度とユイは貸さん。まあもっとも……お前じゃ彼女を退屈させるだけだろうからな」
「もうっ、新堂さんったら?心配しなくても、私はあなたの専属だったら」

 じゃれ合う(?)私達に向けられる斎木の視線は、いつの間にか柔らかなものに変わっていたように思う。
 こうして私達はその場を後にしたのだった。


 駐車場にて、二台の愛車達を前にする。
 いつの間にか雨は止んだようだ。辺りはすっかり暗くなってしまった。

「帰って新堂さんの部屋、片付けないとね」
 例の男達がやりたい放題したため、メチャメチャになっているのを思い出した。
「ああそうだ!忘れてたよ……」

 うんざりしたように言い放つ彼に手伝いを買って出ると、片付けベタな新堂さんはとても喜んで応じた。

「それにしても。結局おまえに乗せられてしまった」
「いいじゃない。人が一人助かったんだし。悪者は逮捕されたし!新堂さんのお友達にも会えたし?」
「だから、ヤツは友達なんかじゃ……」

「まあまあ、付き合いは大事にした方がいいって!学生時代の仲間、なんでしょ?」
「仲間かはさて置き、医学部の同期だ。ただの、同期だ」念入りな念押しだ。
「外科部長っていうから、斎木さんて人、もっとオジサンを想像してた」
 率直な感想を述べてみた。まさか同期だったとは!

 きっとあの人も、新堂さんに負けないくらい優秀なのだろうと思った矢先。
「あいつの父親は権力者だ。実力がなくても、地位を手に入れるのは難しくはない」
「まあ……その辺のところは私には分からないけど!」

 黙り込んでしまった彼に言う。「やり返してやったんでしょ?もういいじゃない」
「ああ、そうだな」この返事はすぐに返ってきた。

「ねえ?あなたが三時間も拘束されたままでいたのって、あの患者さんの元に、連中を向かわせないため、とか」
 何も答えない彼に続ける。「もしくは……斎木先生に、あの患者のオペをさせるため」
「あいつに、自分の実力を思い知らせるためだ」新堂さんがようやく口を開いた。
「やっぱりわざとなのね!そういう事か……。ちょっと予想が外れたけど」

 彼は敵を自分の元に留めて、患者を助けようとしたのだと思った。手術が終わるまでの時間稼ぎのために。
 ……そんなはずないか。この新堂和矢が他人のために身を犠牲にするなど!

「残念だったな。私はユイが思っているほど、いいヤツなんかじゃない」
「あら、そんな事ないわ。少なくとも、斎木さんは改心したんじゃない?彼はこれから、きっといいドクターになる」
 プライドを捨ててまで、新堂さんに助けを求めたのだ。患者の命を救うために。

 真っ直ぐに彼を見つめていると、新堂さんが私の方を見ずに手を握ってきた。

「プラス思考のユイに、脱帽だな」
「何それ!」
「ところで、放ったらかしだった例のモノ、大丈夫だったのか?」
 彼が指でピストルの形を作って言った。

「ふふふ……、大丈夫。むしろパワーアップしてるかもね」そう、思いたい。
「そうなのか?」
 そう聞いてきた彼の顔があまりに真剣で驚く。
 仕舞いには「放置していてパワーアップとはどういう仕組みだ?」と考え込む。
 おかしな様子の彼を前にこんな事を言ってみる。
「あのね?パワーアップしてるのは、ワ・タ・シ!」

 しばし目を瞬いていた彼だが、表情を緩めて口を開いた。
「……良かった」
「何が?」
「これで朝霧ユイ、完全復活だな」

 こんな言葉を受けても、素直に頷けない。自信なんてない。私の中にあるあの瞬間の衝撃は、なくなりはしないのだから。

「ずっと、元気なかっただろ?心配してたんだ」
「ごめんね。心配かけて……。でももう平気よ」いい加減、このモヤモヤを吹っ切らなければ。
 大切な人を守りたいという強い気持ちは、スランプさえも吹き飛ばす。この人がいれば、私は大丈夫。
 
 そう思って笑みを返すと、新堂さんが私の額にキスを落とした。

「朝霧ユイは、私のものだ!」唐突にこんな事を言う。続けて「絶対に許さん……!」と小さく口にする。
「え?何を許さないの?」
「……何でもない。独り言だ」彼はやや焦り気味に答えた。

「新堂さん、本当は結構、怒ってたでしょ」
 感情を表に出さない彼でも、私には強くそれを感じた。
「おまえほどじゃないがね」
「怒るわよ!だって……」彼の顔に触れて言う。

 駐車場に設置された外灯が、新堂さんの顔を照らす。あいつ等に殴られた箇所は、案の定アザになっている。

「イタタ……。思い出したら痛くなってきた」新堂さんが頬に手を当てた。
 それを見ていて、またしても怒りが込み上げる。
「当然、怒るわよ!」
「落ち着けって」頬に当てた手を、今度は私の肩に持って行く。
「ごめんなさい……」

「たっぷり暴れただろ?十分、敵討ちしてもらったよ。ありがとう」
「そうかなぁ」
 彼の顔を再び見上げると、新堂さんが微笑んで頷いた。

 そして、心の内を明かしてくれる。
「私が頭にきたのは、患者を横取りされた事じゃないし、ヤツに罵られた事でもない。もちろん殴られた事でもない」
「なら何なの?」
「それを、ユイがヤツに言ってくれただろ」やけに嬉しそうだ。
「立場を弁えろってヤツ?」思い当たるのはこれしかない。

「ああ!まさに私が言いたかった事を、ズバリ言ってくれたな」
「今度横取りして痛い目に遭っても、知らないよって?」
「そういう事」
「新堂さんって優しいのね!」つい嬉しくなって、こんな事を口にする。
「は?どこが!」

 大袈裟に驚く彼に解説する。
「だって、それってあの人の心配をしたって事でしょ?」
「まさか!面倒を起こすなって事だよ」認める事なく彼が言い直した。
「面倒、ねぇ」


 その後私達は、それぞれの愛車で新堂さんのマンションへ向かい、バタバタと片づけを終えて、ようやく一息ついた頃には、もう夜も更けていた。

「ユイ、今日は本当にありがとう。やっぱりおまえは、頼りになるボディガードだ」
 新堂さんが改まって礼を述べた。
「私、ようやくボディガードとして認められたみたいね」
「認めてたさ。もっと前からな」
 これは私がキハラから守った事を言ったのだろう。

 キハラはいろんな意味で、私に多くのかけがえのないものを残して行った。
 新堂さんが、どれだけ真剣に私の事を考えてくれているかや、自分自身の気持ち。そういうものに気づかせてくれた。
 そして私は、精神的にも強くなれた、そう思いたい。

「思って、いいよね?キハラ……」


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