大嫌いは恋の始まり

氷室ユリ

文字の大きさ
上 下
63 / 117
第三章 一途な想いが届くとき

27.千里眼の持ち主(1)

しおりを挟む

 高校一年の五月。部活動が急遽休みになって暇を持て余していた私の目に、黒スーツに身を包んだキハラの姿が映った。

「キハラ!どっか行くの?」
「ユイお嬢さん」
 手に風呂敷包みを持ったキハラが立ち止まる。「今日は部活の日では?」

「今日はね、なしになったの。ねえ、それより珍しいじゃない?そんな格好!どこに行くの?」
「ボスのお遣いです」表情一つ崩さずに答える。
「ふう~ん。私もついてっていい?荷物持ちって事でいいからさ!」
 私は風呂敷包みに向かって手を差し出す。

 滅多にないこんな男前の姿の師匠を目にして、途端にテンションが上がる。

 しばし考えた末に無事承諾が下りた。「いいでしょう。その代わりユイお嬢さん。何が起きても、絶対に手を出さないでください」
「え?何か起きるの?良く分かんないけど、分かったわ」
 ただのお遣いで、それも正装で向かう場所で一体何が起きるというのか。

 何にせよ師匠の言う事には絶対服従だ。もっとも、逆らう気など微塵もないが。

 そして私の服装を眺め、やや不満そうに顔をしかめる。
「……。まあいいか。さあ、そうと決まれば早く乗ってください」そう言って、私を先に後部席に乗せた。
 車に乗り込みながら自分の服を見下ろす。学校に行くつもりだったので制服だ。
「何がご不満?」
「制服であれば失礼には当たらないかと。着替えている時間もありませんので」

 いつもはキハラが運転するのだが、今日は運転手付きだ。ドライバーに指示を出し、私達を乗せた黒ベンツが走り出す。

「で?どこへ行くの」
「取引先です。自分がボスの代わりに、これを渡しに行くところです」
「それだけ?」
「まあ、表向きは」と煮え切らない言い方をする。
「表向き、ね。何にせよ、その格好でドンパチやるつもりはないだろうけど!」
 これには、キハラは何も答えなかった。

「ところでユイお嬢さん。入部した体操部はどうですか」すぐに話題を変えられる。
「入ったばかりだもん。まだ分かんない。でもね、カッコいい先輩がいるんだ~!」
 チラリとキハラを見て反応を待つも、答えはあっさりしたもの。
「それは良かったですね」
「もう!少しはヤキモチ焼いてよね……」口を尖らせ小さく呟く。

 どうやら、この無敵の人造人間(!)男を振り向かせるのは至難の業のようだ……。


 やがて、車は目的地に到着した。

「ユイお嬢さん、ここで待っていてもいいんですよ」キハラが改まって言う。
「何でよ。行くわよ、ここまで来たんだから」
「そうですか……。分かりました」

 何を今さら?と思いつつ、預かった風呂敷包みを胸に抱えて足を踏み入れる。
 そこはご大層なお屋敷で、昔ながらの日本家屋というのだろうか。広大な日本庭園までが広がっている。

「すっごぉ~い!デッカい池まである……」
 朝霧邸もそれなりに広大な敷地だが、ここまで手の尽くされた庭園などではない。
 ウチはむしろ空き地みたいなものだ。
「おいユイ、あまりキョロキョロするんじゃない」小声でたしなめられる。

 肩を竦めて謝りながら、長身のキハラに隠れるようにして前に進んで行く。
 ようやく辿り着いた屋敷の玄関から、義男よりも年配の和装の男が現れた。

「やあ。待っていたよ」
「この度は、ウチのボスが来られずに申し訳ありません」キハラが頭を下げる。
「君の話は聞いているよ。……ん?そちらは?」
 キハラの影から私の姿が見えたのだろう。目が向けられ、「こんにちは」と横に出て挨拶する。

「何と!もしや朝霧の娘さんかね、何とも可愛らしい。はは!そんな手を使っても、ワシは情に流されたりはせんよ?」
「そんなつもりはありません。彼女の事はお構いなく。遣いを任されたのは私ですので」

 一見穏やかな会話だが、随分嫌味な言い方をする男だ。義男の知り合いはやはりロクでもない!
 そして、この男から漂う殺気も見逃しはしない。

「預かり物です。お受け取りを」
 キハラが私から包みを受け取り、男に差し出す。
 無言で受け取ると、風呂敷の結びを解いて男が中身を確認している。
「こんなはした金で、手切れ金のつもりか?」男の殺気が増した。

 ただならぬ空気に緊張する。

「その上、お前のような若造を送りつけて来るとはな。舐められたものだ!」
 こんな言葉を浴びせられても、キハラは変わらず無表情で背筋を伸ばしている。それはいつものキハラだ。
 何事にも動じない師匠の姿が、私を安心させた。

「ユイ、離れていろ」小声で私に指示を出す。
 頷いて、庭の大きな松の木の木陰に身を移した。

 男は私には目もくれず、キハラだけを凝視している。
「よかろう。お前がヤツの代理と言うなら受け入れよう。だが、手加減はなしだ。これは真剣勝負だ!」
 敵の宣戦布告に、「望むところ」と答えるキハラ。

 男は二本の日本刀を持ち出して庭に出た。その片方をキハラの方に投げて寄越す。
「ピストルは嫌いだ、日本人だったらこれだろう?」そう言って高笑いしている。

 袴姿の男が刀を持つ光景はとても絵になるが、義男の知り合いというなら見掛け倒しの可能性は大。
 果たして、その実力は?―――


 私は剣術の訓練も受けていたが、その稽古中に、キハラがこんな事を言った事がある。
〝ユイお嬢さん。自分は、日本刀は最強の武器だと思っています〟

 あれは高校入学前の春休みだ。時代劇でしかお目にかかった事のない、鞘に収められた本物の日本刀を二本持ってキハラが鍛錬場に現れた時は、本気で殺されるんじゃないかと怯えた。いつも使うのは竹刀だったから。

 キハラが鞘から抜き取った、怪しい煌めきを放つそれはどう見ても本物だ。なぜそんな物が家に?義男は日本刀マニアだったとか!拳銃がゴロゴロしているくらいだから、あっても不思議ではないが。
 この謎は、義男が武器商人紛いの事にも手を出しているのを知った時に解決済みだ。

 剣術は一番苦手だった。この稽古が嫌いになったのは、恐ろしく強いキハラが原因の一つだが、何よりも私の手には余る代物だったから。

 初めて訓練が始まった時の様子はこんな具合だ。


―――「抜いてみろ」容赦ない我が師匠が命令する。
「え、え……っ?」
 手にした一本を私に持たせて、それを抜けと言う。
 仕方なく恐る恐る引き抜いてみるも、その長さは小柄な私には持て余すようで、扱いに戸惑う。

「どっ、どうすればいいの?」
「いつもの竹刀と思えばいい。さあ、始めるぞ」
 あっさりそんな事を言って、いつものように稽古が始まったのだが……。
「あっ、ちょっと待ってよっ!そんな事言われても……っ」

 その後は話にならない。何もできずにその場にしゃがみ込んでしまった。本番だったなら、あっさり死んでいたところだ。
「イジワルぅ……!」半泣き状態で座り込んで叫んだ。
 すると、そんな私に手を差し伸べてキハラが謝ってきた。やり過ぎた事に気づいてくれたのかは不明だ。

「キハラには、拳銃よりそっちの方が似合ってるね」
「恐縮です」―――


 何気なく言った私の言葉に、キハラがどこか嬉しそうにしていたのを今でも覚えている。この人は心底剣術が好きなのだと、この時に気づいた。
 それにしても刀というものは、大人になった今でさえ手に負えないシロモノだ。そんなものを自在に操れるキハラを、心から尊敬する。


 引き続き、高一五月の回想に戻る。

―――「キハラに日本刀で張り合おうなんて、命知らずな人!」
 目の前で、今まさに始まろうとする真剣勝負を見守りながら呟く。

 キハラは相変わらず無表情で、その思考は全く読めない。殺気を消しているのだ。
 対する男からは、ビンビンと殺気が放出されている。

 先に刀を抜いたのは向こうだった。
「さあ、死ぬつもりがないのなら、抜くがいい!」
「ユイ、これを持っていてくれ」
 ジャケットを脱ぎ、拳銃を抜くキハラ。それらを差し出して言う。

「あっ、はいっ!」慌てて受け取る。
 キハラの愛用銃、コンバット・パイソン。直接触れるのはこれが初めてだ。
「やっぱり……キレイな色!」
 一時拳銃に釘付けになるも、今はそんな場合ではない。

 顔を上げると、キハラが袖のボタンを外して腕まくりをしているところだった。そして敵から視線を外す事なく、ゆっくりと刀を抜いて構えた。

 男はすでに狙っている。次の瞬間、二人が動いた。
 激しいせめぎ合いが始まり、息をのんで動向を見守る。若緑色の芝生を縦横無尽に動き回る二人の様子を目で追いながら、私は拳を握った。

「ズルい。親父のヤツ、剣術が苦手だからキハラに任せたんだ!この男、結構強い……」
 こんな戦いの中でも、相変わらずキハラの様子はいつもと変わらなかった。一方の男は酷く息が上がり始めていて、額からはすでに大量の汗が流れている。

「勝負あったな」相手の急所の寸前で刃先を止めてキハラが言った。
 睨み合いの末、男は刀を落としてくず折れる。
「参った……」そう言ってうな垂れた。

「何で止めを刺さないの?キハラ!」私は思わずこんなセリフを口にしていた。
「ユイ。口出し無用だと言ったはずだ」
 師匠にたしなめられて、ハッとなって口をつぐむ。

 座り込んだままの男が言う。
「なぜだ!なぜお前から、殺気が感じられない?戦う気がない訳ではないはずだ!」
「自分は死を怖れない。死を怖れぬ者は、勝敗にはこだわらない。あなたは、ご自身の恐怖心に負けたんです」

 そう言い放ったキハラを、呆然と見上げる男。
「……なぜ殺さないんだ」
「あなたを殺せとの命令は、受けていませんので」

 キハラは刀を鞘に戻して下に置いた。
「こちらの要求は、受け入れていただけますね?」
「あ、ああ……」
 勝負に負けた以上、頷くしかないのだろう。
「では、自分はこれで失礼します。ユイ、帰るぞ」キハラは男に深く頭を下げた。

 私は慌てて男にペコリと頭を下げてから、キハラの後を追い駆けた。


 帰りの車内にて。

「キハラ、やっぱり凄い!惚れ直した!」
「全くお前は……黙って見ていられないのか?」吐き捨てるように言う。
「……でも、手は出してないよ?」
 出せる訳がないけれど、と思いながら言い返すも、キハラが敬語を使わないのは、怒っている時か緊急事態の時だ。

 あんな勝負に、自分だったら打ち勝つ事ができただろうか……。答えはどう考えてもノーだ。

 再び考えに耽っていると、キハラが聞いてくる。
「どうしました?」
「別に何でも」
「怖気づいたんですか。だから来なくていいと言ったんです」
「ちっ、違うもん!」辛うじて否定する。

「しかし。あなたも成長しましたね。自分は嬉しいです」
 珍しくキハラが、笑みを浮かべてこんな事を言う。
「え、……え?」何の事か分からず、ポカンとしてキハラを見る。
「止めを刺せ、と言いましたね。本当に、逞しくなられた」
「そっ、そう?」あれは売り言葉に買い言葉というか、掛け声というか……。

 自分でも恐ろしい事を言ったものだと思う。もしキハラが止めを刺せば、目の前で人が一人死ぬという事なのに。

「この世界で生き抜くのに、情け容赦は無用」
 キハラが淡々とした口調で続ける。「決して躊躇するな。一瞬の躊躇が、取り返しのつかない事態を招く」
 キハラが静かに続ける。「それから。いいですか、ユイお嬢さん」
「はいっ!」

「恐れは身を滅ぼします。恐怖心を表に出してはいけません。どんな時でもです」
 そう言って、心なしか震えている私を見下ろす。

 さっき男に言っていたキハラのセリフが浮かんだ。
〝自身の恐怖心に負けた〟

「そんな事言われても、怖いものは怖いもん!だけどキハラは、ホントに死ぬの、怖くないの……?」こんな質問はタブーな気がしたけれど、この際だから聞いてみた。
 すると珍しく心境を語るキハラ。
「……恐らく自分には、普通の人間の感情が、備わっていないのでしょう」

 そう言ったキハラは、とても悲しそうに見えた―――


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます

沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!

我が家の家庭内順位は姫、犬、おっさんの順の様だがおかしい俺は家主だぞそんなの絶対に認めないからそんな目で俺を見るな

ミドリ
キャラ文芸
【奨励賞受賞作品です】 少し昔の下北沢を舞台に繰り広げられるおっさんが妖の闘争に巻き込まれる現代ファンタジー。 次々と増える居候におっさんの財布はいつまで耐えられるのか。 姫様に喋る犬、白蛇にイケメンまで来てしまって部屋はもうぎゅうぎゅう。 笑いあり涙ありのほのぼの時折ドキドキ溺愛ストーリー。ただのおっさん、三種の神器を手にバトルだって体に鞭打って頑張ります。 なろう・ノベプラ・カクヨムにて掲載中

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

4人の王子に囲まれて

*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。 4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって…… 4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー! 鈴木結衣(Yui Suzuki) 高1 156cm 39kg シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。 母の再婚によって4人の義兄ができる。 矢神 琉生(Ryusei yagami) 26歳 178cm 結衣の義兄の長男。 面倒見がよく優しい。 近くのクリニックの先生をしている。 矢神 秀(Shu yagami) 24歳 172cm 結衣の義兄の次男。 優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。 結衣と大雅が通うS高の数学教師。 矢神 瑛斗(Eito yagami) 22歳 177cm 結衣の義兄の三男。 優しいけどちょっぴりSな一面も!? 今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。 矢神 大雅(Taiga yagami) 高3 182cm 結衣の義兄の四男。 学校からも目をつけられているヤンキー。 結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。 *注 医療の知識等はございません。    ご了承くださいませ。

公主の嫁入り

マチバリ
キャラ文芸
 宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。  17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。  中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

処理中です...