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第一章 大嫌いな人を守る理由
5.屈辱のキス
しおりを挟む昼下がりの病室に、遠くの方から子供の笑い声が風に乗ってやってくる。耳に届く楽しげな声を聞きながら夢うつつになっていると、ふと人の気配に気づいた。
ハッとして目を開ける。目の前には、今一番会いたくない人物がいた。
剥き出しにされた自分の胸元に、聴診器が当てられている。
寝起きに男の顔のアップは少々焦る。
「何だ……いたの」
焦りを悟られないように素っ気なく言ってみるも、それ以上に素っ気ない答えが上から降ってくる。
「いて悪いか。昼の診察だ」
「早く家に帰して。病院は苦手なの、その白衣と医者もね!」冷血新堂に向かって訴える。
「音が聞こえない、静かにしろ!」
容赦なく一喝され、まな板の鯉状態の私は、膨れっ面で黙るしかなかった。
新堂が丁寧に時間をかけて呼吸音を調べている。
「その後、息苦しさは?」チラリと私を見て聞いてくる。
「時々」ここは素直に答えておこう。
再びチラリと顔を見られたけれど、新堂はすぐに体勢を起こして後ろを向いた。
どうやら診察は終わったようだと一息ついた時、振り返ったその右手に注射器が握られているのに気づく。
「薬を減らしてみよう。点滴はなしだ」
注射器を近づけられ、思わず手を引っ込めた。
「おい、腕を出せ」
「イヤ!」
「ふざけてるのか?早くしろ」
「注射、嫌いなの!」と抵抗してみる。
「子供みたいな事言ってるんじゃない」
「だって学生だもん」
これはさすがに子供染みたコメントだったと後悔しかけたが、新堂はそんな言葉など当然無視して私の左腕を掴み、容赦なく針を刺し込んでいた。
「痛~い!!何するのよっ!」
そうは言ったものの、中里さんの時と違い、どういう訳か痛みは大して感じなかった。
こんな痛くない注射もあるのかと、少しだけ新堂を見直したのだった。
その晩、体調もかなり回復していたので、ベッドから起き出して軽くストレッチを始める。もともと日課だったため、一日でもしないと体が固まる気がして気持ちが悪い。
「一週間もほぼ寝たきりなんて?無理無理!」
我が師匠は厳しい人だったから、いつもならばそれに加えて、筋力トレーニングやランニングのメニューもあり、射撃の練習や受け身の練習まで多岐に渡る。
師匠と離れて一年以上経った今も、自主的にこのトレーニングを続けている。そのお陰でこの強靭な肉体が存在するのだ。
だから、ここでしたのはほんの準備運動程度だ。それなのに、この行為が究極の苦しみを生み出してしまうとは……。
「また?息が、吸えないっ……どうしよう、くっ、くる、しい」
最初は軽い咳だけだった。それが次第に悪化して、吸えども吸えども肺に酸素が入ってくれない例の状態に逆戻りしたのだ。
そんな時にたまたま(!)新堂が現れたのだが、私はもうすでに半狂乱状態だ。
「ん?まだ起きてるのか。……おい、どうした!」
さすがの新堂も焦ったのか、もがき苦しむ私に駆け寄ってすぐに抱き起こされる。
視界は白く霞み始めていた。声も出せないため白衣を掴んで引っ張り、この苦しさを必死に訴える。
「一体、何をやらかした?」
尋ねる新堂に、首を激しく振って何もしていない事をアピールする。
「落ち着け!深呼吸だ、慌てて吸おうとするな」私の顔を覗き込んで言う。
そんな事を言われても、できないものはできない!泣きながら訴えるも言葉にならず。
「言う事を聞け!そんな呼吸では死ぬぞ!」
ただこう叫ぶばかりで、新堂は何の処置もしてくれる気配がない。
それどころか、私の左頬に平手打ちが飛んできたではないか……。この男はやっぱり鬼だ!
引っ叩かれても、痛みなんて感じなかった。
自分はもう、ここで死ぬのか……と、諦めの境地で下を向いた時、顎を持ち上げられて顔を起こされる。
その直後、唇に何か柔らかいものが触れて、口元を覆われた。
慌てて目を開けると、新堂が私にキスをしている。……キス!?
驚きのあまり、息が吸えない苦しみさえも忘れる。
「何するのよっ!!!」すぐさま新堂の体を渾身の力で突き飛ばす。
「……どうやら、やっと呼吸が正常に戻ったようだな」
突き飛ばされた彼が、側にあった丸椅子に腰を下ろして言った。
「あっ、あれ?そう言えば、苦しくない……」
ここでようやく普通に息をしている自分に気がつく。
「苦しむ人間に痛みを与えてもムダだった。悪かったな、さっきは」
「今頃痛くなってきた!」叩かれた左頬を擦りながら、わざと言ってみる。
「それにしても、何て事するのよ!」先ほどのシーンが甦り、改めて抗議再開だ。
「なら、頚動脈を絞めた方が良かったか?」
怪しげな笑みを浮かべて、そんな事を言う新堂。予想外の答えに心底驚かされた。
やれるものならやってみれば?朝霧ユイはそう簡単にはやられない。キハラ師匠の名に懸けても!
「患者を殺す気?酸素をくれるとか、他に方法あったでしょって言ってるの!」
「呼吸できていないヤツに、酸素を与えて何の意味がある?昼の時点で、君の肺の状態は画像で確認済みだ」
左頬から手を離して話に耳を傾ける。
「まあ、問題の薬剤が未知のものである事から、急変する可能性も否定できないが……」
そう言って、嫌味な視線が向けられる。
「ええそうね!それで?」
「この場合、考えられるのは心因性の呼吸困難だ。とにかく一旦、メチャクチャな呼吸を止める必要があったって訳だ。私に殺意があったとでも思ってるのか?」
いつまでも睨んでいる私に続ける。
「だとしたら、普通、さっきの方法は選択しないな」
さっきの方法……マウス・トゥー・マウス?例えあれが医療行為だとしても、こんな男にされるのは屈辱だ!
「それで、一体何をしていた?こんな真夜中に。……まさか」
彼がその後何を言いかけたのか分からず、きょとんとしていると、「ああ、失礼。そんな訳ないよな!」と私を眺め回して一人で完結している。
「何よ!」
「きちんと対処しないと、おかしな呼吸がクセになるぞ?」
新堂は、再び私の胸の音を確認した。
「いいか。暴れてないで大人しく寝ろ。そして何かあったらすぐに知らせろ。す、ぐ、に、だ!分かったな?」
こう念を押し、勝手に照明を消して出て行った。
「何なのよ……もう!」
大きくため息をついて、薄暗がりの中で勢い良く体を横たえる。
「……バカバカっ!」
新堂に奪われた唇に手を当てて嘆く。赤尾先輩とだって、まだしていないのに!
先輩に、合わせる顔がないじゃない……。
それから一週間が経ち、日常生活に差し障りがない程度に回復する事ができた。
忙しそうな片岡院長をようやく掴まえる事に成功し、早速直談判を始める。
「ねえ片岡先生?あの男と主治医、代わってほしいんだけど!」
「僕もそうしてあげたいんだけどねぇ……」
困った顔をして答える先生を見て、自分も考え直す。今の私の状況はかなりまずい。
今回の件の詳細を片岡先生は何も知らないはず。認可されていない薬剤の治験でもたらされた副作用と分かれば、迷惑がかかる。
「な~んてね!困らせてごめんなさい。先生、忙しいものね」私はすぐに言い改めた。
「それに、そろそろ退院するつもりだから」いつまでも病院で暮らすのは真っ平だ。
けれど先生はこの言葉に驚いている様子。
「それは、新堂の判断かい?」
「ううん。そうじゃないけど。だって、もうこんなに元気だし……」
「まだダメだ!今は元気でも、肺の炎症は再発する心配があるんだよ?」
先日母と話していて、つい流れでもう退院は決まったと言ってしまったのだ。
「しないよ、再発なんて。平気だったら!片岡先生は心配性ね~」
「ユイちゃん!」
先生から笑顔が消えたその時、新堂がノックもせずに入って来た。
「廊下まで声が響いてますよ、院長」
「新堂君、いいところに来た。君の患者が退院すると言ってるんだ。まだ早いと説得してくれないか」
新堂は私を見下ろして沈黙した。その顔を上目遣いで見上げる。注がれる視線には、何の感情も込められていない。
「朝霧ユイ。自宅に戻るのはまだ許可できない。だが、私の所に来るなら考えてもいい」
あっさり却下されるのを覚悟していただけに、この提案には驚いた。
「あなたの所って?」思わず、間の抜けた質問を返してしまう。
「私の住居に決まっているだろう」
「っ!それってもしかして……」
「ああ。早い話が同居だ。強制するつもりはない。それが嫌ならここにいればいい」
「同居か、入院か……?」究極の選択ではないか!
こんな男と同居だなんて不可能だ。気が狂ってしまうかもしれない!とは言え、このまま入院している訳にも行かない……。
「どうする?」答えない私に催促が飛ぶ。
困り果てて片岡先生を見ると、先生が口を開いた。
「まあ、新堂君が一緒ならば……。前にも言ったが、腕だけは確かだからな。それならば僕も退院を許可したいところだが……」
腕だけ、ね!と新堂が気に入らなそうに口にする。全くその通りではないか?
「だが!」片岡先生が、さっきよりも大きな声で言った。
「だが、何です?」機嫌を損ねた新堂は、面倒くさそうに問いかける。
「僕からの要望はだね。もう少し、患者への接し方を柔らかくしてもらいたいという事だよ」
「それはつまり、子供扱いしろとでも言うんですか?」
「そんな事は言ってない!分からんのかね!」
「ええ。分かりませんね」
またしても言い争いが始まってしまい、慌てて口を挟む。
「まあまあ!二人とも、そのくらいにして!片岡先生、私の事を思って言ってくれたのよね?ありがとうございます……」
ここは自分が折れるしかなさそうだ。
「……分かったわ。行きます、新堂先生の所。よろしくお願いします」
翌日、私は新堂と共に母の病室へと向かう。
先行きに不安はあるものの、晴れて堂々と退院の報告ができるのだから良しとしよう。
「お母さん。それじゃ私、行くよ。一足先にアパートで待ってるからね」
「もう……。あなた、まだ入院してたなんてビックリよ?」母の困った顔が目に映る。
母には新堂との同居の事は言わない。言える訳がない!一人で生活できないほど体調が悪いなどと?私が二週間も入院していた事を知ったら、さらに大変な騒ぎになりそうだ。
「元気になったのなら良かったわ。でも、無理しちゃダメよ?」
そう私に念を押した後、母は新堂に向かって頭を下げる。
「新堂先生、済みませんが、娘の事、よろしくお願いします」
これに対して、新堂が深々とお辞儀を返した。
「だけどさ!こんな見ず知らずの人に娘を任せていい訳?お母さん!心配じゃ……ないの?」どうにも居たたまれず、こんな事を言ってみる。
「あら。命の恩人の、こんな誠実な先生を前に何を心配するの?」
「せっ、誠実……?」どこをどう見てそう思うのだろう。
改めて後ろを振り返ると、何事もなくシラッとした顔の新堂がいた。
「で、でも!それ言ったら、ここの片岡先生の方が誠実じゃない?」慌てて反論する。
「勤務医の先生は、時間が自由にならないでしょ?新堂先生はね、フリーのお医者さんだから、融通が利くからっておっしゃってくれたのよ。ね?新堂先生」
母の問いかけに笑顔で頷いている新堂。この態度は何だ?
そんなやり取りに嫌気が差し、遮るように話題を変える。
「ああ、そうそう!荷物。置かせてもらってありがとね!」
奥のロッカーから、バッグを一つ取り出して言った。この中には現金三千万円が入っているのだが……。
「忘れて行かないでね。そんなもの置いてかれたら、お母さん、困るから」
この答えには焦った。母は中身を見たのだろうか?
不意に新堂と目が合った。相変わらず何の感情も読み取れない。そんな素知らぬ振りを決め込む新堂に、段々怒りが込み上げてくる。
あなたの荷物なんだけど?そう目で訴えて、ズシリとしたバッグを押し付ける。
「はい!センセっ!」
「まあユイ!先生は荷物係じゃないのよ?そんな失礼を、いけません!」
躾に厳しい母から当然の指摘を受ける。
「いいんですよ。結構重いので、私が運びます」新堂が素敵な笑顔でサラリと返した。
無性に腹が立つ。
ああ……、母にこの男の非情さを全て明かしてやりたい!
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