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第伍話──箪笥
【玖】花嫁ノ行方
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「おはようございます」
翌朝、出勤してきた桜子は、眠気覚ましに紅茶を啜る零に、興味津々な様子で顔を寄せた。
「昨日の夜、柴又の久世邸に、警察官を名乗る二人組が押し入ったそうじゃない」
零はむせ返り、慌てて袖で口を押さえる。
「ゴホッ……どうして、桜子さんが知ってるんです?」
「朝刊に書いてあるわ。近頃の新聞って、記事になるのが早いから」
彼女はそう言って、メイド姉妹から預かってきたと思われる朝刊をポンと机に置いた。
「やはり、注目されている人だもの。新聞記者も目を光らせてるようね」
「…………」
零は黙って新聞を開き顔を隠す。しかし、桜子は怪しんでいる風でもなく、いつものようにコート掛けに帽子を置きに向かった。
「ところで、この先どうするの? お玉さん探し、どうやって進める気?」
それを零も悩んでいたところだ。箪笥の中に何もないとなると、お玉どころか、あの屋敷に漂う怪異の気配の原因も分からない。
記事を読む限り、偽警官の正体は不明となっており、零たちに捜査が向く可能性は低いだろうが、これにより慶司に近付く手段まで途絶えたと言っても過言ではない。
零は新聞を閉じ、とびきり渋い紅茶を一口飲んだ。
「そうですね……とりあえず、聞き込みでもしてみましょうか、柴又で」
◇
再び帝釈天。
茶店や土産物屋が軒を連ねるこの辺りは、参拝客だけでなく地元の老人たちの憩いの場にもなっている。
「すいません。ここから少し行ったところにある、芝垣のあるお屋敷について聞きたいのですが」
茶店前の縁台で煎茶を啜る三人の老婦人の会合に、零は声を掛けた。
すると、そのうちの一人が顔を上げる。
「何だい、あんたは?」
「画家の縦山小観と申します。景色が良く、帝釈天様のご加護のあるこの辺りにアトリエを持ちたいと、空き家を探しておりまして」
何から何まで出任せである。桜子は呆れた目を彼に向けるが、老婦人たちはニタニタとして顔を見合わせた。
「あらま、絵描きさんだと」
「ここいらじゃ見ない色男だから、帝釈天様が歩いて来たのかと思ったよ」
「まあ、立ち話も何だ、ここに座りな」
美形を生かし、年増の婦人の気を引くのは一流なのだ。桜子は細い目をしつつも、愛想笑いを浮かべて店員に声を掛けた。
「こちらのお姉様がたにお団子を三つお願いします」
「やだねぇ、お姉様だって、ハハハ……」
満更でもない様子で、老女たちは身を寄せて席を空ける。
「あんたは?」
「弟子です……た、縦山先生の」
「そうかいそうかい。あんたも座りなよ」
老婦人を挟んで縁台にぎゅうぎゅうに座り、座談の席が出来上がると、さっそく零は切り出した。
「先程言ったあの空き家ですが、持ち主をご存知ではないですか?」
――当然、答えが分かり切った質問だ。このご婦人がたから情報を得られるかの確認である。すると、
「それが空き家じゃないんだよ、あそこは」
と、婦人の一人が渋い顔をした……零の読み通りだ。界隈の事は年配の婦人に聞くに限るのだ。
「あそこはね、伯爵様の息子が一人で住んでるよ……ほらこの前、一家皆殺しされたっていう、アレだよアレ」
「九段坂の久世伯爵、ですか?」
「そうそう。警官や新聞記者が来て、一時は大騒ぎだったよ」
零は大袈裟に驚いて見せた。
「そんな御方が住まわれているんですか」
「こう言っちゃ失礼ですけど……草だらけだし、何と言うか……」
桜子が言うと、ご婦人がたは顔を向き合わせ声をひそめた。
「あんなご身分なのに、お手伝いの一人もいないんだよ」
「洗濯や掃除をしてるところも見た事がないねぇ」
「でも、食わずにやっていけないだろ? 飯に行くのか、たまに歩いてるところを見るけど、挨拶ひとつしやしない」
……教えられなかったのだろう。零はそう思った。
華族として、虚栄心にまみれた生活を送ってきたため、一人の人間として社会で生きていく術を知らないのだ。
確かに、両親は彼が不自由なく生きていけるよう、精一杯の愛情を注いだに違いない。しかし、斜陽にある華族にとって、それは正しい方法ではなかったのだろう。
この事件の背景には、そんな彼の生い立ちも隠されているのかもしれない。
零は店員に差し出された煎茶を受け取り、静かに啜った。
「もしかして、いい人とかいらっしゃるんじゃ?」
桜子が口を挟む。するとご婦人がたは顔を見合わせた。
「そういや、あの屋敷に引っ越す時、嫁入り道具を運んでたじゃないか」
「立派な箪笥に大きなつづらに、化粧台もあったねぇ」
「大方、すぐに逃げられたんだろ」
「それはいつの話です?」
運ばれてきた草団子を差し出しながら零が聞く。
「確か、去年の暮れだったねぇ」
「年の瀬に引越しかいと思ったから覚えてるよ」
零は眉を顰めた。久世夫人の言っていた、「半年前に結婚した」という話と合致する。
それは良いとして、あの屋敷には大きなつづらや化粧台などはなかった。
それらは一体どこへ行ったのか?
そのご婦人がたから得られた情報はそのくらいだった。
その後、他の人物にも聞き込みをしたが、引っ越しの際に嫁入り道具が運び込まれた事、ところが花嫁の姿は一度たりとも見なかった事を確認できただけだった。
「一体どうなってるのかしら?」
桜子は腕を組み、しきりに首を捻っている。
「お玉さんはどこにいる訳? 彼は何のためにあの屋敷に住んでるの?」
彼女の意見には零も同意だ。あの伯爵の御曹司は、一体何を隠しているのか?
考え込みつつ、並んで帝釈天の参道を歩いていると声を掛けられた。
「おい! 貴様ら、何をしている?」
振り向くと、そこにいたのは見覚えのある顔……零の取り調べをしたあの刑事だ。
「あ、刑事さん。その節はお世話になりました」
皮肉を込めてそう返すと、彼は太い眉を吊り上げた。
「ここに何の用だ?」
「何の用って、お参りですよ。ねぇ、桜子さん」
「そうですよ、お寺でお参り以外、何をするんです?」
とぼけてみるものの、刑事の目は誤魔化せないようだ。彼は零の腕を掴むと、耳元で唸った。
「久世慶司を調べ回っているようだな」
だが、零はのらりくらりと返答を返す。
「亡くなられたご母堂から、ご子息の花嫁の正体を探るよう依頼を受けていますのでね」
「依頼人も花嫁も死んでるんだ。今さら調べる必要もないだろう」
彼の言葉に、零と桜子は軽く目を合わせた……その一瞬で、事情を聞いておくべきだろうと意思疎通する。
そうして零は大袈裟によろめいた。
「あぁ……目眩が。この前、不当な取り調べを受けてから頭痛がするようになってしまいました。すいません、そこの茶店まで肩を貸してくださいませんか」
そう言いながら、零はよろめく拍子にガシッと刑事の肩を掴む。
「それは大変だわ、刑事さん、手伝ってくださらない?」
桜子も、反対側から刑事の腕を取る。
「な、何だ貴様ら……」
狼狽える刑事はだが、無実の零に高圧的な取り調べをしたという弱みがある。
「さ、行きましょ」
と桜子に腕を引かれれば断れないようで、三人連れ立って茶店へと向かうのだった。
――その途中、零は内心ほくそ笑んでいた。
柴又で聞き込みをした一番の目的は、「彼らが久世慶司を嗅ぎ回っている」と知らしめる事により、この刑事をおびき寄せる事だったのだ。
翌朝、出勤してきた桜子は、眠気覚ましに紅茶を啜る零に、興味津々な様子で顔を寄せた。
「昨日の夜、柴又の久世邸に、警察官を名乗る二人組が押し入ったそうじゃない」
零はむせ返り、慌てて袖で口を押さえる。
「ゴホッ……どうして、桜子さんが知ってるんです?」
「朝刊に書いてあるわ。近頃の新聞って、記事になるのが早いから」
彼女はそう言って、メイド姉妹から預かってきたと思われる朝刊をポンと机に置いた。
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「…………」
零は黙って新聞を開き顔を隠す。しかし、桜子は怪しんでいる風でもなく、いつものようにコート掛けに帽子を置きに向かった。
「ところで、この先どうするの? お玉さん探し、どうやって進める気?」
それを零も悩んでいたところだ。箪笥の中に何もないとなると、お玉どころか、あの屋敷に漂う怪異の気配の原因も分からない。
記事を読む限り、偽警官の正体は不明となっており、零たちに捜査が向く可能性は低いだろうが、これにより慶司に近付く手段まで途絶えたと言っても過言ではない。
零は新聞を閉じ、とびきり渋い紅茶を一口飲んだ。
「そうですね……とりあえず、聞き込みでもしてみましょうか、柴又で」
◇
再び帝釈天。
茶店や土産物屋が軒を連ねるこの辺りは、参拝客だけでなく地元の老人たちの憩いの場にもなっている。
「すいません。ここから少し行ったところにある、芝垣のあるお屋敷について聞きたいのですが」
茶店前の縁台で煎茶を啜る三人の老婦人の会合に、零は声を掛けた。
すると、そのうちの一人が顔を上げる。
「何だい、あんたは?」
「画家の縦山小観と申します。景色が良く、帝釈天様のご加護のあるこの辺りにアトリエを持ちたいと、空き家を探しておりまして」
何から何まで出任せである。桜子は呆れた目を彼に向けるが、老婦人たちはニタニタとして顔を見合わせた。
「あらま、絵描きさんだと」
「ここいらじゃ見ない色男だから、帝釈天様が歩いて来たのかと思ったよ」
「まあ、立ち話も何だ、ここに座りな」
美形を生かし、年増の婦人の気を引くのは一流なのだ。桜子は細い目をしつつも、愛想笑いを浮かべて店員に声を掛けた。
「こちらのお姉様がたにお団子を三つお願いします」
「やだねぇ、お姉様だって、ハハハ……」
満更でもない様子で、老女たちは身を寄せて席を空ける。
「あんたは?」
「弟子です……た、縦山先生の」
「そうかいそうかい。あんたも座りなよ」
老婦人を挟んで縁台にぎゅうぎゅうに座り、座談の席が出来上がると、さっそく零は切り出した。
「先程言ったあの空き家ですが、持ち主をご存知ではないですか?」
――当然、答えが分かり切った質問だ。このご婦人がたから情報を得られるかの確認である。すると、
「それが空き家じゃないんだよ、あそこは」
と、婦人の一人が渋い顔をした……零の読み通りだ。界隈の事は年配の婦人に聞くに限るのだ。
「あそこはね、伯爵様の息子が一人で住んでるよ……ほらこの前、一家皆殺しされたっていう、アレだよアレ」
「九段坂の久世伯爵、ですか?」
「そうそう。警官や新聞記者が来て、一時は大騒ぎだったよ」
零は大袈裟に驚いて見せた。
「そんな御方が住まわれているんですか」
「こう言っちゃ失礼ですけど……草だらけだし、何と言うか……」
桜子が言うと、ご婦人がたは顔を向き合わせ声をひそめた。
「あんなご身分なのに、お手伝いの一人もいないんだよ」
「洗濯や掃除をしてるところも見た事がないねぇ」
「でも、食わずにやっていけないだろ? 飯に行くのか、たまに歩いてるところを見るけど、挨拶ひとつしやしない」
……教えられなかったのだろう。零はそう思った。
華族として、虚栄心にまみれた生活を送ってきたため、一人の人間として社会で生きていく術を知らないのだ。
確かに、両親は彼が不自由なく生きていけるよう、精一杯の愛情を注いだに違いない。しかし、斜陽にある華族にとって、それは正しい方法ではなかったのだろう。
この事件の背景には、そんな彼の生い立ちも隠されているのかもしれない。
零は店員に差し出された煎茶を受け取り、静かに啜った。
「もしかして、いい人とかいらっしゃるんじゃ?」
桜子が口を挟む。するとご婦人がたは顔を見合わせた。
「そういや、あの屋敷に引っ越す時、嫁入り道具を運んでたじゃないか」
「立派な箪笥に大きなつづらに、化粧台もあったねぇ」
「大方、すぐに逃げられたんだろ」
「それはいつの話です?」
運ばれてきた草団子を差し出しながら零が聞く。
「確か、去年の暮れだったねぇ」
「年の瀬に引越しかいと思ったから覚えてるよ」
零は眉を顰めた。久世夫人の言っていた、「半年前に結婚した」という話と合致する。
それは良いとして、あの屋敷には大きなつづらや化粧台などはなかった。
それらは一体どこへ行ったのか?
そのご婦人がたから得られた情報はそのくらいだった。
その後、他の人物にも聞き込みをしたが、引っ越しの際に嫁入り道具が運び込まれた事、ところが花嫁の姿は一度たりとも見なかった事を確認できただけだった。
「一体どうなってるのかしら?」
桜子は腕を組み、しきりに首を捻っている。
「お玉さんはどこにいる訳? 彼は何のためにあの屋敷に住んでるの?」
彼女の意見には零も同意だ。あの伯爵の御曹司は、一体何を隠しているのか?
考え込みつつ、並んで帝釈天の参道を歩いていると声を掛けられた。
「おい! 貴様ら、何をしている?」
振り向くと、そこにいたのは見覚えのある顔……零の取り調べをしたあの刑事だ。
「あ、刑事さん。その節はお世話になりました」
皮肉を込めてそう返すと、彼は太い眉を吊り上げた。
「ここに何の用だ?」
「何の用って、お参りですよ。ねぇ、桜子さん」
「そうですよ、お寺でお参り以外、何をするんです?」
とぼけてみるものの、刑事の目は誤魔化せないようだ。彼は零の腕を掴むと、耳元で唸った。
「久世慶司を調べ回っているようだな」
だが、零はのらりくらりと返答を返す。
「亡くなられたご母堂から、ご子息の花嫁の正体を探るよう依頼を受けていますのでね」
「依頼人も花嫁も死んでるんだ。今さら調べる必要もないだろう」
彼の言葉に、零と桜子は軽く目を合わせた……その一瞬で、事情を聞いておくべきだろうと意思疎通する。
そうして零は大袈裟によろめいた。
「あぁ……目眩が。この前、不当な取り調べを受けてから頭痛がするようになってしまいました。すいません、そこの茶店まで肩を貸してくださいませんか」
そう言いながら、零はよろめく拍子にガシッと刑事の肩を掴む。
「それは大変だわ、刑事さん、手伝ってくださらない?」
桜子も、反対側から刑事の腕を取る。
「な、何だ貴様ら……」
狼狽える刑事はだが、無実の零に高圧的な取り調べをしたという弱みがある。
「さ、行きましょ」
と桜子に腕を引かれれば断れないようで、三人連れ立って茶店へと向かうのだった。
――その途中、零は内心ほくそ笑んでいた。
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