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第伍話──箪笥
【陸】水天宮
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翌日、昼下がり。
昨夜遅かったため、桜子は休みだ。そしてハルアキも夜通し星を眺めていたから、朝方「寝る」と布団に入ったまま起きてこない。
――ハルアキが調べていたのは、言うまでもなく「お玉の行方」、つまりは久世慶司の新邸である。
桜子を浅草の下宿に送った後、珍しく起きていたハルアキに調査の結果を伝えると、
「今宵は晴れて星が見良い故」
と、屋根に上って占いを始めたのだ。
陰陽道とは、天文学にも近しいものがある。かつて天文博士としても名を馳せた安倍晴明――転生し、子供の姿となってはいるが、彼の正体である――その彼が本気を出したからには、必ずや良い結果がもたらされた……と信じたい。
かたや、零である。
昼前、どうにも気になり、駒吉から聞いた「水天宮の人形師」を訪ねた。
……ところが。
裏通りに建つそれらしい屋敷を見つけた途端、全身が粟立つ程の嫌な気配を感じ、彼は足を止めざるを得なかった。
帯にぶら下げた煙草入れで、髑髏の根付がカタカタと激しく顎を鳴らす――これは彼の相棒である犬神の小丸を封じたものだが、白昼の往来でこんな反応を示すのは珍しかった。
「…………」
只事ではない。迂闊に踏み入れれば痛い目を見る予感がして、零は諦め引き返した。
それでも、手ぶらで帰った訳ではない。そこからほど近い水天宮に寄ったところ、鈴なりに掛けられた戌の絵馬の中に、「久世慶司・たま」と書かれたものを見付けたのだ。恐らく、身重のお玉を気遣い、慶司が付き添って参拝に来たのだろう。
――元気な子が生まれますよう
そう記された細い字は幸せに満ちていた。添えられた日付は九月の終わり――深川を追い出される直前か。
それまで、心の底から幸せに思っていたのだろう。身分の違いを乗り越え、夫婦になれると信じていたのだろう。
しかし、その直後。二人は引き裂かれてしまった。
とはいえ、結果的にお玉は慶司と夫婦になった。深川を出てから二か月後の十二月、新邸で暮らし始める。
そうなるよう、一旦身柄を預かった人形師が手引きしたのだろうか?
「…………」
道理に矛盾はないものの、どうも腑に落ちない。あの曰くありげな屋敷と、水子の生き人形を作る人形師……安産を願うこの水天宮に、水子供養を担う人形師は何の用があって訪れたのか?
そして、酷い別れ方をした慶司に対し、どのような説得を行ったのか?
考えれば考えるほど、得体の知れない違和感が肌を撫でる。ゾクリと肩を竦め、零は水天宮を後にした。
そして、誰もいない昼下がりの事務所。
ハルアキへの土産に買った人形焼きの包みを机の隅に置いて、零は幾つかの新聞を広げていた。事件発生からの久世伯爵一家皆殺しの記事を見直していたのだが……。
やはり、慶司とお玉の関係に言及したものはない。当初は五人惨殺という手口の残忍さに焦点を絞った記事が多かったが、近頃は、一人残された久世慶司の動向を追ったものが多かった……伯爵家の名籍を継ぐのを辞退し、屋敷を売り世俗へ身を隠した彼の思惑を邪推したものだ。
そこで零は、ある一行に目を止めた。
「……葛飾の新邸……」
考えてみれば当然だ。久世夫人から依頼を受けたものの、本格的な調査を始める前に事件が起きてしまっただけで、新聞社の情報網を以てすれば、久世慶司の住まいを探る事など朝飯前だろう。もちろん、アリバイがあるとはいえ、警察の捜査も入っているに違いない。
とはいえ、詳しい住所までは書いていない。あとはハルアキに任せるだけかと考えていると、唐突に扉が開き、入ってきたのは桜子だった。
「あれ、今日は休み……」
「分かったのよ、久世慶司の住まいが!」
と、彼女は零の目の前にやって来て、机越しに顔を寄せた。
「――葛飾よ。柴又帝釈天の近く」
零は目を瞬かせ、ポカンと桜子を見上げた。
「どうやって調べたんです?」
「たまたまよ……暇だったから、たまたま上野へ散歩に行ったら、見掛けたのよ、あなたを取り調べした刑事を」
「はぁ……」
「絶対に久世伯爵事件絡みに違いないじゃない? だからね、尾行したの」
「刑事を、尾行……」
「そしたら、電気鉄道で柴又に行くのよ。これはもしや……と思ったら、図星だったわ」
桜子の行動力と度胸は、零の想像を遥かに超える事が多々ある。探偵の面目丸潰れとばかりに、零は束ね髪をゴシゴシと掻いた。
「敵いませんね、桜子さんには……」
「腹が減った。食い物を寄越せ」
そこにハルアキが入ってきた。寝癖頭をボリボリ掻きながら長椅子に座ると、桜子がテーブルにポンと竹皮の包みを置いた。
「帝釈天名物の草団子」
「ここに水天宮の人形焼もありますよ」
「何故甘いものばかりなのじゃ……」
そう言いつつも、彼は団子に手を伸ばす。
「お玉とやらの居所は分かった。あれは……」
「葛飾の帝釈天の傍、ですね」
零が先に言うと、ハルアキは団子で頬を膨らませキョトンと彼を見た。
「桜子さんが調べてくれました」
……その後、ハルアキがヘソを曲げたのは言うまでもない。
「まあまあ、お茶を淹れてあげるから」
桜子が流しに立つのと入れ違いに、零は人形焼をハルアキの前に置いた。
「これでご機嫌を直してください」
「どうせ余などいなくてもいいのじゃ、星占いなど時代遅れなのじゃ」
膝を抱えて口を尖らせながらも、ハルアキは人形焼を摘む。
「では、あなたにしか分からない事を聞きたいんですけどね」
と、零は桜子にチラッと目を向け声を低めた。
「――凶星を見ませんでしたか? 蛎殻町の水天宮の近くに」
口をモグモグさせながら、ハルアキは横目で零を見た。
「確かにあった」
「それは、どんな種類の凶星で?」
「以前、目黒に見たものとはワケが違う……関わる者に必ず破滅をもたらす。近寄うてはならぬ」
零はハルアキの正面に腰を下ろした。
「それは、放置しておいて大丈夫なものですか?」
「…………」
ハルアキは渋い顔を浮かべている。それで零は察した――彼の主たる太乙は、それと対峙させる為に彼を引き合わせたのだろうと。
とはいえ、それは今ではない。久世慶司の一件を解決する方が先決だ。零は顎を撫でつつハルアキを見る。
「しかし、貴方の占いに出たという事は、お玉さんは無事なんですね?」
「そうとは限らぬ。むしろ、可能性は極めて低いじゃろうな」
「何故?」
「そなた、お玉なる者が深川を出た後、人形師の元へ身を寄せたと言うたな?」
「ええ」
「どのような心待ちであったろうな」
そう言われ、零は暗澹たる気持ちになった。
男に捨てられ、生きる糧すらない娘が一人、身重の体でどうするか。
自ら死を選んだ可能性は低くない。
だがそう考えると、大きな矛盾が生じる。
――お玉でないのなら、慶司はあの屋敷に何を隠しているのか。
「ねえ、一度彼の屋敷に乗り込んでみない? お玉さんが無事かどうか気になるし」
お盆を手に戻ってきた桜子は、零とハルアキの前に湯呑を置くと、ハルアキの横に座って自分の湯呑を啜った。
「気になるとは?」
ハルアキとの会話を聞かれたのかと、零は思わずギクッと顔を上げた。だが桜子はそんな様子は見せず、意味深な顔で身を乗り出した。
「実を言うと、ちょっと妙なのよ、あの屋敷」
「どんな風に?」
「生活感がないと言うか、生気がないと言うか……」
零は湯呑に手を伸ばし、桜子の発言を待つ。彼女は首を傾げ言葉を探っているようだったが、やがてボソリと言った。
「女が一緒に暮らしてるんなら、ああはならないわ。草は生えっぱなしだし、庭木の手入れも出来てないし……ちょっと外から覗いたけど、真昼間なのに雨戸が閉め切ってあるのよ」
「…………」
「多分、古家を買ったんだと思う。けれどそんなに古い家じゃないし、むしろ洒落た感じの立派なお屋敷よ。でも、普通の生活に必要なものがないのよ。例えば、物干し台とか、洗濯桶とか」
さすが桜子、屋敷の様子まで事細かに調べてきたようだ。零は顎を撫でつつ先を促した。
「それで、慶司さんはお住まいの様子でしたか?」
「あの刑事が入ってったっきり、しばらく出て来なかったから、多分いたと思うわ」
零とハルアキは顔を見合わせた――「花嫁が死んでいる」可能性がより濃厚になった、という意味だ。
零は眉を顰めた。
「気になりますね……」
「でしょう?」
桜子は目を輝かせている……こうなったら、誰も彼女を止められない。苦笑を浮かべ、零は顔を上げた。
「調べてみましょうか……ただし、一人で勝手に行くのは今回限りですよ。次からは私と一緒に。いいですね?」
昨夜遅かったため、桜子は休みだ。そしてハルアキも夜通し星を眺めていたから、朝方「寝る」と布団に入ったまま起きてこない。
――ハルアキが調べていたのは、言うまでもなく「お玉の行方」、つまりは久世慶司の新邸である。
桜子を浅草の下宿に送った後、珍しく起きていたハルアキに調査の結果を伝えると、
「今宵は晴れて星が見良い故」
と、屋根に上って占いを始めたのだ。
陰陽道とは、天文学にも近しいものがある。かつて天文博士としても名を馳せた安倍晴明――転生し、子供の姿となってはいるが、彼の正体である――その彼が本気を出したからには、必ずや良い結果がもたらされた……と信じたい。
かたや、零である。
昼前、どうにも気になり、駒吉から聞いた「水天宮の人形師」を訪ねた。
……ところが。
裏通りに建つそれらしい屋敷を見つけた途端、全身が粟立つ程の嫌な気配を感じ、彼は足を止めざるを得なかった。
帯にぶら下げた煙草入れで、髑髏の根付がカタカタと激しく顎を鳴らす――これは彼の相棒である犬神の小丸を封じたものだが、白昼の往来でこんな反応を示すのは珍しかった。
「…………」
只事ではない。迂闊に踏み入れれば痛い目を見る予感がして、零は諦め引き返した。
それでも、手ぶらで帰った訳ではない。そこからほど近い水天宮に寄ったところ、鈴なりに掛けられた戌の絵馬の中に、「久世慶司・たま」と書かれたものを見付けたのだ。恐らく、身重のお玉を気遣い、慶司が付き添って参拝に来たのだろう。
――元気な子が生まれますよう
そう記された細い字は幸せに満ちていた。添えられた日付は九月の終わり――深川を追い出される直前か。
それまで、心の底から幸せに思っていたのだろう。身分の違いを乗り越え、夫婦になれると信じていたのだろう。
しかし、その直後。二人は引き裂かれてしまった。
とはいえ、結果的にお玉は慶司と夫婦になった。深川を出てから二か月後の十二月、新邸で暮らし始める。
そうなるよう、一旦身柄を預かった人形師が手引きしたのだろうか?
「…………」
道理に矛盾はないものの、どうも腑に落ちない。あの曰くありげな屋敷と、水子の生き人形を作る人形師……安産を願うこの水天宮に、水子供養を担う人形師は何の用があって訪れたのか?
そして、酷い別れ方をした慶司に対し、どのような説得を行ったのか?
考えれば考えるほど、得体の知れない違和感が肌を撫でる。ゾクリと肩を竦め、零は水天宮を後にした。
そして、誰もいない昼下がりの事務所。
ハルアキへの土産に買った人形焼きの包みを机の隅に置いて、零は幾つかの新聞を広げていた。事件発生からの久世伯爵一家皆殺しの記事を見直していたのだが……。
やはり、慶司とお玉の関係に言及したものはない。当初は五人惨殺という手口の残忍さに焦点を絞った記事が多かったが、近頃は、一人残された久世慶司の動向を追ったものが多かった……伯爵家の名籍を継ぐのを辞退し、屋敷を売り世俗へ身を隠した彼の思惑を邪推したものだ。
そこで零は、ある一行に目を止めた。
「……葛飾の新邸……」
考えてみれば当然だ。久世夫人から依頼を受けたものの、本格的な調査を始める前に事件が起きてしまっただけで、新聞社の情報網を以てすれば、久世慶司の住まいを探る事など朝飯前だろう。もちろん、アリバイがあるとはいえ、警察の捜査も入っているに違いない。
とはいえ、詳しい住所までは書いていない。あとはハルアキに任せるだけかと考えていると、唐突に扉が開き、入ってきたのは桜子だった。
「あれ、今日は休み……」
「分かったのよ、久世慶司の住まいが!」
と、彼女は零の目の前にやって来て、机越しに顔を寄せた。
「――葛飾よ。柴又帝釈天の近く」
零は目を瞬かせ、ポカンと桜子を見上げた。
「どうやって調べたんです?」
「たまたまよ……暇だったから、たまたま上野へ散歩に行ったら、見掛けたのよ、あなたを取り調べした刑事を」
「はぁ……」
「絶対に久世伯爵事件絡みに違いないじゃない? だからね、尾行したの」
「刑事を、尾行……」
「そしたら、電気鉄道で柴又に行くのよ。これはもしや……と思ったら、図星だったわ」
桜子の行動力と度胸は、零の想像を遥かに超える事が多々ある。探偵の面目丸潰れとばかりに、零は束ね髪をゴシゴシと掻いた。
「敵いませんね、桜子さんには……」
「腹が減った。食い物を寄越せ」
そこにハルアキが入ってきた。寝癖頭をボリボリ掻きながら長椅子に座ると、桜子がテーブルにポンと竹皮の包みを置いた。
「帝釈天名物の草団子」
「ここに水天宮の人形焼もありますよ」
「何故甘いものばかりなのじゃ……」
そう言いつつも、彼は団子に手を伸ばす。
「お玉とやらの居所は分かった。あれは……」
「葛飾の帝釈天の傍、ですね」
零が先に言うと、ハルアキは団子で頬を膨らませキョトンと彼を見た。
「桜子さんが調べてくれました」
……その後、ハルアキがヘソを曲げたのは言うまでもない。
「まあまあ、お茶を淹れてあげるから」
桜子が流しに立つのと入れ違いに、零は人形焼をハルアキの前に置いた。
「これでご機嫌を直してください」
「どうせ余などいなくてもいいのじゃ、星占いなど時代遅れなのじゃ」
膝を抱えて口を尖らせながらも、ハルアキは人形焼を摘む。
「では、あなたにしか分からない事を聞きたいんですけどね」
と、零は桜子にチラッと目を向け声を低めた。
「――凶星を見ませんでしたか? 蛎殻町の水天宮の近くに」
口をモグモグさせながら、ハルアキは横目で零を見た。
「確かにあった」
「それは、どんな種類の凶星で?」
「以前、目黒に見たものとはワケが違う……関わる者に必ず破滅をもたらす。近寄うてはならぬ」
零はハルアキの正面に腰を下ろした。
「それは、放置しておいて大丈夫なものですか?」
「…………」
ハルアキは渋い顔を浮かべている。それで零は察した――彼の主たる太乙は、それと対峙させる為に彼を引き合わせたのだろうと。
とはいえ、それは今ではない。久世慶司の一件を解決する方が先決だ。零は顎を撫でつつハルアキを見る。
「しかし、貴方の占いに出たという事は、お玉さんは無事なんですね?」
「そうとは限らぬ。むしろ、可能性は極めて低いじゃろうな」
「何故?」
「そなた、お玉なる者が深川を出た後、人形師の元へ身を寄せたと言うたな?」
「ええ」
「どのような心待ちであったろうな」
そう言われ、零は暗澹たる気持ちになった。
男に捨てられ、生きる糧すらない娘が一人、身重の体でどうするか。
自ら死を選んだ可能性は低くない。
だがそう考えると、大きな矛盾が生じる。
――お玉でないのなら、慶司はあの屋敷に何を隠しているのか。
「ねえ、一度彼の屋敷に乗り込んでみない? お玉さんが無事かどうか気になるし」
お盆を手に戻ってきた桜子は、零とハルアキの前に湯呑を置くと、ハルアキの横に座って自分の湯呑を啜った。
「気になるとは?」
ハルアキとの会話を聞かれたのかと、零は思わずギクッと顔を上げた。だが桜子はそんな様子は見せず、意味深な顔で身を乗り出した。
「実を言うと、ちょっと妙なのよ、あの屋敷」
「どんな風に?」
「生活感がないと言うか、生気がないと言うか……」
零は湯呑に手を伸ばし、桜子の発言を待つ。彼女は首を傾げ言葉を探っているようだったが、やがてボソリと言った。
「女が一緒に暮らしてるんなら、ああはならないわ。草は生えっぱなしだし、庭木の手入れも出来てないし……ちょっと外から覗いたけど、真昼間なのに雨戸が閉め切ってあるのよ」
「…………」
「多分、古家を買ったんだと思う。けれどそんなに古い家じゃないし、むしろ洒落た感じの立派なお屋敷よ。でも、普通の生活に必要なものがないのよ。例えば、物干し台とか、洗濯桶とか」
さすが桜子、屋敷の様子まで事細かに調べてきたようだ。零は顎を撫でつつ先を促した。
「それで、慶司さんはお住まいの様子でしたか?」
「あの刑事が入ってったっきり、しばらく出て来なかったから、多分いたと思うわ」
零とハルアキは顔を見合わせた――「花嫁が死んでいる」可能性がより濃厚になった、という意味だ。
零は眉を顰めた。
「気になりますね……」
「でしょう?」
桜子は目を輝かせている……こうなったら、誰も彼女を止められない。苦笑を浮かべ、零は顔を上げた。
「調べてみましょうか……ただし、一人で勝手に行くのは今回限りですよ。次からは私と一緒に。いいですね?」
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