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第伍話──箪笥

◇ 世界観のご紹介 ◇

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 【花嫁のイラスト・九藤 朋さま】

 ご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 【第伍話――箪笥たんす】の公開にあたり、「どんな話だっけ?」と疑問に思いがちなところをまとめてみました。
 よろしければ参考になさってください。


 神田明神裏の裏路地にある、通称「山茶花御殿」と呼ばれる、煉瓦造りの洋館の二階にある私立探偵事務所。
 従業員は、
  ◆探偵……………………犬神いぬがみれい
  ◆雑用係兼探偵助手……椎葉しいば桜子さくらこ
  ◆居候……………………ハルアキ
 の三名。(キャラクター紹介は「第肆話」冒頭をご覧ください)
 浮気調査、迷い猫の捜索などもやるが、本業は「常識ではありえない現象」つまり怪異けいが起こす事件を解決すること。
 けれどこの時代、そんな依頼は滅多になく、いつも閑古鳥が鳴いている。
 事務所と住居をタダで借りているので、山茶花御殿の女主人・楢崎ならさき多ゑたえには絶対に頭が上がらない。


 安倍晴明の転生した姿であるハルアキが使う式神。
 「式札」を依代に召喚する。
 様々な姿、能力を持つが、何れも強力なものである。
 その種類は以下の通り。

  ◆騰蛇とうだ……………………幻影
  ◆朱雀すざく……………………聖炎
  ◆六合りくごう……………………睡眠
  ◆勾陳こうちん……………………式神の強化
  ◆青竜せいりゅう……………………防御
  ◆天一貴人てんいつきじん(天一)……斬撃
  ◆天后てんこう……………………回復
  ◆大陰たいいん……………………智謀
  ◆玄武げんぶ……………………拘束
  ◆太裳たいも……………………変化
  ◆白虎びゃっこ……………………疾風
  ◆天空てんくう……………………瞬間移動

 以前はハルアキが式神を扱う力が弱く、短時間しか召喚できなかったが、第肆話のとある事情により、制約が撤廃された模様。
 今後の十二天将の活躍にご期待あれ!


 本作では、大正時代の東京をモチーフにした場所が数多く登場します。
 今回は、第伍話に登場する場所をピックアップしてご紹介します。
 (フィクションとしての設定とご了承ください)

◆九段坂◆
 宮城きゅうじょう(皇居)の北に位置する地域。
 かつて幕府の御用屋敷があった事から、華族の屋敷が多く立ち並ぶ瀟洒な住宅街。

◆深川◆
 江戸の昔より、花街として栄えた町。
 深川で活動する「辰巳芸者」は、客に媚びずに芸を売る、江戸の粋を体現したような存在である。
 しかし時代の流れと不景気により、この当時にはその数を減らしていた。

◆水天宮◆
 日本橋の近く、蛎殻町にある神社。
 安産・子授けの神として有名で、戌の絵馬に祈願する。
 参拝のお土産に、人形焼きをどうぞ。

◆柴又帝釈天◆
 「寅さん」で有名になるのは後日の話。
 江戸の初期に建立された名刹で、庶民の信仰を集めてきた。
 本尊に帝釈天を祀る寺院は全国でも珍しいらしい。
 また、門前町の茶店の草団子が絶品。


 さて、次ページより、【第伍話】となります。
 お付き合い、心より感謝いたします。
 どうぞ、不可解で怪しい事件の顛末をお楽しみくださいませ。
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