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Ⅰ.特定外来妖物
⑤
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あおいには、野久保がこの地に来るのが初めてというのは意外だった。
「監視カメラを設置したのは、先輩じゃないんですか?」
マガジンホルダーを腰に巻き、彼女は疑問を野久保に尋ねた。
「カメラの設置は、棗課長と坂口さんがやったんだよ。僕は通信システムを組み立てただけさ」
彼はそう言いながら、恐る恐る拳銃をホルスターに納めた。
……素人である彼が扱えそうな武器はそれしかなかった。とはいうものの、9mm拳銃でアヤカシに歯が立つとは思えない。
彼がこの銃を使う場面が来ないよう、願うしかない。
坂口が鉄扉の鍵を開け、一同は禁足地に足を踏み入れた。
自動小銃を背負ったあおいは、野久保を伴って中央のコースを進む事になった。
右回りを坂口、左回りを猪岡。三方向から、アヤカシの姿が確認されたG地点に向かう。
「猟をする時はな、こうやって追い込むんだ」
という、坂口の作戦である。
アヤカシが映ったのは、G地点のカメラのみ。それからアヤカシがどう移動しているのか、十六台全ての監視カメラの映像を追ったものの、消息が掴めていないのだ。
そのため、それぞれのコースを注意深く進み、連携を取る必要がある。
耳には通信用イヤホン。これは、銃撃音から聴力を守る耳栓の役割も果たす。首にはチョーカー型のマイクを装着。声帯の振動を拾うので、小声でも十分に言葉が伝わる。左腕に巻いたモニターが通信機能を有し、メンバーの発言は全てイヤホンから聞こえる。
「巫、そっちはどうだ?」
坂口の声だ。
「進路クリア。敵影なし」
「だから、俺らは自衛隊じゃ……まぁいい。猪岡は?」
「対象なし」
禁足地へ入ると林道は途絶える。手入れされた植林も姿を消し、落ち葉の積もった雑木林を縫うように歩く事になる。
柔らかい腐葉土に覆い被さった枯葉は非常に滑りやすい。おまけに、木の根が張り斜面が多い。登山靴でなければ危険な場所だ。
とはいえ、あおいは行軍訓練を受けているため、こういう場所には慣れている。
だがアウトドアとは縁遠い野久保は、すぐに息を切らした。
「ちょ、ちょっと待って……」
「先輩、もう少し鍛えた方がいいですよ? 今度、トレッキングに誘いましょうか」
「せめて平地がいいな……」
あおいは腕のモニターを見た。
地図上に赤い点で、それぞれの位置が示されている。中央コースは野久保に合わせて歩いているので、左右を行く猪岡と坂口から大分遅れていた。
……と、急に猪岡の動きが止まった。
「――対象確認。狙撃に入る」
落ち着いた低い声はだが、全員に緊張を走らせるに十分だった。
間もなく、銃声がこだました。
「任務完了……」
だが猪岡のその言葉は、坂口の声に掻き消された。
「アヤカシに遭遇! ……嘘だろ……」
「どうしたんですか!」
「複数いる。五頭、いや、六頭か」
再び銃声が轟いた。今度は散弾銃の音だ。二発、三発――。
そこにまた猪岡の声が。
「二頭目、狙撃する」
「…………」
銃声が絶え間なく響き渡る山を見渡し、あおいは足を止めた。
――嫌な予感がする。
坂口の作戦が的外れだっただけではない。
禁足地に設置された監視カメラは十六台。そのうち、アヤカシの姿が映ったのはG地点のカメラに一頭だけ。
それなのに、この数の出現。
それはつまり……。
監視カメラの位置が、アヤカシに把握されており、それらを掻い潜って既に侵入されていた。
そして、G地点のカメラに姿を映す事で、我々を誘い込んだ――。
もし、そうだとすれば、既にここは敵の罠の中。
今までのアヤカシの行動とは明らかに違う。
あおいは肩から自動小銃を外す。
「……え、どどどうなってるの……」
震え声の野久保に、あおいは低く指示する。
「先輩、拳銃を構えて。すぐに来ますよ――」
◇
…………そして、今に至る。
木の上から飛び掛かろうと牙を剥くアヤカシを視認するや否や、あおいは横飛びに転がった。
受け身の反動ですぐ起き上がり、着地した衝撃で一瞬動きを止めたアヤカシの頭上に銃口を押し当てて引き金を引く。反動と同時に血飛沫が飛び散り、あおいの頭に降り注いだ。
「…………」
野久保は声もなく顎をガクガクと震わせている。
あおいは返り血を袖で拭い、再び小銃を構えた。
「先輩、退路を確認しました。ですが、我々は既に囲まれています。一点突破するしかないですね」
「…………」
「拳銃の弾、入れました?」
「ああ、あああ」
混乱する野久保を落ち着かせるため、あおいは迫り来るアヤカシの群れに威嚇射撃を行いながら、ことさら低い声で指示をする。
「スライドを引いて」
「……こ、これかな?」
「そう。ホールドオープンしたら空のマガジンをリリース」
「…………」
「次のマガジンを挿入、底を叩いて装填。スライドをリリース」
「で、できたと思う、多分」
「じゃあ、行きますよ。合図と同時に後方中央に一斉射撃。走ります」
「りょ、了解……」
「三、二、一。――撃て!」
あおいは体を捻り、後方に銃口を向けた。そして野久保の頭上で引き金を引く。
ズドドドドドド。
内臓に響く衝撃。合間に、パン、パンという拳銃の音も混じる。
木立の合間でアヤカシたちが次々と倒れる。弾を逃れたソレらが距離を取ったのを確認し、あおいは声を飛ばした。
「走れ!」
二人は一斉に木陰から飛び出した。
落ち葉を滑るように斜面を下る。そして、アヤカシの死体を飛び越えたところで、野久保が「アッ!」と声を上げた。
すぐに振り返る。木の根に足を取られた彼は、頭から倒れた勢いで斜面を転げ落ちていく。
「先輩!」
少し先の木に引っかかった野久保は呻き声を上げた。
「……足を、挫いたみたいだ。動けない……」
あおいは奥歯を噛んだ。
そして、背後に目を向ける。
アヤカシの群れが木々を縫うように、眼を光らせてこちらへ向かってくる。数は十……いや、二十はあるかもしれない。
小銃を向けるも、先程の射撃で弾は撃ち切った。マガジンの予備も、もうない。
「……仕方ないわね」
野久保を置いて逃げるのが、多分最も理に適った選択なのだと思う。……彼を、仲間として見るのなら。
しかし、万にひとつでも彼を助けられる可能性があるのなら、あおいはその可能性を捨てたくはなかった。
――最強の盾であれ。
そのために、私はここにいる。彼女は思った。
腰のナイフホルダーから銃剣を取り出す。それを銃身に装着して身構える。
トレーニングは受けているが、銃剣などというものが現代の実戦に於いて、役立つものだとは思っていなかった。
それでも……!
アヤカシの群れは、すぐ目前に迫っている。
「うわあああ!!」
あおいは気勢を上げた。
「監視カメラを設置したのは、先輩じゃないんですか?」
マガジンホルダーを腰に巻き、彼女は疑問を野久保に尋ねた。
「カメラの設置は、棗課長と坂口さんがやったんだよ。僕は通信システムを組み立てただけさ」
彼はそう言いながら、恐る恐る拳銃をホルスターに納めた。
……素人である彼が扱えそうな武器はそれしかなかった。とはいうものの、9mm拳銃でアヤカシに歯が立つとは思えない。
彼がこの銃を使う場面が来ないよう、願うしかない。
坂口が鉄扉の鍵を開け、一同は禁足地に足を踏み入れた。
自動小銃を背負ったあおいは、野久保を伴って中央のコースを進む事になった。
右回りを坂口、左回りを猪岡。三方向から、アヤカシの姿が確認されたG地点に向かう。
「猟をする時はな、こうやって追い込むんだ」
という、坂口の作戦である。
アヤカシが映ったのは、G地点のカメラのみ。それからアヤカシがどう移動しているのか、十六台全ての監視カメラの映像を追ったものの、消息が掴めていないのだ。
そのため、それぞれのコースを注意深く進み、連携を取る必要がある。
耳には通信用イヤホン。これは、銃撃音から聴力を守る耳栓の役割も果たす。首にはチョーカー型のマイクを装着。声帯の振動を拾うので、小声でも十分に言葉が伝わる。左腕に巻いたモニターが通信機能を有し、メンバーの発言は全てイヤホンから聞こえる。
「巫、そっちはどうだ?」
坂口の声だ。
「進路クリア。敵影なし」
「だから、俺らは自衛隊じゃ……まぁいい。猪岡は?」
「対象なし」
禁足地へ入ると林道は途絶える。手入れされた植林も姿を消し、落ち葉の積もった雑木林を縫うように歩く事になる。
柔らかい腐葉土に覆い被さった枯葉は非常に滑りやすい。おまけに、木の根が張り斜面が多い。登山靴でなければ危険な場所だ。
とはいえ、あおいは行軍訓練を受けているため、こういう場所には慣れている。
だがアウトドアとは縁遠い野久保は、すぐに息を切らした。
「ちょ、ちょっと待って……」
「先輩、もう少し鍛えた方がいいですよ? 今度、トレッキングに誘いましょうか」
「せめて平地がいいな……」
あおいは腕のモニターを見た。
地図上に赤い点で、それぞれの位置が示されている。中央コースは野久保に合わせて歩いているので、左右を行く猪岡と坂口から大分遅れていた。
……と、急に猪岡の動きが止まった。
「――対象確認。狙撃に入る」
落ち着いた低い声はだが、全員に緊張を走らせるに十分だった。
間もなく、銃声がこだました。
「任務完了……」
だが猪岡のその言葉は、坂口の声に掻き消された。
「アヤカシに遭遇! ……嘘だろ……」
「どうしたんですか!」
「複数いる。五頭、いや、六頭か」
再び銃声が轟いた。今度は散弾銃の音だ。二発、三発――。
そこにまた猪岡の声が。
「二頭目、狙撃する」
「…………」
銃声が絶え間なく響き渡る山を見渡し、あおいは足を止めた。
――嫌な予感がする。
坂口の作戦が的外れだっただけではない。
禁足地に設置された監視カメラは十六台。そのうち、アヤカシの姿が映ったのはG地点のカメラに一頭だけ。
それなのに、この数の出現。
それはつまり……。
監視カメラの位置が、アヤカシに把握されており、それらを掻い潜って既に侵入されていた。
そして、G地点のカメラに姿を映す事で、我々を誘い込んだ――。
もし、そうだとすれば、既にここは敵の罠の中。
今までのアヤカシの行動とは明らかに違う。
あおいは肩から自動小銃を外す。
「……え、どどどうなってるの……」
震え声の野久保に、あおいは低く指示する。
「先輩、拳銃を構えて。すぐに来ますよ――」
◇
…………そして、今に至る。
木の上から飛び掛かろうと牙を剥くアヤカシを視認するや否や、あおいは横飛びに転がった。
受け身の反動ですぐ起き上がり、着地した衝撃で一瞬動きを止めたアヤカシの頭上に銃口を押し当てて引き金を引く。反動と同時に血飛沫が飛び散り、あおいの頭に降り注いだ。
「…………」
野久保は声もなく顎をガクガクと震わせている。
あおいは返り血を袖で拭い、再び小銃を構えた。
「先輩、退路を確認しました。ですが、我々は既に囲まれています。一点突破するしかないですね」
「…………」
「拳銃の弾、入れました?」
「ああ、あああ」
混乱する野久保を落ち着かせるため、あおいは迫り来るアヤカシの群れに威嚇射撃を行いながら、ことさら低い声で指示をする。
「スライドを引いて」
「……こ、これかな?」
「そう。ホールドオープンしたら空のマガジンをリリース」
「…………」
「次のマガジンを挿入、底を叩いて装填。スライドをリリース」
「で、できたと思う、多分」
「じゃあ、行きますよ。合図と同時に後方中央に一斉射撃。走ります」
「りょ、了解……」
「三、二、一。――撃て!」
あおいは体を捻り、後方に銃口を向けた。そして野久保の頭上で引き金を引く。
ズドドドドドド。
内臓に響く衝撃。合間に、パン、パンという拳銃の音も混じる。
木立の合間でアヤカシたちが次々と倒れる。弾を逃れたソレらが距離を取ったのを確認し、あおいは声を飛ばした。
「走れ!」
二人は一斉に木陰から飛び出した。
落ち葉を滑るように斜面を下る。そして、アヤカシの死体を飛び越えたところで、野久保が「アッ!」と声を上げた。
すぐに振り返る。木の根に足を取られた彼は、頭から倒れた勢いで斜面を転げ落ちていく。
「先輩!」
少し先の木に引っかかった野久保は呻き声を上げた。
「……足を、挫いたみたいだ。動けない……」
あおいは奥歯を噛んだ。
そして、背後に目を向ける。
アヤカシの群れが木々を縫うように、眼を光らせてこちらへ向かってくる。数は十……いや、二十はあるかもしれない。
小銃を向けるも、先程の射撃で弾は撃ち切った。マガジンの予備も、もうない。
「……仕方ないわね」
野久保を置いて逃げるのが、多分最も理に適った選択なのだと思う。……彼を、仲間として見るのなら。
しかし、万にひとつでも彼を助けられる可能性があるのなら、あおいはその可能性を捨てたくはなかった。
――最強の盾であれ。
そのために、私はここにいる。彼女は思った。
腰のナイフホルダーから銃剣を取り出す。それを銃身に装着して身構える。
トレーニングは受けているが、銃剣などというものが現代の実戦に於いて、役立つものだとは思っていなかった。
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あおいは気勢を上げた。
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