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【自題】寂れた喫茶店
しおりを挟む寂れた喫茶店の客は、俺と彼女だけだった。
「別れよう」
俺の言葉に、彼女はお腹を擦る。
「この子は?」
「下ろしてくれ」
「特製ブレンドでございます」
マスターが置いた、注文もしていない珈琲からは、扁桃の香りが立つ。
「ありがとう、パパ」
俺は察した。
この店からは、出られない。
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