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二章 後輩冒険者
影での努力
しおりを挟む俺らはウィザが飛んでいくのを見送る。
「相変わらず、我々に負けず劣らずの飛行能力ですね。あれを魔力だけでやってるのですから相当ですよ。」コウマが感心している。
彼女ら魔法使い族は超常現象を自在に操るほどの魔力を有しており、風神の恩恵を受けている、天狗ですら1日飛べばガス欠をするところ、彼女らは3日飛んでも問題ないほどの魔力を持つ。まぁ言霊を使った天災を引き起こす魔法はかなり魔力を使うので連発するとすぐガス欠するのは変わらないけど。
それから俺たちは事件の事後処理をした。
「さて、死んだ彼らはここで埋葬して、君は次の街までなら送るけどどうするか?」
「大変厚かましいお願いなのですが、しばらく連れて行ってもらうことはできませんか?私強くなりたくて、」まぁ教わっていた、先輩達みんな死んじゃったからな、新しくって言っても、女1人で新しくパーティ探したら飢えた男達の食い物にされそうだし。
「俺達は教皇国に向かっている。来るなら国境前の街までだからな。」コウマとフーロの視線が痛い。だって可哀想じゃん、仲間だってみんな殺されてるのに。
「ありがとうございます。私はアミルと言います。冒険者ランクは最低のFですが、全てのステータスはBです。スキルはバレットを持ってます。」バレットとは、魔法弾の魔力効率が極端に良くなるスキルだ、スキル持ちとそうではない奴が同じ量の魔力で放つ弾の威力は10倍の差が出ると言われている。が割とあるスキルで持っている人もちらほらいる。基本同じスキルで被ることはほとんどないが一万人1人くらいの確率で重複したりする。
「わかった。とりあえず服を買う為に次の街まで行こうか、「それには及びません!」
どこかで聞いたことある声がしたのでそちらに振り向く。そこにはミロが服を持って立っていた。おそらく空間跳躍で飛んできたのだろう。ここから元いた街から既に街10個くらいの距離があるはずだが、流石に驚いた。
「ここまでよく来れたな、かなり距離あるぞ。」
「ユグドラシル様にご主人様のいらっしゃる座標を教えてもらったので来れました。ですが往復を考えるとここから先は今の私では無理そうです。」
「いや、この1回だけでもかなり助かる。早速着せてやってくれ。」俺ミロに頼んでアミルに服を着せてもらう。
「完了しました。それでは私はこれで戻ります。ご主人様も皆様も頑張ってください。」
「助かった、ありがとう」俺はミロの頭を撫でる。それに満足したのか満面の笑みで帰っていった。あとでユグに聞いた話だが、俺が出発した後だいぶ練習して飛躍的に距離や魔力を伸ばしたそうだ。俺がいなくても頑張って修行をやってくれてることは少し嬉しかった。
「彼女は何だったのですか?」アミルが着せられた装備を確かめながら聞いてくる。
「フーロと同じうちの使用人だ。中々の実力だろう?」
「あのですね、もし世界樹の屋敷から来たなら距離は1000キロを超えてますよ?それを転移か何かで飛んでくるなんて、普通の人には無理です。」
「褒め言葉として彼女に伝えるよ」
そう言って、準備の完了した俺らは再び走移動を始めた。
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