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1章 奴隷の育成
和解
しおりを挟む俺らは湯舟に移動し、一息ついた後いよいよ本題に入る。
「さて、話ってのはな、さっきの勇者との戦闘のことなんだがな、あれは命令した俺の責任だ。君らに殺人を強要したのは本当に申し訳ない。」俺は素直に頭を下げる。
「それは、私も、ご主人様の命令に背くようなことをしてごめんなさい!」
「今回の事はそれでいいんだ。それに俺もむやみに殺せなんて命令はしない。」
「では、今回は何のためにその命令を出したのですか?」フーロが当然の疑問を投げかけてくる。このことについてはユグに説明してもいいと許可が出てるので、迷わず答える。
「まず、今回の勇者は女神セレシアがこの世界の魔力を使い召喚した。その数400人それによりこの世界の均衡を保っていた魔力が大幅に減り世界に異常が発生する可能性が出てくる。これを取り戻すには2つ、世界の魔力を持っている勇者を殺してこの世界に魔力を返すのと、セレシアにより勇者から世界の魔力を引き抜いてもらうこと。ただ、後者は俺たちを攻めにきている時点で、頼むだけで引き抜いてもらえるとは思えない。世界の均衡を司る世界樹ユグドラシルの使徒たる俺は奴らを殺すことを選んだ。」
「そういうことですか、世界のために」アリスは少し受け入れがたい表情を浮かべる。
「普通に考えれば例え世界のためとかいう大義名分があったとしても、同族を殺すことはできる限りしないほうがいい。それに勇者を殺す方は失敗したしな。」
「どういうことですか?」フーロが俺の言葉を促す。
「奴らには死に戻り、いわゆるリスポーンの能力があった。おそらく世界の魔力は奴らの強化ではなく、そのリスポーンに使われていると思う。だから今回殺した奴らも一度死にはしたが、一応生きてはいる。」
「てことは、これから襲ってくる勇者も死を恐れず突っ込んでくるということですか?」
「あぁ、だから死なないからというのは変だが、奴らは不死身に近いからアリスもあまり自分を思い詰めるな」
「私は「私は何も気にしていない。」アリスの言葉にフーロが口を挟む。
「私は今までもこれからもずっとご主人様に使えるつもり、その為に殺しくらいする。必要なこと。だから、私は怖い、でもやらなきゃをこっちが殺されていた。仕方のないこと」
「フーロちゃんがそこまでいうなら、わかりました。いつまでも言っていてもしょうがないですしね。」
とりあえず、アリスの理解も得たことで、俺はしばらく両脇腹にぴったりくっついている2人の感触を楽しみながら湯船に浸かった。
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