上 下
8 / 49
1章 奴隷の育成

夕食と勇者の対抗策

しおりを挟む
クリーンとウォーターを教えた後、光魔法の基礎ライトと炎魔法の基礎ファイアを習得させて、夜のいい感じの時間になったので、みんなに料理を覚えてもらうために全員でシチューを作ることになった。
みんな初めて料理すると言う割にはなかなか手際がいい。7人でやったことでものすごく早く作ることができた。全員に同じ作業を経験してもらおうと、全員で同じ量野菜を切ったりしたので、シチューが20人前ほどできてしまった。食堂に移動して、ユグを呼び、みんなで食事を摂る。アリス達は久しぶりのまともな食事だったらしく、作りすぎたシチューをペロリと平らげてしまった。食器洗いは自分達でできるとのことで俺は用具の説明だけして、食堂で片付けが終わるのを待っているとユグが真剣な表情で話しかけてくる。
「あのさ、ついさっきのことなんだけどさ勇者召喚を教皇国が行なって、400人召喚されたわ」俺はおもわず目を見開く。
「そんなことして、この世界を維持するだけの魔力は残っているのか?」
「ギリギリってところね、おそらく説得して魔力を手放してもらうよりも、殺して魔力を解放してあげるほうが早いわ。それに私を邪神なんて話にしてるのを信じて、こっち殺しに来るなら、こっちがぶち殺しても文句言えないわよね。」
「まぁその通りなんだけど、もうちょっと穏便にならないの?前回も勇者を皆殺しにしたって聞いたし。」
「あいつら勇者ってもてはやされて、一般人よりちょっと強いくらいなのに私や各国の頭を倒せるとか勘違いして来るから、話が通じないわ。それにこっちが頭に来て返り討ちにして、殺そうとすると話が違うとか騒ぎ出すのよ。思い上がりも甚だしいわ。」
「まぁそれはいいとして、各国の要人には話行ってるの?」
「それはすぐやって明日にはみんなここに向けて出発するって。せいぜい向こうは1ヶ月そこらで仕掛けて来ると思うから、貴方が邪神を崇める魔王にでもなって、殲滅して欲しいのよ。」
「ふざけてるのか?そんなことよりもまず、教皇国近くの賢者と隠者達の同族を避難させないといけないだろ、絶対レベルアップのために魔物と勘違いして多種族を殺しに行くぞあいつら」賢者というのはゴブリンの最強種で教皇国周辺に集落を構えるゴブリンの代表で、隠者は同じくリザードマンの代表者である。
「彼らなら、育ってない奴らにはやられないけど、伝説の武具を取りに来るレベルの奴らは無理でしょうね。」
この世界の各種族や国でそれぞれ1つずつ伝説の武具を所持している。賢者は杖で、隠者は短剣だ。ちなみにユグドラシル様は鎧を所持していることになっている。今俺が着ているものだけど。
「そうか、じゃあ俺が武具集めに乗り出す前に気の強そうなのと馬鹿な奴を間引けばいいのか?」
「そうして欲しいところね、もしかしたら、あれだけ人数いるから、武具を集めないで聖剣だけで戦争始めるかもしれないし、そしたら男は公開処刑で女は聖女ごと公衆便所かサンドバックでいいんじゃないかしら」こいつほんとに世界の根幹を司ってる世界樹かよ。世界の均衡を保つ魔力を持ってる重要な奴らを大衆の黒い娯楽の生贄にしていいのかね?
「まぁ詳しくは老人達と決めてよ、俺はアリス達をまず自立させなくちゃいけないから。」
「それは無理だと思うよ。彼女たち、あんたに一生ついて行くとっていうと思うし。」
「なんでだよ?」
「あんな、主人に懐いた奴隷なんて初めて見たから」
「そうかよ」確かに明らかに主人と従者というより、親と子だよな。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

オメガバースな異世界に転移した僕はαの親友とツガイになる

M
BL / 完結 24h.ポイント:667pt お気に入り:74

異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:306

後宮の調達人

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:55

神様のポイント稼ぎに利用された3

BL / 連載中 24h.ポイント:505pt お気に入り:122

悪役貴族に転生した俺は悪逆非道の限りを尽くす

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:233

処理中です...