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第1章
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壊滅した街を走る男が1人。
彼は反政府勢力としてこの内戦に参加していた。
最初は優勢だったが、早期に政府側が先進国の兵器を輸入、戦地に投入し一気に劣勢になってしまった。
元々一般市民を揺動して起こした反乱で早々に国民に銃を向けると思ってなかった反政府勢力側は為すすべもなく壊滅した。
本来なら正規軍を反乱民に釘付けにしてその間に政府を制圧しようとしていた反政府勢力側は政府側の最新兵器導入を聞き、焦って仕掛けた国会前攻防戦で敗北。
反乱多く参加した者がいた地域には今まで正規軍が使っていた物の倍近く大きくなった砲弾が撃ち込まれた。
彼らの所持している武器では傷1つつけられない戦車は、中にいる人ごとテントを平らにしていった。
そんな圧倒的戦力差を見せつけられた男は、襲われている仲間を囮にして1人逃走した。
男が逃げた先は味方軍勢が撤退している方向とは逆、既に壊滅した街の方角だ。
男のこの行動は敵の主力部隊は既に味方本体を追いかけていったはずなのでこちら側の方が敵の主力と遭遇する確率は低いと考えたからだ。
案の定、主力どころか敵の駐屯地には最低限しか兵力を置いていないので、男は無傷で戦地を離れることに成功した。
戦意も喪失し、戦場を脱した男は次に国境を越えようと移動を始めた。
現在あの逃走から3つほど市街地を抜けて、国境線手前の居住地域までたどり着いた。
今向かおうとしている国は、ここの政府と仲が悪い。
うまく一般人として紛れ込めれば、無理やり探し出されて、送還されることはないだろうと少々自分の都合の良い展開しか考えていない男は最後の関門である、遮蔽物のほとんどない街と国境線の間の移動を始める。
これまでも市街地と市街地の間を残党狩りをしている政府軍の目を欺きやり過ごしてきた男にはここも突破できるという自信があった。
後半分を越えたところに来た男は国境沿いの検問所の様子を見ている時に衝撃の事実を目撃する。
なんと、政府軍と思われる部隊が検問所から物資を積んだトラックとともに出てきたのだ。
つまりはこの先の国はこの事態を容認している事に他ならず、こっち側から国を出たところで、絶対に安心とはならなくなってしまった。
まぁ元々絶対的な安心などなかったのだが。
車はしばらくして男の隠れている岩の近くで止まった。
どうやら、街に入るのに護衛を車から降ろしているようだ。
人数は3人、決して多くはないが車両のサイズからして妥当といったところだろう。
しかしながらその光景は男に希望を持たせるものとなった。
彼らを指揮しているのが日系人だからだ。
彼らの国では日系人はお人好しで騙されやすい人種として有名だからだ。
実際に男は何回か日系人グループに貧困層を装い襲って根こそぎ奪った事がある。
日系人の女性は肉付きのいい上者が多く、物凄くいい当たりを引いたとその時のことをよく覚えている。
彼はこれは好機だと直感する。
不意打ちでこの車両を奪い仲間の元へ帰れば、敵前逃亡が帳消しになり、仲間の危機を救う救世主になれるという一種の野望が彼の頭の中を埋め尽くしていた。
決まれば行動は早い。
男は背中に担いでした武器に手を掛ける。
しかし、先程ここら一帯に入る時に動きやすいようにと少しキツ目に身につけてしまったからかなかなか外れない。
どうしてこんなにきつく締めてしまったのかと過去の自分を恨みがましく思ってしまう。
数分掛けてやっとの思いで銃を取り出し、武器に気を取られて今度はどのタイミングで仕掛けようかと男は彼らの様子を伺う。
彼らは男が銃を取り出すのに夢中になっている間も街の方に歩みを進めていたらしく先ほどより近い距離を歩いていた。
彼は反政府勢力としてこの内戦に参加していた。
最初は優勢だったが、早期に政府側が先進国の兵器を輸入、戦地に投入し一気に劣勢になってしまった。
元々一般市民を揺動して起こした反乱で早々に国民に銃を向けると思ってなかった反政府勢力側は為すすべもなく壊滅した。
本来なら正規軍を反乱民に釘付けにしてその間に政府を制圧しようとしていた反政府勢力側は政府側の最新兵器導入を聞き、焦って仕掛けた国会前攻防戦で敗北。
反乱多く参加した者がいた地域には今まで正規軍が使っていた物の倍近く大きくなった砲弾が撃ち込まれた。
彼らの所持している武器では傷1つつけられない戦車は、中にいる人ごとテントを平らにしていった。
そんな圧倒的戦力差を見せつけられた男は、襲われている仲間を囮にして1人逃走した。
男が逃げた先は味方軍勢が撤退している方向とは逆、既に壊滅した街の方角だ。
男のこの行動は敵の主力部隊は既に味方本体を追いかけていったはずなのでこちら側の方が敵の主力と遭遇する確率は低いと考えたからだ。
案の定、主力どころか敵の駐屯地には最低限しか兵力を置いていないので、男は無傷で戦地を離れることに成功した。
戦意も喪失し、戦場を脱した男は次に国境を越えようと移動を始めた。
現在あの逃走から3つほど市街地を抜けて、国境線手前の居住地域までたどり着いた。
今向かおうとしている国は、ここの政府と仲が悪い。
うまく一般人として紛れ込めれば、無理やり探し出されて、送還されることはないだろうと少々自分の都合の良い展開しか考えていない男は最後の関門である、遮蔽物のほとんどない街と国境線の間の移動を始める。
これまでも市街地と市街地の間を残党狩りをしている政府軍の目を欺きやり過ごしてきた男にはここも突破できるという自信があった。
後半分を越えたところに来た男は国境沿いの検問所の様子を見ている時に衝撃の事実を目撃する。
なんと、政府軍と思われる部隊が検問所から物資を積んだトラックとともに出てきたのだ。
つまりはこの先の国はこの事態を容認している事に他ならず、こっち側から国を出たところで、絶対に安心とはならなくなってしまった。
まぁ元々絶対的な安心などなかったのだが。
車はしばらくして男の隠れている岩の近くで止まった。
どうやら、街に入るのに護衛を車から降ろしているようだ。
人数は3人、決して多くはないが車両のサイズからして妥当といったところだろう。
しかしながらその光景は男に希望を持たせるものとなった。
彼らを指揮しているのが日系人だからだ。
彼らの国では日系人はお人好しで騙されやすい人種として有名だからだ。
実際に男は何回か日系人グループに貧困層を装い襲って根こそぎ奪った事がある。
日系人の女性は肉付きのいい上者が多く、物凄くいい当たりを引いたとその時のことをよく覚えている。
彼はこれは好機だと直感する。
不意打ちでこの車両を奪い仲間の元へ帰れば、敵前逃亡が帳消しになり、仲間の危機を救う救世主になれるという一種の野望が彼の頭の中を埋め尽くしていた。
決まれば行動は早い。
男は背中に担いでした武器に手を掛ける。
しかし、先程ここら一帯に入る時に動きやすいようにと少しキツ目に身につけてしまったからかなかなか外れない。
どうしてこんなにきつく締めてしまったのかと過去の自分を恨みがましく思ってしまう。
数分掛けてやっとの思いで銃を取り出し、武器に気を取られて今度はどのタイミングで仕掛けようかと男は彼らの様子を伺う。
彼らは男が銃を取り出すのに夢中になっている間も街の方に歩みを進めていたらしく先ほどより近い距離を歩いていた。
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