落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

救援

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呪詛の強さが増し、前衛として戦っていた男子学生が呪咀を避けるのが精一杯で前衛の役目を果たせなくなっている。

あ、離脱した。
おそらく恵子さんが下がるように言ったのだろう。
彼は地上の中衛になり治癒術の中の1つである浄化を用いて後衛まで呪詛が広がらない様に立ち回り始めた。
さっきまでいなかった、地上の中衛ができた事により奥まで飛んでくる、呪詛の込められた妖力弾の威力が落ちている。

元々後衛が厚いため、後ろへの攻撃が弱まるのは動きやすくなるので更にこちらが優位に運べそうだ。
相変わらず、矢は徹底的に打ち落とされてるけど。

色々動きながら場所を探した結果、俺は今雨宮と恵子さんがドンパチやっている場所から1番近い木の上にいる。

やっぱり、矢が打ち落とされてるのを見ると、俺があの空気砲を不意打ちで打って当たるのは真上からか、真下からしかないと思うだ。

上からよく見ると改めてわかるが、恵子さんは術を一切使わず、ナイフと近接格闘のみで戦っている。
雨宮は避け切れない攻撃を呪詛を込めた妖力を盾にしてなんとかって感じた。
恵子さんでもそこには触れられないからな。

俺が木をさらに高く上っていくのを見ていたのかわからないが、さっきから恵子さんの攻撃が雨宮の足元に集中している。
ここが狙い目だろう。

俺は木のてっぺんから飛び一気に雨宮の上空に陣取り空気砲を構える。

「やっと見つけたわ!」
俺が撃とうとした瞬間、雨宮がこちらに気づいて顔を上げる。
目が合ったよ、めっちゃ狂気的な目で口角が裂ける程吊り上げてを笑っている。

だが、このタイミングで見つけて回避行動をしないのなら、こちらに分がある。
当初の予定通りに肩に打ち込んで、着地したら両足に打ち込んで動きを止める。

俺は1発雨宮の肩を目掛けて撃った。
雨宮が呪詛で弾き飛ばしにくるが、矢より横からの力に強く、倍ぐらいの速度で飛んでくるゴム弾は呪詛を物ともせず雨宮に命中。

ゴム弾をスカした呪詛がそのまま俺に向かって飛んできているので、体をひねり無理矢理避ける。
「ーーーーー」
呪詛を避けた為、追撃ができる態勢ではなくなった。
なぜか雨宮はものすごい悲鳴を上げている。
俺はバランスを崩し地面に落ちるが受け身を取り一回転。
雨宮の方を見ると両足が普通は曲がらないところから曲げられていて、その近くには恵子さんがいる。

どうやら俺の攻撃を意識し過ぎて恵子さんの接近を許し、両足を折られたようだ。
肩の方ももろに食らって左腕がダランとブラがっている。
実質使えるのは右腕だけというほぼ詰みの状態になっている。
こう、美味しい所を持っていかれるのはいつものことだから気にしないで行こう。
最後までしっかり詰めてくれた恵子さん様々だ。
「さぁ、覚悟はよろしいですかね?」
恵子さんが不敵な笑みを浮かべて、雨宮の側まで移動して見下ろしている。
いや、これ以上何するんだよ。
拘束して終わりだからな?


そんな事を思いながら、拘束用の術式を何も描いてない術札に書き込み妖力を込め術札を完成させる。
術札は描く術式を知っていて、込める妖力が差ほど多くない術式なら、簡単に作れるので何も術式が描かれていない術札を何枚か持っておくと便利なのだ。

術札を完成させ、恵子さんに渡しに行く。
その時物凄い地響きが俺たちを襲う。
『紅!あやつがそっちに行った!早く、小娘の近くから離れろ!』
コンからそんな念話が届く。
式神契約で妖力が繋がっているとこんな事も出来たりする。

雨宮の近くにいるのは俺と恵子さんのみ、他のみんなは矢の補充や周囲の警戒をしている。
それを聞いた俺は走りだし、恵子さんをタックルするような形で抱えてその場を離れる。

次の瞬間、蛇竜が先ほど恵子さんのいた場所から飛び出てきた。
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