落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

神憑きの失敗の成れの果て

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トカゲ男はコン、イケメンは俺にそれぞれ攻撃を仕掛けてくる。
イケメンが杖を振り回して人の急所を的確に狙ってくる。
こちらもそれを的確に捌いていく。
攻撃が途切れ距離が開く。
コンの方もトカゲ男の手足尾による打撃を捌きカウンターで火炎弾をぶつける。
結果、俺たちはお互い味方を横に置き、対峙する形となった。
すかさずイケメンは自分とトカゲ男に何か術を施す。
同時に3種類もだ、かなりの使い手と見ていい。
「イケメンは護法術師で確定だな。」
「その呼称はどうかと思うがの」
コンが2人をまとめて吹き飛ばせるようなサイズの火炎弾を放つ。
地面に叩きつけられた火炎弾は爆発しながら広がり彼らの視界を塞ぐ。
これで向こうの視界は塞がれているので俺は姿を隠す機会だと思、コンの裏の木々に向かって飛び上がる。
着地地点にナイフが3本飛んできて足元に刺さる。
俺を見つけられるってことはこの攻撃は俺と同じ隠形使いのものだろう。
「お前か?生徒会長とそこの筋肉の戦いに引導を渡した隠形使ってのは?」
ナイフが投げられた方から声がする。
「俺は式神使いだ。そんな大それたことできわけないよ。」
「あぁ、すげえなあの狐は神憑きにならないであの強さとは、しかしあいつも気の毒だぜ、神憑きになってまであの実力差とはよ。」
おそらく、あのトカゲ男は爬虫類型の式神と神憑きを行い、いわゆる融合をしたが失敗して離れられなくなったのだろう。
式神使いにとって神憑きは自身と式神の能力をかなり上げてくれるものなのでやる人も多いだが、コントロールが難しく失敗すると人と式神の中間のなんとも言えない姿のまま解除ができなくなってしまう。

「おりゃ、死ねぇ!」
トカゲ男が全力でコンに近接格闘を仕掛ける。
「そんな単調な攻撃掠りもするわけなかろう。」
「ぐふぅ」
コンがトカゲ男の腹部に至近距離で火炎弾を当てる。
「まぁこんなもんかの、しかしお主は少し生き急いでると思うぞ。自分の体を大事にせえ」
あの、おそらく神憑きのこと言ってると思うんだけどさ、痛めつけてる人がやられてる相手に体を大事にとかブーメランですよ?

「うぉら!」
俺に向かって隠形使いが投げナイフを投げてくる。
俺は足を木にかけて後ろに倒れる。
ナイフを躱すとともにその場を維持し、こちらもお返しとばかりにナイフを投げる。
「悪いなあ、お前を援護に活かせないのが俺の仕事なのでな。もう少し相手してもらうぜ!」
お互い木の上を飛び交いすれ違いざまに攻撃、死角からの投げナイフ。
お互いやる事が同じなので一向に決着がつかない。
でもこれ以上は時間をかけられないので1つ秘密兵器を取り出す。

それは筒状のもので中にはその筒にぴったり入る柄のついたナイフが入っている。
筒の外側には術札。
向こうはこれを取り出すのにガサゴソしてたのを投げナイフが切れたのだと思い突っ込んでくる。
まだ二本しか投げてないけど普通は大量に構えてないしそう予想するのが当たり前か、世間では投げナイフは5本あれば十分らしいが恵子さんには10は持っていなさいと言われている。
まぁそんなことはどうでもいいとして、突撃してくる隠形使いの肩に筒を向け術札を引き剥がす。
パァン
筒から物凄い破裂音がしてナイフが飛んでいく。
ナイフは隠形使いの肩を砕い貫通させた。
この筒についていた術は結界術で空気を無理やり圧縮してここの筒に入れて、術を解くと空気が解き放たれナイフが飛ぶ仕組みだ。
この筒が1㎥の空気封じ込めた結界をを中で開いても耐えられる強度でできている。

とりあえずうずくまっている隠形使いを応急処置しながら、縄で拘束する。
そこにボロボロの男を2人担いだコンがやってくる。

「お主がモタモタしておるから終わらせてしまったぞ?」
「あぁありがとう、とりあえず3人の治療を頼む」
コンが隠形使い、トカゲ男、イケメンの3人を治療する。
俺はトカゲ男を見る。流石にコンと神憑きの状態になるのはいいけど、こうはなりたくないよなぁ。 
何が一番やだって、コンに会えなくなることだな。
「ほれ、そんな顔で見ておらんで健治の方見てこい。あとこやつは神憑きに失敗などしておらん、安心せえ。」
どういうことかわからなかったが、ひとまず俺は健治たちの元に向かった。
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