落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

学内実戦実習編

蛇竜

「やめてくれぇ、死にたくねぇよ」
1人の男子学生が木に貼り付けられている。
おそらく重力負荷などを施されてるのか、さっきから叫んだりしてはいるがピクリとも動かない。

「さっき気持ちいいことしてあげたでしょ？その対価を払えって言ってんのよ。あんたの汗臭の垢たっぷりの短小早漏を舐めてやったのよ？私の竜ちゃんの妖力の足しにでもなってくれなくちゃ困るわよ。」
そう言いながら木に貼り付けられた男子学生を蔑むように見る女、雨宮蓮菜だ。
彼女は始めにこの戦闘実習に一緒に来ていた式神使役科の学生を全員こないだ契約した竜の餌にした。
その後このように男に色仕掛けをかけ、気持ちよくした男達の隙を突いて縛り、餌にすることを繰り返していた。
「さぁ、そろそろお別れね、この子の血肉と妖力になってね」
彼女の後ろから竜と思わしき何かが目を光らせて男を睨みつける。
「ひぃ」
男はその目に射抜かれたように竦んで声すら出なくなった。
何かが大きな口を開け男を取り込もうとする。
それを邪魔するように男の縛られている木が爆発した。

「だから、怪しい女に付いて行くなって言ったのよ！あんた殺される直前だったじゃない、自分のしたことわかってる？」
男子学生を助けに来た、女子学生が男子学生を怒鳴りつける。
どうやら、男子学生は何らかの方法で爆発から逃れたようだ。
「すまない。今回の事は釈明のしようがない。本当に助けてくれてありがとう。」
男子学生の素直な感謝と謝罪に女子学生が少し言葉が詰まる。
「おい！倒したわけじゃないんだぞ！切り替えろ！」男の周りに男のチームメンバーらしい者たちが2人に集中する事を促す。

「あーあ、余計なことしてくれちゃって、竜ちゃんがお腹を空かせてるの食べさせてくれないと困るでしょ？」
土煙が治り、爆発の中心にいた雨宮が竜と共に現れる。

「そ、そいつは、蛇竜！」
「竜？なぜそんなものを学生が従えているのよ！」
「話は後！逃げるぞ！」
その声とともにリーダー格の男子学生は目くらましの閃光を当て、4人は一目散に逃げ出した。

「いいわ、鬼ごっこねぇ。さっさと捕まえてみんな餌にしてあげる！」
雨宮は後ろに控えていた蛇竜に乗り4人を追いかけ出す。