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学内実戦実習編
生徒会長の秘策
しおりを挟む学園成績上位者達が行ってしまった後、残された生徒会の雰囲気は最悪だった。
成績上位者と言っても、自分ら生徒会と健治達の治癒・結界術科の生徒を除いた上位者だ。
実際には学園の中堅レベルとあまり大差はない。
実力で劣る奴らに散々馬鹿にされて気分を悪くしない人などいるわけがない。
「あの会長僕も流石に慎重になりすぎかと思いますが、どうしてその我々の一部にしか認知もされてない男を警戒するのですか?」茶髪のイケメンの男が会長に聞く。
「俺が敗走するきっかけになったのは、剛力との攻防の中で間合いが切れた瞬間を狙って投げられた一本のナイフだ。あんな物がバシバシ飛んでくるところに無策のまま突撃するのは愚行としか思えない。」
あまりにも正論なためイケメン男を言い返せなかった。
「それに加えて、今回はあのメイドに妖狐だ。おそらく妖力の流れが自然と調和していることから、仙狐だろう。俺は勝てるヴィジョンが浮かんでこない。強いて言えば、4人全員を分散できれば、個々ギリギリってとこだろう。」
「彼らの真価は個人技ではなく、連携ですからね、分断するにはチームメンバーの誘拐で誘い出しとかでしょうかね?」イケメンが答える。
「いやおそらく分断が目的だとバレればまとまって行動するだろうよ。なんたって学生同士の戦闘だから、殺してこないと踏むだろうし、だが戦力を減らすという点ではいいかもしれないな、追いかけられた奴はそのまま退場だろうけど」
「そこで今日のためにお願いしていた、2人に頼むのですか?」女副会長がさっき残った2人を指差す。
そしえ全員の注目が集まる。
「俺が空間跳躍の術式が使えます。それを使い何人か捕まえて一緒に飛んでそこから皆さんフィールド全体に散ってもらってそこに飛ばすことで分断ができますよね?」
「問題は剛力たちを連れていくか、それともクラスメイトを連れていくかなんだが」
「そこは剛力たちを主力を連れていくことにいましょう。メイドと剛力の相手になる人は頑張ってもらうしかありませんが、隠形の奴は剛力のクラスメイトの1人でそいつは個人でおそらくどうしようもないだろうから問題ないし、狐はあの式神使役科の奴が主だろうから、狐を避けて仕留めればどうにかなる。」
この発言に会長が少し考える。
(おそらく隠形使いは剛力のクラスにいる。俺はおそらくあの式神使いがとも考えてみたが式神使いが隠形を使うメリットがない。しかし式神使いが隠形使いだった場合、仙狐と隠形使いがセットになるという最悪の展開になる。だが健治とメイドがやられれば、奴らには隠形使いだけという状況を作り出せる。奴が際立つのは健治という強い光があるからこそで、仙狐なら使役で精一杯になるのだろう。だから前回は奴がなんらかの理由で単身できたと考えるのが妥当。)
「だが、隠形使いは索敵に長けている。どうやって接近するんだ?」
そう空間跳躍は基本的に術者が接触してないと、飛ばせない。
ちなみに紅は隠形使いだが索敵範囲はコンや恵子さんの3分の1しかなかったりする。
「私は陣型も使えますので、隠形使いは超遠距離からの陣、メイドと剛力は接触で行きましょう。」
「じゃ陣の時一緒に、重力負荷の術を使うよ」周りの警戒から戻ってきた役員が言う。
「その方が確実性がありそうですね、よろしくお願いします。」
「一応情報を得るためにあいつらを追いかけさせてるのが1人いるそいつからの情報次第でまた作戦を変えよう。」
こうして生徒会の戦略は決まり、その日は周囲を警戒しながら休んだ。
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