落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

学内実戦実習編

学園内実戦実習について

「そういや、来週からの実習どうするんだ？」
みんなでオムライスを食べて終えて、出されたお茶を飲んでいると思い出したかのように健治が切り出す。

「そういやそんな時期だったな。」
「実習とはなんじゃ？」コンが興味津々のようだ。
「学園のイベントの１つでチームごとに学園裏の広大な土地に入って1週間、他のチームと戦闘を行いながらサバイバル生活をする訓練だ。これの成績によって来年のクラス分けが決まってくる。上の学年から下の学年までごちゃ混ぜだからものすごい数になるが……まぁ広いから上手くいけば1回も戦闘をしないで1週間生き残る事ができる。」
「それは成績的にどうなのじゃ？」
おそらく倒さないと加点がないと思っているのだろう。コンが微妙な顔している。
「陰陽師は持つ能力によっては生き残る事が最優先の者もいる、例えば索敵や補給部隊だな。だから誰も倒さず生き残った者達もしっかり評価される。」
健治がコンの疑問に答える。
「今回は初日から生徒会が参加するそうですよ？」
後ろからお茶のお代わりを注ぎながら恵子さんが伝えてくる。
「恵子さんがなんで知ってるの？」
「なんでも、前回1位じゃなかった事で、真面目に参加して消耗してる奴に勝てなかったなら優遇する意味もないだろうって言われてましたよ。まぁ最後の2日だけ参加とか、1位で当然とは思いますけど、彼らもあの地位を頑張って手に入れたのに可哀想ですね。」恵子さんがニコニコと俺の方を見てる。
そう、前回の１位は俺と健治のチームだ。と言っても他のメンバー食中毒に当たって野営地に貼り付けだったから、実質俺と健治が生徒会チームを倒したわけだが。
倒した方法前5日でフィールドに大規模な妨害用の結界を敷いて、後は健治がボコる。
生徒会長には結界を破壊されて使えなかったが、健治がタイマンで倒してしまったため、元々妨害の結界は必要なかったんじゃないかとか後から考えるが、少なくとも俺は生徒会役員とタイマンするには結界は必須だった。


「その、人数条件がないのでしたら、私も参加させていただいてよろしいでしょうか？」恵子さんが手を挙げて言う。
「人数上限は4人小隊だけど、共闘を禁止にしてるわけじゃないから、おそらく問題ないと思う。」まぁ1小隊だけで夜営とか正直ありえないもんな。健治のところは入学して以来、毎回クラス15人全員で共闘している。だから前回は全員が同率一位だった。生徒会戦の直前で食った魚に食当たりしてたけど。
「てか恵子さんは学生だったんだな。」健治が言う。それは多分違う。
「坊っちゃまのお世話をするために編入しました。後、女性に年齢は気になっても聞くものじゃありませんですよ？」恵子さんは笑っているが、ゴゴゴゴゴとオーラが出てる。
「って事は俺のクラスか。めんどくさそうだなぁ」
「それに関しては問題ありませんのでご心配なく。あと明日から坊っちゃまは財布を持ち歩くことをしばらく禁止にします。コン様にある程度お渡ししますので預かってもらえますか？毎日お渡ししますし余ったらもらってしまって構いませんので。」
「わっち心得たのじゃ。」
「ありがとうございます。ではそろそろ遅い時間なので下げさせていただきますね。」恵子さんがカップを下げてキッチンに戻る。
「今日は泊まっていくのか？2人増えても結局部屋は余ってるし。」
ここは2人増えてもまだ部屋が余るくらいには広い。と言っても、恵子さんとコンが一部屋ずつ使ったら後は健治か使ってた部屋で丁度ぴったり満員なのだが。
「そうだなぁ、帰るのも面倒だしそうするわ」
部屋が隣の癖に何を言ってる。まぁ楽しいからいいんだけどさ。
そのあとはまたしばらくどうでもいい話をして風呂に入って寝た。