落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

健治の感想

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健治がおもむろにコンの方を見る。
「君が紅の一目惚れかぁ、確かに可愛いしとんでもない力を持ってる。」
どうやら健治はコンの実力が見抜けるらしい。
あ、紅(こう)ってのは俺の名前だ。
「わっちの実力をわかるのなら、こやつとの契約をやめさせたほうがいいんじゃないかの?おぬしはこやつと学友なのだろう?ならもっと実力に見合う奴を進めるべきじゃろ?」
「実力ぐらいわかるさ、紅はあんたと対等にやってく事できると思うぜ。なにせ式神頼りきりのクラスの奴らと違い妖力を仙術でまかなってた奴だぞ?」
「俺、それ言ってないぞ?」
仙術とはこないだ言った、自然から妖力を取り込む術だ。
「妖力の流れが見えないように抑えていただろうが、あれで騙せるのは仙術を知らないか、使えるだろうと思ってないやつくらいだ。お前の実力をかってる奴らはおそらく気づいてるぞ。」
「こやつの評価がしっかりできてるとはの、良い学友を持ったの」コンが嬉しそうに言う。
「ところで健治とやら、おぬしにこやつはわっちのことをなんて言っておるのじゃ?」
健治が目を開けたまま口角を上げる、これはまずい。
「おい、やめろ健治」少し遅かった。
「そうだなぁ、話は一回しか聞いたことはなかったが、もう婚約者との約束かってくらい、式神使役科に執着してたから、ベタ惚れなのは知ってた。あとは酔いつぶれた時に泣きながらあんたの名前を呼んてたわ」
「きゃははは、そいつは嬉しいのぉ、しかしそこまで追い詰められてるのなら、もう少し頼ってほしいものだったの」
コンは笑ってはいるがこっちの様子を伺っているようだ。
そりゃ俺が虐げられる原因を作ったのがコンなんだから気にもするか。
「約束は約束だからな1人でやろうと決めてたんだ。」
「苦労の原因がわっちだったとしても?」
少しもじもじしながら上目遣いで見てくる。こういう時はだいたい怒られるのを恐れてビクビクしてる奴だ。
「だって、それは俺のことを思ってそうしたんだろ?意図的にやったのでなければ怒らないよ。」
「すまなかったのじゃ!」
コンが俺に泣きながら抱きつく。俺はコンの頭を撫でてあやしていると、健治が何か言いたそうにこっちを見るが何も言わない。


「さぁでは夕食の用意をいたしますので失礼します。」恵子さんがそういうと健治がビクッと反応する。
「すでに知ってると思うが、食費払ってるから、俺の分の飯も頼む。」
平静を装ってはいるが口角が上がってる。
「はい。すでに存じております。お任せくださいね。」恵子さんは笑顔で返事をする。
「よろしく頼む。」
健治が壁と向かい合ってガッツポーズしている。
実はこの人この見た目でメイド喫茶に通い、メイド萌え~とかやってる人なのだ。
前から、本物のメイドさんの手料理が食べてみたかったそうなので嬉しくて悶えている。いいか、もう一度言うぞ、ムキムキの日焼けスキンヘッドサングラスが肩を抱いてくねくね悶えてんだぞ。マジで地獄絵図だ。 

コンは泣き止んでいて、幸い、今は俺の膝を枕にしてソファで寝ている。本当に良かった。今の健治を見せたらトラウマになりそうだからな。




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