落ちこぼれ陰陽師の俺と幼馴染の最強クラスの妖怪が契約してくれたけど、最強には程遠いです。

hakamori

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学内実戦実習編

思わぬ実家からの助っ人

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コンは九尾と呼ばれる種でその中でも仙術を使う仙孤と呼ばれる一族でさまざまな術を使う。
その中の1つ空間跳躍で自室の前まで来る。鍵を開けると寝るだけだった部屋がとても綺麗になっている。
「どうなってんだこれ?」
キッチンと廊下をすり抜けていきリビングを見ると1人メイド服の女性が紅茶を啜っている。
こちらに気づいて立ち上がりお辞儀をする。
「坊っちゃま、お帰りなさいませ」
「恵子さん……どうしてこちらに?」
「わっちが1人でここまで来れるわけなかろう?」コンが口を挟む。確かにその通りだ。
「コン様のご案内と坊っちゃまの身の回りの世話を親方様より命じられてきました。」
「いや、前にもいいって言ったよね?」
「今回はそういうわけにはいきません。コン様もいらっしゃいますし、何より坊っちゃまがお金を持っていると今は大変でしょうからその辺の管理も任されております。」
確かに俺だけなら金をむしられ続けて極貧生活でもいいが、流石にコンにまでそれを強いることはできない。
「それにコン様と坊っちゃまのおかげで仙狐一族との交流ができたのです。そこをないがしろにしてはお家の顔が立ちませんので。」
「わかった、これからよろしく頼む。」
「かしこまりました。では夕食の用意をさせていただきます。」
「あぁ夕食なんだけど1人分多めに作ってくれ、どうせ来ると思うから。」
「?  わかりました。」


俺が恵子さんに怪我の手当てをしてもらっているとインターホンが鳴る。
対応しに行ったコンが飛んで帰ってきた。
「あやつは本当に学生か?」この反応で誰が来たかだいたいわかる。
「健治、入っていいぞー」
「ういーす」
呼ぶと真っ黒に日焼けした肌で筋肉ムキムキのサングラスを掛けたスキンヘッド男が入ってくる。
恵子さんもこんなのがくるとは予想してなかったのか身構える。
「可愛い嬢ちゃんが出てきて部屋を間違えたかと思っ……身構えないでくれよ、俺はそんなんじゃねぇよメイドさん」
このアメリカのマフィアみたいなのは、俺の友人、剛力健治だ。彼は結界術と治癒術の使い手だ。
見た目でみんなから遠慮されてるが腕もいいし何より俺を認めてくれる数少ないやつだ。
「失礼しました。坊っちゃまはてっきり裏社会との繋がりを持っているのかと思ってしまいました。」
「嘘つけ、いつもその辺で監視してるメイドさんだろ?ここにいるってことはようやく説得できたのか?」
「え?」いつも監視してたの?
「ええ、坊っちゃまの妖力を仮契約でほとんど持って行ってしまったコンさんも来ていただいて、それを理由にお世話させてもらえるようになりました。」
「え?何?2人知り合い?てか、監視してたの?全然気づかなかったんだけど。」
「無理もありません。なにせ何も手を出すつもりもなく一般人のように装ってましたから。私だとは気づかないと思いますよ。健治様が気づいていたのは知ってましたが、坊っちゃまに何も言わなかったので気にせず続けていました。」

なんだかなぁ、全く実家が干渉してこないのはおかしいと思ってたんだよ。

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