1 / 43
学内実戦実習編
割と知りたくなかった事実
しおりを挟む
「おらぁ、くたばれ雑魚ガァ!」
「ぐはぁ」
俺は訓練場の壁に叩きつけられる。
「今日はこれぐらいで勘弁してやるよ」
そう言って俺を痛めつけていた学生は式神に俺の財布から金を抜き取らせて去っていった。
「はぁ」
俺は今17歳、国の陰陽師育成機関で陰陽師の候補生をしている。
ここに来てからは、痛めつけられてから、金をむしりとられる日々。
それもそのはず、俺が在学しているのは、式神使役科。なのに俺は式神と1体も契約いない。
学園で用意された式神と契約ができなかったからだ。
それからは無能と周りから罵られ、式神の訓練と称した暴力。
ここ式神の訓練用は特殊な結界が張られていて、この空間では、式神使役に関する術以外の術が無効化される。誰だよこんなもの作った奴。そこで毎日ボコボコにされる。
日によっては女子にもやられる。
教師達に訴え出たこともあったが、これの実行犯に学園長の娘が関わっていたので簡単にもみ消された。
流石に契約もできないなら、ここにいる意味もないと思い、実家に事の全てを伝えて退学させてもらう事をお願いしたら
[どうにか手は打つ、お前には式神使いの才能はあるから、知識だけつけて待ってろ、後仕送りは増やすから財布に入れとく額を少し減らしておけ。]ときたが、式も使えないのに才能があるとか訳わかんねぇな。
俺としてもあの約束は守りたいのでここにまだ居てもいいなら、ここで勉強したかったからよしとしてる。
実家からこの返答があって半年経つけどね。
この訓練場は訓練を終えると結界が消えるので傷を治癒の術式で癒すことができる。
とりあえず歩けるようになるまで回復したら保健室に行こう。
また変なふうに折れた骨が繋がったら治すの大変だろうし。
とか考えて治るのを待っていると法衣をまとった女性が訓練場に入ってきた。
この辺じゃ見ないうちの地元でよく使われている法衣を着ている。
「無様じゃの、あれだけ立派な陰陽師になると言っておったのにこのざまかぇ?」
クスクスと狐耳をつけた、金髪ロングのお姉さんが話しかけてくる。
「久しぶりだな、コン俺はまだ立派に陰陽師になるどころか他の式神との契約もできてない。いつになるかわからないけど、俺は君との約束守れるのかな?」
それを聞くと本格的に笑い出した。
「いやいやすまんな、立派な主人になる約束ならもう果たしておる。なんせ仮契約から正式に契約を結んでやるために来たのだからの」仮契約?そんなことした覚えはないけど。
「記憶にないって顔しておるな、そりゃそうさ。なんせわっちが勝手に仕込んだものだしのぉ、わっちというものがありながら先にほかの雑魚と契約されまいとしてやったのだが、それが原因でこんなことになるとは本当に申し訳ない。」コンが頭を下げてくる。
おいちょっと待て、お前が原因だったかぁ。まぁここにきてくれたってことは親父達は分かっていて、知らせてくれたのだろうけど。
「まぁ過ぎたことは仕方がないけど、正式に契約すれば多少は妖力にも余裕が出る?」
「仮契約は予約みたいなものだから、もともと大量の妖力を使う、だからかなり余裕が出ると思うぞ。」
ちなみに妖力は体内エネルギーで術を使うのに必須の力だ。
これを自然に外から取り込む術もあって、今まで俺は乏しい妖力を外部から取り込んで色々まかなってきた。
「正式に契約を結ぶと、俺のところにいるしかないがいいのか?故郷の村は大丈夫なのか?」そうコンをこっちにくる時一回誘ったが断られているのだ。理由はコンの親が許してくれなかったからなんだけど。うちの親は妖狐の長を説得したってことか。
「父上もわっちが懇願すれば意見などできるものか。1番の問題の村の防衛力低下だったのじゃが、それに村はそちの一族と専属契約してから、警備も行商人もつけてもらえて、大丈夫じゃよ」嬉しそうに尾をパタパタさせている。
「なら心配いらないな、これからよろしく頼む。」俺は親指から血を出してコンに差し出し、コンはそれを舐めた。
訓練場に赤い光で埋め尽くされる。
俺たちの契約が完了した。
「ぐはぁ」
俺は訓練場の壁に叩きつけられる。
「今日はこれぐらいで勘弁してやるよ」
そう言って俺を痛めつけていた学生は式神に俺の財布から金を抜き取らせて去っていった。
「はぁ」
俺は今17歳、国の陰陽師育成機関で陰陽師の候補生をしている。
ここに来てからは、痛めつけられてから、金をむしりとられる日々。
それもそのはず、俺が在学しているのは、式神使役科。なのに俺は式神と1体も契約いない。
学園で用意された式神と契約ができなかったからだ。
それからは無能と周りから罵られ、式神の訓練と称した暴力。
ここ式神の訓練用は特殊な結界が張られていて、この空間では、式神使役に関する術以外の術が無効化される。誰だよこんなもの作った奴。そこで毎日ボコボコにされる。
日によっては女子にもやられる。
教師達に訴え出たこともあったが、これの実行犯に学園長の娘が関わっていたので簡単にもみ消された。
流石に契約もできないなら、ここにいる意味もないと思い、実家に事の全てを伝えて退学させてもらう事をお願いしたら
[どうにか手は打つ、お前には式神使いの才能はあるから、知識だけつけて待ってろ、後仕送りは増やすから財布に入れとく額を少し減らしておけ。]ときたが、式も使えないのに才能があるとか訳わかんねぇな。
俺としてもあの約束は守りたいのでここにまだ居てもいいなら、ここで勉強したかったからよしとしてる。
実家からこの返答があって半年経つけどね。
この訓練場は訓練を終えると結界が消えるので傷を治癒の術式で癒すことができる。
とりあえず歩けるようになるまで回復したら保健室に行こう。
また変なふうに折れた骨が繋がったら治すの大変だろうし。
とか考えて治るのを待っていると法衣をまとった女性が訓練場に入ってきた。
この辺じゃ見ないうちの地元でよく使われている法衣を着ている。
「無様じゃの、あれだけ立派な陰陽師になると言っておったのにこのざまかぇ?」
クスクスと狐耳をつけた、金髪ロングのお姉さんが話しかけてくる。
「久しぶりだな、コン俺はまだ立派に陰陽師になるどころか他の式神との契約もできてない。いつになるかわからないけど、俺は君との約束守れるのかな?」
それを聞くと本格的に笑い出した。
「いやいやすまんな、立派な主人になる約束ならもう果たしておる。なんせ仮契約から正式に契約を結んでやるために来たのだからの」仮契約?そんなことした覚えはないけど。
「記憶にないって顔しておるな、そりゃそうさ。なんせわっちが勝手に仕込んだものだしのぉ、わっちというものがありながら先にほかの雑魚と契約されまいとしてやったのだが、それが原因でこんなことになるとは本当に申し訳ない。」コンが頭を下げてくる。
おいちょっと待て、お前が原因だったかぁ。まぁここにきてくれたってことは親父達は分かっていて、知らせてくれたのだろうけど。
「まぁ過ぎたことは仕方がないけど、正式に契約すれば多少は妖力にも余裕が出る?」
「仮契約は予約みたいなものだから、もともと大量の妖力を使う、だからかなり余裕が出ると思うぞ。」
ちなみに妖力は体内エネルギーで術を使うのに必須の力だ。
これを自然に外から取り込む術もあって、今まで俺は乏しい妖力を外部から取り込んで色々まかなってきた。
「正式に契約を結ぶと、俺のところにいるしかないがいいのか?故郷の村は大丈夫なのか?」そうコンをこっちにくる時一回誘ったが断られているのだ。理由はコンの親が許してくれなかったからなんだけど。うちの親は妖狐の長を説得したってことか。
「父上もわっちが懇願すれば意見などできるものか。1番の問題の村の防衛力低下だったのじゃが、それに村はそちの一族と専属契約してから、警備も行商人もつけてもらえて、大丈夫じゃよ」嬉しそうに尾をパタパタさせている。
「なら心配いらないな、これからよろしく頼む。」俺は親指から血を出してコンに差し出し、コンはそれを舐めた。
訓練場に赤い光で埋め尽くされる。
俺たちの契約が完了した。
0
お気に入りに追加
253
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
人形の中の人の憂鬱
ジャン・幸田
キャラ文芸
等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。
【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。
【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
狐火郵便局の手紙配達人
烏龍緑茶
キャラ文芸
山間の町外れ、霧深い丘の上に立つ「狐火郵便局」。夜になると青白い狐火が灯り、あやかしの世界と人間の世界を繋ぐ不思議な郵便局が姿を現す。ここで配達人を務めるのは、17歳の少年・湊(みなと)と彼を助ける九尾の狐・あかり。人間とあやかしの橋渡し役として、彼らは今日も手紙を届ける旅に出る。
湊は命を救われた代償として、あやかし宛の手紙を届ける配達人となった。彼が訪れるのは、座敷童や付喪神が住む不思議な異界。手紙に込められた人々の想いや未練、感謝の気持ちを届けるたび、湊は次第に自分自身の生きる意味を見出していく。
あやかし探偵倶楽部、始めました!
えっちゃん
キャラ文芸
文明開化が花開き、明治の年号となり早二十数年。
かつて妖と呼ばれ畏れられていた怪異達は、文明開化という時勢の中、人々の記憶から消えかけていた。
母親を流行り病で亡くした少女鈴(すず)は、母親の実家であり数百年続く名家、高梨家へ引き取られることになった。
高梨家では伯父夫婦から冷遇され従兄弟達から嫌がらせにあい、ある日、いわくつきの物が仕舞われている蔵へ閉じ込められてしまう。
そして偶然にも、隠し扉の奥に封印されていた妖刀の封印を解いてしまうのだった。
多くの人の血肉を啜った妖刀は長い年月を経て付喪神となり、封印を解いた鈴を贄と認識して襲いかかった。その結果、二人は隷属の契約を結ぶことになってしまう。
付喪神の力を借りて高梨家一員として認められて学園に入学した鈴は、学友の勧誘を受けて“あやかし探偵俱楽部”に入るのだが……
妖達の起こす事件に度々巻き込まれる鈴と、恐くて過保護な付喪神の話。
*素敵な表紙イラストは、奈嘉でぃ子様に依頼しました。
*以前、連載していた話に加筆手直しをしました。のんびり更新していきます。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
青い祈り
速水静香
キャラ文芸
私は、真っ白な部屋で目覚めた。
自分が誰なのか、なぜここにいるのか、まるで何も思い出せない。
ただ、鏡に映る青い髪の少女――。
それが私だということだけは確かな事実だった。
午後の紅茶にくちづけを
TomonorI
キャラ文芸
"…こんな気持ち、間違ってるって分かってる…。…それでもね、私…あなたの事が好きみたい"
政界の重鎮や大御所芸能人、世界をまたにかける大手企業など各界トップクラスの娘が通う超お嬢様学校──聖白百合女学院。
そこには選ばれた生徒しか入部すら認められない秘密の部活が存在する。
昼休みや放課後、お気に入りの紅茶とお菓子を持ち寄り選ばれし7人の少女がガールズトークに花を咲かせることを目的とする──午後の紅茶部。
いつも通りガールズトークの前に紅茶とお菓子の用意をしている時、一人の少女が突然あるゲームを持ちかける。
『今年中に、自分の好きな人に想いを伝えて結ばれること』
恋愛の"れ"の字も知らない花も恥じらう少女達は遊び半分でのっかるも、徐々に真剣に本気の恋愛に取り組んでいく。
女子高生7人(+男子7人)による百合小説、になる予定。
極力全年齢対象を目標に頑張っていきたいけど、もしかしたら…もしかしたら…。
紅茶も恋愛もストレートでなくても美味しいものよ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる