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第三章 ※現在更新中のメインシナリオ
堕ちぬ太陽と朽ちぬ加護 ─ 後編 ─ ★★☆
しおりを挟む暗く深い闇の底。声が聴こえてくる。その声はどこか暖かいのに、とても冷たいもので脳裏に何度も何度も、繰り返し再生される。
───あなたのその心に生まれた疑い、この太陽の火を持って焼き尽くして差し上げましょう───
聴こえてくる言葉に反論は出来ず、ただひたすらにリピートしているだけ。次第に声が小さくなっていったところで、意識が覚醒して来るのを感じる。そっと目を開けるとそこは、控え室のような場所であった。タイルの床が薄ピンクのライトに照らされて、如何にも怪しさ満点の雰囲気に目を覚ます。
(ここは……。どうやら、眠らされて連れてこられたようです)
冷静に状況を分析する麗由。すると、目の前にあった扉が開いた。金髪の男と、その取り巻きがぞろぞろと入ってきた。取り巻きの一人が、縄で縛り付けている女性を持った状態で麗由の前に立ち、女性をそのまま床に置いた。そして、女性の首が座らずに垂れている様子を見て、すでに死んでいることを確認した麗由は、金髪の男を睨んだ。
男はつまらなそうに、死体を蹴って「全員ダメだったぜ」と、お気に召さなかったオモチャを捨てる子どもような態度を見せる。麗由が意識を失っている間、先に目を覚ました女性達を使って、闇商人から買い付けた薬を試していた。結果、薬の効能に耐え切れずに絶命してしまったものと、薬で理性が飛んだ状態で慰みものにされて命を落としていた。
「この女には、The・Sさんがくれたとっておきの薬を試したんだが、なんか急に暴れ出して死んじまったよ」
「────ッ?」
(ラウ様の言っていた、怪異因子ですか。確か、試作品であるために人体へのダメージを考慮されていないはず……)
そうであれば、目の前の女性が薬の作用に耐え切れずに、そのまま絶命したことも頷ける。そして、麗由の顎を持ち上げて男は言った。残っているのは、麗由だけ。これから可愛がってやるよと言いたげな視線をぶつけて来ると、麗由の二の腕を掴み上げた。
咄嗟のことでドキッとする麗由を、自分の胸に抱き寄せて耳元に口が近付いた時に、小さく言葉を発した。その一言に、カッと目を見開いて、図星を突かれたと表情に出てしまう麗由。
───彼氏が取られて、嫉妬しているんだろう?
すぐに男を突き飛ばして、首を横に振る麗由。辰上とラウが一緒に踊っていた時の光景。分からないなりに、すごく楽しそうにしていた辰上の表情がフラッシュバックする。否定しようと、頭で強く意識すればするほど辰上への不信感と、愛されなくなるかもしれないという不安で押しつぶされそうになる。
しかし、そんな雑念は捨て去る。情に流されては、怪異因子を手にしたこの男達を野放しにしてしまう。それだけは避けなくてはいけない、麗由は意識を新たに強く持って冷静に振る舞う。
「貴女方は触れてはいけない領域に、足を踏み入れております。出来ることなら、その闇商人から手に入れた代物は全部、手放していただきたいのですが……」
麗由は脇を締めて構えながら、戦闘になる前の忠告のように促す。するとそこへ、よろよろと壁を伝ってやっとの思いでここまでやって来た、一人の女性が扉の前に倒れ込んできた。
なんと、まだ生存者はいたのだ。それも、奥の部屋で薬物を盛られたまま、何人もの男性客の相手をさせられているというのだ。そして、同時にここが奴隷娼館であることを告げられる。麗由は今すぐに辞めさせるように、男に向かって言う。すると、男はすんなりと奥の客室に辞めるよう指示を出して、客を帰して店を閉めた。
連れてさってきた女性も、生きているものに関しては睡眠スプレーでもう一度眠らせて、ワゴンに乗せてその辺に解放するように言った。そのまま、ソファーに腰かけてアロマを焚き始める。
「いやぁ~、お嬢さんただもんじゃないとは思ってたけど、この薬のこと知ってるみたいだから、他の連中には帰ってもらうことにしたよ」
「そうですか……。では、わたくしにその代物を差し出して、この場を撤廃していただけますか?」
すると、男は酒の入ったグラスを片手に麗由に近付くと、おもむろに端末を取り出して画面を見せた。そこには、ワゴン車の様子が映し出されていた。映像はリアルタイムのカメラ映像を転送しているもので、乗車している女性は睡眠スプレーで眠らされてなどおらず、こめかみに拳銃を突きつけられている状態であった。
話が違うと、麗由が金髪の男を睨んだ瞬間に男は酒の入ったグラスを口につけ、飲み干して投げ捨てる。床でガラスが割れる音がするなか、麗由の耳横スレスレに腕が通過する。そして、壁にドンッと手をつき、怯んだ麗由が顔を逸らそうとするのをもう片方の手で阻止し、麗由の首元に手を当てながら言った。
「言ったよな?あんたはただもんじゃないって思ったってさ。それに、彼氏と上手くいってないんだろう?」
「そ、そんな話は今関係ありません。何を企んでおられるのですか?」
「いやぁ、なぁに。今からこの娼館に、親父と交友関係のある役員や他所の会社のお偉いさんが来るんだよ。あんたには、その人達の相手してもらおうかなと思ってさ」
男のゲスな笑みに軽蔑の眼差しを向け、断りたい気持ちであった。しかし、怪異とは関係なく薬物を用いた性暴行にあってしまった、一般人女性の命がかかっていることが目に見えている麗由に、断ることは出来なかった。
麗由が男の要求に応じると言って、土下座するのを見て端末をソファーに放り捨てて、娼婦の更衣室へ麗由を案内するのであった。ソファーに置かれた端末、そこに映されたものは予め男が用意していた映像であったことも知らずに、麗由は男について行くのであった。
服を着替えた麗由は、客人が待つVIPルームへと案内された。室内に入った途端に鼻腔をつく、噎せ返るようなにおい。客人達はすでに欲情したモノを扱き、待ちきれずに射精している人がいる状況となっていた。
金髪の男は集まった客人に声をかけ、これから行なう余興のルールを説明した。麗由との本番行為はなし。口や手、胸や脚は好きなように使用してよし。余興が開始すると同時に、全員が腕輪を装着すること。その腕輪は、着けた者の絶頂回数を室内上部に設置されているモニターに、映し出される仕組みとなっている。
「さぁ……欲求不満を解消出来るかな?」
「っ!?こんなことで……」
解消など出来るはずもないと言いかけた麗由であったが、ふと気付いてしまう。例え、任務で人質を取られたとはいえ、相手の軍門に下ってこのような破廉恥な行為は、明確に辰上を裏切る行為などではないかと───。
しかし、そんなことを考えさせてくれる間もなく、男の号令で余興が始まった。全員が腕輪を着け終え、麗由の前に列になって並んだ。一人目の男が、イキリたった立ったモノを麗由の顔に押し当て、口でするように要求を出した。
根本をしっかりと押さえつけ、舌を出して下から撫であげるように先端を舐める。すると、男は腰を突き出し、まだ咥え込んでもいないのに射精してしまい、麗由の顔に青臭い精液が大量にかかった。モニターのカウンターが変動し、次の客人がやってくる。胸で挟んで、手で扱いて、脚で掴むようにしてくれと、要求をこなして射精へと導いていく麗由。
娼婦の服はすっかり、白濁に染まっていた。そして、客人のローテーションが三週目にさしかかろうとしていた時に、金髪の男が列に加わり麗由をベッドに連れていく。横にならせて、同時に複数人相手しろと要求をエスカレートさせる。同時に麗由の腕にも、色が違う腕輪を装着させモニターの表式が変わり、客人のカウンターをコの字を倒した状態で、カウントゼロのピンク色の数字が大きく表示された。
「それじゃ、さっきの女どもには効きすぎて行為どころじゃなかったけど……」
「な……なにをっ!?」
知れたことと、男は麗由の唇を奪った。そして、舌を突き入れて口に含んでいた錠剤を、麗由の口内に流し込んだ。引き離して、すぐに吐き出そうとするが、興奮した一人の客が麗由の頭を鷲掴みにして、口を自身のモノで塞いだ。
食堂の入り口に先端が食い込み、嘔吐しそうになっている麗由。それに気付くこともなく、客人は必死に腰を出し入れして見様見真似のAVでしかやらない、ハードなイラマチオを続けた。
間髪入れずに、手にモノを握らせて扱くよう強要する客人、遂には臀部をたくし上げて擬似おっぱいを作って、モノを食い込ませて果てるものまで現れた。精液まみれになる身体、錠剤が溶けて口内に残っていない状態からの引き抜き、顔射。仰向けに倒れる身体を一斉に手を伸ばし、胸を使って果てる客人。男が欲望の限りをぶつける余興は、留まることを知らない。
闇商人から取り入れた劇薬を飲んで、絶倫になっている男達は身体が動かなくなるまで、麗由の身体を堪能した。金髪の男は、疲弊している麗由にボトルを空けて、液体を浴びせる。感じすぎて、不快感を持ち始めた女性を更なる快楽に落とすという、媚薬ローションを精液まみれの麗由に塗っていく。塗られている間も麗由は、迫り来る男の欲望を叶えることしか出来ない。
やがて、客人達が音を上げ始め、余興が終わりの合図が鳴った。息を整え、水分補給をしながら、結果発表を聞く客人一同。常人が薬を使用したところで、怪異となった訳ではないため、軒並み「7」や「8」、多くても「10」でそれ以上はいない。
────ただ一人除いては。
「この薬、自分のチンポに打ってみたんだけど、元気が有り余ってしょうがねぇや♪」
「2……、5…………回も……」
驚異的な数値に客人達も戦慄する。しかし、金髪の男は水分補給を終えて、ぐったりしている麗由の腕を掴んで優勝者を称えるように、腕を持ち上げた。それもそのはず、女性の絶頂回数は男性に比べて多いとされている。本番行為がなくても、絶頂に至る体質の人が居たって不思議ではない。
それでも、モニターに映し出されたカウントを見て、麗由は凍りついてしまっていた。その様子を見て、ヘラヘラとほくそ笑む男。目の前に次々と迫る男根をひたすら、昇天させることだけに意識を向けていた麗由。もちろん、任務で人質を取られている以上、警戒されないために隙をうかがっていることを悟られないようにしていた。
「意識はしていなかった、って顔だねお嬢さん」
「な、何かの間違いです。こんな───、こんなの……ぅぅ///」
全力で否定する麗由に、男は陰部に指を擦り当て直接触れることなく、パンツ越しにだけ触って麗由の目の前で人差し指と親指を離す。ジーンと伝わる、陰部から零れ出す愛液。綺麗にライトの明かりを反射させる、真珠色の糸を引いた愛液が男の指に、橋かけに伸びていた。
客人は満足したと、退出準備を始めるなか。麗由は一人、その場に立ち尽くしていた。その麗由の頭上には、余興の間に麗由がどれだけ絶頂したのかをカウントする、モニターに「139」とピンクの文字で映されていた。
やがて、金髪の男にシャワールームを連れられた麗由は、体を洗浄してもらい意識を少しずつ取り戻していくのであった。男の更なる要求が待っているという、嵐の前の静けさであったのかもしれないその一時に、目を閉じて視界を黒く染めてシャワーの音を聴く麗由であった。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
ふと、意識を取り戻して一人シャワーを浴びる麗由。身体に着いた汚れを丁寧に、時間をかけて落としていく。特に身体中へ浴びせられ、塗り込まれた媚薬ローションの粘り気が感じられなくなるまで、入念に触られた箇所を洗浄した。
頭の先からシャワーを流したまま、麗由は心の中で辰上に懺悔していた。ラウとの光景に、遠くなってしまっているように感じ、浮気を疑っていたはずの自分が、本当かどうかも確かめていない段階で、知らない男達の相手をしてしまった。それだけに留まらず、あの状況を身体は愉しんでしまっていたことに対する、罪悪感と屈辱感に駆られていた。
シャワーから上がると、男がベッドに座って待っていた。麗由は、人質の解放はしてくれたのかを問い詰める。すると、男は開き直ったように口を開いて言った。
「あれさ、嘘なんだよ。ここに連れて来た女は全員死んだから、死体処理に使っている場所に部下を向かわせたんだ。んまぁ、そいつらヘマしたのかサツに捕まっちまったみたいなんだけどよぉ」
「ッ!?そ、それでは……」
「ああ、そうだよ。あんたはおれの手の内で遊ばれてたって訳。ちなみにいうと、さっき相手してもらった客人も全員今頃あの世だぜ。手下の中にも、The・Sさんから買い取った、バケモノになるかもしれない薬打って、バケモノになっちまったからな」
男は怪異であること。次いでは、怪異因子をすでに人間に使用していることを告白した。買い取った三本すべて、使用したと反省の様子もなく告げ、そのうちの二人は今回の娼館に来た者を消しに向かっていることまで、隠すことなく話した。
そこまで聞けば充分と、麗由は目の色を変えた。そして、武器を呼び出そうと手を伸ばした。戦闘に移行するべく、念じてメイド服を装着しようと意識を集中する。しかし、その時金髪の男の方を一瞬見た途端、意識が乱れて怪異の力を行使出来なくなった。
(それだけではない……?なんだ……、この頭がくらくらする感じ…………)
「おいおい。まさか、媚薬ローションがシャワーで流せば、洗えるものだとでも思ったか?商品を買った時に言われているんだよ、こっちは。怪異因子のことを知っているやつには気をつけろとね。怪異使いは、媚薬や毒の類いに耐性があるらしいから、使えるものは使えってな」
「そ、そういう、こと……です、か……」
散々娼館中に焚いていたアロマ。これも劇薬であったことに、今になって気付いた麗由。時すでに遅く、麗由は錠剤に、媚薬ローション、それに加えて劇薬成分が、媚薬反応をみせる精液を大量に浴びていた。どれも、怪異が持つ毒性から作り出されたものらしく、男は丁寧に受けた説明をくちにしながら、脱力している麗由に近づく。
媚薬漬けにされた麗由に、もう一度錠剤を飲ませる口移しをする。一度ならず二度までも、唇を奪われたことに屈辱を覚えるも、力が入らない麗由。そこにトドメの一つを与えんとする男。麗由をベッドに寝かせて、胸と脇腹の間から心臓のある位置に照準を合わせて、注射針を打った。
やがて、麗由に薬が回るまでの間、外の様子を確認するために壁に埋め込み式のモニターを点ける。VIP客を乗せたバスが、監視カメラの置かれた場所に停まっている。そう、ちゃんと二人の怪異となった部下が殺害しているかを確認するために、設置させたカメラだった。
「あの連中も、最期にあんたの身体を堪能出来たんだ。いい冥土の土産だろう?おれはこのThe・Sさんがくれたこの力で、世界に名を轟かせてやるぜ」
「く、───ふぅ……あ、……はぁ、はぁ──、はぁ──、ぁう…………」
「はんっ!いいねぇ♪さっきのアレ、感動しちゃったよ。でも、全身性感帯にされたら、もうキツいでしょ?」
全身に感じたことのない快感が駆け巡っている麗由は、息を荒らげてしまうのを必死に堪えしかなかった。男の目的を聞いて、重々しく男の方に上体を向ける。一方で男の様子もおかしく、麗由を煽りながら後ろを振り返った瞬間、モニターに近付き両手で掴みかかって自身の目を疑っている。
バスの場内には、人が一人もいない。それどころか、血の一滴もカメラには映っておらず、部下の姿も見えない。これはどういうことだと、モニターを隅々まで観る男。録画ではない映像だから、尚更目の前に起きている映像はリアルタイムのものである。すると、映像に黒い影が高速で移動しているのが見えた。
それは、怪異が何者かと交戦中であることが分かる内容であった。そして、カメラが移す中央にその正体が現れた。
(ラウ……様)
「チッ……、お仲間が居たってのか?まぁいい。この場所が嗅ぎつけられた訳ではないんだからな。それに見ろ!あの女、苦戦しているぞ!!」
男の言うとおり、ラウは二体の怪異を相手に防戦一方となっていた。モニターを消して、男が麗由の方を振り返る。麗由がモニターが消されるよりも先に、目を逸らしていたことに気付いた男は、またしてもニヤリと悪い顔をして麗由に擦り寄った。
そして、耳元で麗由に質問をする。ラウこそが、彼氏を取ろうとしている女なのではないかと。それを聞いた麗由は、目を見開いて反応を見せたことで男は大喜びだった。
「違いますっ!!」
「強がるなよ。もう媚薬漬けで頭おかしくなりそうなんだろ?ほら、その証拠にここは───、さっきから本気汁垂れ流しているぞ?」
「うっ///……んっっ//////」
言葉も出てこなくなるほど、ボーッとする意識の中で、男に陰部を擦られ喘ぐ麗由。そのまま愛撫を許してしまい、あっという間に達してしまう。
腰を突き上げて、絶頂によって生じる快楽を外へ分散しようとするが、絶頂をすればするほど、全身の感覚が研ぎ澄まされていっているせいで、快楽に溺れていることになってしまった。男の愛撫だけで五回も果ててしまい、潮吹きまでさせられた。
だらんと力の入らない身体を、両手をベッドの四つ角になっているポールの先端に引っ掛けられ、辛うじてガニ股開きで脚をつけている体勢になったまま、指を二本挿入して愛撫が再開される。
「ま、ま……て、ぇぇ。イク、イクイクイク///イグゥゥゥゥ!!」
等々口に出してしまった。
これまで耐えていた媚薬、男の愛撫、辰上への懺悔すらも捨て去り、麗由は身体中に駆け巡る快感に飲まれていった。辺りを濡らすために、流水をはじめたスプリクラーのように、おびただしい量の愛液を噴射している。それでも容赦なく、男は責めている指の動きを止めない。
やがて、電気ショックでも受けたようにピクピクと痙攣する麗由は、白目を剥き始めながら男の誘導に身を委ねていた。再びベッドに押し倒され、ついに男が全裸になった。怪異因子を直接陰茎に打ったことで、異常に肥大化したソレはドクドクと脈を打ちながら、血管を浮き上がらせていた。
そんなグロテスク極まりないモノで、麗由の腹部をペチペチと叩いた。重圧だけで軽イキしていることに、男は更に興奮を覚えて馬乗りになって麗由の胸に挟み込んで、腰を激しく動かした。大きすぎる巨根と胸が織り成す、肉のぶつかり合う音だけで、膣液が漏れ出してしまう。
「あっ、あんっ///もしかして……?膨らんで……る…………。うそッ!?きゃぁぁぁああぁあぁぁぁ」
「うぐ、ぁあぁぁ!!??射精るぅぅぅぅ!!!!!!」
怪異と化した男の射精は、粘膜を貼るほどの精液を放出する。麗由は顔でそれを受け止めながら、腰を浮き上がらせていた。媚薬のせいだと分かっていても、辰上以外の男でイクことに嫌悪感を抱いていた。それでも、精液を浴びる度に腰が浮き、後を追うように絶頂してしまう身体。
「ぷはぁ!?うっ、ぷ…………、まだ……射精ている!?」
「くはああああぁぁぁぁぁ!!!???」
「やんッ///アッ♡ダ、ダメッッ!!」
ねっとりと熱い粘液に埋め尽くされた、麗由の胸から巨根を引き抜き後ろに少し下がって、麗由の全体を汚していく。男は自分でモノを扱き、そのまま二度目の射精を迎えていた。麗由も溺れそうになる吐精を浴びながら、何度も更に果てていた。最早、男の精液と麗由の愛液のどちらが多いのか分からないくらい、ベッドは水浸しになっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。す、スゲェぜ……。あの人の言うとおり、ゼウス神ってのは、ヤリまくってたってのは本当らしいな。注射を打つ前のおれとは見違えるほどに絶倫になっちまった。この怪異因子ってのは、効くなぁ♪」
「フー……、フー……、フー……♡」
「なぁ?彼氏のとどっちがデカくて硬いんだ?」
最悪の質問に、麗由は答えない。答えるだけの余裕が残っていないほど、男の長い射精に釣られて連続絶頂していたからだ。おまけに、男の使用した怪異因子は、怪異を指定していた。それも、性豪の能力だけを引き出した【ゼウス】であるとなれば、戦闘においてはそこまでの能力を発揮しないが、セックスにおいては媚薬がなくても負けることはないだろう。
男は収まりきらない巨根を麗由に咥えさせ、上目遣いで奉仕するように命令する。手で頭を押さえることはせずに、ただ麗由が一人でフェラチオをしている様子を見ていた。すっかり、反抗的な態度も出すことない麗由を見て、男は三度目の射精をした。今度は、口の中から吐き出す形で精液を浴びてブルブルと全身を震わせる麗由。
「彼氏はあの女に取られちまうんだろう?だったら、あんたも女としてもっと磨きをかけないか?」
「…………へぇ……?それは……?」
「決まってんだろ♪セックスするんだよおれと♪」
それだけは嫌だと、身体を強ばらせて立ち上がる麗由。媚薬の影響など掻き消したように、目に正気を取り戻して男を睨む。しかし、身体は正直でさっきから男に指摘されたとおり、挿入準備が出来ているほどに濡れていた。未だに血管が浮き出ている巨根を見つめ、こんなものが腟内に入ることなんか想像も出来ないと、不快感を全開に出す。
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「ダメ、イクッ!!」
「ぐはっ!?射精るッッ!!」
気が付けば、イク時のタイミングまで合わさっていた。
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「響くだろう?うっ……!!また射精するぞ!!」
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「はい!挿入れてほしいですっ!!下さいっ♡あなた様の極太チンポ♡それでわたくしを滅茶苦茶にブチ犯して下さい♡♡♡」
途端に我に返る麗由。自分が今何を言ったのかを理解し、恥ずかしさに顔を赤くする。しかしそれも、男の巨根が挿入されるまでの間であった。上体を反り起こして喘ぎ声を漏らす麗由。その口に横から指を入れて、舌の周りで指を捏ねくり回す男は、とても愉快な声で言った。
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「いやッ!いやッッ!!イヤァ♡ダメぇ♡♡アッ♡アッ♡アッアッ♡イクッ♡♡何コレェ、オ゛ッ♡ひらにゃいッッ♡♡これ…………きもち、よしゅぎて……♡♡壊れりゅ────ッッ♡♡」
「何が壊れるって?言ってみな!ちゃんと言えたらご褒美に膣内射精してやるよ!!」
そんなもの決まっている。だが、麗由はそれを口にしたくないという、僅かな理性が残っていた。媚薬と怪異の影響で、完全に自我を支配されようとしていることに気が付いてから、何とか耐えていた。しかし、その理性もダムのように決壊してしまえば、もう元には戻らない。
「オマンコ///わたっ──くしのぉ♡オマンコォォ♡♡ギモヂイイイイイィ♡♡♡♡イキュ、イッテまふ───、それダメッ♡やめてェェェ//////」
人間離れしたモノが突き上げて、子宮が無理矢理降ろされたところに、外側から子宮を摩る男の愛撫。それが、指圧をかけてきたことで麗由は獣のような喘ぎ声を上げて、膣を引き締めて巨根を締め上げた。
堪らず男は、麗由の膣奥に大量射精を解き放った。あまりの快楽に巨根を引き抜こうと腰を引くが、麗由の搾り上げる吸引力に引っ張られ、意志とは反して子宮に精液を注がされる羽目になった。
「ォ゛オ゛ォ゛……ゴッ───、ア……ガ────ッ…………、イ゛……グゥゥゥ…………」
「うぐあッッ!!??」
(嘘だろ?も、もう出ねぇぞ?なのにこのお嬢さん。おれのチンポを離さない)
「まだ、ぎじゃぅ♡♡ギモヂイイイィ────、アッ……アッ……アッ……」
精液が出尽くした巨根。しかし、萎えることも許さない麗由の膣壁による圧力ポンプは、麗由が強制絶頂するに伴って強くなり、男に空イキを強制させた。空イキを繰り返すなかで、再び精液が出てきたのを確認して麗由は自ら腰を突き上げて、一気に落とし逆に子宮で巨根を犯していた。
子宮と膣全体をそれぞれ、独立させたように蠢く。それは、想い人である辰上以外にやったことがないものであった。ゼリー飲料に吸い付いた時の喉のように、奥へ奥へ引き込もうとさせながら、男の欲望を精気諸共に枯らす勢いで搾り取る。幸い、怪異医から処方された避妊用常備薬を服用しているため、この程度の性行為で妊娠を心配する必要はないことであった。
やがて、それさえも越えて空イキすら出来なくなった男。巨根はすでに通常サイズに戻り、ベッド横のソファーでぐったりしていた。麗由はその後も追加され、白濁の泉と化したベッドに沈み気絶していた。男はそれを確認して、ヨロヨロと立ち上がって大声を上げて喜んだ。
「怪異使いの女を堕としたぞぉぉ♪はっはっはっはっ!こんな可愛くてエロい女を捨てるなんて、その男も見る目がねぇな!!」
弱々しい表情で、眠っている麗由を白濁の泉から抱き上げて髪を撫でる。これから、麗由を自分の女に出来ると笑みを浮かべる男。すると、突然麗由が目を覚ました。途端に、金色の光が麗由を包み、それは黄金の嵐を小さく巻き起こした。
壁際まで吹き飛んだ男は、光が止んだのを確認して麗由見た。そこには、先ほどまで肉欲に溺れ合って、快楽を貪っていた麗由の姿はなかった。代わりにいたのは、フェイスベールで覆われた口元、肩から首にかけて半円形の金色の装飾品。胸下まで隠しておきながら、腹部は臍下まで見せる服装に身を包んだ女性が立っていた。そして、オッドアイの両眼で男を見て首を傾げる。
「はて?此処は何処なのでしょう?確か、あの辰上という男性とはぐれて……そこで怪しげな取引をしている人を見かけたから───、あれ?その後が思い出せませんね?おーい」
突然、とぼけたことを話すと自分の胸元を見つめながら、誰かに話しかけている様子。男は、気でもふれたかとさっきまでのテンションで声をかける。すると、オッドアイの眼光が光ったと同時に、男を天井に叩きつけ床に叩きつけ、壁に叩きつけたところで「あ、いけない」と、念力を解いた。
「っと、これで息しているってことは、あなたも怪異なのですね?余りに気配が小さすぎて気づきませんでした。テヘッ♪」
「な、なんなん……だよ…………」
白目を剥いて崩れる男を静かに見つめる女性は、思い出したように薄れゆく意識の男に向けて、「太陽は堕とせませんよ♪」と陽気に告げて地理となって消えるのを見送っていた。
しかしどうしたものかと、考え込む女性。するとそこへ、怪異を倒してやって来たラウが姿を現した。
「神木原様ッ!!────ッ!?貴女は?やはり───」
「ん?悪魔の怪異を従える人間がいるのですね。久々に表に出てきた感じがしていましたが、どうやら満更でもないみたいですね?」
まったくもってラウに興味を示すことなく、念力の影響で壊れた窓から外へと向かう女性。ラウはその去り際に、女性を「神木原様ッ!」よ呼び止めるが、聞くことなく飛び去ってしまった。
やがて、辰上が回収班を引き連れてラウと合流することになった。麗由の行方が不明になったと告げられ、パニックになる辰上に対して落ち着くようになだめた後、小さく麗由と似た容姿をした女性。即ちは、麗由が男の罠に嵌り気を失った後に現れたものが何者であるのかを呟いた。
「じゃあ、麗由さんも使っている怪異に身体を支配されてしまっている?」
「いいえ。それは違います。あれは【金烏】ではありません。あれは───」
────【太陽神の姫子】...
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そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
意味がわかると怖い話
邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き
基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。
※完結としますが、追加次第随時更新※
YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*)
お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕
https://youtube.com/@yuachanRio

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