意味が分かったとしても意味のない話

韋虹姫 響華

文字の大きさ
上 下
25 / 97
EXTRA FILM ※一章の幕間

妖艶の術効かぬ人との行為 ★★★

しおりを挟む

    【スレンダーマン】と思われる怪異の目撃情報の調査を続けるべく、情報屋のもとへ向かい仕入元を突き止めた。ただ、一つの怪異調査に時間を割くには他の依頼を片付けることと、再度調査申請を改める必要があるため帰社して今回はここまでとして退社するアブノーマルは、情報屋に言われた言葉を思い出していた。
    実はアブノーマルには、好意を持ってくれている男性が居る。職業柄、抹殺対象とさせたくないという思いもあって仕事については話さずに居た。それだけでなく、自身の内包する怪異【八百比丘尼】と【女王の蟻塚】により妖艶のフェロモンを意思とは関係なく発していることが起因して、迫られた行為を受け入れて何人もの人間と肉体を重ねた。その穢らわしい身体を抱かせたくないと、いつもデートを取り付けても食事をともにするだけで終えていた。
    唯一の救いは、その男性にはアブノーマルの持つ怪異の淫術が効かないということであった。

「やぁ、お疲れさま。珍しいね、君の方から俺に逢いたいだなんて」
「え、ええ……。本日は早くお仕事を切り上げられたので、お食事なんてどうかなと思いまして……。嗚呼、いけません拙僧ったら。顔に熱を持ってらっしゃいますわ……ソワカソワカ」

     恋しくなったとかではなく、本当にたまには顔合わせをして彼の気持ちも組んで上げたいとだけ想っていた。そのはずだったのに今日はそうはいかなった。淫術にかかってしまった訳でもないのに、解散しようとしたアブノーマルの手を掴んで来た彼を拒めなかった。

    息と唾液を交換するために唇を重ねてきた。ホテルで部屋取り、シャワーに入る前にベッドに抱き合ったまま向かい息継ぎ以外をお互いの体液を奪い合うように口付けを繰り返した。

「あっ///だ、めぇ……」
「■■、好きだ。お尻を向けて」

     コードネームではなく本名で呼ばれるだけで、自身のフェロモンに当てられた他の男とする時とはかけ離れた新鮮さと緊張感を持たせた。そして言われるがままに背を向け臀部を突き出すと尾骶に熱くなっているモノが当たり、嬌声を上げながら相手の名前を呼んでいた。

誉世ほせ様……もう、こんなになされて……」
「名前で呼んでよ。それも呼び捨てで、在砂あすなって。女みたいな名前で気に入ってないけど、君には読んで欲しいんだ■■ッ!!」
「あぁんっ♡名前……♡やめて///在砂、拙僧の臀部に当たる熱が……」

     来る。肌の上に擦りつけているだけのソレから、この時のために無駄打ちしていない欲望を解き放とうと膨れ上がっていた。反り返っている軌道は臀部を湾曲して在砂自身にかかってしまう。それを手を後ろに回して握り込んで自身の背中に全てかかるように擦り上げて絶頂へと導いた。

━━ビュクビュク...ビチャ、ビチャ...ビュビュ...。

     背中にかかる熱い白濁の体液に全身を震わせて感じ、ともに達してしまう。アブノーマルが腰に力が入らずに寄ろけているのを支えながらシャワーを浴びて一度綺麗にすると、ベッドに押し倒して桃の香りを放つアブノーマルの蠱惑ごあくの蜜穴に指を入れて前戯を始めた。

「うっ///ん、はぁ……///在砂……そ、こ///はっ!!」
「■■の気持ちイイところだよね?もっと優しく、奥に────うっ!?」
「はァ///拙僧もこちらのお相手を、致します。は────むっ♡」

    在砂の指が抜け落ちるとアブノーマルは未だ萎えることない在砂の分身を咥え込み、下品にジュポジュポと音を立てて興奮を与えていく。次第にベッドに横になり、お互いの舐め合いに発展していき吸い付く強さを増していくアブノーマルのフェラに耐え切れずに言葉を出さずに二度目の絶頂を迎えた。

━━んぶっ、───ごくっ、ごくっ...ぷはぁ///♡

    眼をハートにしながら一滴も余すことなく飲み干したアブノーマル。在砂はその光景を前に上体を起こしたアブノーマルを押し倒して唇を重ねた。

「んっ!?────んぱぁっ。き、穢いですわ────っっ♡」
「……っはぁ。■■……挿入れるよ」
「え……そんなっ///」

     二度の射精を経て、在砂からの言葉を聞いて驚きの表情を浮かべる。それもそのはず。自身の淫術が通じない以上、いくら性行為のために禁欲していたからとて連続で二回も出して収まるはずのソレはアブノーマルの計算とは裏腹に、在砂自身の臍を目掛けて反り返って先程とは比べ物にならないくらいに膨れ上がって熱を帯びていた。
    頷くしかないアブノーマルは、沢山の男のモノで汚された自分の肉壷の中に入ってくる。その瞬間、悟った。これは怪異の力が通じていないのではない。【八百比丘尼】の淫術による若さの吸収は、引き受けず【女王の蟻塚】の女王のフェロモンに在砂はアブノーマルが好きだという意識で出来ていたのだ。

「あんっ///あっ♡ォォ……♡これ、堕ち───、堕ちて……はっ、はっ、ハッハッハッ♡嗚呼、ダメぇ♡お゛お゛お゛ぉ゛ォ゛ォ゛♡♡♡ぅイクっ♡」 
「くふっ────■■ッッ♡♡」

    決して知られること等ない本名を叫んで腰を振るペースをスパートをかけて、アブノーマルの背中を眺めれられるように騎乗位で破裂しそうな欲望を吐き出した。

━━ブシャ、ブシャ、ブシャャャ!!ドプッ、ドプッ────ドピュッピュルル、ドバァ────ッッッ...

    一体どんな媚薬を盛れば、ここまで勢いよく恐ろしい量を男性のソレから出せるとかという量がアブノーマルの子宮へと昇っていく。アブノーマルは海老反りになって後頭部が在砂の顔にぶつかりそうになる反り返りを魅せて、ゾクゾクとカラダを震わせていた。

「■■……その、締め付けは……またっ……」
「#/$*$@&@##*/$$&!";✳”!ッ♡♡♡♡」

    口が開き切って何を発しているのか分からないアブノーマルの絶頂に寄る膣圧の締め付けに、射精に射精を重ねてしまう在砂もまた内から来る絶頂にカラダが跳ね上がり、子宮の最奥を小突きながら第二射を同じ量吐き出していた。
    お互いに連続強制絶頂に全身から力が抜け落ちてぐったりとする。肩で息をしながら、アブノーマルは上半身だけ起き上がらせて在砂の方を見る。蠱惑の蜜穴から自身の穢れを上書きし尽くした白濁液が抱えきれずに溢れ出していた。こんな量を生で出されたのなら妊娠は必至かもしれないと考えていると、両肩に手が置かれてドキッとして目の前に視点を合わせる。

「■■、気持ち良かった?」
「え?それは……嗚呼、なんと申しましょう……♡ソワカソワカ♡」

     気持ち良かったなんてものじゃなかった。天国を見ていたような気がした程には現実離れしていた。在砂もここまで射精を連続でしたのは初めてで、出てきた量も一人でする時の数倍にも及んでいて人間でなくなったのかと思ったと言って枕の方へ二人倒れ込んだ。

━ 二時間後 ━

「あっ///あっ///あっ///嗚呼ッッ♡」
「また……イクッ♡♡」
「オ゛ッ、ォ゛ォォォ────、ィ……ク゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ッッ♡♡♡♡」

     その後も在砂の分身が収まるまで行為は続いていた。女王のフェロモンによって無限の性欲を発揮する在砂のソレに完全に敗北したアブノーマルは、最早ただ喘ぐだけの人形のように膣内射精中出しを受け止め続けていた。
    すると、在砂がぐったりと背中に覆い被さるように減退を顕にしていた。だが、中に入っている在砂のソレは本人の意思とは反して興奮状態を維持し続けていた。女王のフェロモン。【女王の蟻塚】の力が、激しく乱れているうちにアブノーマル側が制御出来なくなり絶頂時に溢れ出したフェロモンをそのまま吸い続ける在砂の身体の中で無限に増大を繰り返していたのだ。
    このままでは、在砂の身体の方が持たないと気遣いを言葉にしてかけると枕元に置いていた小さな箱に手を伸ばし中身を開けて見せた。

「これ、は……?」
「婚約……指輪……。これを嵌めて……
「────ッ!?」

    アブノーマルは顔を青ざめさせる。それは、在砂のその一言に感覚に襲われたこと。これは【女王の蟻塚】の効能であることは今まで使ってきた自分だから直ぐに分かった。アブノーマルは在砂にこれから言ってほしい台詞を耳元で告げられながら、在砂の次の絶頂を迎えたタイミングで制御を取り戻さないと在砂が犯し殺されてしまうと思っていた。
    そして、婚約指輪を嵌めて言われたとおりの言葉を言い始めるが、理性が壊れている在砂は立ちバックでケダモノのセックスのようにこれまで以上に激しくアブノーマルの蠱惑の蜜穴を犯していた。

「カハッ///お゛ぉ゛っォ゛ォ゛♡せ……拙僧は、ァァ♡在砂の……オチンポで、グォ゛ォ゛ン♡沢山の男に、出された精液を……オ゛ォ゛────ぁ゛ぁ゛お゛っ゛ぁ゛!!」
「あ、ありがとッ♡ふっ、ふっ、ふっ……射精すぞ■■ッ♡しっかり上書きしてよ♡」
「はひぃ~~♡上書きしますぅぅ♡嗚呼──お゛ッ♡ォ゛ッ♡アッアッ♡オ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛────、ィ……イ゛ク゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛///♡♡」

     絶対に他のどれだけの性豪を相手にしても迎えたことない死と隣り合わせの快楽地獄に、遂に終わりの時が見えた。アブノーマル視点が定まらないながらも、狂ったように吐精している在砂から女王のフェロモンの主導権を奪い返して、身体の中にしまい込んだ。
    腹上死だって待った無しの危険なセックスから、想いを寄せて来てくれている在砂を護ることが出来たと確認して気絶する。在砂のまた、ようやく情けない姿になることが出来た分身が萎れて真下に向かうのに合わせてアブノーマルの横に倒れ込んで気を失った。

━ 翌朝 ━

「か、身体が……動か、ない……」
「ウフフっ♡無理もありませんわよ……。嗚呼♡拙僧、あんなに求められて愛されたのは♡初めてでしたからぁ♡ソワカソワカ……♡」

    昨晩の危険なセックスの記憶が半分以上ない在砂は、何故自分が全身筋肉痛。特に腰はぎっくり腰に近い激痛を伴っているのか分かっておらず、気が付いた時に部屋中が自分達の体液まみれだったことに声を上げたくらいだ。シーツの入れ替えをする従業員のことを考えると、流石に水溜まりのようになっているシーツを入れ替えるのはかなりの苦行となるだろう。
    そして、行為中に死にかけていたかに見えていたアブノーマルはというと、これまた恐ろしいほどにピンピンしている。【八百比丘尼】の自然治癒力が気絶している間に適齢の状態に戻どしていたのだ。タンカーに在砂を乗せて浴室で全身を綺麗に洗いそのまま病院へ搬送してあげた。
    理由は特に考えられずに、正直にと医師に言ったところ、過労死寸前になる性行為なんて普通は出来ないと物凄く怒られたのであった。

「あ、そうでした。誉世様?」
「ん?何?」
「こちら、枕元に落ちておりましたよ?見たところ婚約指輪のようですけど、想い人である拙僧のためにご用意頂いたのですか?」
「ち、違うよ。大体、■■は仕事が第1優先だって言っていただろう?それなのに俺が君のためにだなんて……」

    どうやら、快楽地獄の時間に入ったところからは記憶がないらしくを言わせた自分が居ること在砂は知らないと思い笑ってしまうアブノーマルは、婚約指輪の箱を花瓶の横に置いて病室を出るのであった。

     後日、妊娠を心配して産婦人科に通い妊娠検査薬で結果を見たが妊娠はしていなかったと結果が出て一人落ち込んでいた。で何度もが、これも【八百比丘尼】の肉体を適齢の状態に治癒する副作用として戻されてしまっているらしく、アブノーマルは妊娠出来ない体質になっているのであった。

「嗚呼……、はにゃ────……。誉世様となら、出来婚したかったです……ソワカソワカ……」

    この辛さは、二つのを宿した彼女にしか理解出来ないものなのだろう。それでも、アブノーマルは今日もどこからともなく舞い降りた怪異を鎮めるべく、人々の目の届かぬ場所で戦っているのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

いつもと違う日常

k33
ホラー
ある日 高校生のハイトはごく普通の日常をおくっていたが...学校に行く途中 空を眺めていた そしたら バルーンが空に飛んでいた...そして 学校につくと...窓にもバルーンが.....そして 恐怖のゲームが始まろうとしている...果たして ハイトは..この数々の恐怖のゲームを クリアできるのか!? そして 無事 ゲームクリアできるのか...そして 現実世界に戻れるのか..恐怖のデスゲーム..開幕!

怪異語り 〜世にも奇妙で怖い話〜

ズマ@怪異語り
ホラー
五分で読める、1話完結のホラー短編・怪談集! 信じようと信じまいと、誰かがどこかで体験した怪異。

【完結済】夜にも奇妙な怖い話を語ろう

野花マリオ
ホラー
作者が体験(?)した怖い話や聞いた噂話を語ります。 一部創作も含まれますのでご了承ください。 表紙は生成AI

オカルト嫌いJKと言霊使いの先輩書店員

眼鏡猫
ホラー
書店でアルバイトをする女子高生、如月弥生(きさらぎやよい)は大のオカルト嫌い。そんな彼女と同じ職場で働く大学生、琴乃葉紬玖(ことのはつぐむ)は自称霊感体質だそうで、弥生が発する言霊により悪いモノに覆われていると言う。一笑に付す弥生だったが、実は彼女には誰にも言えないトラウマを抱えていた。

意味がわかると怖い話

邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き 基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。 ※完結としますが、追加次第随時更新※ YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*) お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕 https://youtube.com/@yuachanRio

本当にあった怖い話

邪神 白猫
ホラー
リスナーさんや読者の方から聞いた体験談【本当にあった怖い話】を基にして書いたオムニバスになります。 完結としますが、体験談が追加され次第更新します。 LINEオプチャにて、体験談募集中✨ あなたの体験談、投稿してみませんか? 投稿された体験談は、YouTubeにて朗読させて頂く場合があります。 【邪神白猫】で検索してみてね🐱 ↓YouTubeにて、朗読中(コピペで飛んでください) https://youtube.com/@yuachanRio ※登場する施設名や人物名などは全て架空です。

処理中です...