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由梨絵(1)

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「この前の中間テストかえすぞー」
担任の一言により、クラス全員からブーイングが起こる。
でも私は平気だ。何よりクラス委員長に選ばれるほど、成績には自信がある。
「由梨絵どうだった?」
乃々花という女のひたすら高い声が聞こえる。
「いつも通り、良くも悪くもないよ」
「良くも悪くもないって、あんたはいっつも100点じゃん」
羨ましそうに言われた。だからいってしまった。
「私には勉強しか取り柄がないから」

いつも通りの冷たく冷静なしゃべり方をされた。普段なら大丈夫。まだ耐えられる。けれどいまのは正直ムッとした。
「勉強以外にもいろいろあるじゃん。スポーツとか、ルックスとか。」
「そんなことないよ」
彼女は笑いながら言った。
これもムッとする。
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