閃光浄化神聖拳~私の拳でこの世界を浄化しに行くわ!~

緑樹ユグ

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39話 「恵の夢」

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…ヴァルキュリアの城に戻った恵たち

早速9人は部隊部屋に向かい、戦果を報告。部隊長であるセントはその報告に嬉しそうにしていた

恵たちは遊撃隊とは言えどすっかり有名になった部隊のようなもの。ますます活躍をする人たちとなっている

「…ありがとう恵たち。学園都市、どうだったか?」

「うん。とてもきれいな街並みで学園もとても良かった。また行きたいと思ったわ」

恵は学園都市の街並みを思い出した。とてもきれいである都市。これならまた行きたいと思うだろう

「そうだな。行きたいのならまた行くといい。今日はもう何もない」

そう言うとセントは恵たちの目線からそらした

「あ!そうだセント。勇者のこと…何か知ってる?」

勇者?セントは答える

「勇者?ああ。あれは…10年前ぐらいのことか。お前と同じ浄化者であって、王様に挨拶したあと出てったな」

「王様は知ってるってことね?」

恵の質問に再び目線を恵に戻す

「そうだな…今いるだろうから、王様に聞いてみるか」

「そうしたいわ」

恵が言うと王の間に行く



恵たちは王の間に行く。そこに王がいて王子がいる

「おお、恵ではないか。お前の活躍、聞いてるぞ」

「ありがとう王様。…ところで王様って前の浄化者、勇者のこと知らない?」

勇者。その単語ですぐに答える

「勇者か。彼は私の挨拶をしてすぐに出ていった」

「俺がまだ子供の時だな。良い男っぽかったぞ」

王様、王子と答える

「どんな服装してた?」

恵が言うと王様は思い出すように言う

「んー。鎧と着て、マントもあったな。剣と盾を持っている。良い男だからイケメンでな。本当に彼が浄化者だとはおもわなかった」

うんうんとうなずきながら王様は言った

「案外…それっぽい人だったのね。それで、どこへ行くって言った?」

「エルフの村の向こう側、秘境村を通って魔法都市へ向かうとは言ってたな。しかし10年前の話だからな」

秘境村…魔法都市…やはり向かうしかないだろう

「わかったわ。ありがとう」

「もしかして向かうのか?向かうのなら、私が手紙を書こう」

手紙?なんだろうか?

「都市内部は手紙が無いと入れないというわけではないが、王室に入るなら手紙が必要だ。それを持って行くのがいい」

なるほど。城に入るには手紙が必要か

「了解したわ」

「持って行くといい。勇者の足取りを知ってる王族がいるはずだ。その人に話しかけなさい」

王様は言った。きっとこれで勇者は一体どうしたのか、わかるはずだ

次の目的ができた。秘境村を通って魔法都市に。恵は今から楽しみにしていた



「…というわけで明日はそこへ向かうことになるわね」

9人で円になって城の前にいた。恵の言う事だ。それに従う者たちだった

「魔法都市って楽しみにしてたんですよ」

「あたしの炎も強化できるかしら?」

ロザリー、杏はワクワクしながら言う

「魔法なんて使えないからボクはどうなのかな」

リミットはつぶやくように言う

「アタイ、魔法都市はあまり行ったことないし王室にも入ったことないな」

カロフトは言う。結構厳重な場所だろうか

「私は行ったことある。そこで雷呪文の本を学んだ」

サンダースは知ってるらしい

「あの魔法都市っていうのは私も少し関係しててね。気功の魔法もそこで学んだのよ」

リリアナも知ってる

「燕家舞踏術はちょっとだけだが魔法都市と関わっている」

ウェナは知っている

「魔法都市…へっへっへ、あそこは居心地の良い都市っすよ。アタシも風の魔法をそこで学んだっす」

やはりコルスも知っている

ほとんどの人が魔法都市を知ってるらしい。なら良い。そこへ行こう

「みんな、明日もよろしくね」

そう言うと9人は帰る場所へ帰ることになった。明日も頑張ろう



カロフトの家に戻って色々と済ませた5人

すっかり夜になって5人は部屋で布団を敷いてその上にいた

学園都市のベッドも良かったがやはりこういう布団のほうが一番いいのかもしれない

次に行く秘境村と魔法都市。みんな楽しみにしていた。血漿族のこともきっとあるに違いない

「秘境村はともかく、魔法都市ってどんな感じなんだろうね」

リミットは言う。魔法都市が気になるお年頃であった

「そうねえ。学園都市のようなきれいな街並みらしいし、リミットもきっと好きになるわよ」

杏が言うとリミットは言う

「そうなんだ!ボクきれいな街並み大好き!」

リミットはまくらをぎゅっとして嬉しそうに言った

「あそこには人の魔法タイプっていう診断ができる場所があるって聞いたなあ」

カロフトが言うと恵が思った

「人の魔法タイプ…私だったら光かしら」

「私もきっと光だと思いますね」

恵、ロザリーが言う

「ボクはどうだろう?お姉ちゃんたちと一緒がいいな!」

リミットは笑顔で言う。リミットの場合だとどうなんだろうか?

「ハッハッハ。さて、そろそろ寝ようか」

「うん。みんなおやすみ」

カロフトは灯りを消して暗闇になり、5人は寝た

(…元の世界。か)

恵はあの人のクリーチャーに言われたことをなんとなく思い出していた



(…?ここは…どこ?)

恵は夢の中なのかよくわからない場所にいた

恵は制服を着ていて、バッグを持っていた。周りはコンクリートでできた建物があった

そして歩道も石だたみではなくこれもコンクリートのような道があった

あたりを見渡す。ピンク色でできた花びらが舞っている。これはなんていう樹木だろう

(え。ちょっと待って。なにここ)

恵が言っても心の中で言ってるみたいな声になっており、上手く喋れなかった

コンクリートの足元の向こう側に声が来た

(おーい、恵ー。なにぼやっとしてるんだよ)

…だれ?どうして私を知ってるの?

(今日は恵と一緒に来たんだよ。ほら、急いで)

2人の声が聞こえた。恵はそこへ行こうとしたが上手く歩けない。まるで呪文をかけられたみたいに動けなかった

(ちょ、ちょっと待って。あなたたち、一体誰なの?)

その言葉が上手く喋れなかった。というか声を出すことができなかった

(ほらー、恵!来いよ)

(恵!早く来て!)

来いと言われても上手に歩けない。ここで棒状のように突っ立ってることしかできない

(ま、待ってよ。私、歩けないわ…!)

その言葉を言うと恵の意識が飛んだ



「…はっ!」

恵は起きた。悪夢でもなんでもない、不思議な夢を見ていた

周りを見渡す。恵以外は全員寝ている。一体なんの夢だったのだろうか?

…しかしここで気づいた。何も思い出せない。さっき夢の中で人物に言われたことをちっとも思い出せない

小さい声で恵は言った

「何か…私に呼びかけをしてた…あの…男女は一体…何かしら…」

…わからない夢なら考えるだけ無駄だろう

「変な夢。まだ朝じゃないからもういっかい寝よう」

また夢を見るか心配だったが、恵はまた寝た


『恵…』

『お前の過去をさらけ出して済まなかった』

『次は魔法都市へ行け』

『お前の力は魔法をも超えるのだから…』


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