閃光浄化神聖拳~私の拳でこの世界を浄化しに行くわ!~

緑樹ユグ

文字の大きさ
上 下
25 / 44

25話 「エルフの村」

しおりを挟む
…ようやく着いた。ここ、エルフの村

村とは言えど、ちゃんとした街並みでもある。茅葺屋根とは言わないで、コンクリートで作られた家が多い

門をくぐって街の中に。馬車は止めておいて街の人含める8人は降りる

恵たち一行はエルフの街並みを見て驚く。イメージとは違う、まるで王国にいるような街並みだった

おそらく文明開化があったのだろう。きっとエルフの村とは言わずエルフの街と言っていいのだろう

「私が案内しますので、着いてきてください」

さっき助けた街の人が先頭に歩く。本当にとても良い街並みだ

街を歩くと通行人に色々と言われる。当然だ。人間が歩いているのだから

「あ。人間だ」「こんなとこに人間が来るとはなあ」「何かしでかさないかどうか」

…そんなささやかな声だ。歓迎してるのか拒絶しているのかはわからない。ただ来ても文句は無い。と言った感じだろう

「エルフの街並みってほんと静かな感じね」

「私、エルフの村にはそこまで来てないけど、思ったより悪くはないけどね」

杏、リリアナが言う。一方のサンダースはあまり良い表情をしていない

「…」

リミットはちらっとサンダースの顔を見たが、怖い顔をして少々雰囲気が悪いとは思った

「ここが、女王のいる屋敷ですよ」

女王のいる屋敷。ここがトップがいる場所か。恵たちは案内してくれた人にお礼を言う

「ありがとう」

「いえいえ。女王には失礼のないようにしてくださいね!では!」

そう言うと街の人は去っていった

7人は早速入ろうとした。門番が早速対応をする

「私恵っていうの。女王はいないかしら?」

「はい。少々お待ちください」

門番は中に入り、ちょっと経つとまたもどってきた

「どうぞ」

7人は入っていった。機嫌の悪そうなサンダースを入れて

その屋敷の中というのもきれいな屋敷だった。ステンドグラス、シャンデリア、高いものだらけだった

玄関を通り入ると早速その屋敷のメイドが案内する

「恵様。こちらでございます」

1階の場所を案内されてメイドが広いドアまで行く。サンダースの顔がますます不愉快な顔をしていた

「ささ、女王がお待ちですよ」

がちゃ…広い居間まで通された。そこは王の間。と言っていいのだろう。そこには鎮座する女王と横に人間がいた

その女王、きれいな表情をしていてきれいなドレス。きれいなロングヘアをしている

恵たちは女王の近くまで来た。女王は全く表情の変化はない

「…待ってました恵たち」

「あれ?私たちのこと、わかるの?」

そう言うと横にいるエルフが言う

「貴女たちのことはもう王国から伝わっていますわ。だから名前も全員わかります」

「えっへっへ…ようこそ…アタシは嬉しいなあ…」

女王の横にいる人間、一人はおしとやかだがもう一人はなんだか変だ

「でも…サンダース。貴女が来たとは」

女王はどこかきつい口調で言う。恵の後ろにいたサンダースは大きな声で荒らげて言う

「母上!!私は、あんたに絶対服従なんてしないからな!!なんでそんな偉そうなんだ!!」

…母上!?恵含む全員がびっくりした

「え!?アンタこの女王の娘なのかい!?」

カロフトは驚いて言う。それを聞いてるのか聞いてないのかわからないが、サンダースは更に言う

「私は…あんたがいたからここを出ていった…そして今も全く変わらない…変わらないからこそ!このエルフの村は腑抜けどもが多いんだ!!」

な…!サンダースの機嫌が悪かったのはこれが理由だったのか

「ね、ねえサンダース。あまり女王に言わないほうがいいですよ」

「そうだよー。どこが悪いのサンダースお姉ちゃん?」

女王は静かにうなずいて、横にいる人間は黙って聞いていた

「確かに娘の言う通り、変化はありません。貴女が家出した理由はわかります。でも、母として黙っていません!!」

「好きなだけ言え!!私の妹チャイニー!風の人コルス!あんたらもどうしてこんな女王の側にいるんだ!」

今度は女王の横にいる人間に質問を大きい声でぶつけてきた。妹?風の人?

「わたくしはあくまでも母上のもとにいたいからです。姉上のようなことはいたしません」

「へっへっへ…そりゃあ、女王の側にいたほうが色々とできるからさあ…アタシは辞められないんだよねえ…へへへ…」

チャイニー、コルスと呼ばれる人は質問の答えた。そう言うとサンダースは更に声を荒げる

「ふざけるな!!もう母上とはいられない!!ここへ来て悪かった!!みんな不幸になれ!!」

そう言うとサンダースはドアをバン!と言う音を出して出ていった

カロフトとリリアナは反応して出ていったサンダースを追いかけることになる

「待ちな!サンダース!」

「お、おーい待ってよー」

…残った恵たちと女王と側の人はサンダースの態度に色々と思うことがあった

女王はぽつりとサンダースのことを言う

「…サンダース。私の娘は変化の無いこのエルフの村を嫌ってました。雷の極意を身につけていたのも家出をしたかったからです」

「…というと王国の兵士になったのも、貴女が原因ってわけ?」

恵が思ったことを言う。女王は深くうなずいていた

「姉上は本当に、嫌いと言ってここを飛び出したのですわ」

「クックックッ…家出なんてしないほうが彼女的にはよかったんじゃないかねえ…」

チャイニー、コルスは言う。なるほど。だから嫌な顔してたのか

そんな重い空気になってたらメイドが急いでここへ来た

「大変です!血漿族が…血漿族が現れました!」

何!?血漿族が!どうしてここに!

「なんと!…コルス!」

「へえ、アタシの出番ですかい!?」

「貴女は恵たちと共に血漿族を倒して!」

コルスと呼ばれる人間は女王の命令に従う

「アタシに任せんさい!」

「コルスって言うのね。よろしくね」

コルスは恵の側まで行く

「へえ、恵さん!アタシは風の力で血漿族をズタズタにしてみます。楽しみにしてくだせえ!」



サンダースはエルフの村の郊外にいた

あんな悪女の女王なんて…!どうして私はあんなのと一緒にいたんだ…!深い心の底で憎しみの気持ちになっていた

そう思っているとカロフトが来る

「おーい!サンダース!」

「…カロフトか」

後ろを向いてカロフトを見る。カロフトはサンダースがあまりにも憎悪な顔をしているのを見かけた

「どうして、自分の母である女王をあんなふうに?」

「私は嫌だったんだ。あの母といたことを。だから家出もした。私のことをほっといてくれ」

サンダースは相変わらず嫌な声をした。カロフトが言った

「アタイは!母と父なんかいなかった!だから大切な気持ちもあったし尊敬の念もあった!けどアンタはただ嫌がってるだけじゃないか!」

「…」

サンダースはカロフトを見ながら黙っていた

「後で聞いたけどリミットだって父と母はいなかったらしいよ。でも母がいるだけでも十分に嬉しいじゃないか。
昔からよく言うだろ?裏切らないのは家族だけだって。家族を捨てて、どうするつもりなんだい?アンタは一方的だろ?」

「…」

サンダースはカロフトの言うことを黙って聞いている

「おーい…。ゼエゼエ、大砲持って走ると重量トレーニングみたいで嫌ねえ…」

のんびりとした口調でリリアナは来た

「リリアナ。遅いよ」

「えー。だって大砲持って走ると遅くなるわよー」

リリアナは着いて言われたことを言う

「カロフト。サンダース。血漿族が来たみたいだよ。これから退治しましょう」

「何!よし行こう!…サンダース!」

「…」

名前を呼ばれて横を向いたサンダース。リリアナは言う

「サンダース。色々あると思うけど…今は私たちの大敵、血漿族を倒そう。ね?行こう?」

「…わかった」

3人は血漿族の出た場所へと恵たちと合流する


サンダース、女王

仲直りすることができるだろうか?


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

[完結長編連載]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜

コマメコノカ・更新報告はTwitter等
恋愛
 王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。 そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...