閃光浄化神聖拳~私の拳でこの世界を浄化しに行くわ!~

緑樹ユグ

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19話 「VS人の形のクリーチャー」

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…かぁーかぁー

カラスの鳴き声がする。思えばもう夕方だった。夕方の眩しい光を恵たちは浴びる

今日は植物園の浄化をして、新しい仲間に出会えて、色々とあった。しかし仲間ができたことは大きいことだろう

城で報告をして、恵たちは帰っていく。ついでにサンダースも付いている。雷呪文のエリートだ

恵たちは今日も繁華街を歩いている。人助けをした日はとても気持ちいいものだ

「サンダース、今日はありがとう。とても助かってしまったわ」

恵はサンダースの方向に向いて言う

「そんなことないさ。私はあくまでも君たちに付いて行きたかっただけ。助かったなんてとんでもない」

どこか謙虚だ。しかし恵はもしかしてこの人も選ばれし者ではないかと思った。神はそう思ってるに違いな―――

『恵…』

『彼女は運命を共にする一人…』

『遠慮なく力を分け与えるといい…』

…やっぱり聞こえた。神の声。やはりサンダースもそうであったか

恵は一旦歩くのをやめて止まった。恵以外も恵が止まったので止まる

「うん?どうした恵?」

カロフトが言うと恵はすっとサンダースの手を取って言う

「なんだい?」

「貴女に…神聖の力をあげるわ」

その動作は一瞬だった。サンダースは恵の手からどこかぞぞぞっとした悪寒みたいな流れを感じた

「…これは一体?」

「これで貴女は神聖の力を手にした。血漿族にもっとダメージが与えられる。これはお礼なのよ」

恵が簡単に説明すると手を離す。サンダースはあまり表情を変えない顔でニコッとした

「そうなのか。私からもありがとう。これで血漿族を更に倒せる。私たちは…これから一緒にいたほうがいいな」

サンダースは恵の目を見て言う

「お姉ちゃんから神聖の力もらうと、もっと強くなるよ!」

「アタイもそうだ。矢の強さが異常に強くなったんだ」

リミット、カロフトが言う。そうか。かなり強くなるのか。雷呪文もきっと、強くなるのだろう

6人は笑顔になって道の真ん中にいた

…「助けてくださーい!!」

はっ!今叫び声が!叫び声が聞こえた方向に目をやると女性がこちらに向かってきた

6人の前に止まり、ゼエゼエする

「どうしたの!?」

「城の遊撃隊ですよね!?実は別の村からここへ来たのですが、道中人の形をしたクリーチャーが襲ってきて…!食材を取られました!」

クリーチャー。間違い無い。血漿族だ。恵はそれを聞くと5人全員に言う

「みんな。サービス残業する!?」

恵は冗談のように言う。しかし、5人は真面目な顔をしてうなずいていた

「わかったわ。貴女、ぜひとも取られた場所に連れて行って!」

「は、はい!」

そう言うと6人は付いていった



門を出てちょっと歩いていたら草原に近い場所に襲われたものがあった

「あ!ああ!」

リヤカーに乗せた、おそらく食材だろう。その周りに人の形をしたクリーチャーがいた。これはゾンビだろう

前に恵は建物の浄化をするときに現れた人のクリーチャーがいたが、それに近いと思う

「私の…!特性のお肉が…!」

「わかったわ貴女。取り返すから、安心なさい」

6人は戦闘態勢に入る。そしてそのリヤカーまで近寄っていく。近寄るとゾンビ?たちも反応する

「あんたたち!美味しいお肉を何するの!食べ物の恨みは怖いわよ!」

恵が言うと、ゾンビたちは襲ってきた

「があああああ!!」

そのスピードは早かった。しかし反応の早い人物がいた。ロザリーであった。彼女は光を一瞬ゾンビに浴びさせた

「はあ!」

「ぐ、ぐがああ…」

スピードの早いゾンビは止まった。今が攻撃のチャンス!

「うりゃああ!」

恵は1体、ゾンビをハイキックでぶっぱなす。一瞬の攻撃でゾンビは浄化した

「キモイのよ!燃えろ!」

杏は炎をぶっぱなしてある程度のゾンビを燃やした

「クリーチャーなんてどっかいっちゃえ!」

リミットは強撃でゾンビをボコる。その力でゾンビはすぐに消し飛ぶ

「…ふん!」

カロフトは矢を放ち、ゾンビの急所であろう頭を1体2体とクリティカルヒットをする。あえなく沈む

「曇りが無くても私の力…見せてあげる!」

手から雷を放ったサンダース。神聖の力のおかげでその力は強力となり、ゾンビは吹っ飛んで浄化される

しばらく5人はゾンビを倒し、あっという間に片付ける。もう大丈夫だろう。戦闘態勢を止めた

「ふう!みんなご苦労だったわ。これで食材も安心―――」

それは一瞬に近いことだった。フードを被った人が恵に襲いかかるのを。恵は瞬時に反応して避ける

「なっ!」

フードを被った人はゆっくりと立ち上がり、威圧する。恵は思い出した。先々でフードを被った人がいたことを…

「…あんた。もしかして行く先々でいたわよね?」

「…」

何も答えない。言葉を発せないのか?それとも無口なのか?

「あんた。クリーチャーでしょ?多少なりの知能のあるクリーチャーなのでしょ?」

「…!」

そのクリーチャーは腕からニョキニョキと枝みたいなものを出す。これで攻撃するのだろう。恵は戦闘態勢に入る

クリーチャーは枝を恵に向けて襲いかかる。恵のほうが早かった。瞬時に避けて手刀で枝を斬った

「あら。利き腕だったかしら?残念ね」

しかしそのクリーチャーは決して何も言わずにいた。そして斬られた腕からまた枝が復活したのであった

「な…やるわね」

なら波動弾の構えをして波動を撃つことにした

「はあ!」

波動がクリーチャーに当たる!…とおもったらクリーチャーは避けた。あの恵の波動弾を避けたのだから仰天した

「…やるじゃない」

クリーチャーは再び腕を伸ばして恵に襲う。恵は避けてなんとか距離を縮めようとする

しかしクリーチャーの腕の素早さがあるのか。なかなか本体まで近寄れなかった。腕を手刀で斬ろうとしてもすぐに復活してしまう

これを見てた5人はすぐに助けようとする

「はあ!」

ロザリーは光を放ったが決して怯えることは無かった

「炎をぶっぱなすわ!」

杏は炎を!しかしクリーチャーは瞬時に避けていた

「ど、どうすればいいの!お姉ちゃん!」

「アタイに任せな!」

カロフトが矢をはなとうとした!横にいたサンダースは言う

「カロフト。私の雷と合わせてあいつにぶつけよう」

「わかった!」

カロフトは集中した。一瞬のすきを狙って撃つのを

ちょうど恵が手刀でクリーチャーの腕を両方斬った。今だ!カロフトは矢を放つ!

そしてサンダースは矢に雷の力を与えてクリーチャーに放った!

しゅごおおおおお!ばーん!

クリーチャーは思っきり当たったのかかなりよろめき、少しだけ行動不能になる

「今だよ!お姉ちゃん!」

リミットの合図で恵はクリーチャーに向けて突進。右手の拳でクリーチャーをぶん殴る!

ぼこおおおん!!

クリーチャーは吹っ飛ぶ。そしてばたんと倒れた。この勝利、チームワークの力で勝った

「やった!…あ!」

クリーチャーはまた瞬時に立ち上がると今度は黒い霧を発生させていた

「うわ!なにこれ…!ゲホゲホ…!」

黒い霧が晴れるとクリーチャーの姿はいなくなった。そこにあったのは夜に近い夕方の存在だった

この戦闘もまるで一瞬のような気がした。私たちは勝ったのか?しかし勝ったことには変わりない

「一体…どういうやつだったのかしら…」

「お姉ちゃん怪我してない!?」

リミットが駆け寄って近寄った。恵はリミットにほうに向き、笑顔で言う

「うん大丈夫よ。でも…どこに逃げたのかしら」

6人はもう一度あたりを見渡す。あのクリーチャーはいない。まるで夢だったみたいに何も無かった

「よくわからないけど…一応、終わったことだし食材をさっきの人に返そう」

「そうですね」

リヤカーの場所まで戻る。するとその食材というのが…

「わあ、美味しそうなお肉だよ!」

「美味しそうな肉だったのか!しかも焼肉の肉だよ!」

たくさんの肉があった。これは美味しそうである。しかし恵は思った

(あのクリーチャー…いずれまた会うかもしれないわ…)


人の形をしたクリーチャー

いずれまた会うだろうか?


続く


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