黒物語

深海泰志

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イツメ様

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「ねぇねぇ"イツメ様"って知ってる?」

「何それ?コックリさん的な?」

「そうそう!おまじないというかー占ってもらうの・・・誰が死ぬかを」




    まだ小学生だった私は『誰かが死ぬのを』占うというのは自分が当たったらどうしようという思いもあり手を出す事が出来なかった。


    イツメ様のやり方は簡単で5時55分に5人で一枚の紙を囲み紙の上に順番づつ合計5つの目を描きこう言う

「イツメ様イツメ様この5人の中で誰が天に召されるでしょうか イツメ様教えて下さい」

と言うと次死ぬであろう人の前の紙に描いてある目が閉じるというものであった。

    にわかに信じにくい占いではあるが隣町の小学生が実践して本当に目が閉じた!という噂がまたたく間に広がり、イツメ様を見たという者まで現れらた。

「その学校行ったら放課後誰もいない校庭に赤い服の女の子が立ってたの」

「頭が割れた赤い服の女の子が校舎を歩いてた!」

と・・・赤い服という事から次第に花子さんと混ざって噂話は意味の分からない方向に進みつつあったが、その噂話もピタリと止んだ。

イツメ様で占った人が交通事故で死んだらしかった。

事故現場にいた人はこう言った

「服は血で赤くなってて頭は割れてた」

   皆が怖くて噂をしなくなってからしばらくかした時放課後廊下を歩いていると


「イツメ様イツメ様教えて下さい」


と教室から聞こえて来て覗いて見るとイツメ様をやっていた。

そして私はとあるものを見て一目散に逃げた・・・それは、赤い服の頭が割れた女の子が楽しげに死ぬであろう人を指指しこう言っていたのが聞こえた



「次はこの人連れていく」



私はこうも思った交通事故で死んだ人・・・イツメ様をやらなかったら死ななかったんじゃないかと。
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