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 そのためにはレナちゃんの財布につけた鈴に憑りついている付喪神のもっちゃんの力も借りないといけないし、もし、本当に戦わなくちゃいけない時、レナちゃんとルキがいてくれたら心強いのは魅力的だ。
 そのために、レナちゃんと恋人になるになるのは、たとえパキネが傷つこうとも飲むべき条件だと思った。
 クローゼットを開けて、黒のスキニーパンツと、灰色の地の厚い半袖と薄手の灰色のカーディガンを出した。
「これでいくん?」
「うん」
「ちょっと地味な気がするんよ。せっかくの初デートなのにさ、灰色のシャツにカーディガンなんてお洒落だとは思えんよ?」
「いいじゃん灰色。お前とペアルックみたいで」
 パキネは不思議そうな顔をしたあとすぐに顔を赤くした。
「や、疫病神のコスプレなんてしなくていいんよ?」
「いいんだよ。俺ピンクのパンツ持ってないし」
「ピン……クって!いつ見たん!?なんであたしのパンツの色知ってるんよ!」
 僕はケラケラ笑いながらベッドに潜った。
 明日、人生初めて恋人とデートをする。でも、その恋人にはまだ心を奪われていない。
「ねぇ!いつ見たん?あたしが寝てるときにスカートめくったん?」
「違うよ。事故。事故だよ」
 手に持っていたスマホが小さく震えた。通知を見るとレナちゃんからだった。
『明日、とりあえずこのカフェに十二時に集合でもいいかしら?』
 URLが貼り付けてあったので、タップすると、意外にもステーキ丼が売りのカフェだった。カフェと言ったらパスタかパンケーキだと思い込んでいたけど、甘党じゃない僕には嬉しい提案だった。
 ありがとう。のスタンプを送り『了解』とメッセージを送った。
 パキネは一生懸命僕を起こそうと、掛け布団ごと揺さぶってきたけど、僕は寝たふりを突き通した。事故とはいえ女の子のパンツを見たら罪は重い。
 けど、パキネをからかうなんて滅多にないから、僕はベッドの中でニヤニヤしてしまった。
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